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第786話
ドローンを用いて囲んだのは転移を使わせる為だろう。
空間情報の変動から転移先を予測して移動先を刈り取ろうと狙っていたのだろうがそうはいかない。
サニーの攻撃に合わせて分離。 合体している所は気が付いていただろうが、この手の機体との戦闘経験のないサニーはヨシナリとベリアルの連携に反応が遅れる。
ヨシナリが上から蹴りを繰り出し、ベリアルが正面からブレードによる刺突。
普通なら仕留められるタイミングではあったが、流石はAランク。 際どい所で躱す。
蹴りを降下して躱し、刺突を上体を捻って回避。
二つの攻撃に同時に対処するのは中々できる事ではない。
「正直、これで仕留めたかった」
「地上だったらお義兄さんの蹴りはともかくベリアルさんの刺突は入っていましたね」
「ここで処理できたら霧ヶ峰の撃破も視野に入ったんだけどなぁ」
刺突は分身によるフェイクで回避先にプセウドテイが転移。
その間にヨシナリがアトルムとクルックスで連射。
エーテルを注ぎ込み、散弾化させる事で攻撃範囲を拡大された弾丸が襲い掛かる。
流石のサニーもこれは躱しきれずに被弾。 足が千切れ飛ぶ。
そこまでだった。 回避先に転移したベリアルがエーテルブレードを一閃。
躱しきれずに両断される。 これで二機撃破だ。
「こうして見るとAランク二人を瞬殺って普通に凄い事してるよなぁ」
「勝つには瞬殺が最低条件だからな。 タカミムスビを引き剥がすのに俺とベリアルが張り付くから数を減らして数的優位を作っておかないと地力の差で負ける」
ただ、奇襲の効果はここまでだ。 反応したタカミムスビが攻撃対象を変更。
再度、合体したヨシナリ達に凄まじい密度の攻撃を繰り出す。
映像越しでも圧倒的な攻撃密度は恐ろしく、これが一人のプレイヤーから繰り出されるとは信じられない。 カカラも大概ではあったが、タカミムスビと比べるとかなり見劣りしてしまう。
――ここまでが前哨戦のような物だ。
一度、映像を停止させる。 誰の動きにフォーカスするかだが――マルメルが挙手。
「俺からで頼むぜ」
「俺はいいけど。 皆はどうですか?」
異論はなかったので、マルメル達にフォーカスする。
何故、達が付くのかというと彼の機体、アウグストはケイロンの背に乗っていたからだ。
合体とまでは行かないが、こうした事には理由があった。
ケイロンの機体は右半身と左半身で遠近を分けている関係上、複数ある飛び道具を活かしきれない。
両手で持てばいいとは思うが、機動に専念させたい事もあって両手持ちは余りよろしくなかった。
そこでマルメルの出番だ。 彼を背に乗せ、使っていない重火器を肩に乗せる事でケイロンの機体をその物を銃座として扱う事を思いついた。
こうすればケイロンのパフォーマンスを落とさずに火力を強化できる。
加えてマルメル側の推進装置を用いる事で速度の低下もある程度は相殺できるはずだった。
基本的にケイロンの機体は突破力に全振りしている機体という事もあって旋回性能はお世辞にも高くない。 その為、マルメルに押させるという加速方法も無理筋ではないのだ。
ただ、加速を活かす為に滞空時間の長い走り方――馬ではなく鹿に似たそれに変えて貰ったが。
お陰で一歩進むたびにぐんぐんと加速し、渓谷を一気飛び越える。
「いや、このゲームで騎兵みたいな事できるとは思わなかったぜ」
「まぁ、乗っても問題ない形をしてるんだから活かさない手はないって思ってな。 ――ケイロンさんも俺の無茶振りに応えてくれてありがとうございました」
「気にするな。 今回はそちらの方針に従うと決めていたからな」
ヨシナリは乗っている大型銃の所為で騎馬というよりは装甲車に見える二人の姿を見てちょっと格好いいと思っていた。 渓谷を越えた段階で敵機を捕捉。
各々の狙いに関しては早い段階で決めていた。 マルメル達の場合は篠突が居れば彼を狙うと。
互いを射程に収めたと同時に両者の銃口が火を噴く。
篠突は複数のガトリング砲に垂直発射のミサイル発射管と分かり易い中衛機だ。
空中戦を捨てて地上での走破性、安定性と手数の多さに振った機体だ。
