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第746話
ニャーコは最後の悪あがきとばかりに空中に逃げる。
その際にふわわがナインヘッドドラゴンを一閃。
被弾しながらも強引に突破してそのまま距離を取った。
この時点でもう敗北を悟っているようだが、諦めるつもりはないのか片腕で構える。
ふわわはもう完全に見切ったようで余裕すら感じられる動作で空中へ。
地上よりは空中の方がマシと判断したのは決して間違ってはいないが正解でもなかった。
片手で器用にラッシュを繰り出すニャーコだったが、ふわわはひらひらと紙一重で躱す。
恐ろしい事に分身込みでそれをやってのけるのだ。 ヨシナリはもう恐怖しか感じない。
あの短時間でもうニャーコの分身する拳を捉えたのだ。
「拳に沿って飛んでくるからなんとなーくわかるんよ」
「なんとなーくで躱されるニャーコさんはたまったものじゃないでしょうね」
ニャーコのラッシュを躱し続け、息切れを起こした所で一閃。
文句のつけようがない完封だった。 この先は特に見どころはないので映像を切り替える。
次はベリアルだ。 彼は早い段階でヨシナリを助ける為に空に上がるつもりだったようだったのだが、即座に割り込んで来たツェツィーリエとの一騎打ちとなった。
「かの豹の頭目は俺との再戦を望んでいたようだ」
「ランク戦とかで当たってなかったんですか?」
シニフィエの質問に小さく首を振る。
「刻の噛み合わせが悪かったのだろう。 もしくは運命がこの戦いの為に俺達を引き離していたのかもしれん」
「そ、そうですか」
つまりはランク戦で遭遇しなかったという事だろう。
ツェツィーリエは機体にこそ目立った変化はなかったが、戦い方には大きな変化があった。
元々、エネルギーウイングを最大限に活かした空中での接近戦――特に蹴りに特化した機体だった事もあって戦い方に関してはある意味完成されていたのだが、両腕にカタールを装備する事で手数を増やしていた。
それだけでなく横回転を軸とした戦い方の組み立てで、左右を組み合わせたコンビネーションを駆使していた戦い方が両腕という選択肢を増やした事により、上下からも仕掛けられるようになった。
挙動も独楽のような回転ではなく、上下を取り入れた360°の回転は攻撃の出所を極端に分かり辛くする。
「これ、攻撃の起点がかなり分かり辛いなぁ」
「俺にはもう何が何やら……」
見た所、機体のアップグレードはほとんどしておらず、自らの技量を高める事で一段上のステージへと上がっている。 見ているだけで分かった。
ツェツィーリエがこの戦い方を確立する為に積み上げた努力がだ。
マルメルは目が回りそうだとふらふらしており、ふわわとシニフィエは面白いと言わんばかりに観察。
ランカー達は無言で興味深いと言わんばかりに見つめていた。
ベリアルとの戦いに関しても序盤は従来の横回転を多用しており、途中から両腕を使い始めたのだが、その横回転に関してもクオリティが大きく上がっている。
前に見た時よりも蹴りが伸びるのだ。
単純に考えるなら関節を伸ばしたと考えるが、これに関しては純粋な技量。
回転の際に発生する軸のブレを抑える事で無駄を減らしたのだ。
こうして見るとツェツィーリエというプレイヤーが性能に頼っていない事がよく分かる。
ベリアルという分かり易い比較対象が居るので猶更だろう。
空間転移からのラッシュ。 ベリアルは至近距離なら爪、少し離れればブレードを腕に形成して斬りかかる。
それにより間合いと攻撃の回転を調節しつつ近距離戦で自分のペースを相手に押し付けるのだ。
以前のユニオン対抗戦では意図して回転を上げる事でツェツィーリエの処理能力を物理的に上回って圧倒するという構図を作り上げたのだが、今回に関してはしっかりと対応できている上、手数を増やした事で逆に圧倒すらしていた。
事実として手数で上回り、ベリアルが転移で仕切り直しを図ると転移先に既に仕掛けに行っている。
転移先が分かってる動きからセンサー系の強化も行っているのだろう。
正面からベリアルと同等以上の手数を見せつけるプレイヤーは余り見た覚えがない。
爪の二連撃をカタールで打ち払い、追撃の前に蹴りを放つ。
