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第203話
鈍重な機体が回避を選択した。 つまりは追い込めている。
――このまま押し切る!
フィールドの再展開までは攻撃が通るはずだと判断したヨシナリはブースターを全開に噴かして突撃。
距離を一気に詰める。 この間合いならエネルギーキャノンも使えない。
まんまるはただでやられるつもりはないらしく。 突撃銃を器用に連射しながら高度を上げる。
下げずに上げたのは自分の機体が鈍重かつ大型なので障害物を利用するといった真似ができないからだろう。 ヨシナリは実弾を連射しながら弾切れと同時にエネルギー弾に切り替えて射撃。
放った一撃はまんまるの機体の肩を撃ち抜く。
――通った。
このまま畳みかけると更に肉薄。 まんまるは近づけまいとマガジン交換しながら突撃銃を連射するが、鈍重な機体が仇となり、上手くホロスコープを捉えられない。
砲戦をメインとしているだけあって旋回が遅いので、機体の周囲を回るように接近すれば比較的、安全に距離を詰められる。
――そろそろか。
距離を詰め切らずにブレードが届く距離に入る前に急上昇。
同時にまんまるのフィールドが再展開される。 砲は使う気配はない。
完全に息切れしているようで、エネルギーに余裕がなさそうだ。 今の所は自分のペースに持ち込めているが、相手は格上である以上は何をしてくるか分からない。
絶対に油断はしない。 ヨシナリは眼を閉じて思い返す。
以前に行ったふわわとの一戦を。 あの時、勝利を確信して押し切ろうとした。
その結果、ドローという拾えた勝ちを取りこぼすといった結果に終わったのだ。
今、思い出しても自分の浅はかさに対して怒り狂いそうになる。
だから、相手が完全にくたばるまで油断はしない。 ヨシナリは全ての意識を敵機に向ける。
フィールドは再展開しているが、可能になって慌てて広げたのならそこまで回復はしていないはずだ。 実弾を連射、弾切れ、予備のマガジンなし。
エネルギー弾に切り替えて再度射撃。 フィールドを破壊、攻めずに急降下。
相手の突撃銃がヨシナリのさっきまでいた空間を薙ぎ払う。
タイミングが合ってきた。 集中、集中。 相手の一挙手一投足に気を配り、意識の焦点を絞れ。
どんな些細な挙動も見逃すな。 エネルギー弾のチャージが必要になったと同時にアノマリーを投げ捨ててブレードを抜く。 狙いはコックピット部分、いくら重装甲でも継ぎ目を狙えばどうにでもなる。
まんまるも突撃銃では捉えきれないと判断したのか腕に内蔵したブレードを展開。
振らずに突きを放つ。 闇雲に振っても当たらないと判断した結果だろう。
ギリギリまで引き付けてからの一撃はまだ勝負を捨てていない証だ。
だが、機動性ではホロスコープの方が上。 ヨシナリは刺突を躱して懐へ。
この距離なら防御も何もない。 必殺の距離と言えるが――
仕掛ける直前に横方向に噴かしてまんまるの機体の背後へ旋回。 一瞬、遅れてまんまるの機体から何かが飛び出した。 恐らくは使い捨ての散弾砲か何かだろう。
重装甲の巨体であるという事は武装を積める余地があるという事だ。
「な、なんで――」
躱されると思っていなかったのかまんまるが驚きの声を上げる。
これがあるから上位のプレイヤーは怖い。 以前に高い授業料を払った甲斐があったとヨシナリはまんまるの機体の背後――うなじの辺りにブレードを突き立ててその首を落とした。
ここまでされると流石に万策が尽きたのか滅茶苦茶に両腕を振り回し、どうにかヨシナリを振り払おうとしたがもう遅い。 拳銃を抜くと頭があった場所――内部構造が剥き出しになった場所に向けて連射。 弾が切れるまで銃弾を叩きこんだ。
いかに重装甲のプリンシパリティでも内部へのダメージには脆く、致命的な損傷を及ぼした。
機体のあちこちで小規模な爆発が起こり、やがて機体の中心が僅かに膨らんだと同時に爆散。
残骸が辺りに撒き散らされたのを見てヨシナリは大きく息を吐いて少しだけ肩の力を抜いた。
「結構、きついなこれ」
一対一だからこそできた戦い方だが、意識の焦点を絞ると完全に周囲への警戒が出来なくなるので個人戦以外では使えない。 やはり意識と視野は広く深くだ。