目玉は背面のバックパックでそこから伸びるホースのような物がその辺の岩などの鉱物素材を吸い込んで弾丸を精製するといった代物で、それがある限り弾切れが起こらないという凄まじい代物だった。
弾丸の自動精製機能が割と低ランク帯でも出回っている事もあって、その辺の石ころを弾に変える事に関してもそこまでの驚きはないが篠突に関しては桁が違う。
銃身の長いガトリングガンは撃ち続けられるように冷却性能を極限まで高めているらしく、簡単にオーバーヒートを起こさないようだ。
少なくとも聞き取りをしたメンバーからあの銃が焼け付いて動かなくなったという話は聞かなかった。
当然ながら無敵という訳ではない。
欠点としては手数に振ったお陰で一発一発の威力はそこまでではないようだ。
――一分に数千発という凄まじい連射速度の前には些細な問題ではあるが。
「聞いてたけど連射速度エグいな」
「マジでヤバかったぞ。 実体弾にエネルギーフィールドってほぼ無意味だから掻き分けて前に出る感じだな」
ケイロンもマルメルも防御に振っている機体だけあって少々の被弾では簡単に落ちない。
特にケイロンは被弾を想定した造りという事もあって耐弾性能は高く、削り切るには少しかかる。
篠突はそれを理解しているらしく、後退しながら斉射を続行。
鈍重そうな見た目だが、多脚はその予想を軽々と踏み越える。
「うーん。 ぶっちゃけ動きキモいですね。 何というか虫っぽいというかなんというか……」
シニフィエの意見に苦笑しながらも篠突にフォーカスする。
キモいかはさておき、走破性に関しては非常に高いと言えるだろう。
伸縮もするようで足場の高低差も物ともしない。
――ってかマジで速いな。
斉射を続けながら高速で下がっている。 狙いに関しては分かっていた。
霧ヶ峰が近くに居る以上、彼女を守る為に引き剥がしにかかったのだ。
「思金神」というチームに於いて彼女の役割はかなり大きい。
やられる事のリスクと生存している事のメリットを考えれば当然だった。
「近くに味方居るし戦えばえぇのにー」
「ですねー。 ちょっと消極的かもしれませんねー」
シニフィエ達の言っている事も理解はできるが、ヨシナリが逆の立場だとどうしただろうか?
中々に判断の難しい場面ではあった。
空間情報の変動から転移先を予測して移動先を刈り取ろうと狙っていたのだろうがそうはいかない。
サニーの攻撃に合わせて分離。 合体している所は気が付いていただろうが、この手の機体との戦闘経験のないサニーはヨシナリとベリアルの連携に反応が遅れる。
ヨシナリが上から蹴りを繰り出し、ベリアルが正面からブレードによる刺突。
普通なら仕留められるタイミングではあったが、流石はAランク。 際どい所で躱す。
蹴りを降下して躱し、刺突を上体を捻って回避。
二つの攻撃に同時に対処するのは中々できる事ではない。
「正直、これで仕留めたかった」
「地上だったらお義兄さんの蹴りはともかくベリアルさんの刺突は入っていましたね」
「ここで処理できたら霧ヶ峰の撃破も視野に入ったんだけどなぁ」
刺突は分身によるフェイクで回避先にプセウドテイが転移。
その間にヨシナリがアトルムとクルックスで連射。
エーテルを注ぎ込み、散弾化させる事で攻撃範囲を拡大された弾丸が襲い掛かる。
流石のサニーもこれは躱しきれずに被弾。 足が千切れ飛ぶ。
そこまでだった。 回避先に転移したベリアルがエーテルブレードを一閃。
躱しきれずに両断される。 これで二機撃破だ。
「こうして見るとAランク二人を瞬殺って普通に凄い事してるよなぁ」
「勝つには瞬殺が最低条件だからな。 タカミムスビを引き剥がすのに俺とベリアルが張り付くから数を減らして数的優位を作っておかないと地力の差で負ける」
ただ、奇襲の効果はここまでだ。 反応したタカミムスビが攻撃対象を変更。
再度、合体したヨシナリ達に凄まじい密度の攻撃を繰り出す。
映像越しでも圧倒的な攻撃密度は恐ろしく、これが一人のプレイヤーから繰り出されるとは信じられない。 カカラも大概ではあったが、タカミムスビと比べるとかなり見劣りしてしまう。
――ここまでが前哨戦のような物だ。
一度、映像を停止させる。 誰の動きにフォーカスするかだが――マルメルが挙手。
