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第776話
マルメルはケイロンの肩を銃座代わりにして高威力の実弾兵器をタカミムスビへと連射。
「マルメル! ケイロンさん。 相手はアップグレードを済ませています。 下手に近寄るのは避けて一定の距離を意地する事に注力を!」
ケイロンは大きく頷くとタカミムスビの周囲を回るように走り出す。
『よく来たね。 マルメル君にケイロン君。 歓迎するよ』
そう言ってタカミムスビはマルメル達にも照準を向ける。
「降りろ」
「うっす」
即座にマルメルがケイロンの背から飛び降りるとケイロンとは逆方向に移動。
狙いを散らせる為だ。 いくらタカミムスビが圧倒的な火力を誇っていようが、操っているのは一人である以上、彼自身の処理能力を超える状況を作ってやればいい。
タカミムスビが回頭しようとした時、上空から無数の銃弾――いや、ライフル弾が降り注ぐ。
ホーコートだ。 バトルライフルを連射しながらタカミムスビへと肉薄。
放火を掻い潜って懐へ。 持っていたブレードを一閃。 装甲に大きな傷がつく。
これでタカミムスビはマルメル、ケイロン、ホーコート――衝撃がタカミムスビの機体を揺るがす。
散弾砲が命中したからだ。 後方からユウヤが来ていた。
「待ってたぜこの時をなぁ!」
攻撃が分散したと同時にヨシナリ達が機体を転移。
懐に入るとイラでアマノイワトに取り付けられている砲を切断。
本体にエーテル弾を撃ち込んで破壊し、土産とばかりにアシンメトリーをフルオート射撃。
エーテルを喰らって吐き出されるエネルギー弾を至近距離で喰らったアマノイワトの装甲が大きく抉れ、一部が脱落する。
『はっはっは、面白くなってきた。 だが、この程度で私を倒せると思っているのかな?』
装甲の各所が展開し、無数のミサイルが飛び出し、撃ち尽くしたであろうミサイルポッドが脱落していく。 ヨシナリ達はギリギリまで引き付けて転移で回避。
マルメルは片端から撃ち落とし、ホーコートは急上昇で引っ張った後に迎撃。
ケイロン、ユウヤは機動で振り切った。
「全員、とにかくあの機体の外部装甲を可能な限り破壊! 変形されるとあれが全部反射板になる。 今の内に減らしとかないと不味い」
指示を飛ばしながら収束させたエーテルの砲で薙ぐようにアマノイワトへと叩きこむ。
『なるほど。 しっかり対策を練ってきているようだね。 素晴らしい。 感動したよ。 ――だが、私とて前と同じままではないという事を理解できているかな?』
ヨシナリは内心で眉を顰める。 あの余裕は明らかにハッタリの類ではないからだ。
なら、その根拠は何だ? シックスセンスの感度を上げる。
見るべきはアマノイワトではなく、その周囲。 攻撃を継続し、装甲を剥がしながら思考を回す。
タカミムスビが何をしているのか、何を考えているのかを見極めろ。
エネルギー流動に大きな変化はない。 変わった事と言えばどこかと通信しているぐらいか。
誰と? 普通に考えるのなら味方だが、この状況になるまで放置していた味方に今更何を言うというのだ。
つまり味方はない。 そうなると選択肢は誘導兵器の類だ。
ユウヤが周囲を飛んでいる巨大な手の形をしたドローンを破壊。
残りもマルメルがハンドレールキャノンで撃ち抜き、爆散させる。
『いや、本当に大したものだよ。 ここまで一方的に攻撃を受けたのは久しぶりだ。 ――まぁ、充分に楽しんだろうし、そろそろこちらの番と行こうか』
不意に風が吹いた。 何だと周囲に視線を飛ばすと分かり易い変化があった。
雲だ。 凄まじい勢いで雲が集まると色がどんどん黒く染まって雨雲――いや、雷雲へと姿を変える。
――これはインドの時の――
『私が黙って撃たれ続ける訳がないだろう? 前に戦ったダラヴァグプタ君の武装が余りにも面白そうだったので似たような物をオーダーしたんだよ。 そんな訳でたっぷりと味わってくれたまえ』
――集まるのが早すぎる!?
アマノイワトを中心に大気が渦を巻いている事から事前に作っておいた小規模の雷雲を一気にかき集めたのだろう。 巨大化しているのは風と雷雲の両方を操る為のギミックを搭載する為か。
雷雲内部に無数のエネルギー反応。 雷が降って来る。
――が、現れたプセウドテイの分身が雷を吸い込む。
「舐めるなぁ! この闇の王に小癪な雷霆が通用すると思ったか!」
分身のエーテル操作によって避雷針のようにしたのか?
