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第243話
「いや、情報量多すぎじゃね?」
ヨシナリは思わずそう呟いた。 彼が見ているのは運営からのアナウンスだ。
大型アップデートのお知らせと記されたそれを順番に眺める。
まず最初に派生フレームの実装。
ソルジャー、パンツァー、キマイラ各種の上位互換フレームが追加される。
名称はプラス。 ソルジャー+、パンツァー+、キマイラ+となるようだ。
使用感は変わらないが総合力が大きく向上している。 具体的にはコンデンサーやジェネレーターの搭載制限が緩和され、パーツの構成次第ではエンジェルタイプに迫る事も可能となる。
性能向上だけでなく、ダウングレードされたエネルギーウイングまで扱えるようだ。
強化されてもジェネレーターの最大出力はエンジェルタイプに比べると低いので下位互換には留まるが、機動性を大きく向上させる事が可能だ。
ただ、エネルギーウイングは扱いに癖のある装備なので単純な性能アップにと何も考えずに飛びつくと痛い目を見そうだというのがヨシナリの感想だった。
メリットばかりではないといった話ではあるが、恐らくランクが上がってもプレイスタイルから乗り換えを拒むプレイヤーへの救済措置だろう。 ヨシナリとしてもキマイラ+は少し魅力だが、フレームを買い替えたばかりなのでそんな物を買う金はない事もあって、これはスルーするつもりだった。
次はショップのラインナップ更新。
単純にショップ内で取り扱っている商品が増えたぐらいだが、面白いのが例のイベントで使った強襲装甲『スパルトイ』のダウングレード版が追加されたぐらいか。
スペックを見ると重量などは据え置きなのに内蔵ジェネレーターの出力が低下しているので、性能は抑えられているようだ。 それだけイベントで手に入ったあの装備が優秀だったとも言えるが。
ざっと見たが今の所はそこまで惹かれる物はないので次の項目を確認する。
新ミッションの追加。 これは見ておやとなった。
何故なら以前にクリアした防衛戦イベントのダウングレード版だからだ。
制限時間が十二時間から二時間になっている上、全員が好きなタイミング参戦できるようになっている。 機会があったら遊んでみるのもありかと思いながら最後の項目へ。
ランク戦の報酬増加。 これは見たままで支給されるランク報酬が上がる。
恐らくは報酬を餌にランク戦を加熱させたいのだろう。
装備の強化、ミッション、フレームの追加。 特に最後のフレームに関しては求めているユーザーも多い要素のはずなので一応ではあるが、運営はプレイヤーが何を求めているのかを認識できているようだ。
追加要素は一通り確認が済み、問題の復刻イベントへと目を向ける。
第二回ユニオン対抗戦。 前回はラーガストとユウヤの協力で結果は残したが、自分の実力とは言えないので今回はマルメル達と頑張っていきたい。
「――という事なんだけど、今回は大丈夫だよな?」
開催は一週間後。 ヨシナリは集まったユニオンメンバーに予定の確認を行う。
前回はドタキャンされたのでまた同じ事態になると今度こそ一人での参加になりかねない。
「だ、大丈夫だって! 今回は絶対にいける」
「ウチも大丈夫! 前みたいなことにはならんよ!」
「分かってますって信じてますよ」
前回一人にされた事は地味にショックだったヨシナリとしては信じていると口にはしたが、微妙に疑っていた。
「――まぁ、それはそれとしてルールは前回とまったく同じですね。 ユニオンから最大十人、三チームまで送り出せるユニオン対抗戦。 ウチは三人しかいないので枠が七つ余っています」
「これまでみたいにウチらだけでええんと違う?」
「参加するだけならそれでもいいと思いますが、勝ちたいのなら枠は埋めておくべきです」
実際、前回に関しては規格外のメンバーが居たからこその結果なので、この面子で上に行きたいのなら頭数は揃えた方が良い。 最悪、数合わせでも囮ぐらいにはなるのでいないよりはましだ。
「いや、枠埋めるのはいいんだけどアテはあるのか?」
「あー、まぁ、取り敢えず募集をかけつつって感じかな」
