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第8話
食事を済ませて再度ログイン。 嘉成からヨシナリへ。
ゲーム内に入った彼はどうしたものかと考える。
効率を考えるとまた誰かと組んでフリーミッションを回すかと考えていると――
「おぉ!?」
緊急ミッションが発注されていた。
貴重なPを得られるチャンスなのでヨシナリは大急ぎで受注。 警告文が表示される。
一度受けると完了まで拘束される事と、途中でログアウトやルール違反を行うと今後受注できなくなると記されていた。 了承ボタンを押して参加。
機体の確認画面が現れなかった事と読み込みに時間がかかった事に若干の違和感を覚えたがそれもすぐに解消された。
何故なら機体は固定のようだからだ。 ヨシナリのアバターがコックピットに納まっているのは作業用の非武装機体で、ミッション内容は荷物運びでコンテナを指定の場所へ運ぶといった地味なものだった。
場所はどこかの惑星の基地のようだが、凄まじくリアルで本物の宇宙のようだ。
空を見上げると巨大な惑星の姿が見える。 全体が雲に覆われ斑を描き、特徴的な大赤斑は間違いない太陽から五番目の惑星であるユーピテルだ。
「はは……すっげ」
思わずそう呟く。 それ程までに圧倒的な光景だった。
今までにもリアルなゲームをいくつもプレイして来たが、ここまで真に迫った光景は覚えがない。
ゲームとはいえ近くで見る惑星は宇宙の広さと自身の小ささを見せつけてくる。
世界の広さを感じられるのは良い。 何故なら自身よりも大きなものがあると言う事はお前にはまだまだ成長の余地があると言われているような気がするからだ。
自己の成長を認識できるのは気分がいいと彼は考える。 ヨシナリがゲームを好むのはこれがあるからだ。 レベル、ステータス、スコア、ランク、実感できるものであるなら何でもいい。
ゲームはリアルよりも手っ取り早く結果が出るので、自己の成長と言う名の快楽を追求できる。
だからヨシナリはゲームが大好きだった。 勝敗が付くゲームで敵を捻じ伏せ、自己の優位を証明するのも好きだが、彼は成長する自分自身が大好きだったのでその辺りは二の次だ。
いつまでも眺めていたい光景ではあったが、画面にさっさと作業に入れと催促の警告表示が浮かんだので慌てて指示に従って移動を開始した。
ヨシナリに支給された機体は作業用の重機に近い機体だったようでやや動かし辛かったが、勝手はそこまで変わらなかったのでそこまで難しい作業ではなかった。
コンテナを指定された場所まで運んで置く。 本当にそれだけの地味な作業だった。
ただ、単純作業の繰り返しなので面白くはなかったが、貴重なPを貰えるのだ。
少々の退屈は我慢できるというものだ。 この単純作業を二時間ほど続けると完了と表示され、ミッションは終了した。 これだけかと肩透かしを食らったが、報酬のPはしっかり支払われたので文句はなかった。
50P。 リアルマネー換算だととんでもない額だが、そう言った用途で使う気は欠片もなかったので、何を買おうかと迷ってしまう。 一番安い可変フレームでも3000Pなのだ。
このミッションで溜め切るのは無理がある。 やはり近道はランカーになる事だろう。
それでも高額のフレームを見ると触ってみたいといった気持ちがムクムクと湧き上がる。
最も高額なフレームである可変、特殊複合フレームなどはどんな代物なのだろうかと好奇心も湧き上がった。
――まぁ、今は無理か。
ヨシナリは内心で小さく肩を竦め、しばらくはGでの買い物だなとショップのラインナップを見つめ続ける。 買う買わないはさておき、眺めているだけでも楽しいなと思っているが、あまり生産性はないのでそろそろ決めるかと前から考えておいた散弾銃を購入。
一番安いのでポンプアクションではなく水平二連のショットガンだ。
撃つたびに銃身を折って排莢を行い弾を込め直す必要がある。 弾の持ち運びにもやや難があるので、微妙に扱い難かった。 それでも至近距離で用途に合わせて弾を変えたりできる事と、至近距離で喰らわせれば大抵の相手は一撃で仕留められるのは大きな強みだ。
射線が通らなかった場合の事を考えて持っておきたい。
ライフルは便利ではあるが、ジャングル内ではあまり使い勝手が良くないので攻撃手段を増やしておきたかったからだ。 取りあえずランク戦を消化して一つぐらいは上げておきたいと考えマッチング。
