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第766話
「ちょっ!? カタトゥンボ早すぎだってば!」
サニーは早々に落ちたカタトゥンボに文句を言いながらリング状のドローンを展開。
彼女の機体「ソーラーウインド」は紅を基調とした細身の機体で光学兵器主体の装備構成だ。
最大の特徴は浮遊するリング状のドローンがそれぞれが入口と出口の機能を有している点にある。
リングを通した攻撃を別のリングから飛ばす事で変幻自在な攻めを得意なプレイヤーだ。
機動性も高く簡単に捉える事は難しい。 味方の撃墜に動揺したのも刹那。
霧ヶ峰は即座に敵機をスキャニング。 ジェネレーター出力がサイズに対して大きすぎるのは二基積んでいるからだろう。
そして反応が二機分ある。 つまりはあの機体はどうやってか合体しているのだ。
このゲームに合体の概念があるとは思わなかったが、未知の敵に対して動揺してばかりではイベント戦を生き残れない。 霧ヶ峰は即座に携行武装である大型のライフルを構える。
サニーはそれに合わせてリングを移動させて持っていたエネルギーライフルを撃ち込む。
正面のリングを通ったエネルギー弾はベリアルの左右に展開したリングの内、右から飛び出す。
恐らくは転移で躱すだろうと読んだ霧ヶ峰は空間情報変動に目を凝らし、即座に反応できるように意識。
僅かに遅れてフィールドの中央に煙幕を突っ切るように敵機の反応。
気にはなるがベリアルの処理が先だった。
――が、ベリアルの機体は彼女の想定を上回った。 上下に分かれたのだ。
「ちょ、これ――」
明らかに両方とも分身ではない。 それによりサニーの判断が僅かに遅れる。
上の機体が横旋回しながら足を一閃、蹴りを放ち、下の機体が腕をブレードに変えての刺突。
際どい所で蹴りを下降で躱し、残りを身を捻って回避――先に転移反応。
現れた機体を霧ヶ峰がライフルで射抜くがそちらが分身だ。
蹴りを躱された機体が一回転しながら両手に拳銃を抜いて連射。
エーテルの散弾が飛び出し、凄まじい攻撃範囲でサニーに襲い掛かる。
咄嗟に加速して躱すが被弾。 推進装置に被弾し、足が千切れ飛ぶ。
それで詰みだった。 体勢が崩れたサニーの回避先に回り込んだベリアルがブレードを一閃。
躱せずに両断されて撃墜される。 二機は再度合体し次に行こうとしたがタカミムスビの火線が集中。
「やるじゃないかヨシナリ君!」
嬉しそうにそう言って弾幕を展開。 その間に霧ヶ峰はポジションを変える。
理由は正面、地上から突っ込んで来る機体が居たからだ。
――これも速い。
速度が異常だ。 僅かに目を離している間に渓谷を飛び越えてこちらに渡ってきていた。
何だとフォーカスすると見覚えのあるが、ここに居るはずのないプレイヤーの姿が見える。
ケイロン。 見かけないと思ったら「星座盤」に居たのか。
何故という疑問もあったが、それ以上に現在進行形で叩き出している異常な速度の正体を見極めたかった。
見た瞬間に霧ヶ峰は眉を顰める。 ケイロンの背に別の機体が乗っているのだ。
加えて走り方も初めて見る。 彼の機体の下半身は馬を模しており、走り方もそれに準じた物になっているのだが、今の走り方は全く違う。 四本足の全てで地面を蹴って跳ねるように移動している。
それで何故あんな速度が出るのかというと背に乗っている機体の所為だ。
背の推進装置を全開にして前に押している。
それにより放物線を描くような軌道で跳ねながらこちらに突っ込んで来ていた。
目視できる位置に来た事で詳細がよく分かる。 騎兵のように背に跨っているのはマルメルだ。
狙いは中衛を担うメンバー「篠突」。
彼の機体名は「ヒウ」。 飛行能力はないが特徴的な六本足を持つ多脚機体。
背面に垂直発射用のミサイルランチャーと両肩、両腕にはガトリング砲を二つ連ねた大火力銃。
最大の強みは腰部背面に取り付けられた精製装置により、その辺にある岩や土などを吸い込んで内部で弾丸に変換するという特殊機構にある。 その為、彼の銃に弾切れの概念は存在しない。
ケイロンが有効射程に入ったと同時に篠突は斉射を開始。
文字通りの弾幕が広がり、ケイロン達に襲い掛かるが、フィールドを展開。
――いや、二人がか。
