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第236話
選択肢は多いが、状況と自分の技量、装備で通用しそうな相手となると自然と限られてくる。
蜘蛛、逆関節は明らかに機動力に振っている機体で、挙動を見る限り捉えるのが難しそうなので除外。 無理に狙うと返り討ちに遭う可能性が高い。
同じ理由でバイクも除外。 そうなると残りは重武装タイプのみとなる。
極端な話ではあるが、どんな火力を持っていようが当たらなければ問題ない。
そしてどんな防御兵装を持っていようとも当たりさえすれば割と何とかなるからだ。
まずは分析から。 人型に変形し、アノマリーを実弾に切り替えて連射。
「やっぱ狙うならそいつからだよナ!」
ポンポンが同期する形でエネルギーライフルを撃ち込む。
銃弾、エネルギー弾は特に効果を発揮せずに機体の周囲に展開されたフィールドに弾かれる。
分かり切った結果だったので失望はない。 見たかったのはエネルギーの流れだったので、寧ろ防いでくれてありがたいとすら思っていた。
「フィールドの発生装置は胴体――コックピット部分の真下。 人間で言うと鳩尾の部分ですね。 ジェネレーターと直結している感じです」
「あー、外付けなら狙い易かったんだが、やっぱに正攻法で突破しないと撃破は難しいか」
「ですね。 もうちょっと引っかき回しつつ情報を集めましょう」
「了解だ。 エネルギーフィールドも無限じゃないからナ。 取り敢えず、冷却を狙うゾ!」
ヨシナリは大きく頷いて、行動を開始する。 ポンポン達『豹変』のメンバーも散開。
防御の固さは充分に見た。 次は武装面だ。
両肩にエネルギー砲が二門。 可動域は最大90°といった所だろうか? 恐らく真上までは狙えるが背後はバックパックと干渉するので無理だ。
両腕にはガトリング砲が三つずつ。 片腕に合計でなんと十六本の銃口が束ねられている事になる。
そこから吐き出される銃弾は凄まじい威力を誇るだろうが、基本的に正面にしか撃てないので、攻撃範囲にさえ入らなければそこまで怖い武器ではない。 一番怖いのは腰のミサイルポッドだ。
ガトリング砲もだが、背中のバックパックに繋がっている所を見ると内部で精製して給弾するタイプだろう。 つまり弾切れは期待できない。
コンセプトとしてはとにかく撃ちまくりたいといった所だろう。
――怪しいな。
臭かった。 ぷんぷんと臭うレベルで怪しい。
これまで何度もハイランカーの戦いを見て来たヨシナリとしては重装備で高ランクを維持できるのは不可能とまでは行かないが非常に難しい。 理由は簡単でジェネシスフレームの火力は既存の機体からは逸脱しているので防御が困難なのだ。 その為、ハイランカーに求められるのは防ぐ事ではなく、躱す事。 プレイヤーには高い反応速度、機体には高い機動性。
それを両立させたラーガストという完成形を見ているからこその結論かもしれないが、あの重装備の機体はとても怪しいのだ。 ヨシナリの読みでは機動性を補う何かか、相手の機動性を毟り取る何かが必ずあると確信していた。
ポンポンを先頭にエンジェルタイプがエネルギー系の攻撃を次々と繰り出す。
敵機は両脇腹に付いているミサイルをばら撒きながら脚部に付いている無限軌道を唸らせて後退。
逃げるのではなく、エネルギー砲とガトリング砲の射角を確保する為の移動だ。
ミサイルポッドはやや大きめだが発射口は左右で各四。 一度にばら撒ける数は八発。
かなり精密な誘導装置を内蔵している辺りは流石はAランクの装備といった所だろう。
ついでに弾速も速いので回避よりも撃墜した方が安全だ。 ヨシナリの方にも飛んできたので拳銃を抜いて撃ち落とす。 アノマリーで攻撃を仕掛けながら敵機のエネルギー分布を確認。
シックスセンス様々だなと思いながら敵機の情報を読み取る。
エネルギーは腹部のジェネレーターとフィールドの発生装置、弾丸を精製しているであろうバックパックに集中していた。 そして砲の発射前にはそちらに流れるので挙動が見切り易い。
「砲、来ます! 射線上の機体注意!」
