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第31話
「どうもこんにちは! ふわわです!」
現れたアバターが小さく手を上げて自己紹介する。
声は明らかに女性の物で、感じからヨシナリ達より少し上ぐらいだろう。
「なぁ、ヨシナリ。 俺らって絵面的に人数揃えてナンパしてるようにみえね?」
ヨシナリも少しそう思ったので特に同意せずにスルーした。
取りあえずは呼び出しには成功したんだ。 メールの内容的にも乗り気だったので良い方向に纏まりそうだった。
「どもです。 俺はヨシナリ、こっちはマルメル。 早速なんですが、内容はメールに書いた通りで、今周回しているミッションで前衛が足りなくてですね。 手を貸して貰えればって思うんですが、来てくれたって事はオッケーって事でいい感じですかね?」
「いいですよー。 でも、ウチって近接以外は微妙ですよ? 寧ろ足を引っ張らないかが不安な感じですねー」
近接以外は微妙なのか。
良い事を聞いた、再戦する時の参考にしようと思いつつ、話を続ける。
「あぁ、そこは気にしなくても良いです。 俺達はふわわさんの近接技能よりも戦闘機動を目当てで連絡させて貰いました?」
「機動?」
「えぇ、要は俺がエネミーを沈めるまで逃げ回って気を引いて欲しんですよ」
「んー? つまり囮役って事?」
「有り体に言えばそうです。 今まではマルメルが一人で頑張ってくれてたんですが、流石にしんどくなってきたのでもう一人いてくれれば安定するかと思って……」
「そうなんですよ。 俺が落ちるとヨシナリが落ちるの確定してるんで、プレッシャーかかってですね。 まぁ、助けてくれるとありがたいっす」
「そうなんだ。 でも、何で二人で――あ、報酬か」
「はい、総額が決まっていてそれを人数で割るんで少ない方が稼げるんですよ」
「なるほど。 分かった! ウチで良かったら手伝うよ!」
あっさり纏まった事に内心でほっとしながらフレンド登録を行い、早速ミッションへ。
フィールドに三機のトルーパーが現れる。 ヨシナリは僚機であるマルメルとふわわの二人の機体に視線を向ける。 マルメルの機体は腰にマウントされた二挺の短機関銃に両手に突撃銃。
そして増設したスカート部分に弾倉を格納している。
次にふわわの機体へと目を向けるが、本当にほぼ初期装備だった。
外装に手を加えた様子はなく、金をかけたと思われる場所は機動に使用するスラスターと腰の後ろに交差するように差してあるやや大振りなダガーだ。 見た限り、飛び道具は一切装備していない。
何度見てもヨシナリは「マジかよ」と思ってしまった。
ソルジャータイプの脆さは使用しているヨシナリ自身がよく分かっているので、この貧弱な装甲で格闘戦一本は正気を疑ってしまうぐらいに偏ったビルドだ。
「よし、取りあえず勝手がわからないからウチはマルメル君の指示で動けばいい感じかな?」
「あ、助かります。 じゃあヨシナリ、いつも通りサクッと決めてくれよな!」
「あぁ、二人ともよろしく」
二人は返事をすると手近な敵へと向かっていった。
ヨシナリは巨大な狙撃銃を持って狙撃ポイントに移動。 そのまま狙撃体勢に移行した。
狙いは二人がヘイトを集めているエネミーだ。 下手に遠くの敵を狙うとヨシナリ自身がヘイトを買って前衛を無視して向かって来るので、まずは前衛を認識させるところから始めなければならない。
遠くから銃声と爆発音が響く。 始まったようだ。
最大望遠にして戦況を確認すると二人は左右に散る形で敵を攪乱していた。
マルメルの動きは散々見ているので、いつも通りだとは思うがもう一機――ふわわの方は凄まじい挙動をしている。 大抵は敵機の周りを回る形で撹乱を行う。
巨大なエネミーなので懐に入れば砲やミサイルは躱せるが、大量の機銃があるので下手に近づくとハチの巣にされてしまうので、接近するにしても機銃の射程を見極めつつ付かず離れずを維持するのがこれまでの経験で得たあのエネミーに対しての攻略法だった。
マルメルはそれを充分に理解し、ふわわへ伝えているはずだ。
が、ふわわの行動はヨシナリの想像の斜め上を行っていた。