条件をぶら下げて釣る作戦は前回、ラーガスト達以外が引っ掛からなかったので望み薄だが、今回に関しては一応当てがあったりする。 受けてくれるかは怪しいが聞いた話ではやり方次第で引っ張れそうだ。
「時間もないし、臨時メンバーは来ればラッキー程度に考えよう」
ユニオン対抗戦は連携が重要となる。
その為、メンバー間の連携は必須と言えるが、正規のメンバーが三人しかいない『星座盤』は他よりも撃破された時のリスクが高い以上、連携と生存率は可能な限り上げておきたい。
「――はい、そんな訳でユニオン戦で連携を磨いていこうと思います」
期間が一週間しかないのでやれる事はそう多くない。
時間が合う時はユニオン戦で連携を高めつつ、合わない時は個人練習で腕を磨く。
全員が機体や武装を更新しているので連携の動きも色々と変わってくる。
特にヨシナリがキマイラに乗り換えた事で戦い方の幅が大きく広がった。
元々、遠くからの狙撃をメインとした後衛だった彼だが、キマイラの機動力を手に入れた事で前衛こなせるようにもなった事は大きい。 今回のユニオン戦の結果はそれが顕著に表れたと言っていい。
相手はパンツァータイプ一機、ソルジャータイプ二機の三機構成だったが、真っ先にヨシナリがキマイラタイプの機動性に物を言わせて突撃。 上空から銃撃する事で敵を分断し、連携を封じた所でマルメルがパンツァータイプへ銃撃して牽制、ふわわが分断されたソルジャータイプを仕留めに行くという流れだった。 彼女の間合いに入ってしまえば同ランク帯で逃げ切れる者は少なく、あっさりと両断。
もう一機のソルジャータイプは味方の撃墜で動揺した所をヨシナリがアノマリーで撃ち抜いて撃破。
残ったパンツァータイプを全員で袋叩きにして終了となる。
元々、星座盤はふわわを連携の起点としていたが、ヨシナリが機動力を手に入れた事で選択肢が増えたのだ。 マルメルは中衛としてそのままだが、機体の性能を防御に振った事で安定感が増した。
ヨシナリとしてもふわわよりも前に出る事で彼女の動きをある程度ではあるが、コントロールできるようになったことも大きい。
――良いチームだ。
星座盤の連携はある種の完成を見せていたが、それ故に他を混ぜると何が起こるのかが読めない事が少しだけ懸念される。
ヨシナリは思わずそう呟いた。 彼が見ているのは運営からのアナウンスだ。
大型アップデートのお知らせと記されたそれを順番に眺める。
まず最初に派生フレームの実装。
ソルジャー、パンツァー、キマイラ各種の上位互換フレームが追加される。
名称はプラス。 ソルジャー+、パンツァー+、キマイラ+となるようだ。
使用感は変わらないが総合力が大きく向上している。 具体的にはコンデンサーやジェネレーターの搭載制限が緩和され、パーツの構成次第ではエンジェルタイプに迫る事も可能となる。
性能向上だけでなく、ダウングレードされたエネルギーウイングまで扱えるようだ。
強化されてもジェネレーターの最大出力はエンジェルタイプに比べると低いので下位互換には留まるが、機動性を大きく向上させる事が可能だ。
ただ、エネルギーウイングは扱いに癖のある装備なので単純な性能アップにと何も考えずに飛びつくと痛い目を見そうだというのがヨシナリの感想だった。
メリットばかりではないといった話ではあるが、恐らくランクが上がってもプレイスタイルから乗り換えを拒むプレイヤーへの救済措置だろう。 ヨシナリとしてもキマイラ+は少し魅力だが、フレームを買い替えたばかりなのでそんな物を買う金はない事もあって、これはスルーするつもりだった。
次はショップのラインナップ更新。
単純にショップ内で取り扱っている商品が増えたぐらいだが、面白いのが例のイベントで使った強襲装甲『スパルトイ』のダウングレード版が追加されたぐらいか。
スペックを見ると重量などは据え置きなのに内蔵ジェネレーターの出力が低下しているので、性能は抑えられているようだ。 それだけイベントで手に入ったあの装備が優秀だったとも言えるが。
ざっと見たが今の所はそこまで惹かれる物はないので次の項目を確認する。
新ミッションの追加。 これは見ておやとなった。
何故なら以前にクリアした防衛戦イベントのダウングレード版だからだ。
