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第189話
これまでに出て来た拠点の全部乗せのような要塞にヨシナリは思わずアバターの中で顔を顰める。
明らかに重要そうな場所だが、守りが非常に硬そうだ。
その後に入った説明でヨシナリはやはりかと小さく溜息を吐いた。
付近に複数の拠点。 メガロドン型が二体常駐プラス他の個体の巡回ルート。
ジンベエザメ型を筆頭に大量の防衛戦力。 どう見ても陥落させたくないといった思惑は見えるがどうやって仕掛ければいいのだろうか? ここだけしか拠点がないのなら犠牲は出るだろうが勝てはするだろう。
だが、侵攻戦というこのイベントのシステムが難易度を大幅に引き上げる。
そもそもこのイベントは全てのプレイヤーが一丸となる事でどうにかクリアできる難易度なのだ。
にもかかわらず、初手で分断されるという最悪の状況からスタートする。
攻守が変わるだけでこうまで難易度が変わるとは思わなかった。
ヨシナリはあの地獄のような惑星をどう攻略するかを頭の中でシミュレートしていたが、今の所は明確な勝ち筋が見えない。
――まだ情報が足りないか。
結局、あの拠点の存在を確認したプレイヤーも碌に攻める事も出来ずに撃墜されたので発見しただけに終わったようだ。 その為、あの拠点がどのような役割を担っているのかは不明。
以上が拠点についてだ。 次は敵性トルーパーについてになる。
残骸を調べたプレイヤーもいたようでかなり詳細にデータが集まっていた。
敵トルーパーは合計で四種類。 第一に最も数が多い灰色の機体。
これと言って特徴がある機体ではないが、スペック的にはソルジャータイプの完全上位互換だ。
それプラス追加装甲である「スパルトイ」で性能を底上げしている。
スパルトイは耐弾性能も非常に高く、装備しているだけで脅威度が五割は跳ね上がる。
耐弾性能の高さは少々の被弾を物ともせずに弾をばら撒いているだけで戦力として充分に通用していた。
次は白黒ツートンの機体。 基本的な造形は灰色と変わらないが、エネルギーウイング『テラリア』を装備しており、スラスターの付き方などはキマイラタイプに近い。
ソルジャー、キマイラ、エンジェルタイプの良いとこどりをしたようなデザインだ。
エネルギーウイング搭載機特有の急加速、急旋回、急制動と操作プレイヤーの技量が大きく出るスペックなので中身の技量が戦闘能力に直結する非常に厄介なタイプだった。
三種類目はヨシナリの見た事のないタイプだった。
黄土色の機体で二十メートル以上の巨体に両腕はガトリング砲、重装甲にエネルギーフィールド。
脚部には無限軌道を履いている。 まるで重機のような印象を受ける機体だ。
「こればっかりだな」
思わずマルメルが呟く。 エネルギー兵器を無効にしてくる装備を持った敵が妙に多いというのは同意見だった。 その癖、通常エネミーは実体弾に対する高い耐性を持っているのだからやってられない。
最後の機種は銀色の機体だ。 白黒ツートンの上位互換の機体でエネルギーウイングが二基から四基と倍増しており、機動性に関しては完全に別物だった。
総合力ならAランクプレイヤーが扱うジェネシスフレームと同等というのが思金神の見解だった。
イベント中、カナタと戦っている姿を見はしたがそこまでだったとは驚きだ。
挙動から有人機と言う事ははっきりしている上、技量もバラバラ。 その為、スペックは明らかになるが脅威度に関しては明確に評価を付け辛いというのが最終的な結論となった。
操っているプレイヤーで脅威度が大きく変化するので気を付けろとしか言えないのだ。
次は各拠点の地下に存在する地下の広大な空間についてへと話題が移行する。
話によると現在確認されているどの拠点からも降りる事が可能のようだ。 恐らくではあるが全ての拠点は地下で繋がっているのではないかという説が濃厚。 ならばどこかの拠点を陥落させた後、地下の制圧に力を入れるべきではないかとも思われるがそうもいかない。
イカ型エネミーの存在だ。 どうやらあのエネミーは無限湧きのようだ。
一定間隔で巨大な穴があるのだが、そこから這い出して来る。 撃破しても一定時間の経過でまた出てくるので長居ができないのだ。 特に強酸性の液体を撒き散らす特性上、地下の限られた空間での交戦は可能であれば避けたい。