鋭角的な動きで敵の狙いを散らして肉薄。 器用に足の一本に取り付くとダガーを抜いて一閃。
突き立てなかったのは動きが止まる事を懸念してだろう。
それを何度も繰り返すと脚部に致命的な損傷が発生したのかエネミーは軋むような動きでバランスを崩す。
――はは、すっげぇ。
ヨシナリは彼女の動きに舌を巻きながらライフルを撃ちこむ。
動きが止まった的であるなら当てる為の難易度は大きく落ちる。
二発、三発と急所を捕えて撃破。 エネミーは大きく身を震わせて沈黙した。
マルメルとふわわは撃破を確認し、即座に次の標的へと向かう。
これなら負担は大きく減るな。 そう確信しヨシナリは次の獲物へと銃口を向けた。
「おつかれ、おつかれー。 いやぁ、報酬美味しいね! 溜まったら何を買おっかなぁ!」
ふわわを加えてのミッションだったが、驚くほどに楽に片付いた。
彼女が突っ込んでマルメルがそれをフォロー、そしてヨシナリが仕留めるといった連携はかなり早い段階で形になっていた。
「いや、楽になればいいなって思ってはいたがここまで嵌まるとは思わなかった」
「ほんとそれだな。 俺もここまで楽させて貰えるとは思わなかったぜ。 いや、マジ助かりましたよ」
マルメルも大絶賛だ。 見た限りではあるが、性格的にも今の所は問題ない。
後は彼女自身の気持ちだ。 ヨシナリ達と組んで合うと思ったのならこのまま継続して付き合って貰おう、そんな事を考えていた。
「ふわわさんはどうでした? 取りあえずお試しで一回やりましたが、俺らと組んで合いそうだなって思ったらこんな感じで周回できればって思ってます」
「俺としてはこのまま来てくれると嬉しい。 すっげー楽だった。 マジ救世主」
「え、えー? そーおー? いやぁ、照れちゃうなぁ。 じゃあやっちゃおうかな? 報酬美味しいし欲しいパーツもあるし、や、やっちゃおうかなぁ?」
この様子だとやってくれそうだなとヨシナリは内心でほっと胸を撫で下ろす。
取りあえずだが資金繰りの目途は立った。 後は装備の拡充を済ませてランクの昇格を狙う。
嬉しい、嬉しいと喜ぶマルメルを尻目にヨシナリは自分の機体をどのように強化すればいいのか?
そして何より自分自身がどうすれば強くなれるのかを考えていた。
現れたアバターが小さく手を上げて自己紹介する。
声は明らかに女性の物で、感じからヨシナリ達より少し上ぐらいだろう。
「なぁ、ヨシナリ。 俺らって絵面的に人数揃えてナンパしてるようにみえね?」
ヨシナリも少しそう思ったので特に同意せずにスルーした。
取りあえずは呼び出しには成功したんだ。 メールの内容的にも乗り気だったので良い方向に纏まりそうだった。
「どもです。 俺はヨシナリ、こっちはマルメル。 早速なんですが、内容はメールに書いた通りで、今周回しているミッションで前衛が足りなくてですね。 手を貸して貰えればって思うんですが、来てくれたって事はオッケーって事でいい感じですかね?」
「いいですよー。 でも、ウチって近接以外は微妙ですよ? 寧ろ足を引っ張らないかが不安な感じですねー」
近接以外は微妙なのか。
良い事を聞いた、再戦する時の参考にしようと思いつつ、話を続ける。
「あぁ、そこは気にしなくても良いです。 俺達はふわわさんの近接技能よりも戦闘機動を目当てで連絡させて貰いました?」
「機動?」
「えぇ、要は俺がエネミーを沈めるまで逃げ回って気を引いて欲しんですよ」
「んー? つまり囮役って事?」
「有り体に言えばそうです。 今まではマルメルが一人で頑張ってくれてたんですが、流石にしんどくなってきたのでもう一人いてくれれば安定するかと思って……」
「そうなんですよ。 俺が落ちるとヨシナリが落ちるの確定してるんで、プレッシャーかかってですね。 まぁ、助けてくれるとありがたいっす」
「そうなんだ。 でも、何で二人で――あ、報酬か」
「はい、総額が決まっていてそれを人数で割るんで少ない方が稼げるんですよ」
「なるほど。 分かった! ウチで良かったら手伝うよ!」
あっさり纏まった事に内心でほっとしながらフレンド登録を行い、早速ミッションへ。
フィールドに三機のトルーパーが現れる。 ヨシナリは僚機であるマルメルとふわわの二人の機体に視線を向ける。 マルメルの機体は腰にマウントされた二挺の短機関銃に両手に突撃銃。