短くそう叫ぶと狙われていた機体は即座に散って射線から逃れる。
少し遅れて砲にエネルギーが充填されて発射。 何もない空間を突き抜けていく。
「いやー、お前が居ると滅茶苦茶楽だナ! やっぱりウチこないか?」
「はは、気持ちだけ貰っときますよ」
死角からチクチクとエネルギーライフルを連射しているポンポンは上機嫌だ。
「それにしても硬いナ。 バリアが全然破れないゾ!」
「とんでもないスタミナですね。 それ以前に冷却しないのはちょっと気になります」
「熱分布はどうなってる?」
「一応、溜まってはいるみたいですね。 胴体を中心に機体の温度が上昇しています」
サーモグラフィーに切り替えると機体が全体的に真っ赤になりつつあった。
「エネルギー」
「相変わらず、腹とバックパック、発射前は砲に行く感じです」
「なーんか怪しいナぁ」
「怪しいですね。 絶対に何か狙ってるでしょ」
「あたしとしては気になるのはこれだけ袋にされてるのに味方が全然助けに来ない所だ」
「あぁ、言われてみれば確かに」
周囲を見ると敵の汎用機は離れた位置で『栄光』の機体と激しく戦っているが、援護に入る気配がない。 そして陸に至っては一機も居ないのだ。
包囲して総攻撃している相手に有効な攻撃――そこでヨシナリはふとある事を思い出した。
防衛イベントの時だ。 あの巨大イソギンチャク型エネミーが放ったEMP攻撃。
アレでかなりの数が撃墜された。 同等の攻撃は流石に無理だろうが似たような事は出来るかもしれない。
「可能性としてはEMPですか――」
ヨシナリが言いかけた所で敵機に動きがあった。 胸部の装甲が展開したのだ。
熱分布を見ると機体の熱が胸部に集まっていくのが分かる。 明らかにヤバい何かをしようとしていたのでヨシナリはホロスコープを戦闘機形態に変形させて急上昇。
「何か来ます! 距離を取ってください!」
味方に警告を飛ばしつつ全力で回避行動。 とにかく距離をとならないと不味い。
恐らくは他の敵機が戦っている辺りまで離れれば問題ないはず。
EMPは一度食らっているので対策は施しているが、本当にそうなのかも怪しい現状で過信するのは危険だ。 ここは回避が正解のはず。
そして敵機から不可視の何かが放たれた。
蜘蛛、逆関節は明らかに機動力に振っている機体で、挙動を見る限り捉えるのが難しそうなので除外。 無理に狙うと返り討ちに遭う可能性が高い。
同じ理由でバイクも除外。 そうなると残りは重武装タイプのみとなる。
極端な話ではあるが、どんな火力を持っていようが当たらなければ問題ない。
そしてどんな防御兵装を持っていようとも当たりさえすれば割と何とかなるからだ。
まずは分析から。 人型に変形し、アノマリーを実弾に切り替えて連射。
「やっぱ狙うならそいつからだよナ!」
ポンポンが同期する形でエネルギーライフルを撃ち込む。
銃弾、エネルギー弾は特に効果を発揮せずに機体の周囲に展開されたフィールドに弾かれる。
分かり切った結果だったので失望はない。 見たかったのはエネルギーの流れだったので、寧ろ防いでくれてありがたいとすら思っていた。
「フィールドの発生装置は胴体――コックピット部分の真下。 人間で言うと鳩尾の部分ですね。 ジェネレーターと直結している感じです」
「あー、外付けなら狙い易かったんだが、やっぱに正攻法で突破しないと撃破は難しいか」
「ですね。 もうちょっと引っかき回しつつ情報を集めましょう」
「了解だ。 エネルギーフィールドも無限じゃないからナ。 取り敢えず、冷却を狙うゾ!」
ヨシナリは大きく頷いて、行動を開始する。 ポンポン達『豹変』のメンバーも散開。
防御の固さは充分に見た。 次は武装面だ。
両肩にエネルギー砲が二門。 可動域は最大90°といった所だろうか? 恐らく真上までは狙えるが背後はバックパックと干渉するので無理だ。
両腕にはガトリング砲が三つずつ。 片腕に合計でなんと十六本の銃口が束ねられている事になる。
そこから吐き出される銃弾は凄まじい威力を誇るだろうが、基本的に正面にしか撃てないので、攻撃範囲にさえ入らなければそこまで怖い武器ではない。 一番怖いのは腰のミサイルポッドだ。