プレイヤー名は『ターク』。 ステージは経験のある荒野だ。
今回は散弾銃も持って行く。 嵩張りはするが、いざとなったら捨てればいいのでそこまでの問題はない。 脳裏でどんな装備の敵が出てくるのかと考えながら戦闘開始。
始まったと同時に敵機が高速で移動。 軽量タイプか。
ヨシナリは面白いと散弾銃を足元に落とし、ライフルを構える。
適度に引き付けた所で発射。 動きが速いだけあって腕を掠めるだけで当たらない。
それなりに練習を重ねたが、動く的に対してはまだまだ経験が足りないようだ。
排莢を行って次弾を装填して発射。 銃声が響き、今度は肩を捉えた。
命中した事で敵機はバランスを崩して転倒。 地面を派手に転がる。
なるほどとヨシナリは頷く。 軽量タイプはスピードが出る分、制御が難しい。
バランスを崩した後の立て直しには技量が要求される。
それができないなら当たらないようにしなければならないようだ。
装甲が薄い分、非常に脆いので敵機はあちこちに破片をばら撒いており、少なくない損傷を負っていた。 動きも鈍かったので後は楽だ。
止まっている的へ当てるのは散々練習したので簡単だった。 ゆっくりと装填して発射。
渇いた銃声がして敵機のコックピットを撃ち抜いて勝利となった。
手応えの無さにヨシナリはやはりこのランク帯ではあまり強いプレイヤーは居ないようだと少し落胆する。
Iランクはいくら負けても問題はなく、十勝すれば次へ上がれるのだ。
――にもかかわらず燻っていると言う事は初心者かランク相応の技量しかない事を意味する。
さっさと次を片付けるとしよう。 マッチングをしようと操作するが不意に手が止まる。
理由はメールボックスに通知が入っていたからだ。 何だと開けてみるとイベントのお知らせと記されていた。 面白そうだと詳しく見てみると明後日にイベントミッション――防衛戦を行うらしい。
全プレイヤーが参加可能なレイド戦で、迫りくる大量の敵から基地を守る事が目的のようだ。
開催期間は半日と明らかにプレイヤーの都合を考えない無茶苦茶なスケジュールだが、参加報酬に加えて戦績に応じて特別報酬も貰えるので行かない手はなかった。
ゲーム内に入った彼はどうしたものかと考える。
効率を考えるとまた誰かと組んでフリーミッションを回すかと考えていると――
「おぉ!?」
緊急ミッションが発注されていた。
貴重なPを得られるチャンスなのでヨシナリは大急ぎで受注。 警告文が表示される。
一度受けると完了まで拘束される事と、途中でログアウトやルール違反を行うと今後受注できなくなると記されていた。 了承ボタンを押して参加。
機体の確認画面が現れなかった事と読み込みに時間がかかった事に若干の違和感を覚えたがそれもすぐに解消された。
何故なら機体は固定のようだからだ。 ヨシナリのアバターがコックピットに納まっているのは作業用の非武装機体で、ミッション内容は荷物運びでコンテナを指定の場所へ運ぶといった地味なものだった。
場所はどこかの惑星の基地のようだが、凄まじくリアルで本物の宇宙のようだ。
空を見上げると巨大な惑星の姿が見える。 全体が雲に覆われ斑を描き、特徴的な大赤斑は間違いない太陽から五番目の惑星であるユーピテルだ。
「はは……すっげ」
思わずそう呟く。 それ程までに圧倒的な光景だった。
今までにもリアルなゲームをいくつもプレイして来たが、ここまで真に迫った光景は覚えがない。
ゲームとはいえ近くで見る惑星は宇宙の広さと自身の小ささを見せつけてくる。
世界の広さを感じられるのは良い。 何故なら自身よりも大きなものがあると言う事はお前にはまだまだ成長の余地があると言われているような気がするからだ。
自己の成長を認識できるのは気分がいいと彼は考える。 ヨシナリがゲームを好むのはこれがあるからだ。 レベル、ステータス、スコア、ランク、実感できるものであるなら何でもいい。
ゲームはリアルよりも手っ取り早く結果が出るので、自己の成長と言う名の快楽を追求できる。
だからヨシナリはゲームが大好きだった。 勝敗が付くゲームで敵を捻じ伏せ、自己の優位を証明するのも好きだが、彼は成長する自分自身が大好きだったのでその辺りは二の次だ。
いつまでも眺めていたい光景ではあったが、画面にさっさと作業に入れと催促の警告表示が浮かんだので慌てて指示に従って移動を開始した。