ベリアルが転移したと同時に加速して放った蹴りをそのまま追撃に繋げていた。
映像で見ると凄まじい攻防だ。 目が追い付かない。
分身も繰り出すがツェツィーリエは即座に看破して最短で本体に仕掛けに行っている。
「お互いがとんでもない速度で相手の攻撃を捌いて反撃に繋げてるなぁ」
この段階で見るとツェツィーリエがやや優勢といった所だろう。
ベリアルが徐々に押し込まれているのが分かる。
「ふ、見事な研磨、見事な研鑽。 奴の積み上げた物が垣間見える素晴らしい戦いだった」
「だが、貴公の闇はそれすらも上回る。 そうだろう?」
「愚問だな。 刮目するがいい。 この闇の王が至った新たなる境地を、な」
映像の中のベリアルの動きが変わる。
僅かに距離を取り、打ってこいと言わんばかりに両腕を広げた。
実際に挑発しているのだろう。 ツェツィーリエは即座に乗って仕掛けに行った。
警戒はしているのだろうが、即座に噛み砕いてやるといった判断になる闘争心はランカーならではだろう。 ツェツィーリエの蹴りはベリアルをあっさりと両断。
当然ながら分身で本体は別だ。 だが、そこから先が問題だった。
「は?」
マルメルがそんな間の抜けた声を漏らす。 これにはヨシナリも驚きだった。
分身が五体も居るのだ。 恐ろしい事に本体と併せて六機。
ツェツィーリエはまやかしとでも判断したのか本体を探すような挙動を見せるが、それが命取り。
五機の分身がブレードを展開して刺突。
全方位からの攻撃には流石のツェツィーリエも対応できずに串刺しとなった。
そう、これまでとは違い。 全ての分身に攻撃能力があるのだ。
「おいおい、うっそだろ」
マルメルがそう呟いている間にツェツィーリエの機体が爆散。
決着となった。
「はーっはっはっは! 見たか! これこそが我がプセウドテイの得た新たなる叡智! 『アエリアエ・ポテスタテス』。 豹の頭目よ。 貴様は強かったが、この闇の王が同じ相手に何度も敗北する事などあり得ない! 我が絶対的な闇の力に絶望するがいい!!」
余程勝ったのが嬉しかったのかベリアルは哄笑を上げる。
ヨシナリもその姿に思わず笑顔になった。
その際にふわわがナインヘッドドラゴンを一閃。
被弾しながらも強引に突破してそのまま距離を取った。
この時点でもう敗北を悟っているようだが、諦めるつもりはないのか片腕で構える。
ふわわはもう完全に見切ったようで余裕すら感じられる動作で空中へ。
地上よりは空中の方がマシと判断したのは決して間違ってはいないが正解でもなかった。
片手で器用にラッシュを繰り出すニャーコだったが、ふわわはひらひらと紙一重で躱す。
恐ろしい事に分身込みでそれをやってのけるのだ。 ヨシナリはもう恐怖しか感じない。
あの短時間でもうニャーコの分身する拳を捉えたのだ。
「拳に沿って飛んでくるからなんとなーくわかるんよ」
「なんとなーくで躱されるニャーコさんはたまったものじゃないでしょうね」
ニャーコのラッシュを躱し続け、息切れを起こした所で一閃。
文句のつけようがない完封だった。 この先は特に見どころはないので映像を切り替える。
次はベリアルだ。 彼は早い段階でヨシナリを助ける為に空に上がるつもりだったようだったのだが、即座に割り込んで来たツェツィーリエとの一騎打ちとなった。
「かの豹の頭目は俺との再戦を望んでいたようだ」
「ランク戦とかで当たってなかったんですか?」
シニフィエの質問に小さく首を振る。
「刻の噛み合わせが悪かったのだろう。 もしくは運命がこの戦いの為に俺達を引き離していたのかもしれん」
「そ、そうですか」
つまりはランク戦で遭遇しなかったという事だろう。
ツェツィーリエは機体にこそ目立った変化はなかったが、戦い方には大きな変化があった。
元々、エネルギーウイングを最大限に活かした空中での接近戦――特に蹴りに特化した機体だった事もあって戦い方に関してはある意味完成されていたのだが、両腕にカタールを装備する事で手数を増やしていた。
それだけでなく横回転を軸とした戦い方の組み立てで、左右を組み合わせたコンビネーションを駆使していた戦い方が両腕という選択肢を増やした事により、上下からも仕掛けられるようになった。