ガトリング砲もだが、背中のバックパックに繋がっている所を見ると内部で精製して給弾するタイプだろう。 つまり弾切れは期待できない。
コンセプトとしてはとにかく撃ちまくりたいといった所だろう。
――怪しいな。
臭かった。 ぷんぷんと臭うレベルで怪しい。
これまで何度もハイランカーの戦いを見て来たヨシナリとしては重装備で高ランクを維持できるのは不可能とまでは行かないが非常に難しい。 理由は簡単でジェネシスフレームの火力は既存の機体からは逸脱しているので防御が困難なのだ。 その為、ハイランカーに求められるのは防ぐ事ではなく、躱す事。 プレイヤーには高い反応速度、機体には高い機動性。
それを両立させたラーガストという完成形を見ているからこその結論かもしれないが、あの重装備の機体はとても怪しいのだ。 ヨシナリの読みでは機動性を補う何かか、相手の機動性を毟り取る何かが必ずあると確信していた。
ポンポンを先頭にエンジェルタイプがエネルギー系の攻撃を次々と繰り出す。
敵機は両脇腹に付いているミサイルをばら撒きながら脚部に付いている無限軌道を唸らせて後退。
逃げるのではなく、エネルギー砲とガトリング砲の射角を確保する為の移動だ。
ミサイルポッドはやや大きめだが発射口は左右で各四。 一度にばら撒ける数は八発。
かなり精密な誘導装置を内蔵している辺りは流石はAランクの装備といった所だろう。
ついでに弾速も速いので回避よりも撃墜した方が安全だ。 ヨシナリの方にも飛んできたので拳銃を抜いて撃ち落とす。 アノマリーで攻撃を仕掛けながら敵機のエネルギー分布を確認。
シックスセンス様々だなと思いながら敵機の情報を読み取る。
エネルギーは腹部のジェネレーターとフィールドの発生装置、弾丸を精製しているであろうバックパックに集中していた。 そして砲の発射前にはそちらに流れるので挙動が見切り易い。
「砲、来ます! 射線上の機体注意!」
短くそう叫ぶと狙われていた機体は即座に散って射線から逃れる。
少し遅れて砲にエネルギーが充填されて発射。 何もない空間を突き抜けていく。
「いやー、お前が居ると滅茶苦茶楽だナ! やっぱりウチこないか?」
「はは、気持ちだけ貰っときますよ」
死角からチクチクとエネルギーライフルを連射しているポンポンは上機嫌だ。
「それにしても硬いナ。 バリアが全然破れないゾ!」
「とんでもないスタミナですね。 それ以前に冷却しないのはちょっと気になります」
「熱分布はどうなってる?」
「一応、溜まってはいるみたいですね。 胴体を中心に機体の温度が上昇しています」
サーモグラフィーに切り替えると機体が全体的に真っ赤になりつつあった。
「エネルギー」
「相変わらず、腹とバックパック、発射前は砲に行く感じです」
「なーんか怪しいナぁ」
「怪しいですね。 絶対に何か狙ってるでしょ」
「あたしとしては気になるのはこれだけ袋にされてるのに味方が全然助けに来ない所だ」
「あぁ、言われてみれば確かに」
周囲を見ると敵の汎用機は離れた位置で『栄光』の機体と激しく戦っているが、援護に入る気配がない。 そして陸に至っては一機も居ないのだ。
包囲して総攻撃している相手に有効な攻撃――そこでヨシナリはふとある事を思い出した。
防衛イベントの時だ。 あの巨大イソギンチャク型エネミーが放ったEMP攻撃。
アレでかなりの数が撃墜された。 同等の攻撃は流石に無理だろうが似たような事は出来るかもしれない。
「可能性としてはEMPですか――」
ヨシナリが言いかけた所で敵機に動きがあった。 胸部の装甲が展開したのだ。
熱分布を見ると機体の熱が胸部に集まっていくのが分かる。 明らかにヤバい何かをしようとしていたのでヨシナリはホロスコープを戦闘機形態に変形させて急上昇。
「何か来ます! 距離を取ってください!」
味方に警告を飛ばしつつ全力で回避行動。 とにかく距離をとならないと不味い。
恐らくは他の敵機が戦っている辺りまで離れれば問題ないはず。
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