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第3話
異常なまでのレートの高さだ。
このゲームには確かに課金システムは存在する。
だが、1P=十万というバカげた値段で、特殊フレーム3000Pで交換可能という額を見れば正気を疑いたくなる程の強気という言葉では括れない価格設定だ。
明らかにこの運営はそもそも課金をさせる気がない。
可能な者も居るだろうが相当の資産家だろう。
このゲームはプレイヤーの技量は勿論要求されが、性能も勝敗を左右する大きな要因だ。
その為、課金による勝利――「Pay to Win」は成立するにはするが、ゲームでここまでの金額を支払わせる程に正気を失わせる事が果たして可能なのだろうか?
確かに少し触っただけのヨシナリにもこのゲームの素晴らしさ、魅力は伝わっている。
現実と見紛うばかりのリアルな挙動。 嗅覚があるなら硝煙の匂いが伝わってきそうな程にしっかりと
造り込まれており、チュートリアルステージのような現実感のない空間ではなく通常の市街地などなら現実と見分けを付ける事は難しいかもしれない。
――少なくとも俺には縁のない話だな。
一介の学生でしかないヨシナリにはどう頑張っても課金は無理だ。
つまりPが欲しければ地道にコツコツと稼ぐ必要がある。
ただ、そんな性質を持っているので、ある行為が横行していた。
RMTだ。 手に入れたPを売り捌く行為で、ゲーム内で通貨の取引ができる機能がある事もそれに拍車をかけていた。
一応、システム的には許容されており、ギリギリ合法な行為ではあるようだ。
ただ、アカウントを複数作ったり、吸い出す為だけのアカウント作成などは発見次第厳しく罰せられる。 実際、それで荒稼ぎを行った、または行おうとした者は即座にこのゲームから永久追放され、噂によると規約違反により高額の違約金を請求されたらしい。
このゲームは脳内のチップにアカウントが紐づけされている上、外付けの端末では作成できないのでアカウントの作り直しは可能ではあるが複数作る事は不可能だ。
どうしても行いたいのであれば文字通り、脳を複数用意するしかない。 技術的に不可能ではないが、個人で実現可能かは怪しい。
出来るできないはさておき、ゲームで不正行為を行うのにそこまでの労力を払うだろうか? ヨシナリ個人の考えでは考え難いと思っていた。
ただ、Pはそこそこの値段で売れるので金を稼ぐ為にこのゲームをプレイしている者は一定数存在する。
そういった人種がプレイヤーの人口増加に一役買っているのもまた事実ではあった。
ただ、詐欺行為などを行った場合は処分の対象にはなるらしいので、そういったプレイヤーは早々に姿を消す事になる。
それに関して開発者はインタビュー記事でこう言っていた。
――金を積んで勝利を得る事を僕は否定しない。 だが、真の勝利は自らの手で掴み取らなければならないと考える。 どうか金で買えない価値のある勝利と栄光を掴んで欲しい。
何とも意識の高い話だなとは思ったが、ゲームはしっかりと運営できている点からも成功しているのだろう。 と言うか課金に頼らずにどうやって収益を得ているのかは不明だが、続いているのを見ると上手く行っているのだろう。 課金する気のないヨシナリからすれば楽しめれば何でもいい。
取りあえずPは機会があれば稼ぎに行くとして、Gを溜めて装備を整えよう。
そう考えてフリーミッションを受注。 取りあえず一番簡単なものを請けて開始する。
スタートダッシュをさせてくれる気の利いたサービスは存在せず、とにかく自力で勝ち取れとこのゲームは容赦なくプレイヤーを戦場へと放り込むのだ。
ヨシナリは上等だと笑みを深くする。 散々、チュートリアルで射撃訓練をした成果をここで見せてやるぜ。 そう気合を入れてミッションを開始した。
内容は拠点を偵察に現れるヘリ部隊の撃破。 十機中、七機撃墜でクリアだ。
逆に四機以上に逃げられると失敗となる。
「へ、命中率八割の腕前を見せてやるぜ!」
ミッションスタート。
中空からスタートし、僅かな落下時間を経てヨシナリの機体は着地する。
場所は小さな軍事基地。 画面の隅にターゲットと自分の位置情報が表示される。
