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第725話
次に視界に入ったのはふわわの機体。
強化装甲『ハクサンゴンゲン』に関しては聞いていたが、あちこちに見覚えのないパーツが付いている。
特に背面の変化が大きい。 元々バックパックの類を背負わない事ですっきりした印象だったのだが、少し背中が膨らんでいた。
背負っているというほどにボリュームはなかったが、それを見てヨシナリは恐怖を覚えた。
何故なら人体で例えるなら背骨に沿う形で柄のような物が連なる形で刺さっていたからだ。
合計八本。 用途は考えるまでもない。
最近は両肩の鞘から柄を飛ばすという恐ろしい使い方を閃いた為、予備が欲しくなったからだろう。
野太刀も背中の柄も形状的に何か仕込んでいるのは明らかだ。
恐らくは柄頭からブレードか何かが飛び出す仕込みでもしているのかもしれない。
強化装甲にスラスターが増設されており、機動性の強化も行われている。
最後に頭部なのだが、鬼のような意匠の兜だったのだが、角が増えて更に禍々しくなっていた。
捻じれたデザインから角だけ切り取れば悪魔のようだ。 ついでに顎も突き出ており、口がしっかりとあった。 何だか開きそうな感じがして非常に怪しい。
――怖い。
真っ先に出た感想がそれで、無意識に識別が味方である事を確認してしまった。
グロウモスは目立った変化はなかったが、本格的に観測、反射用のドローンを使うつもりらしく開始と同時に飛ばせるように準備をしている。 見た目の変化は少ないが中身は弄っているようだ。
そしてホーコートなのだが――何だこれは?
最初見た時は何かの見間違いかと思ったぐらいだ。
変わっているなんてものではなかった。 何故ならフレームが違うからだ。
カラーリングは銀と黒のツートン。 特徴的なデザインは見間違いようがない。
リベリオンフレームだった。
「どうですか!? この間、運営から当選メールが来て貰ったんですよ!」
非常によく似ているが別物らしくオビディエンスフレームという今後実装予定の新フレームらしい。
テスト用に一部のプレイヤーに抽選で配っているとの事。
恐らく仕様上はリベリオンフレームと同等のエンジェルフレームの下位互換と言った所だろう。
だが、装備がかなり凄まじい事になっている。
背面――肩の裏には大型のエネルギーウイング内蔵ブースターが左右二つの合計四機。
腰部には収納されているが使用時には展開される滑腔砲が左右で二門。
脇には機関拳銃が二挺。
肘と手の間が膨らんでいる点から何かしらの武装が格納されているのだろう。
恐らくは拳銃がナイフか。
腰裏には主兵装となる大型の突撃銃――ではなく、ライフル弾を使うバトルライフルだろう。
接近された際を想定しているのか銃剣まで付いている。 両足、脇腹に補助推進装置のスラスター。
ヨシナリの雑感としては機動力と火力を両立させた中衛機と言った所か。
既存機以上、エンジェルフレーム未満と言った所か。
カタログスペックで言うのならエンジェルフレーム以下としては最高峰だろう。
問題はそれをホーコートの技量で扱えるかだ。
本人には申し訳ないがヨシナリとしては難しいを通り越して無理だと思っていた。
ただ、妙に自信満々な所が非常に怪しかった。 まさかとは思うが――
――いや、こればかりは本人の問題か。
言うべき事は既に伝えている。 それをどう受け止めるかは本人次第だ。
次にシニフィエ。
プラスフレームになったのは知っていたが、ふわわと違って軽量化を意識しているようだ。
前に見た時よりもすっきりしている。
何故かと首を捻ると理由は直ぐに分かった。 装甲をかなり削ぎ落しているからだ。
膝にはパイルバンカー。 肘には皿のような物が付いているが、あれはショップで見た事がある。
確か肘打ちに使用してインパクトの瞬間に相手に衝撃と電流を叩きこんで内部破壊しつつスタンを喰らわせる凶悪な代物だ。