「リポップして追いかけて来たのかよ……」
思わず呟く。
だとしたら見かける度に処理しないと地下はイカだらけになるのか。
何もないのであれば安全に移動できると思っていたが、そんな甘い話はないようだ。
「こりゃ地上から行った方がマシかもしれないな」
マルメルの言葉にヨシナリはどうしたものかと首を捻る。
地上は地上でメガロドン型のテリトリーだ。 どちらにしても大きなリスクが存在する。
――うーん。 でもちょっと引っかかるなぁ……。
イカ型エネミーの説明を受けながらヨシナリは首を捻る。
「どうかしたか?」
「いや、ちょっと――」
気になる事がと言いかけた所で地下の構造についての話題にシフトしたのでそちらに意識を取られ、言いかけた事が頭から飛んで行ってしまった。
「いやー、無理ゲーじゃね?」
その後、説明会が終了し簡単な質問時間が設けられた後、何かあれば情報提供をお願いしますと締められた。 終わったのでヨシナリとマルメルは思金神の施設を後にしてさっきまで聞いていた話を聞いた感想を言い合っていたのだが、マルメルの言葉が難易度の高さを雄弁に物語っている。
「一応、クリアできる難易度のはずなんだがなぁ……」
割と情報は出てきたが分からない部分も多く、突破口を見出すには少し足りない。
「その辺は大手のユニオン様に任せて俺達は自己強化をして次はもうちょっと上手く立ち回れるようにしようぜ」
二ヶ月このまま空くのか他のイベントが挟まるのかは不明だが、次の戦いに備えて強化を行っていかないと置いて行かれるのは明らかだ。 マルメルの前向きな意見にヨシナリは苦笑。
答えの出ない事を考えるよりはできる事をやっていこう。 強くなれば選択肢が増え、選択肢が増えれば何かしらの突破口が開けるかもしれない。
「取り敢えず共同ミッションでもやるか!」
「いいね。 俺も復帰いきなりイベントだったし色々と取り戻したいしやろうぜ!」
二人は肩を組んでそのままユニオン『思金神』ホームを後にした。
その時、二人は気付かなかったが全プレイヤーにあるメールが届いていたのだ。
内容は「次回イベント『サーバー対抗戦』のお知らせ」と。
明らかに重要そうな場所だが、守りが非常に硬そうだ。
その後に入った説明でヨシナリはやはりかと小さく溜息を吐いた。
付近に複数の拠点。 メガロドン型が二体常駐プラス他の個体の巡回ルート。
ジンベエザメ型を筆頭に大量の防衛戦力。 どう見ても陥落させたくないといった思惑は見えるがどうやって仕掛ければいいのだろうか? ここだけしか拠点がないのなら犠牲は出るだろうが勝てはするだろう。
だが、侵攻戦というこのイベントのシステムが難易度を大幅に引き上げる。
そもそもこのイベントは全てのプレイヤーが一丸となる事でどうにかクリアできる難易度なのだ。
にもかかわらず、初手で分断されるという最悪の状況からスタートする。
攻守が変わるだけでこうまで難易度が変わるとは思わなかった。
ヨシナリはあの地獄のような惑星をどう攻略するかを頭の中でシミュレートしていたが、今の所は明確な勝ち筋が見えない。
――まだ情報が足りないか。
結局、あの拠点の存在を確認したプレイヤーも碌に攻める事も出来ずに撃墜されたので発見しただけに終わったようだ。 その為、あの拠点がどのような役割を担っているのかは不明。
以上が拠点についてだ。 次は敵性トルーパーについてになる。
残骸を調べたプレイヤーもいたようでかなり詳細にデータが集まっていた。
敵トルーパーは合計で四種類。 第一に最も数が多い灰色の機体。
これと言って特徴がある機体ではないが、スペック的にはソルジャータイプの完全上位互換だ。
それプラス追加装甲である「スパルトイ」で性能を底上げしている。
スパルトイは耐弾性能も非常に高く、装備しているだけで脅威度が五割は跳ね上がる。
耐弾性能の高さは少々の被弾を物ともせずに弾をばら撒いているだけで戦力として充分に通用していた。
次は白黒ツートンの機体。 基本的な造形は灰色と変わらないが、エネルギーウイング『テラリア』を装備しており、スラスターの付き方などはキマイラタイプに近い。
ソルジャー、キマイラ、エンジェルタイプの良いとこどりをしたようなデザインだ。
