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第674話
カナタは最大まで展開したエネルギーブレードを横薙ぎに振るう。
巨大なエネルギーの刃はカンチャーナが追加でばら撒いていた独鈷を消し飛ばしながら本体を両断しようと迫るが彼女は危なげなく回避。 カナタは即座に大剣を分割、二刀に切り替えて斬り込む。
カンチャーナは下がりながら幻惑しようとするがカナタは構わずに柄で連結して両剣に切り替えて追撃。
応じるように独鈷を振るうがカナタは正面からぶつけに行く。
両剣の刃に接触した独鈷は粉々に砕け散り、弾かれたようにカンチャーナの機体が大きく仰け反った。
そのまま畳みかけようとしたが、不意にカナタの動きが止まる。
幻惑されたのだろう。 反撃とばかりにカンチャーナが仕掛けようとしたが、ベリアルがエーテル弾をばら撒いて強引に追い払うと正気に戻ったのか動きが戻る。
ユウヤからすれば非常に不本意かつ不愉快な展開だった。
カナタの介入で多少は状況が改善したが、ユウヤからすれば彼女の存在は精神的に大きな負荷をかける事もあって可能な限り視界に入れたくなかったのだ。
「……何の真似だクソ女」
余計な事をするんじゃねぇと頭ごなしに怒鳴りつけてやりたかったが、カンチャーナへの警戒も解けない事もあってこんな対応になってしまった。
カナタはユウヤの方へと小さく振り返ると――
「ふ、ふん! か、勘違いしないでよね! べ、別にアンタの事を助けた訳じゃないんだからね!」
――そんな事を言い出した。
?????????????????????????
それを聞いた瞬間、ユウヤの思考が完全に停止した。
意味が分からない。 このクソ女は何を血迷いだしたのだろうか?
ナチュラルな発言ではなく用意したセリフである事は照れが混ざった口調からも明らかだ。
流石のベリアルも意外だったのかやや訝しむように小さく首を傾げる。
「光の騎士よ。 何があった? 俺には貴様が統合を失っているように見えるが?」
暗に頭大丈夫かと尋ねられ、カナタは照れと怒りが混ざったような奇妙な声を上げる。
「う、うう、うるさい! こっちにも事情があるのよ!」
「そうか」
ベリアルはちらりとユウヤの方へと視線を向ける。
ユウヤとでは会話にならないと判断したらしく、自分が率先して話を聞かなければならいと思ったようだ。
「それで? どういうつもりでここに現れた? ここは俺と煉獄の化身の舞台、そして奴は俺達の獲物だ」
カンチャーナが独鈷を振り回しながら突っ込んで来るのをベリアルは転移で躱すと距離を取りながらエーテル弾を連射。 ユウヤも話が纏まってからでないとどうにもならないと判断し、散弾砲を撃ち込んで幻惑の影響範囲外へと機体を下げる。
「あの機体の能力は厄介だから早めに処理したいだけ。 横槍が嫌ならさっさと仕留めなさい。 アンタ達がモタモタしているから仕方なく、仕方なーく私が来てあげたのよ!」
「目障りだ。 失せろ」
思考よりも速くカナタに対する拒絶反応が言語となってユウヤの口から飛び出した。
「んなっ!? 折角、来てあげた――ンン、ゴホン。 か、勘違いしないでよね! 私はただ、あの敵を倒したいだけなんだからね! アンタを助けに来た訳じゃないんだからね!」
誰かに入れ知恵されたのか出来損ないのツンデレ女みたいな口調で喋っているのは一体、何なんだ?
