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第305話
敵性トルーパーは大量のエネミーを従えて突っ込んでくる。
見た所、ラインナップ自体は変わっていないが、全体的に動きが良くなっている印象を受けた。
追加装甲――スパルトイ装備の機体がトカゲハダカ型を盾にするように前に出て、エネルギーウイング装備の機体が即座に空に上がって制空権を取りに行っている。
上を取られる事の危険性は誰しもが理解しているので味方側もキマイラ、エンジェルタイプが僅かに遅れて空中へ。 ヨシナリも変形させて急上昇する。
白黒ツートンの機体がエネルギーライフルを撃ち込んで来るのをバレルロールで回避しつつ、機銃で応射。
敵機はエネルギーウイングを噴かして急旋回。
――厄介だな。
Bランクプレイヤー程のクオリティではないが、ある程度ではあるがエネルギーウイングを使いこなし始めている。 技量差がそこまでなくても性能差で圧倒されかねない。
戦闘機形態は近接戦闘ができないと判断して突っ込んで来たが、急上昇からのインメルマンターン。
縦旋回で引き離す。 だが、相手はほぼエンジェルタイプ。
旋回性能では遥かに上だ。 先回りしようとしていたが、ヨシナリは旋回途中で機体を変形。
即座にアトルムを抜いて連射。 狙いはエネルギーウイングだ。
変形からの抜き打ちは散々、練習している上、相手の動きは直線的。
そして噴かした後なので僅かに止まる一瞬。 そこを狙っての銃撃。
弾丸は綺麗にエネルギーウイングのみを撃ち抜く。 飛行手段を失った敵機は藻掻くように手足を振り回していたが、そのまま墜落。 僅かに遅れて地上で爆発が観測された。
二、三機ぐらいならどうにでもなるが、この数は切りがない。
「生産拠点と同じで無限湧きか?」
途切れずに地下から湧いてくるので非常に怪しかった。
味方はどう判断しているのかと戦場を俯瞰すると目立つ動きをしているプレイヤー達が居る。
カナタやツェツィーリエ達Aランカー達だ。 味方を引き連れて内部へと強行突破しようとしていた。
――あぁ、消耗戦になる前に状況の打開を狙っているのか。
良い判断だ。
このままダラダラと戦っても消耗が増えるだけなのは前回の経験上、理解しているからだろう。
施設の制圧さえ終わってしまえばリポップは止まる。 なら無理にでも突破してしまった方が、最終的な損耗を抑えられると判断したのだ。
ヨシナリは機体を急降下させて入口を守っているであろう敵性トルーパーに向けてアノマリーを撃ち込む。 敵機が僅かに反応した事で地上の弾幕が僅かに緩んだ。
そこを抉じ開けるようにカナタ達がエンジェルタイプ、キマイラパンテラやキマイラループスといった機動力に優れる機体を引き連れて突撃。
「どけぇぇぇ!」
カナタが吠えるように叫び、巨大なエネルギーブレードを形成。
そのまま横薙ぎに一閃。 入り口付近を固めていた敵を一掃する。
「突入する。 付いて来れる人はお願い!」
「さっさと落とすわよ!」
カナタとツェツィーリエがさっさと突入し、それを追って友軍機が次々と中へ。
「あれ? 行かねーのか?」
不意に通信。 マルメルだ。
ちらりと下を見るとヴルトムと一緒に敵性トルーパーと銃撃戦を繰り広げていた。
「気にはなるけど、閉鎖空間での乱戦とかキマイラでやるものじゃないから止めとく」
ホロスコープが最大の力を発揮するのは広い屋外だ。
その加速を充分に活かす空間がなければ強みが死ぬので可能な限りは外で戦っていたい。
「まぁ、Aランクが全員行ったんだ。 楽勝かは微妙だが、どうにかなるだろ」
「だな。 なら俺達はここで敵の抑えか?」
「あぁ、とはいっても内部に入られた以上は迎撃よりも防衛に重きを置くだろうから、俺達の仕事は連中が中に戻らないように引きとめる事だな」