ベリアルが何をしたのかヨシナリにはよく分かってなかったが、雷の雨を防げたのは僥倖だ。
この好機を最大限に活かす為にヨシナリは機体胸部にエーテルを収束。
発射。 エーテルによって生み出された闇色の光帯が雲を薙ぎ払う。
『ははは! いいね! 素晴らしい!』
即座に破られたにも関わらずタカミムスビはとても嬉しそうに笑う。
内部のエネルギー流動の分布が変わった。 恐らく変形するつもりだ。
例の殲滅形態か。 本体を無理に狙わず、外部の装甲――反射板の破壊を狙う。
エーテルの密度を調整すれば反射できなくする事が可能というのは既に検証済みだ。
「光学兵器は跳ね返される。 実弾兵器で反射板の破壊を優先! 可能なら本体に攻撃を!」
ここからが本番と言える。
攻撃手段としては例のウツボ型の下位互換だが、中身がタカミムスビである以上、オリジナルとは別の意味での厄介さがあるだろう。
タカミムスビの鐘のような形状の機体から装甲が次々と脱落し、中から人型の機体が出現する。
前に見た時は単純に巨体と言った様子だったが、目の前に現れたそれは全くの別物だった。
ヨシナリは思わず息を呑み、いくら何でも変わり過ぎだろとアバターの向こうで驚きに目を見開く。
メタリックな銀を基調としたカラーリングに恐竜を思わせる巨大な口を持った頭部に両肩にはミサイルポッドのような巨大コンテナ。
枝分かれした巨大な尾。
手にはブレード状の鋭利な爪と胴体部分も詳細不明な仕掛けがありそうだった。
間違いなくレーザーの発射機構は無数に積んでいるはずだ。
「クソッ! 前に見た時と違いすぎるぞ! どんだけ金あるんだよ!?」
『はっはっは、驚いてくれたかね? 本来なら準決勝ぐらいまで取っておこうと思ったんだが、君達との戦いが楽しすぎてついやってしまったよ』
タカミムスビはじゃあ楽しもうかと付け加えると胴体と背面の装甲がスライド。
「レーザー! 来るぞ!」
『たっぷりと楽しんでくれたまえよ』
発射。 無数の光が乱反射し、ヨシナリ達へと飛来した。
「マルメル! ケイロンさん。 相手はアップグレードを済ませています。 下手に近寄るのは避けて一定の距離を意地する事に注力を!」
ケイロンは大きく頷くとタカミムスビの周囲を回るように走り出す。
『よく来たね。 マルメル君にケイロン君。 歓迎するよ』
そう言ってタカミムスビはマルメル達にも照準を向ける。
「降りろ」
「うっす」
即座にマルメルがケイロンの背から飛び降りるとケイロンとは逆方向に移動。
狙いを散らせる為だ。 いくらタカミムスビが圧倒的な火力を誇っていようが、操っているのは一人である以上、彼自身の処理能力を超える状況を作ってやればいい。
タカミムスビが回頭しようとした時、上空から無数の銃弾――いや、ライフル弾が降り注ぐ。
ホーコートだ。 バトルライフルを連射しながらタカミムスビへと肉薄。
放火を掻い潜って懐へ。 持っていたブレードを一閃。 装甲に大きな傷がつく。
これでタカミムスビはマルメル、ケイロン、ホーコート――衝撃がタカミムスビの機体を揺るがす。
散弾砲が命中したからだ。 後方からユウヤが来ていた。
「待ってたぜこの時をなぁ!」
攻撃が分散したと同時にヨシナリ達が機体を転移。
懐に入るとイラでアマノイワトに取り付けられている砲を切断。
本体にエーテル弾を撃ち込んで破壊し、土産とばかりにアシンメトリーをフルオート射撃。
エーテルを喰らって吐き出されるエネルギー弾を至近距離で喰らったアマノイワトの装甲が大きく抉れ、一部が脱落する。
『はっはっは、面白くなってきた。 だが、この程度で私を倒せると思っているのかな?』
装甲の各所が展開し、無数のミサイルが飛び出し、撃ち尽くしたであろうミサイルポッドが脱落していく。 ヨシナリ達はギリギリまで引き付けて転移で回避。
マルメルは片端から撃ち落とし、ホーコートは急上昇で引っ張った後に迎撃。
ケイロン、ユウヤは機動で振り切った。
「全員、とにかくあの機体の外部装甲を可能な限り破壊! 変形されるとあれが全部反射板になる。 今の内に減らしとかないと不味い」
指示を飛ばしながら収束させたエーテルの砲で薙ぐようにアマノイワトへと叩きこむ。