挙動も独楽のような回転ではなく、上下を取り入れた360°の回転は攻撃の出所を極端に分かり辛くする。
「これ、攻撃の起点がかなり分かり辛いなぁ」
「俺にはもう何が何やら……」
見た所、機体のアップグレードはほとんどしておらず、自らの技量を高める事で一段上のステージへと上がっている。 見ているだけで分かった。
ツェツィーリエがこの戦い方を確立する為に積み上げた努力がだ。
マルメルは目が回りそうだとふらふらしており、ふわわとシニフィエは面白いと言わんばかりに観察。
ランカー達は無言で興味深いと言わんばかりに見つめていた。
ベリアルとの戦いに関しても序盤は従来の横回転を多用しており、途中から両腕を使い始めたのだが、その横回転に関してもクオリティが大きく上がっている。
前に見た時よりも蹴りが伸びるのだ。
単純に考えるなら関節を伸ばしたと考えるが、これに関しては純粋な技量。
回転の際に発生する軸のブレを抑える事で無駄を減らしたのだ。
こうして見るとツェツィーリエというプレイヤーが性能に頼っていない事がよく分かる。
ベリアルという分かり易い比較対象が居るので猶更だろう。
空間転移からのラッシュ。 ベリアルは至近距離なら爪、少し離れればブレードを腕に形成して斬りかかる。
それにより間合いと攻撃の回転を調節しつつ近距離戦で自分のペースを相手に押し付けるのだ。
以前のユニオン対抗戦では意図して回転を上げる事でツェツィーリエの処理能力を物理的に上回って圧倒するという構図を作り上げたのだが、今回に関してはしっかりと対応できている上、手数を増やした事で逆に圧倒すらしていた。
事実として手数で上回り、ベリアルが転移で仕切り直しを図ると転移先に既に仕掛けに行っている。
転移先が分かってる動きからセンサー系の強化も行っているのだろう。
正面からベリアルと同等以上の手数を見せつけるプレイヤーは余り見た覚えがない。
爪の二連撃をカタールで打ち払い、追撃の前に蹴りを放つ。
ベリアルが転移したと同時に加速して放った蹴りをそのまま追撃に繋げていた。
映像で見ると凄まじい攻防だ。 目が追い付かない。
分身も繰り出すがツェツィーリエは即座に看破して最短で本体に仕掛けに行っている。
「お互いがとんでもない速度で相手の攻撃を捌いて反撃に繋げてるなぁ」
この段階で見るとツェツィーリエがやや優勢といった所だろう。
ベリアルが徐々に押し込まれているのが分かる。
「ふ、見事な研磨、見事な研鑽。 奴の積み上げた物が垣間見える素晴らしい戦いだった」
「だが、貴公の闇はそれすらも上回る。 そうだろう?」
「愚問だな。 刮目するがいい。 この闇の王が至った新たなる境地を、な」
映像の中のベリアルの動きが変わる。
僅かに距離を取り、打ってこいと言わんばかりに両腕を広げた。
実際に挑発しているのだろう。 ツェツィーリエは即座に乗って仕掛けに行った。
警戒はしているのだろうが、即座に噛み砕いてやるといった判断になる闘争心はランカーならではだろう。 ツェツィーリエの蹴りはベリアルをあっさりと両断。
当然ながら分身で本体は別だ。 だが、そこから先が問題だった。
「は?」
マルメルがそんな間の抜けた声を漏らす。 これにはヨシナリも驚きだった。
分身が五体も居るのだ。 恐ろしい事に本体と併せて六機。
ツェツィーリエはまやかしとでも判断したのか本体を探すような挙動を見せるが、それが命取り。
五機の分身がブレードを展開して刺突。
全方位からの攻撃には流石のツェツィーリエも対応できずに串刺しとなった。
そう、これまでとは違い。 全ての分身に攻撃能力があるのだ。
「おいおい、うっそだろ」
マルメルがそう呟いている間にツェツィーリエの機体が爆散。
決着となった。
「はーっはっはっは! 見たか! これこそが我がプセウドテイの得た新たなる叡智! 『アエリアエ・ポテスタテス』。 豹の頭目よ。 貴様は強かったが、この闇の王が同じ相手に何度も敗北する事などあり得ない! 我が絶対的な闇の力に絶望するがいい!!」
余程勝ったのが嬉しかったのかベリアルは哄笑を上げる。
ヨシナリもその姿に思わず笑顔になった。
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