ふわわはどうなったかなと視線を向けると変わらずに膠着状態だった。
ポンポンはふわわと付かず離れすぎずの距離を保ち、ふわわはどうにか武器の間合いに捉えようと追いかける。
――まぁ、それももう終わりだが。
ヨシナリは投げ捨てたアノマリーを拾い、動作する事を確認するとおもむろに構える。
無理に当てなくていいので楽なものだ。 そんな事を考えながら狙いを付けて発射した。
「――ふぁ!?」
ポンポンは唐突に飛んできたエネルギー弾を回避。
どこから飛んできたと確認するとヨシナリがいつの間にかフリーになっていた。
なんでだよとまんまるの位置を確認しようとしたが、ステータスがロスト――つまり撃墜扱いになっていたのだ。 逃げ回る事に集中していて全く見ていなかった。
「何やられてんだよバカぁぁ! 減点んんんん!!」
「お友達は残念やったねぇ?」
思わず叫ぶと、ふわわが下から斬りかかって来るのを急旋回で躱す。 回避と同時に下降、高度を上げられなくなった。
下手に上げるとヨシナリの狙撃が飛んでくる。 地上を避けていたのはふわわから逃げる為だというのに……。 本来、エンジェルタイプはソルジャータイプの完全上位互換だ。
機動力、旋回性、全てにおいて上回っていると断言できるが、相手がふわわで地形が入り組んでいた場合はその限りではない。 何故なら――
ふわわの機体はビルを蹴ってピンボールのようにあちこちを跳ね回りながら向かってくるのだ。
お陰で照準が碌に合わせられず、動きが読み辛い。
その上、速いと地上に留まっているといい事が一つもなかった。
だからこそ地上での戦闘を避けて空中に逃げる形で距離を取っていたのだが、それもできない。
――負ける? あたしらが?
確かに格下と見ていた面はあったが、それ以上に負けるとどれだけ不味いのかも理解していたので本気で潰しに行ったのだ。
――にもかかわらずニャーコが瞬殺され、まんまるは正面から負けた。
Fランクのソルジャータイプ使いに。 信じられない。 信じたくなかった。
ポンポンは焦りと驚愕が混ざり、濁った思考でどうすればいいと自問するがそれが良くなかったようだ。 不意に飛んできた狙撃でエネルギーウイングを撃ち抜かれたからだ。
――このまま押し切る!
フィールドの再展開までは攻撃が通るはずだと判断したヨシナリはブースターを全開に噴かして突撃。
距離を一気に詰める。 この間合いならエネルギーキャノンも使えない。
まんまるはただでやられるつもりはないらしく。 突撃銃を器用に連射しながら高度を上げる。
下げずに上げたのは自分の機体が鈍重かつ大型なので障害物を利用するといった真似ができないからだろう。 ヨシナリは実弾を連射しながら弾切れと同時にエネルギー弾に切り替えて射撃。
放った一撃はまんまるの機体の肩を撃ち抜く。
――通った。
このまま畳みかけると更に肉薄。 まんまるは近づけまいとマガジン交換しながら突撃銃を連射するが、鈍重な機体が仇となり、上手くホロスコープを捉えられない。
砲戦をメインとしているだけあって旋回が遅いので、機体の周囲を回るように接近すれば比較的、安全に距離を詰められる。
――そろそろか。
距離を詰め切らずにブレードが届く距離に入る前に急上昇。
同時にまんまるのフィールドが再展開される。 砲は使う気配はない。
完全に息切れしているようで、エネルギーに余裕がなさそうだ。 今の所は自分のペースに持ち込めているが、相手は格上である以上は何をしてくるか分からない。
絶対に油断はしない。 ヨシナリは眼を閉じて思い返す。
以前に行ったふわわとの一戦を。 あの時、勝利を確信して押し切ろうとした。
その結果、ドローという拾えた勝ちを取りこぼすといった結果に終わったのだ。
今、思い出しても自分の浅はかさに対して怒り狂いそうになる。
だから、相手が完全にくたばるまで油断はしない。 ヨシナリは全ての意識を敵機に向ける。
フィールドは再展開しているが、可能になって慌てて広げたのならそこまで回復はしていないはずだ。 実弾を連射、弾切れ、予備のマガジンなし。
エネルギー弾に切り替えて再度射撃。 フィールドを破壊、攻めずに急降下。
相手の突撃銃がヨシナリのさっきまでいた空間を薙ぎ払う。