ただ、肘を狙って当てるのは割とリスキーなので採用している物はあまりいない。
――肘を覆っている関係で微妙に可動域が制限される上、割と燃費がよろしくない。
アイドリング状態にしていると出力が喰われる事もあって使う直前に起動するのがベストなのだが、そこまでやるぐらいなら普通に殴った方がいいだろう。
拳にはナックルガード、足にはレガースと打撃に偏らせたのはその方向で行くと決めたからだろう。
携行武装は腰裏に柄が四本ほどマウントされている所を見ると姉に倣って液体金属刃を使うようだ。
後は太腿と上腕に格納ボックス。 形状からクナイか手裏剣の類だろう。
残りのランカー達は見た目こそ大きな変化はないが、ベリアルは強化した事を匂わせている点からも何かしらのアップグレードをしているはずだった。
アイロニーは不明だが、ユウヤ、ケイロンも前と同じではないだろう。
メンバーの機体を眺めているとカウントがゼロになり、イベント戦が開始される。
真っ先に動いたのはグロウモスとアイロニーだ。
グロウモスは上空に、アイロニーは周囲にドローンを展開する。
「よし、ここは全方から狙われる可能性があるので前回と同様にフィールドの端へ移動します。 では、ケイロンさん。 トップを任せても?」
「いいだろう」
ケイロンが先頭を進み、それに続いてユウヤが右、マルメルが左をカバーできる位置に。
アイロニーはその後ろ。 彼女の後ろを守る形で左右にふわわとシニフィエ。
少し下がってヨシナリとホーコート。 最後尾はグロウモスとアルフレッドにベリアルだ。
どうやら殿を買って出てくれるらしい。
『なぁ、ヨシナリ』
プライベート通信でマルメルが囁きかけて来る。
他には聞こえないのだが、内緒話をしている自覚の所為か小声だ。
「どうした?」
『どうやってケイロンに言う事を聞かせたんだ?』
――あぁ、その事か。
ケイロンについてはマルメルから聞いていた事もあって人物像もある程度掴めていた。
見た目からも分かるように騎士道という独自のロジックで行動するタイプだ。
一対一に拘るのもその辺りに起因しているのも分かっていた。
つまりそこを刺激してやれば協力を仰ぐ事は難しくない。
「そう言えば顔合わせの時、いなかったな」
『悪いな。 ちょっと特訓がいい所だったんだよ』
「そこは問題ない。 寧ろよく連れて来てくれたと思ってるよ」
話しながらヨシナリはケイロンとの会話を思い出していた。
強化装甲『ハクサンゴンゲン』に関しては聞いていたが、あちこちに見覚えのないパーツが付いている。
特に背面の変化が大きい。 元々バックパックの類を背負わない事ですっきりした印象だったのだが、少し背中が膨らんでいた。
背負っているというほどにボリュームはなかったが、それを見てヨシナリは恐怖を覚えた。
何故なら人体で例えるなら背骨に沿う形で柄のような物が連なる形で刺さっていたからだ。
合計八本。 用途は考えるまでもない。
最近は両肩の鞘から柄を飛ばすという恐ろしい使い方を閃いた為、予備が欲しくなったからだろう。
野太刀も背中の柄も形状的に何か仕込んでいるのは明らかだ。
恐らくは柄頭からブレードか何かが飛び出す仕込みでもしているのかもしれない。
強化装甲にスラスターが増設されており、機動性の強化も行われている。
最後に頭部なのだが、鬼のような意匠の兜だったのだが、角が増えて更に禍々しくなっていた。
捻じれたデザインから角だけ切り取れば悪魔のようだ。 ついでに顎も突き出ており、口がしっかりとあった。 何だか開きそうな感じがして非常に怪しい。
――怖い。
真っ先に出た感想がそれで、無意識に識別が味方である事を確認してしまった。
グロウモスは目立った変化はなかったが、本格的に観測、反射用のドローンを使うつもりらしく開始と同時に飛ばせるように準備をしている。 見た目の変化は少ないが中身は弄っているようだ。
そしてホーコートなのだが――何だこれは?