カナタはユウヤの反応を探るようにチラチラと視線をやる。
――キモ。
自分でも驚くほどに素直な感想が飛び出した。 ユウヤにはカナタが直視できない汚物に見えるのだ。
生理的に受け付けない相手はどんな装飾を施そうとも無理なんだという当たり前の事実を再確認した。
かといって纏めて処理するのはこの状況では難しい。
本音を言えば先に始末してやりたいが、このサーバー対抗戦で一応は友軍のカナタを仕留めるのは不味い。
ユウヤがカナタに対してできる事は多くなかった。 いや、もう決まっているような物だ。
――無視するしかない。
「厨二野郎。 行くぞ」
「いいだろう」
ユウヤはカナタをいない物として扱い、カンチャーナへと向かって行った。
――失敗。
カナタの脳裏にその二文字が刻まれる。 前回のイベントの後、カナタは考えた。
敗北した事は許容はし辛かったが、何とか受け入れた。
ヨシナリは機会があれば必ず八つ裂きにしてやると心に誓いつつもマルメルの言葉を思い出す。
彼はヨシナリに相談しろといった。 マルメルの助言は正しい。
業腹ではあるが、ヨシナリはユウヤを取り込む事に成功している以上、彼のスタンスが有効である事は事実だ。
悔しいが認めなければならない。
自分がある程度、ユウヤに合わせてやり方を変えなければならない事を。
基本的にカナタは効率と合理を重んじる。
無駄を省き、最短、最適なルートを導き出せば大抵の事には答えが導き出せるはずだ。
だから考えなければならない。 自分にとっては非合理でもユウヤにとっては合理的な手段を。
敵を知り己を知れば百戦危うからず。
ユウヤの警戒を解く為にユウヤの事をより深く知る必要がある。
これまでもそう心がけて来たつもりではあったが、結果が伴わない以上は過程から見直さなければならない。 まずは可能な限り心証を良くしなければならなかった。
何で私がユウヤのご機嫌取りなんて真似をしなければならないのかと若干の不満はあったが、ここは自分が大人になって折れる所だ。 それにこのまま何もしなければ悪化はしても改善はしない。
まずは警戒を解く所から始めるべくユウヤのピンチに颯爽と助けに入ったのだが、どうにも思った以上の反応を得られなかった。
こう、負けるかもしれないという不安の中、助けに入ったカナタに対して吊り橋効果的な何かを狙ったのだが効果が今一つ。 だが、今回は失敗した時の為に二の矢を用意していた。
それがあの喋り方だ。 センドウ、ツェツィーリエに聞き取り調査を行い、可能な限り下手に出るべきという結論に至り、ツガル、イワモト、フカヤに男性の好みを聞き出した結果がこれだった。
ツガルはまず自分が幼馴染である前に異性である事を意識させるべきと主張し、フカヤはカナタの普段の喋り方は場合によっては威圧的に聞こえるかもしれないとの事でなるべく柔らかく、そしてギャップを狙って相手に自分を意識させるのだ。
最後に完成した喋り方を見てイワモトはこれは大丈夫なのだろうかと首を傾げた。
巨大なエネルギーの刃はカンチャーナが追加でばら撒いていた独鈷を消し飛ばしながら本体を両断しようと迫るが彼女は危なげなく回避。 カナタは即座に大剣を分割、二刀に切り替えて斬り込む。
カンチャーナは下がりながら幻惑しようとするがカナタは構わずに柄で連結して両剣に切り替えて追撃。
応じるように独鈷を振るうがカナタは正面からぶつけに行く。
両剣の刃に接触した独鈷は粉々に砕け散り、弾かれたようにカンチャーナの機体が大きく仰け反った。
そのまま畳みかけようとしたが、不意にカナタの動きが止まる。
幻惑されたのだろう。 反撃とばかりにカンチャーナが仕掛けようとしたが、ベリアルがエーテル弾をばら撒いて強引に追い払うと正気に戻ったのか動きが戻る。
ユウヤからすれば非常に不本意かつ不愉快な展開だった。
カナタの介入で多少は状況が改善したが、ユウヤからすれば彼女の存在は精神的に大きな負荷をかける事もあって可能な限り視界に入れたくなかったのだ。
「……何の真似だクソ女」
余計な事をするんじゃねぇと頭ごなしに怒鳴りつけてやりたかったが、カンチャーナへの警戒も解けない事もあってこんな対応になってしまった。
カナタはユウヤの方へと小さく振り返ると――
「ふ、ふん! か、勘違いしないでよね! べ、別にアンタの事を助けた訳じゃないんだからね!」
――そんな事を言い出した。
?????????????????????????
それを聞いた瞬間、ユウヤの思考が完全に停止した。
意味が分からない。 このクソ女は何を血迷いだしたのだろうか?