エネルギーウイング搭載機特有の急加速、急旋回、急制動と操作プレイヤーの技量が大きく出るスペックなので中身の技量が戦闘能力に直結する非常に厄介なタイプだった。
三種類目はヨシナリの見た事のないタイプだった。
黄土色の機体で二十メートル以上の巨体に両腕はガトリング砲、重装甲にエネルギーフィールド。
脚部には無限軌道を履いている。 まるで重機のような印象を受ける機体だ。
「こればっかりだな」
思わずマルメルが呟く。 エネルギー兵器を無効にしてくる装備を持った敵が妙に多いというのは同意見だった。 その癖、通常エネミーは実体弾に対する高い耐性を持っているのだからやってられない。
最後の機種は銀色の機体だ。 白黒ツートンの上位互換の機体でエネルギーウイングが二基から四基と倍増しており、機動性に関しては完全に別物だった。
総合力ならAランクプレイヤーが扱うジェネシスフレームと同等というのが思金神の見解だった。
イベント中、カナタと戦っている姿を見はしたがそこまでだったとは驚きだ。
挙動から有人機と言う事ははっきりしている上、技量もバラバラ。 その為、スペックは明らかになるが脅威度に関しては明確に評価を付け辛いというのが最終的な結論となった。
操っているプレイヤーで脅威度が大きく変化するので気を付けろとしか言えないのだ。
次は各拠点の地下に存在する地下の広大な空間についてへと話題が移行する。
話によると現在確認されているどの拠点からも降りる事が可能のようだ。 恐らくではあるが全ての拠点は地下で繋がっているのではないかという説が濃厚。 ならばどこかの拠点を陥落させた後、地下の制圧に力を入れるべきではないかとも思われるがそうもいかない。
イカ型エネミーの存在だ。 どうやらあのエネミーは無限湧きのようだ。
一定間隔で巨大な穴があるのだが、そこから這い出して来る。 撃破しても一定時間の経過でまた出てくるので長居ができないのだ。 特に強酸性の液体を撒き散らす特性上、地下の限られた空間での交戦は可能であれば避けたい。
「リポップして追いかけて来たのかよ……」
思わず呟く。
だとしたら見かける度に処理しないと地下はイカだらけになるのか。
何もないのであれば安全に移動できると思っていたが、そんな甘い話はないようだ。
「こりゃ地上から行った方がマシかもしれないな」
マルメルの言葉にヨシナリはどうしたものかと首を捻る。
地上は地上でメガロドン型のテリトリーだ。 どちらにしても大きなリスクが存在する。
――うーん。 でもちょっと引っかかるなぁ……。
イカ型エネミーの説明を受けながらヨシナリは首を捻る。
「どうかしたか?」
「いや、ちょっと――」
気になる事がと言いかけた所で地下の構造についての話題にシフトしたのでそちらに意識を取られ、言いかけた事が頭から飛んで行ってしまった。
「いやー、無理ゲーじゃね?」
その後、説明会が終了し簡単な質問時間が設けられた後、何かあれば情報提供をお願いしますと締められた。 終わったのでヨシナリとマルメルは思金神の施設を後にしてさっきまで聞いていた話を聞いた感想を言い合っていたのだが、マルメルの言葉が難易度の高さを雄弁に物語っている。
「一応、クリアできる難易度のはずなんだがなぁ……」
割と情報は出てきたが分からない部分も多く、突破口を見出すには少し足りない。
「その辺は大手のユニオン様に任せて俺達は自己強化をして次はもうちょっと上手く立ち回れるようにしようぜ」
二ヶ月このまま空くのか他のイベントが挟まるのかは不明だが、次の戦いに備えて強化を行っていかないと置いて行かれるのは明らかだ。 マルメルの前向きな意見にヨシナリは苦笑。
答えの出ない事を考えるよりはできる事をやっていこう。 強くなれば選択肢が増え、選択肢が増えれば何かしらの突破口が開けるかもしれない。
「取り敢えず共同ミッションでもやるか!」
「いいね。 俺も復帰いきなりイベントだったし色々と取り戻したいしやろうぜ!」
二人は肩を組んでそのままユニオン『思金神』ホームを後にした。
その時、二人は気付かなかったが全プレイヤーにあるメールが届いていたのだ。
内容は「次回イベント『サーバー対抗戦』のお知らせ」と。
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