最初見た時は何かの見間違いかと思ったぐらいだ。
変わっているなんてものではなかった。 何故ならフレームが違うからだ。
カラーリングは銀と黒のツートン。 特徴的なデザインは見間違いようがない。
リベリオンフレームだった。
「どうですか!? この間、運営から当選メールが来て貰ったんですよ!」
非常によく似ているが別物らしくオビディエンスフレームという今後実装予定の新フレームらしい。
テスト用に一部のプレイヤーに抽選で配っているとの事。
恐らく仕様上はリベリオンフレームと同等のエンジェルフレームの下位互換と言った所だろう。
だが、装備がかなり凄まじい事になっている。
背面――肩の裏には大型のエネルギーウイング内蔵ブースターが左右二つの合計四機。
腰部には収納されているが使用時には展開される滑腔砲が左右で二門。
脇には機関拳銃が二挺。
肘と手の間が膨らんでいる点から何かしらの武装が格納されているのだろう。
恐らくは拳銃がナイフか。
腰裏には主兵装となる大型の突撃銃――ではなく、ライフル弾を使うバトルライフルだろう。
接近された際を想定しているのか銃剣まで付いている。 両足、脇腹に補助推進装置のスラスター。
ヨシナリの雑感としては機動力と火力を両立させた中衛機と言った所か。
既存機以上、エンジェルフレーム未満と言った所か。
カタログスペックで言うのならエンジェルフレーム以下としては最高峰だろう。
問題はそれをホーコートの技量で扱えるかだ。
本人には申し訳ないがヨシナリとしては難しいを通り越して無理だと思っていた。
ただ、妙に自信満々な所が非常に怪しかった。 まさかとは思うが――
――いや、こればかりは本人の問題か。
言うべき事は既に伝えている。 それをどう受け止めるかは本人次第だ。
次にシニフィエ。
プラスフレームになったのは知っていたが、ふわわと違って軽量化を意識しているようだ。
前に見た時よりもすっきりしている。
何故かと首を捻ると理由は直ぐに分かった。 装甲をかなり削ぎ落しているからだ。
膝にはパイルバンカー。 肘には皿のような物が付いているが、あれはショップで見た事がある。
確か肘打ちに使用してインパクトの瞬間に相手に衝撃と電流を叩きこんで内部破壊しつつスタンを喰らわせる凶悪な代物だ。
ただ、肘を狙って当てるのは割とリスキーなので採用している物はあまりいない。
――肘を覆っている関係で微妙に可動域が制限される上、割と燃費がよろしくない。
アイドリング状態にしていると出力が喰われる事もあって使う直前に起動するのがベストなのだが、そこまでやるぐらいなら普通に殴った方がいいだろう。
拳にはナックルガード、足にはレガースと打撃に偏らせたのはその方向で行くと決めたからだろう。
携行武装は腰裏に柄が四本ほどマウントされている所を見ると姉に倣って液体金属刃を使うようだ。
後は太腿と上腕に格納ボックス。 形状からクナイか手裏剣の類だろう。
残りのランカー達は見た目こそ大きな変化はないが、ベリアルは強化した事を匂わせている点からも何かしらのアップグレードをしているはずだった。
アイロニーは不明だが、ユウヤ、ケイロンも前と同じではないだろう。
メンバーの機体を眺めているとカウントがゼロになり、イベント戦が開始される。
真っ先に動いたのはグロウモスとアイロニーだ。
グロウモスは上空に、アイロニーは周囲にドローンを展開する。
「よし、ここは全方から狙われる可能性があるので前回と同様にフィールドの端へ移動します。 では、ケイロンさん。 トップを任せても?」
「いいだろう」
ケイロンが先頭を進み、それに続いてユウヤが右、マルメルが左をカバーできる位置に。
アイロニーはその後ろ。 彼女の後ろを守る形で左右にふわわとシニフィエ。
少し下がってヨシナリとホーコート。 最後尾はグロウモスとアルフレッドにベリアルだ。
どうやら殿を買って出てくれるらしい。
『なぁ、ヨシナリ』
プライベート通信でマルメルが囁きかけて来る。
他には聞こえないのだが、内緒話をしている自覚の所為か小声だ。
「どうした?」
『どうやってケイロンに言う事を聞かせたんだ?』
――あぁ、その事か。
ケイロンについてはマルメルから聞いていた事もあって人物像もある程度掴めていた。
見た目からも分かるように騎士道という独自のロジックで行動するタイプだ。
一対一に拘るのもその辺りに起因しているのも分かっていた。
つまりそこを刺激してやれば協力を仰ぐ事は難しくない。
「そう言えば顔合わせの時、いなかったな」
『悪いな。 ちょっと特訓がいい所だったんだよ』
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