マルメルもフィールドを展開し、二機分の防御フィールドで弾丸の雨を真正面から受けて立つ。
他のメンバーも黙って見ている訳もなく動き出しており、当然ながら霧ヶ峰も見ているだけではない。
狙おうとしたが、僅かに表情を歪めて回避。 一瞬前までいた場所にエネルギー弾が突き刺さる。
発射点は渓谷の向こう。 グロウモスだ。
こちらの頭を押さえに来たらしい。
彼女の武器では届きはするが有効射程ではない事もあって回避に専念。
前に出て撃ち返したい所ではあるが、彼女はここから動けない理由があった。
――せめてもう一機――ユウヤを誘い込まないと使えない。
「――っ!?」
咄嗟に横に跳んで回避運動。 攻撃から液体金属刃、ふわわだ。
明らかに霧ヶ峰を処理しに来た。
ベリアル、ユウヤ、ケイロンまでいるのならこちらの情報が筒抜けになっていても不思議はないが、ここまで後手に回らされるとは思わなかった。
「星座盤」はこれまでの傾向的に最初は見に入ると思っていた事もあって前のめりの速攻は想定外だ。
霧ヶ峰が躱した頃には既にふわわは既に次の攻撃モーションに入っている。
転移刃、ナインヘッド・ドラゴンだ。
――限界ですか。
粘って負けたら何にもならない。 そう判断した霧ヶ峰は機体の機能を解放。
それにより不可視の波動が広がる。 特殊ジャミングシステム「ホワイト・ノイズ」
効果は範囲内の敵機のレーダー系をターゲットにした機能の麻痺。
それによりレーダーによる索敵だけでなく、ホーミング系の武装のロックオン等の座標が必要な武装の大半が使用不可となる。
加えてこれの最大の強みは敵味方の識別ができる点だ。
つまり敵にだけ不利を強いる事が可能な集団戦で真価を発揮する装備と言える。
ふわわは太刀から手を放すと背の柄を抜いて投擲。
液体金属に形成された曲刃が回転しながら飛んでくる。 判断が早い。
照準系が麻痺した事でナインヘッド・ドラゴンの座標確定が出来なくなったと瞬時に看破したのだ。
飛んできた曲刃を撃ち落としたがその間に既に踏み込んで来ていた。 速い。
本当にソルジャー+が疑いたくなるほどの踏み込みの速さだ。
これは間に合わないと思ったが、霧ヶ峰の脇を抜けるように友軍機が前に出た。
サニーは早々に落ちたカタトゥンボに文句を言いながらリング状のドローンを展開。
彼女の機体「ソーラーウインド」は紅を基調とした細身の機体で光学兵器主体の装備構成だ。
最大の特徴は浮遊するリング状のドローンがそれぞれが入口と出口の機能を有している点にある。
リングを通した攻撃を別のリングから飛ばす事で変幻自在な攻めを得意なプレイヤーだ。
機動性も高く簡単に捉える事は難しい。 味方の撃墜に動揺したのも刹那。
霧ヶ峰は即座に敵機をスキャニング。 ジェネレーター出力がサイズに対して大きすぎるのは二基積んでいるからだろう。
そして反応が二機分ある。 つまりはあの機体はどうやってか合体しているのだ。
このゲームに合体の概念があるとは思わなかったが、未知の敵に対して動揺してばかりではイベント戦を生き残れない。 霧ヶ峰は即座に携行武装である大型のライフルを構える。
サニーはそれに合わせてリングを移動させて持っていたエネルギーライフルを撃ち込む。
正面のリングを通ったエネルギー弾はベリアルの左右に展開したリングの内、右から飛び出す。
恐らくは転移で躱すだろうと読んだ霧ヶ峰は空間情報変動に目を凝らし、即座に反応できるように意識。
僅かに遅れてフィールドの中央に煙幕を突っ切るように敵機の反応。
気にはなるがベリアルの処理が先だった。
――が、ベリアルの機体は彼女の想定を上回った。 上下に分かれたのだ。
「ちょ、これ――」
明らかに両方とも分身ではない。 それによりサニーの判断が僅かに遅れる。
上の機体が横旋回しながら足を一閃、蹴りを放ち、下の機体が腕をブレードに変えての刺突。
際どい所で蹴りを下降で躱し、残りを身を捻って回避――先に転移反応。
現れた機体を霧ヶ峰がライフルで射抜くがそちらが分身だ。
蹴りを躱された機体が一回転しながら両手に拳銃を抜いて連射。
エーテルの散弾が飛び出し、凄まじい攻撃範囲でサニーに襲い掛かる。
咄嗟に加速して躱すが被弾。 推進装置に被弾し、足が千切れ飛ぶ。
