Intrusion Countermeasure:protective wall

kawa.kei

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第697話

 『今の所、ジェネシスフレームを除けばエンジェルフレームの上位機種、アークエンジェルタイプが総合力でトップだな』『見た目そんなに変わらないから違い分かんねーんだけど?』
 『デザイン自体はそんなに変わらないけど、ちょっとデカいから見分けは付くぞ』
 『後はさっきも触れたジェネレーター出力やらの上限が違う』
 『正直、アークエンジェルは大手ユニオンから支援を受けないと選択肢に入らねーぞ』 
 『だなぁ。 価格で言うなら通常のエンジェルフレームの1.2~1.3倍ぐらいだけどジェネレーターやらの値段も高くなるから初期投資って割り切るには結構きつい』
 『で、それを活かす為に高出力の光学兵器やらが要るから更に金がかかると』
 『スタミナありゃいいってものでもないからなぁ。 大砲あっても当たらないと意味ねーし』
 『じゃあ機動性上げるとか?』『それもありだとは思うけど、エネルギーウイングって割と扱いが難しいから高出力に変えても使いこなせなきゃ地面とか壁に突っ込むだけだぞ』
 『ってか機動性に振りたいならノーマルのキマイラ+でいいだろ。 エネルギーウイングと元々付いてる足の推力偏向ノズルを上手に使ったら足も速いし旋回性能でもアークエンジェルと充分に戦える』
 『戦闘機形態での直線加速だと寧ろ上まであるからな』『使いこなせりゃな』
 『空戦機動ムズイっす』『俺もバレルロールはそこそこ上手くなったけど、インメルマンターンとかの旋回形のマニューバやるとすっげー膨らんで狙われる』『でもさ――』

 「ちょっとすとーっぷ! 連絡きたよー! 最初のメンバー候補さんいらっしゃい☆」

 『マジでこんなのに応募する奴いるんだな』『このまま雑談で終わるかと思った』
 『面白くなってきたな』『どんな物好きだよ』『失望しました。 ファン辞めます』

 「はい、では自己紹介――えっとプレイヤーネームとランクとか教えてください☆」
 「どもーっす。 プレイヤーネームは『マルコヴィッチ』ランクはDでっす」

 聞こえたのは若い男の声。

 『Dか。 ギリギリ条件満たしてるな』『知ってる奴いる?』
 『どうでもいいけど男なんだな』『知らねー』『俺も』『失望しました。 ファン辞めます』

 「はい、マルコヴィッチさんようこそ! それで、得意武器やポジション、応募動機とか教えて貰えると嬉しいな☆」
 「うっす。 得意武器は消音機付きのライフル。 ステルスしつつ狙撃がメインですけど隠密性を活かして偵察とかもできます。 応募動機はぶっちゃけ売名です!」

 『売名wwwww』『だったらここじゃなくてもっと別の所の方がよくね?』
 『ステルス重視の狙撃手かぁ。 Dまで上がってるしツミキよりは強そう』
 『そもそもツミキより雑魚なんて才能ナシのゴミか、始めたばかりの雑魚だけだろ』
 
 「あはー☆ 直球で来たなぁ。 マルコヴィッチさんはどんな感じで売って行くつもりなんですか?」
 「はい! 自分はユニオンをほいほい乗り換える尻軽なヴィッチなのでツミキさんの事も踏み台としか思ってません! ユニオン対抗戦で活躍したいんですけど大手ではスタメンに選ばれないので確実に参加できる弱小を探してここに辿り着きました! ゆくゆくは『思金神』みたいな大規模ユニオンの目に留まって幹部待遇で迎え入れて貰えるようにアピールしていくつもりです! ぶっちゃけ優勝できるとは思ってませんが全力で頑張ります!!」

 『草』『草』『清々しいまでに正直で大草原』『くっそ失礼な奴で笑う』
 『ツミキの図々しさが吹っ飛ぶレベルのクズで笑っちまったよ』
 『他力本願のツミキにはお似合いじゃね??』『まぁ、Dだし予選突破ぐらいは行けるかも』
 『優勝できるとは思ってませんwwwwww』『ツミキより現実見てて草』

 「あ、あはは、マルコヴィッチさんありがとー☆ 採用するかは検討するね!」
 「はい! よろしくお願いします! 自分、介護プレイも得意なんで!」

 効果音と共に通話が切断される。

 『草』『草、言われてんぞ』『暗に足手纏いなの考慮してますって言われてて草』
 『問題はどの程度やる気があるかだな』『売名したいとか言ってたしそこはマジでやるんじゃね?』
 『そこそこ戦えますアピールしとかないと大手は取ってくれないだろうしな』
 『姫とかじゃなくて敢えて介護って言ってる辺り舐め腐ってて笑う』
 『ってか「思金神」って入るのそんなにしんどいのか?』
 『いや、俺入ってるけど加入の審査はかなり緩いよ。 ただ、ユニオン内部でヒラと上位メンバーでは天と地ほどに待遇に差があるけどな。 ちなみにヒラより一個上の十軍メンバーに入るだけでも割としんどい』『ちなお前は?』『ヒラだよ言わせんな。 定期的にちょっと小遣い(G)が貰えるだけだよ(涙)』
 『なんかごめんな?』『ええんやで』『世知辛くて草』
 『そんな理由でさっきの奴はいちいち上がるのがめんどいから使えますアピールしてその過程をすっ飛ばそうとしてるんだろ』
 『マジな話、五軍ぐらいまでだったらそこそこの腕があれば行けるけど四以上はマジできついぞ。 最低でも個人ランクBで安定して勝てるぐらいの腕ないと話にならないし、三はランカーとその予備軍しかいない』『補足するとそこまでいかなくても指揮とか突出した個人技があったら入れるみたい。 後はコネ』『コネで草』『は? コネ加入とかマジであんのか?』
 『ニ軍以上の上位メンバーかリーダーのタカミムスビが直接推薦したらいきなり三軍とかあるらしいぞ』
 『あ、それ俺も聞いた事ある。 特にタカミムスビだったら好きな所に入れる権限があるから気に入られたら地位は安泰だってさ』『そんな漫画みてーな展開あんのか? 実力者に気に入れらて~みたいな』
 『いいなぁ。 三軍以上だとジェネシスフレームの面倒まで見てくれるんだろ?』
 『さっきも誰かが言ってたけど、機体の所有権取られるから奴隷になるぞ』
 
 「あ、あはー☆ 個性的な人だったね~。 ――あ、次の連絡きた!」

 『早』『もうかよ』『冷やかしじゃね?』
 
 接続を示す電子音。

 「はい、では自己紹介をお願いしまっす!」 
 「ぶひ。 お、オーハラダ、ランクはAだよツミキたん」

 『おっふ』『喋り方の時点でヤバい臭いがぷんぷんする』
 『濃いの来たなぁ』『でもランカー様じゃん良かったな』
 
 「おー! ランカーさんですか!? ありがとうございます!」
 「そうだよツミキたん。 ところでメンバーになったらオフパコできるって本当?」

 ひゅっと息を呑む音。

 『草』『草』『ド直球で大草原』『キモ過ぎて笑う』
 『セクハラ通り越して犯罪だろww』『流石のツミキもドン引きしてるぞ』

 ――賽河原 ツミキのメンバー集めの結果はどうなるのか……。
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