その証拠に出てくるトルーパーが居なくなり、外にいる機体は戻ろうとしている。
――それにしても妙だな。
前回から感じていた疑問ではあったが、今回で更に確信が深まる。
まず敵性トルーパーは全て有人操作。 これは間違いない。
練度が上がっている点と挙動からAI操作特有の固さがない点からも明らかだ。
ヨシナリが妙だと感じたのはその動きだ。
敵性トルーパーはボス枠を除けば二種類。 白黒ツートンと灰色だ。
前回の印象では白黒ツートンは動きに固さこそあったが、戦い慣れている印象を受け、逆に灰色はトルーパーの操作にある程度慣れている印象だった。
だが、今回は白黒ツートンの動きがかなり良くなっており、連携もかなりいい。
エネルギーウイングを使いこなしているとは言えないが、総合力自体は大きく向上している。
ランク換算でD~Bランク相当といった所だろうか? 反面、灰色はあまり成長が見られない。
相変わらずの低ランクプレイヤーそのものの挙動ではあったが、スパルトイの扱いに多少は慣れたのか立ち回り自体はマシになっているように見える。
――とはいっても誤差ってレベルだがな。
それともう一点、白黒ツートンと灰色は味方同士ではあるのだろうが、連動していない点が気になった。 白黒ツートンは明らかに連携を意識した立ち回りだが、灰色は散発的に攻撃するだけ。
上手に使えばもっと効果的に動けるはずなのにこの差は何だ?
――味方ではあるが別勢力?
そう考えれば自然だが意味が分からない。
まさかとは思うがこいつ等は別サーバーのプレイヤーで、勢力が違うから連携を取らない?
ますますあり得ない。 プレイヤーだとしたらレベルが低すぎる。
「――訳が分からない」
結局、この結論に落ち着いてしまう。
気にはなるが考えても仕方がない事は棚上げして今はこの状況を打開してさっさとイベントを進める事を考えるべきだ。 現状、先制攻撃を許すといった想定外はあったが、それ以外の展開は想定内に収まっているといえる。
ハイランカー達が突入し、施設の制圧に入った。
外の味方も徐々に消耗しているが、二回目という事もあって思った以上に緩やかだ。
『星座盤』のメンバーも全員健在。 マルメルは下でヴルトムと一緒に元気よく銃弾をばら撒き、ふわわは白黒ツートンを追いかけまわしている。 グロウモスは少し離れた位置から小口径の狙撃銃で敵機のエネルギーウイングを執拗に狙って撃墜していた。
エネミーは次々と湧いてくるが、敵性トルーパーの増援は止まっているのでかなり優勢と言える。
このまま何もなければ首尾よく行くはずだが――何故だろうか?
――嫌な予感がした。
見た所、ラインナップ自体は変わっていないが、全体的に動きが良くなっている印象を受けた。
追加装甲――スパルトイ装備の機体がトカゲハダカ型を盾にするように前に出て、エネルギーウイング装備の機体が即座に空に上がって制空権を取りに行っている。
上を取られる事の危険性は誰しもが理解しているので味方側もキマイラ、エンジェルタイプが僅かに遅れて空中へ。 ヨシナリも変形させて急上昇する。
白黒ツートンの機体がエネルギーライフルを撃ち込んで来るのをバレルロールで回避しつつ、機銃で応射。
敵機はエネルギーウイングを噴かして急旋回。
――厄介だな。
Bランクプレイヤー程のクオリティではないが、ある程度ではあるがエネルギーウイングを使いこなし始めている。 技量差がそこまでなくても性能差で圧倒されかねない。
戦闘機形態は近接戦闘ができないと判断して突っ込んで来たが、急上昇からのインメルマンターン。
縦旋回で引き離す。 だが、相手はほぼエンジェルタイプ。
旋回性能では遥かに上だ。 先回りしようとしていたが、ヨシナリは旋回途中で機体を変形。
即座にアトルムを抜いて連射。 狙いはエネルギーウイングだ。