そして増設したスカート部分に弾倉を格納している。
次にふわわの機体へと目を向けるが、本当にほぼ初期装備だった。
外装に手を加えた様子はなく、金をかけたと思われる場所は機動に使用するスラスターと腰の後ろに交差するように差してあるやや大振りなダガーだ。 見た限り、飛び道具は一切装備していない。
何度見てもヨシナリは「マジかよ」と思ってしまった。
ソルジャータイプの脆さは使用しているヨシナリ自身がよく分かっているので、この貧弱な装甲で格闘戦一本は正気を疑ってしまうぐらいに偏ったビルドだ。
「よし、取りあえず勝手がわからないからウチはマルメル君の指示で動けばいい感じかな?」
「あ、助かります。 じゃあヨシナリ、いつも通りサクッと決めてくれよな!」
「あぁ、二人ともよろしく」
二人は返事をすると手近な敵へと向かっていった。
ヨシナリは巨大な狙撃銃を持って狙撃ポイントに移動。 そのまま狙撃体勢に移行した。
狙いは二人がヘイトを集めているエネミーだ。 下手に遠くの敵を狙うとヨシナリ自身がヘイトを買って前衛を無視して向かって来るので、まずは前衛を認識させるところから始めなければならない。
遠くから銃声と爆発音が響く。 始まったようだ。
最大望遠にして戦況を確認すると二人は左右に散る形で敵を攪乱していた。
マルメルの動きは散々見ているので、いつも通りだとは思うがもう一機――ふわわの方は凄まじい挙動をしている。 大抵は敵機の周りを回る形で撹乱を行う。
巨大なエネミーなので懐に入れば砲やミサイルは躱せるが、大量の機銃があるので下手に近づくとハチの巣にされてしまうので、接近するにしても機銃の射程を見極めつつ付かず離れずを維持するのがこれまでの経験で得たあのエネミーに対しての攻略法だった。
マルメルはそれを充分に理解し、ふわわへ伝えているはずだ。
が、ふわわの行動はヨシナリの想像の斜め上を行っていた。
鋭角的な動きで敵の狙いを散らして肉薄。 器用に足の一本に取り付くとダガーを抜いて一閃。
突き立てなかったのは動きが止まる事を懸念してだろう。
それを何度も繰り返すと脚部に致命的な損傷が発生したのかエネミーは軋むような動きでバランスを崩す。
――はは、すっげぇ。
ヨシナリは彼女の動きに舌を巻きながらライフルを撃ちこむ。
動きが止まった的であるなら当てる為の難易度は大きく落ちる。
二発、三発と急所を捕えて撃破。 エネミーは大きく身を震わせて沈黙した。
マルメルとふわわは撃破を確認し、即座に次の標的へと向かう。
これなら負担は大きく減るな。 そう確信しヨシナリは次の獲物へと銃口を向けた。
「おつかれ、おつかれー。 いやぁ、報酬美味しいね! 溜まったら何を買おっかなぁ!」
ふわわを加えてのミッションだったが、驚くほどに楽に片付いた。
彼女が突っ込んでマルメルがそれをフォロー、そしてヨシナリが仕留めるといった連携はかなり早い段階で形になっていた。
「いや、楽になればいいなって思ってはいたがここまで嵌まるとは思わなかった」
「ほんとそれだな。 俺もここまで楽させて貰えるとは思わなかったぜ。 いや、マジ助かりましたよ」
マルメルも大絶賛だ。 見た限りではあるが、性格的にも今の所は問題ない。
後は彼女自身の気持ちだ。 ヨシナリ達と組んで合うと思ったのならこのまま継続して付き合って貰おう、そんな事を考えていた。
「ふわわさんはどうでした? 取りあえずお試しで一回やりましたが、俺らと組んで合いそうだなって思ったらこんな感じで周回できればって思ってます」
「俺としてはこのまま来てくれると嬉しい。 すっげー楽だった。 マジ救世主」
「え、えー? そーおー? いやぁ、照れちゃうなぁ。 じゃあやっちゃおうかな? 報酬美味しいし欲しいパーツもあるし、や、やっちゃおうかなぁ?」
この様子だとやってくれそうだなとヨシナリは内心でほっと胸を撫で下ろす。
取りあえずだが資金繰りの目途は立った。 後は装備の拡充を済ませてランクの昇格を狙う。
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