ぐるりと見回すと素晴らしい造り込みだ。
基地の周りはジャングル。 日差しは強く、実際に生身で外に出れば滝のような汗をかいてしまいそうだった。 それだけのリアルを感じる。
今までも様々なゲームをプレイして来たが、ここまでのリアル――いや、現実感を感じるのは初めてだった。 ゲームのクオリティに感動しつつもヨシナリは接近して来た敵のヘリが来る方へと向かう。
持っていた突撃銃を単発に切り替えて構える。 射程は完全に把握しているので無暗に発砲する事はない。
必要はない気もするが、雰囲気を出す為にも建物の陰に隠れて待ち構える。
チュートリアルに時間をかけた後、満を持しての初ミッションなので少し緊張していた。
もう少し、後ちょっと――来た。 三機のヘリが並んで飛んでいる。
先頭の一気に狙いを定めて射撃。 引き金を引きっぱなしにするのではなく、連続して引く事による連射だ。 三発、三機のヘリに各一発ずつ。
最初の二発は命中し、爆散させる。 残りの一発は僅かに狙いが逸れたが、主回転翼に命中したので、ふらふらとバランスを失い空中で爆散。
「よし、よし、よし!」
内心でグッと手を握ったヨシナリは次のターゲットを狙うべく移動。
チュートリアルと勝手は変わらないので、真っ直ぐ飛んでくるだけのヘリを撃墜するのは訳なかった。
ただ、横に振れるように動かれたりすると少し当て辛くなるかもしれないが、今の所は問題ない。
次の三機がレーダーに表示され、即座に向かう。
さっきと同様に射程内まで引き付けて撃墜。 今度は完全に命中させられた。
しっかりと訓練の成果が出ている事に手応えを感じ、残りは四機かと向かうが表示が分散している。
二方向から来ているようだ。 七機撃墜でクリアだが、折角だからパーフェクトを狙いたい。
方法は簡単だ。 素早く二機撃墜して残りを仕留める。
今の自分なら楽勝だ。 北と南、まずは北から来た二機を仕留め、大急ぎで残りの二機を撃墜。
全滅させた事でクリアの表示が現れ、報酬画面へと移行する。
初心者向けのミッションでも危なげなくクリアできたのは気分が良かった。
このゲームには確かに課金システムは存在する。
だが、1P=十万というバカげた値段で、特殊フレーム3000Pで交換可能という額を見れば正気を疑いたくなる程の強気という言葉では括れない価格設定だ。
明らかにこの運営はそもそも課金をさせる気がない。
可能な者も居るだろうが相当の資産家だろう。
このゲームはプレイヤーの技量は勿論要求されが、性能も勝敗を左右する大きな要因だ。
その為、課金による勝利――「Pay to Win」は成立するにはするが、ゲームでここまでの金額を支払わせる程に正気を失わせる事が果たして可能なのだろうか?
確かに少し触っただけのヨシナリにもこのゲームの素晴らしさ、魅力は伝わっている。
現実と見紛うばかりのリアルな挙動。 嗅覚があるなら硝煙の匂いが伝わってきそうな程にしっかりと
造り込まれており、チュートリアルステージのような現実感のない空間ではなく通常の市街地などなら現実と見分けを付ける事は難しいかもしれない。
――少なくとも俺には縁のない話だな。
一介の学生でしかないヨシナリにはどう頑張っても課金は無理だ。
つまりPが欲しければ地道にコツコツと稼ぐ必要がある。
ただ、そんな性質を持っているので、ある行為が横行していた。
RMTだ。 手に入れたPを売り捌く行為で、ゲーム内で通貨の取引ができる機能がある事もそれに拍車をかけていた。
一応、システム的には許容されており、ギリギリ合法な行為ではあるようだ。
ただ、アカウントを複数作ったり、吸い出す為だけのアカウント作成などは発見次第厳しく罰せられる。 実際、それで荒稼ぎを行った、または行おうとした者は即座にこのゲームから永久追放され、噂によると規約違反により高額の違約金を請求されたらしい。
このゲームは脳内のチップにアカウントが紐づけされている上、外付けの端末では作成できないのでアカウントの作り直しは可能ではあるが複数作る事は不可能だ。
どうしても行いたいのであれば文字通り、脳を複数用意するしかない。 技術的に不可能ではないが、個人で実現可能かは怪しい。