タイミングが合ってきた。 集中、集中。 相手の一挙手一投足に気を配り、意識の焦点を絞れ。
どんな些細な挙動も見逃すな。 エネルギー弾のチャージが必要になったと同時にアノマリーを投げ捨ててブレードを抜く。 狙いはコックピット部分、いくら重装甲でも継ぎ目を狙えばどうにでもなる。
まんまるも突撃銃では捉えきれないと判断したのか腕に内蔵したブレードを展開。
振らずに突きを放つ。 闇雲に振っても当たらないと判断した結果だろう。
ギリギリまで引き付けてからの一撃はまだ勝負を捨てていない証だ。
だが、機動性ではホロスコープの方が上。 ヨシナリは刺突を躱して懐へ。
この距離なら防御も何もない。 必殺の距離と言えるが――
仕掛ける直前に横方向に噴かしてまんまるの機体の背後へ旋回。 一瞬、遅れてまんまるの機体から何かが飛び出した。 恐らくは使い捨ての散弾砲か何かだろう。
重装甲の巨体であるという事は武装を積める余地があるという事だ。
「な、なんで――」
躱されると思っていなかったのかまんまるが驚きの声を上げる。
これがあるから上位のプレイヤーは怖い。 以前に高い授業料を払った甲斐があったとヨシナリはまんまるの機体の背後――うなじの辺りにブレードを突き立ててその首を落とした。
ここまでされると流石に万策が尽きたのか滅茶苦茶に両腕を振り回し、どうにかヨシナリを振り払おうとしたがもう遅い。 拳銃を抜くと頭があった場所――内部構造が剥き出しになった場所に向けて連射。 弾が切れるまで銃弾を叩きこんだ。
いかに重装甲のプリンシパリティでも内部へのダメージには脆く、致命的な損傷を及ぼした。
機体のあちこちで小規模な爆発が起こり、やがて機体の中心が僅かに膨らんだと同時に爆散。
残骸が辺りに撒き散らされたのを見てヨシナリは大きく息を吐いて少しだけ肩の力を抜いた。
「結構、きついなこれ」
一対一だからこそできた戦い方だが、意識の焦点を絞ると完全に周囲への警戒が出来なくなるので個人戦以外では使えない。 やはり意識と視野は広く深くだ。
ふわわはどうなったかなと視線を向けると変わらずに膠着状態だった。
ポンポンはふわわと付かず離れすぎずの距離を保ち、ふわわはどうにか武器の間合いに捉えようと追いかける。
――まぁ、それももう終わりだが。
ヨシナリは投げ捨てたアノマリーを拾い、動作する事を確認するとおもむろに構える。
無理に当てなくていいので楽なものだ。 そんな事を考えながら狙いを付けて発射した。
「――ふぁ!?」
ポンポンは唐突に飛んできたエネルギー弾を回避。
どこから飛んできたと確認するとヨシナリがいつの間にかフリーになっていた。
なんでだよとまんまるの位置を確認しようとしたが、ステータスがロスト――つまり撃墜扱いになっていたのだ。 逃げ回る事に集中していて全く見ていなかった。
「何やられてんだよバカぁぁ! 減点んんんん!!」
「お友達は残念やったねぇ?」
思わず叫ぶと、ふわわが下から斬りかかって来るのを急旋回で躱す。 回避と同時に下降、高度を上げられなくなった。
下手に上げるとヨシナリの狙撃が飛んでくる。 地上を避けていたのはふわわから逃げる為だというのに……。 本来、エンジェルタイプはソルジャータイプの完全上位互換だ。
機動力、旋回性、全てにおいて上回っていると断言できるが、相手がふわわで地形が入り組んでいた場合はその限りではない。 何故なら――
ふわわの機体はビルを蹴ってピンボールのようにあちこちを跳ね回りながら向かってくるのだ。
お陰で照準が碌に合わせられず、動きが読み辛い。
その上、速いと地上に留まっているといい事が一つもなかった。
だからこそ地上での戦闘を避けて空中に逃げる形で距離を取っていたのだが、それもできない。
――負ける? あたしらが?
確かに格下と見ていた面はあったが、それ以上に負けるとどれだけ不味いのかも理解していたので本気で潰しに行ったのだ。
――にもかかわらずニャーコが瞬殺され、まんまるは正面から負けた。
Fランクのソルジャータイプ使いに。 信じられない。 信じたくなかった。
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