ナチュラルな発言ではなく用意したセリフである事は照れが混ざった口調からも明らかだ。
流石のベリアルも意外だったのかやや訝しむように小さく首を傾げる。
「光の騎士よ。 何があった? 俺には貴様が統合を失っているように見えるが?」
暗に頭大丈夫かと尋ねられ、カナタは照れと怒りが混ざったような奇妙な声を上げる。
「う、うう、うるさい! こっちにも事情があるのよ!」
「そうか」
ベリアルはちらりとユウヤの方へと視線を向ける。
ユウヤとでは会話にならないと判断したらしく、自分が率先して話を聞かなければならいと思ったようだ。
「それで? どういうつもりでここに現れた? ここは俺と煉獄の化身の舞台、そして奴は俺達の獲物だ」
カンチャーナが独鈷を振り回しながら突っ込んで来るのをベリアルは転移で躱すと距離を取りながらエーテル弾を連射。 ユウヤも話が纏まってからでないとどうにもならないと判断し、散弾砲を撃ち込んで幻惑の影響範囲外へと機体を下げる。
「あの機体の能力は厄介だから早めに処理したいだけ。 横槍が嫌ならさっさと仕留めなさい。 アンタ達がモタモタしているから仕方なく、仕方なーく私が来てあげたのよ!」
「目障りだ。 失せろ」
思考よりも速くカナタに対する拒絶反応が言語となってユウヤの口から飛び出した。
「んなっ!? 折角、来てあげた――ンン、ゴホン。 か、勘違いしないでよね! 私はただ、あの敵を倒したいだけなんだからね! アンタを助けに来た訳じゃないんだからね!」
誰かに入れ知恵されたのか出来損ないのツンデレ女みたいな口調で喋っているのは一体、何なんだ?
カナタはユウヤの反応を探るようにチラチラと視線をやる。
――キモ。
自分でも驚くほどに素直な感想が飛び出した。 ユウヤにはカナタが直視できない汚物に見えるのだ。
生理的に受け付けない相手はどんな装飾を施そうとも無理なんだという当たり前の事実を再確認した。
かといって纏めて処理するのはこの状況では難しい。
本音を言えば先に始末してやりたいが、このサーバー対抗戦で一応は友軍のカナタを仕留めるのは不味い。
ユウヤがカナタに対してできる事は多くなかった。 いや、もう決まっているような物だ。
――無視するしかない。
「厨二野郎。 行くぞ」
「いいだろう」
ユウヤはカナタをいない物として扱い、カンチャーナへと向かって行った。
――失敗。
カナタの脳裏にその二文字が刻まれる。 前回のイベントの後、カナタは考えた。
敗北した事は許容はし辛かったが、何とか受け入れた。
ヨシナリは機会があれば必ず八つ裂きにしてやると心に誓いつつもマルメルの言葉を思い出す。
彼はヨシナリに相談しろといった。 マルメルの助言は正しい。
業腹ではあるが、ヨシナリはユウヤを取り込む事に成功している以上、彼のスタンスが有効である事は事実だ。
悔しいが認めなければならない。
自分がある程度、ユウヤに合わせてやり方を変えなければならない事を。
基本的にカナタは効率と合理を重んじる。
無駄を省き、最短、最適なルートを導き出せば大抵の事には答えが導き出せるはずだ。
だから考えなければならない。 自分にとっては非合理でもユウヤにとっては合理的な手段を。
敵を知り己を知れば百戦危うからず。
ユウヤの警戒を解く為にユウヤの事をより深く知る必要がある。
これまでもそう心がけて来たつもりではあったが、結果が伴わない以上は過程から見直さなければならない。 まずは可能な限り心証を良くしなければならなかった。
何で私がユウヤのご機嫌取りなんて真似をしなければならないのかと若干の不満はあったが、ここは自分が大人になって折れる所だ。 それにこのまま何もしなければ悪化はしても改善はしない。
まずは警戒を解く所から始めるべくユウヤのピンチに颯爽と助けに入ったのだが、どうにも思った以上の反応を得られなかった。
こう、負けるかもしれないという不安の中、助けに入ったカナタに対して吊り橋効果的な何かを狙ったのだが効果が今一つ。 だが、今回は失敗した時の為に二の矢を用意していた。
それがあの喋り方だ。 センドウ、ツェツィーリエに聞き取り調査を行い、可能な限り下手に出るべきという結論に至り、ツガル、イワモト、フカヤに男性の好みを聞き出した結果がこれだった。
ツガルはまず自分が幼馴染である前に異性である事を意識させるべきと主張し、フカヤはカナタの普段の喋り方は場合によっては威圧的に聞こえるかもしれないとの事でなるべく柔らかく、そしてギャップを狙って相手に自分を意識させるのだ。
最後に完成した喋り方を見てイワモトはこれは大丈夫なのだろうかと首を傾げた。
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