それで詰みだった。 体勢が崩れたサニーの回避先に回り込んだベリアルがブレードを一閃。
躱せずに両断されて撃墜される。 二機は再度合体し次に行こうとしたがタカミムスビの火線が集中。
「やるじゃないかヨシナリ君!」
嬉しそうにそう言って弾幕を展開。 その間に霧ヶ峰はポジションを変える。
理由は正面、地上から突っ込んで来る機体が居たからだ。
――これも速い。
速度が異常だ。 僅かに目を離している間に渓谷を飛び越えてこちらに渡ってきていた。
何だとフォーカスすると見覚えのあるが、ここに居るはずのないプレイヤーの姿が見える。
ケイロン。 見かけないと思ったら「星座盤」に居たのか。
何故という疑問もあったが、それ以上に現在進行形で叩き出している異常な速度の正体を見極めたかった。
見た瞬間に霧ヶ峰は眉を顰める。 ケイロンの背に別の機体が乗っているのだ。
加えて走り方も初めて見る。 彼の機体の下半身は馬を模しており、走り方もそれに準じた物になっているのだが、今の走り方は全く違う。 四本足の全てで地面を蹴って跳ねるように移動している。
それで何故あんな速度が出るのかというと背に乗っている機体の所為だ。
背の推進装置を全開にして前に押している。
それにより放物線を描くような軌道で跳ねながらこちらに突っ込んで来ていた。
目視できる位置に来た事で詳細がよく分かる。 騎兵のように背に跨っているのはマルメルだ。
狙いは中衛を担うメンバー「篠突」。
彼の機体名は「ヒウ」。 飛行能力はないが特徴的な六本足を持つ多脚機体。
背面に垂直発射用のミサイルランチャーと両肩、両腕にはガトリング砲を二つ連ねた大火力銃。
最大の強みは腰部背面に取り付けられた精製装置により、その辺にある岩や土などを吸い込んで内部で弾丸に変換するという特殊機構にある。 その為、彼の銃に弾切れの概念は存在しない。
ケイロンが有効射程に入ったと同時に篠突は斉射を開始。
文字通りの弾幕が広がり、ケイロン達に襲い掛かるが、フィールドを展開。
――いや、二人がか。
マルメルもフィールドを展開し、二機分の防御フィールドで弾丸の雨を真正面から受けて立つ。
他のメンバーも黙って見ている訳もなく動き出しており、当然ながら霧ヶ峰も見ているだけではない。
狙おうとしたが、僅かに表情を歪めて回避。 一瞬前までいた場所にエネルギー弾が突き刺さる。
発射点は渓谷の向こう。 グロウモスだ。
こちらの頭を押さえに来たらしい。
彼女の武器では届きはするが有効射程ではない事もあって回避に専念。
前に出て撃ち返したい所ではあるが、彼女はここから動けない理由があった。
――せめてもう一機――ユウヤを誘い込まないと使えない。
「――っ!?」
咄嗟に横に跳んで回避運動。 攻撃から液体金属刃、ふわわだ。
明らかに霧ヶ峰を処理しに来た。
ベリアル、ユウヤ、ケイロンまでいるのならこちらの情報が筒抜けになっていても不思議はないが、ここまで後手に回らされるとは思わなかった。
「星座盤」はこれまでの傾向的に最初は見に入ると思っていた事もあって前のめりの速攻は想定外だ。
霧ヶ峰が躱した頃には既にふわわは既に次の攻撃モーションに入っている。
転移刃、ナインヘッド・ドラゴンだ。
――限界ですか。
粘って負けたら何にもならない。 そう判断した霧ヶ峰は機体の機能を解放。
それにより不可視の波動が広がる。 特殊ジャミングシステム「ホワイト・ノイズ」
効果は範囲内の敵機のレーダー系をターゲットにした機能の麻痺。
それによりレーダーによる索敵だけでなく、ホーミング系の武装のロックオン等の座標が必要な武装の大半が使用不可となる。
加えてこれの最大の強みは敵味方の識別ができる点だ。
つまり敵にだけ不利を強いる事が可能な集団戦で真価を発揮する装備と言える。
ふわわは太刀から手を放すと背の柄を抜いて投擲。
液体金属に形成された曲刃が回転しながら飛んでくる。 判断が早い。
照準系が麻痺した事でナインヘッド・ドラゴンの座標確定が出来なくなったと瞬時に看破したのだ。
飛んできた曲刃を撃ち落としたがその間に既に踏み込んで来ていた。 速い。
本当にソルジャー+が疑いたくなるほどの踏み込みの速さだ。
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