ヨシナリに支給された機体は作業用の重機に近い機体だったようでやや動かし辛かったが、勝手はそこまで変わらなかったのでそこまで難しい作業ではなかった。
コンテナを指定された場所まで運んで置く。 本当にそれだけの地味な作業だった。
ただ、単純作業の繰り返しなので面白くはなかったが、貴重なPを貰えるのだ。
少々の退屈は我慢できるというものだ。 この単純作業を二時間ほど続けると完了と表示され、ミッションは終了した。 これだけかと肩透かしを食らったが、報酬のPはしっかり支払われたので文句はなかった。
50P。 リアルマネー換算だととんでもない額だが、そう言った用途で使う気は欠片もなかったので、何を買おうかと迷ってしまう。 一番安い可変フレームでも3000Pなのだ。
このミッションで溜め切るのは無理がある。 やはり近道はランカーになる事だろう。
それでも高額のフレームを見ると触ってみたいといった気持ちがムクムクと湧き上がる。
最も高額なフレームである可変、特殊複合フレームなどはどんな代物なのだろうかと好奇心も湧き上がった。
――まぁ、今は無理か。
ヨシナリは内心で小さく肩を竦め、しばらくはGでの買い物だなとショップのラインナップを見つめ続ける。 買う買わないはさておき、眺めているだけでも楽しいなと思っているが、あまり生産性はないのでそろそろ決めるかと前から考えておいた散弾銃を購入。
一番安いのでポンプアクションではなく水平二連のショットガンだ。
撃つたびに銃身を折って排莢を行い弾を込め直す必要がある。 弾の持ち運びにもやや難があるので、微妙に扱い難かった。 それでも至近距離で用途に合わせて弾を変えたりできる事と、至近距離で喰らわせれば大抵の相手は一撃で仕留められるのは大きな強みだ。
射線が通らなかった場合の事を考えて持っておきたい。
ライフルは便利ではあるが、ジャングル内ではあまり使い勝手が良くないので攻撃手段を増やしておきたかったからだ。 取りあえずランク戦を消化して一つぐらいは上げておきたいと考えマッチング。
プレイヤー名は『ターク』。 ステージは経験のある荒野だ。
今回は散弾銃も持って行く。 嵩張りはするが、いざとなったら捨てればいいのでそこまでの問題はない。 脳裏でどんな装備の敵が出てくるのかと考えながら戦闘開始。
始まったと同時に敵機が高速で移動。 軽量タイプか。
ヨシナリは面白いと散弾銃を足元に落とし、ライフルを構える。
適度に引き付けた所で発射。 動きが速いだけあって腕を掠めるだけで当たらない。
それなりに練習を重ねたが、動く的に対してはまだまだ経験が足りないようだ。
排莢を行って次弾を装填して発射。 銃声が響き、今度は肩を捉えた。
命中した事で敵機はバランスを崩して転倒。 地面を派手に転がる。
なるほどとヨシナリは頷く。 軽量タイプはスピードが出る分、制御が難しい。
バランスを崩した後の立て直しには技量が要求される。
それができないなら当たらないようにしなければならないようだ。
装甲が薄い分、非常に脆いので敵機はあちこちに破片をばら撒いており、少なくない損傷を負っていた。 動きも鈍かったので後は楽だ。
止まっている的へ当てるのは散々練習したので簡単だった。 ゆっくりと装填して発射。
渇いた銃声がして敵機のコックピットを撃ち抜いて勝利となった。
手応えの無さにヨシナリはやはりこのランク帯ではあまり強いプレイヤーは居ないようだと少し落胆する。
Iランクはいくら負けても問題はなく、十勝すれば次へ上がれるのだ。
――にもかかわらず燻っていると言う事は初心者かランク相応の技量しかない事を意味する。
さっさと次を片付けるとしよう。 マッチングをしようと操作するが不意に手が止まる。
理由はメールボックスに通知が入っていたからだ。 何だと開けてみるとイベントのお知らせと記されていた。 面白そうだと詳しく見てみると明後日にイベントミッション――防衛戦を行うらしい。
全プレイヤーが参加可能なレイド戦で、迫りくる大量の敵から基地を守る事が目的のようだ。
開催期間は半日と明らかにプレイヤーの都合を考えない無茶苦茶なスケジュールだが、参加報酬に加えて戦績に応じて特別報酬も貰えるので行かない手はなかった。
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