制限時間が十二時間から二時間になっている上、全員が好きなタイミング参戦できるようになっている。 機会があったら遊んでみるのもありかと思いながら最後の項目へ。
ランク戦の報酬増加。 これは見たままで支給されるランク報酬が上がる。
恐らくは報酬を餌にランク戦を加熱させたいのだろう。
装備の強化、ミッション、フレームの追加。 特に最後のフレームに関しては求めているユーザーも多い要素のはずなので一応ではあるが、運営はプレイヤーが何を求めているのかを認識できているようだ。
追加要素は一通り確認が済み、問題の復刻イベントへと目を向ける。
第二回ユニオン対抗戦。 前回はラーガストとユウヤの協力で結果は残したが、自分の実力とは言えないので今回はマルメル達と頑張っていきたい。
「――という事なんだけど、今回は大丈夫だよな?」
開催は一週間後。 ヨシナリは集まったユニオンメンバーに予定の確認を行う。
前回はドタキャンされたのでまた同じ事態になると今度こそ一人での参加になりかねない。
「だ、大丈夫だって! 今回は絶対にいける」
「ウチも大丈夫! 前みたいなことにはならんよ!」
「分かってますって信じてますよ」
前回一人にされた事は地味にショックだったヨシナリとしては信じていると口にはしたが、微妙に疑っていた。
「――まぁ、それはそれとしてルールは前回とまったく同じですね。 ユニオンから最大十人、三チームまで送り出せるユニオン対抗戦。 ウチは三人しかいないので枠が七つ余っています」
「これまでみたいにウチらだけでええんと違う?」
「参加するだけならそれでもいいと思いますが、勝ちたいのなら枠は埋めておくべきです」
実際、前回に関しては規格外のメンバーが居たからこその結果なので、この面子で上に行きたいのなら頭数は揃えた方が良い。 最悪、数合わせでも囮ぐらいにはなるのでいないよりはましだ。
「いや、枠埋めるのはいいんだけどアテはあるのか?」
「あー、まぁ、取り敢えず募集をかけつつって感じかな」
条件をぶら下げて釣る作戦は前回、ラーガスト達以外が引っ掛からなかったので望み薄だが、今回に関しては一応当てがあったりする。 受けてくれるかは怪しいが聞いた話ではやり方次第で引っ張れそうだ。
「時間もないし、臨時メンバーは来ればラッキー程度に考えよう」
ユニオン対抗戦は連携が重要となる。
その為、メンバー間の連携は必須と言えるが、正規のメンバーが三人しかいない『星座盤』は他よりも撃破された時のリスクが高い以上、連携と生存率は可能な限り上げておきたい。
「――はい、そんな訳でユニオン戦で連携を磨いていこうと思います」
期間が一週間しかないのでやれる事はそう多くない。
時間が合う時はユニオン戦で連携を高めつつ、合わない時は個人練習で腕を磨く。
全員が機体や武装を更新しているので連携の動きも色々と変わってくる。
特にヨシナリがキマイラに乗り換えた事で戦い方の幅が大きく広がった。
元々、遠くからの狙撃をメインとした後衛だった彼だが、キマイラの機動力を手に入れた事で前衛こなせるようにもなった事は大きい。 今回のユニオン戦の結果はそれが顕著に表れたと言っていい。
相手はパンツァータイプ一機、ソルジャータイプ二機の三機構成だったが、真っ先にヨシナリがキマイラタイプの機動性に物を言わせて突撃。 上空から銃撃する事で敵を分断し、連携を封じた所でマルメルがパンツァータイプへ銃撃して牽制、ふわわが分断されたソルジャータイプを仕留めに行くという流れだった。 彼女の間合いに入ってしまえば同ランク帯で逃げ切れる者は少なく、あっさりと両断。
もう一機のソルジャータイプは味方の撃墜で動揺した所をヨシナリがアノマリーで撃ち抜いて撃破。
残ったパンツァータイプを全員で袋叩きにして終了となる。
元々、星座盤はふわわを連携の起点としていたが、ヨシナリが機動力を手に入れた事で選択肢が増えたのだ。 マルメルは中衛としてそのままだが、機体の性能を防御に振った事で安定感が増した。
ヨシナリとしてもふわわよりも前に出る事で彼女の動きをある程度ではあるが、コントロールできるようになったことも大きい。
――良いチームだ。
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