『なるほど。 しっかり対策を練ってきているようだね。 素晴らしい。 感動したよ。 ――だが、私とて前と同じままではないという事を理解できているかな?』
ヨシナリは内心で眉を顰める。 あの余裕は明らかにハッタリの類ではないからだ。
なら、その根拠は何だ? シックスセンスの感度を上げる。
見るべきはアマノイワトではなく、その周囲。 攻撃を継続し、装甲を剥がしながら思考を回す。
タカミムスビが何をしているのか、何を考えているのかを見極めろ。
エネルギー流動に大きな変化はない。 変わった事と言えばどこかと通信しているぐらいか。
誰と? 普通に考えるのなら味方だが、この状況になるまで放置していた味方に今更何を言うというのだ。
つまり味方はない。 そうなると選択肢は誘導兵器の類だ。
ユウヤが周囲を飛んでいる巨大な手の形をしたドローンを破壊。
残りもマルメルがハンドレールキャノンで撃ち抜き、爆散させる。
『いや、本当に大したものだよ。 ここまで一方的に攻撃を受けたのは久しぶりだ。 ――まぁ、充分に楽しんだろうし、そろそろこちらの番と行こうか』
不意に風が吹いた。 何だと周囲に視線を飛ばすと分かり易い変化があった。
雲だ。 凄まじい勢いで雲が集まると色がどんどん黒く染まって雨雲――いや、雷雲へと姿を変える。
――これはインドの時の――
『私が黙って撃たれ続ける訳がないだろう? 前に戦ったダラヴァグプタ君の武装が余りにも面白そうだったので似たような物をオーダーしたんだよ。 そんな訳でたっぷりと味わってくれたまえ』
――集まるのが早すぎる!?
アマノイワトを中心に大気が渦を巻いている事から事前に作っておいた小規模の雷雲を一気にかき集めたのだろう。 巨大化しているのは風と雷雲の両方を操る為のギミックを搭載する為か。
雷雲内部に無数のエネルギー反応。 雷が降って来る。
――が、現れたプセウドテイの分身が雷を吸い込む。
「舐めるなぁ! この闇の王に小癪な雷霆が通用すると思ったか!」
分身のエーテル操作によって避雷針のようにしたのか?
ベリアルが何をしたのかヨシナリにはよく分かってなかったが、雷の雨を防げたのは僥倖だ。
この好機を最大限に活かす為にヨシナリは機体胸部にエーテルを収束。
発射。 エーテルによって生み出された闇色の光帯が雲を薙ぎ払う。
『ははは! いいね! 素晴らしい!』
即座に破られたにも関わらずタカミムスビはとても嬉しそうに笑う。
内部のエネルギー流動の分布が変わった。 恐らく変形するつもりだ。
例の殲滅形態か。 本体を無理に狙わず、外部の装甲――反射板の破壊を狙う。
エーテルの密度を調整すれば反射できなくする事が可能というのは既に検証済みだ。
「光学兵器は跳ね返される。 実弾兵器で反射板の破壊を優先! 可能なら本体に攻撃を!」
ここからが本番と言える。
攻撃手段としては例のウツボ型の下位互換だが、中身がタカミムスビである以上、オリジナルとは別の意味での厄介さがあるだろう。
タカミムスビの鐘のような形状の機体から装甲が次々と脱落し、中から人型の機体が出現する。
前に見た時は単純に巨体と言った様子だったが、目の前に現れたそれは全くの別物だった。
ヨシナリは思わず息を呑み、いくら何でも変わり過ぎだろとアバターの向こうで驚きに目を見開く。
メタリックな銀を基調としたカラーリングに恐竜を思わせる巨大な口を持った頭部に両肩にはミサイルポッドのような巨大コンテナ。
枝分かれした巨大な尾。
手にはブレード状の鋭利な爪と胴体部分も詳細不明な仕掛けがありそうだった。
間違いなくレーザーの発射機構は無数に積んでいるはずだ。
「クソッ! 前に見た時と違いすぎるぞ! どんだけ金あるんだよ!?」
『はっはっは、驚いてくれたかね? 本来なら準決勝ぐらいまで取っておこうと思ったんだが、君達との戦いが楽しすぎてついやってしまったよ』
タカミムスビはじゃあ楽しもうかと付け加えると胴体と背面の装甲がスライド。
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