「俺からで頼むぜ」
「俺はいいけど。 皆はどうですか?」
異論はなかったので、マルメル達にフォーカスする。
何故、達が付くのかというと彼の機体、アウグストはケイロンの背に乗っていたからだ。
合体とまでは行かないが、こうした事には理由があった。
ケイロンの機体は右半身と左半身で遠近を分けている関係上、複数ある飛び道具を活かしきれない。
両手で持てばいいとは思うが、機動に専念させたい事もあって両手持ちは余りよろしくなかった。
そこでマルメルの出番だ。 彼を背に乗せ、使っていない重火器を肩に乗せる事でケイロンの機体をその物を銃座として扱う事を思いついた。
こうすればケイロンのパフォーマンスを落とさずに火力を強化できる。
加えてマルメル側の推進装置を用いる事で速度の低下もある程度は相殺できるはずだった。
基本的にケイロンの機体は突破力に全振りしている機体という事もあって旋回性能はお世辞にも高くない。 その為、マルメルに押させるという加速方法も無理筋ではないのだ。
ただ、加速を活かす為に滞空時間の長い走り方――馬ではなく鹿に似たそれに変えて貰ったが。
お陰で一歩進むたびにぐんぐんと加速し、渓谷を一気飛び越える。
「いや、このゲームで騎兵みたいな事できるとは思わなかったぜ」
「まぁ、乗っても問題ない形をしてるんだから活かさない手はないって思ってな。 ――ケイロンさんも俺の無茶振りに応えてくれてありがとうございました」
「気にするな。 今回はそちらの方針に従うと決めていたからな」
ヨシナリは乗っている大型銃の所為で騎馬というよりは装甲車に見える二人の姿を見てちょっと格好いいと思っていた。 渓谷を越えた段階で敵機を捕捉。
各々の狙いに関しては早い段階で決めていた。 マルメル達の場合は篠突が居れば彼を狙うと。
互いを射程に収めたと同時に両者の銃口が火を噴く。
篠突は複数のガトリング砲に垂直発射のミサイル発射管と分かり易い中衛機だ。
空中戦を捨てて地上での走破性、安定性と手数の多さに振った機体だ。
目玉は背面のバックパックでそこから伸びるホースのような物がその辺の岩などの鉱物素材を吸い込んで弾丸を精製するといった代物で、それがある限り弾切れが起こらないという凄まじい代物だった。
弾丸の自動精製機能が割と低ランク帯でも出回っている事もあって、その辺の石ころを弾に変える事に関してもそこまでの驚きはないが篠突に関しては桁が違う。
銃身の長いガトリングガンは撃ち続けられるように冷却性能を極限まで高めているらしく、簡単にオーバーヒートを起こさないようだ。
少なくとも聞き取りをしたメンバーからあの銃が焼け付いて動かなくなったという話は聞かなかった。
当然ながら無敵という訳ではない。
欠点としては手数に振ったお陰で一発一発の威力はそこまでではないようだ。
――一分に数千発という凄まじい連射速度の前には些細な問題ではあるが。
「聞いてたけど連射速度エグいな」
「マジでヤバかったぞ。 実体弾にエネルギーフィールドってほぼ無意味だから掻き分けて前に出る感じだな」
ケイロンもマルメルも防御に振っている機体だけあって少々の被弾では簡単に落ちない。
特にケイロンは被弾を想定した造りという事もあって耐弾性能は高く、削り切るには少しかかる。
篠突はそれを理解しているらしく、後退しながら斉射を続行。
鈍重そうな見た目だが、多脚はその予想を軽々と踏み越える。
「うーん。 ぶっちゃけ動きキモいですね。 何というか虫っぽいというかなんというか……」
シニフィエの意見に苦笑しながらも篠突にフォーカスする。
キモいかはさておき、走破性に関しては非常に高いと言えるだろう。
伸縮もするようで足場の高低差も物ともしない。
――ってかマジで速いな。
斉射を続けながら高速で下がっている。 狙いに関しては分かっていた。
霧ヶ峰が近くに居る以上、彼女を守る為に引き剥がしにかかったのだ。
「思金神」というチームに於いて彼女の役割はかなり大きい。
やられる事のリスクと生存している事のメリットを考えれば当然だった。
「近くに味方居るし戦えばえぇのにー」
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