出来るできないはさておき、ゲームで不正行為を行うのにそこまでの労力を払うだろうか? ヨシナリ個人の考えでは考え難いと思っていた。
ただ、Pはそこそこの値段で売れるので金を稼ぐ為にこのゲームをプレイしている者は一定数存在する。
そういった人種がプレイヤーの人口増加に一役買っているのもまた事実ではあった。
ただ、詐欺行為などを行った場合は処分の対象にはなるらしいので、そういったプレイヤーは早々に姿を消す事になる。
それに関して開発者はインタビュー記事でこう言っていた。
――金を積んで勝利を得る事を僕は否定しない。 だが、真の勝利は自らの手で掴み取らなければならないと考える。 どうか金で買えない価値のある勝利と栄光を掴んで欲しい。
何とも意識の高い話だなとは思ったが、ゲームはしっかりと運営できている点からも成功しているのだろう。 と言うか課金に頼らずにどうやって収益を得ているのかは不明だが、続いているのを見ると上手く行っているのだろう。 課金する気のないヨシナリからすれば楽しめれば何でもいい。
取りあえずPは機会があれば稼ぎに行くとして、Gを溜めて装備を整えよう。
そう考えてフリーミッションを受注。 取りあえず一番簡単なものを請けて開始する。
スタートダッシュをさせてくれる気の利いたサービスは存在せず、とにかく自力で勝ち取れとこのゲームは容赦なくプレイヤーを戦場へと放り込むのだ。
ヨシナリは上等だと笑みを深くする。 散々、チュートリアルで射撃訓練をした成果をここで見せてやるぜ。 そう気合を入れてミッションを開始した。
内容は拠点を偵察に現れるヘリ部隊の撃破。 十機中、七機撃墜でクリアだ。
逆に四機以上に逃げられると失敗となる。
「へ、命中率八割の腕前を見せてやるぜ!」
ミッションスタート。
中空からスタートし、僅かな落下時間を経てヨシナリの機体は着地する。
場所は小さな軍事基地。 画面の隅にターゲットと自分の位置情報が表示される。
ぐるりと見回すと素晴らしい造り込みだ。
基地の周りはジャングル。 日差しは強く、実際に生身で外に出れば滝のような汗をかいてしまいそうだった。 それだけのリアルを感じる。
今までも様々なゲームをプレイして来たが、ここまでのリアル――いや、現実感を感じるのは初めてだった。 ゲームのクオリティに感動しつつもヨシナリは接近して来た敵のヘリが来る方へと向かう。
持っていた突撃銃を単発に切り替えて構える。 射程は完全に把握しているので無暗に発砲する事はない。
必要はない気もするが、雰囲気を出す為にも建物の陰に隠れて待ち構える。
チュートリアルに時間をかけた後、満を持しての初ミッションなので少し緊張していた。
もう少し、後ちょっと――来た。 三機のヘリが並んで飛んでいる。
先頭の一気に狙いを定めて射撃。 引き金を引きっぱなしにするのではなく、連続して引く事による連射だ。 三発、三機のヘリに各一発ずつ。
最初の二発は命中し、爆散させる。 残りの一発は僅かに狙いが逸れたが、主回転翼に命中したので、ふらふらとバランスを失い空中で爆散。
「よし、よし、よし!」
内心でグッと手を握ったヨシナリは次のターゲットを狙うべく移動。
チュートリアルと勝手は変わらないので、真っ直ぐ飛んでくるだけのヘリを撃墜するのは訳なかった。
ただ、横に振れるように動かれたりすると少し当て辛くなるかもしれないが、今の所は問題ない。
次の三機がレーダーに表示され、即座に向かう。
さっきと同様に射程内まで引き付けて撃墜。 今度は完全に命中させられた。
しっかりと訓練の成果が出ている事に手応えを感じ、残りは四機かと向かうが表示が分散している。
二方向から来ているようだ。 七機撃墜でクリアだが、折角だからパーフェクトを狙いたい。
方法は簡単だ。 素早く二機撃墜して残りを仕留める。
今の自分なら楽勝だ。 北と南、まずは北から来た二機を仕留め、大急ぎで残りの二機を撃墜。
全滅させた事でクリアの表示が現れ、報酬画面へと移行する。
初心者向けのミッションでも危なげなくクリアできたのは気分が良かった。
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