変形からの抜き打ちは散々、練習している上、相手の動きは直線的。
そして噴かした後なので僅かに止まる一瞬。 そこを狙っての銃撃。
弾丸は綺麗にエネルギーウイングのみを撃ち抜く。 飛行手段を失った敵機は藻掻くように手足を振り回していたが、そのまま墜落。 僅かに遅れて地上で爆発が観測された。
二、三機ぐらいならどうにでもなるが、この数は切りがない。
「生産拠点と同じで無限湧きか?」
途切れずに地下から湧いてくるので非常に怪しかった。
味方はどう判断しているのかと戦場を俯瞰すると目立つ動きをしているプレイヤー達が居る。
カナタやツェツィーリエ達Aランカー達だ。 味方を引き連れて内部へと強行突破しようとしていた。
――あぁ、消耗戦になる前に状況の打開を狙っているのか。
良い判断だ。
このままダラダラと戦っても消耗が増えるだけなのは前回の経験上、理解しているからだろう。
施設の制圧さえ終わってしまえばリポップは止まる。 なら無理にでも突破してしまった方が、最終的な損耗を抑えられると判断したのだ。
ヨシナリは機体を急降下させて入口を守っているであろう敵性トルーパーに向けてアノマリーを撃ち込む。 敵機が僅かに反応した事で地上の弾幕が僅かに緩んだ。
そこを抉じ開けるようにカナタ達がエンジェルタイプ、キマイラパンテラやキマイラループスといった機動力に優れる機体を引き連れて突撃。
「どけぇぇぇ!」
カナタが吠えるように叫び、巨大なエネルギーブレードを形成。
そのまま横薙ぎに一閃。 入り口付近を固めていた敵を一掃する。
「突入する。 付いて来れる人はお願い!」
「さっさと落とすわよ!」
カナタとツェツィーリエがさっさと突入し、それを追って友軍機が次々と中へ。
「あれ? 行かねーのか?」
不意に通信。 マルメルだ。
ちらりと下を見るとヴルトムと一緒に敵性トルーパーと銃撃戦を繰り広げていた。
「気にはなるけど、閉鎖空間での乱戦とかキマイラでやるものじゃないから止めとく」
ホロスコープが最大の力を発揮するのは広い屋外だ。
その加速を充分に活かす空間がなければ強みが死ぬので可能な限りは外で戦っていたい。
「まぁ、Aランクが全員行ったんだ。 楽勝かは微妙だが、どうにかなるだろ」
「だな。 なら俺達はここで敵の抑えか?」
「あぁ、とはいっても内部に入られた以上は迎撃よりも防衛に重きを置くだろうから、俺達の仕事は連中が中に戻らないように引きとめる事だな」
その証拠に出てくるトルーパーが居なくなり、外にいる機体は戻ろうとしている。
――それにしても妙だな。
前回から感じていた疑問ではあったが、今回で更に確信が深まる。
まず敵性トルーパーは全て有人操作。 これは間違いない。
練度が上がっている点と挙動からAI操作特有の固さがない点からも明らかだ。
ヨシナリが妙だと感じたのはその動きだ。
敵性トルーパーはボス枠を除けば二種類。 白黒ツートンと灰色だ。
前回の印象では白黒ツートンは動きに固さこそあったが、戦い慣れている印象を受け、逆に灰色はトルーパーの操作にある程度慣れている印象だった。
だが、今回は白黒ツートンの動きがかなり良くなっており、連携もかなりいい。
エネルギーウイングを使いこなしているとは言えないが、総合力自体は大きく向上している。
ランク換算でD~Bランク相当といった所だろうか? 反面、灰色はあまり成長が見られない。
相変わらずの低ランクプレイヤーそのものの挙動ではあったが、スパルトイの扱いに多少は慣れたのか立ち回り自体はマシになっているように見える。
――とはいっても誤差ってレベルだがな。
それともう一点、白黒ツートンと灰色は味方同士ではあるのだろうが、連動していない点が気になった。 白黒ツートンは明らかに連携を意識した立ち回りだが、灰色は散発的に攻撃するだけ。
上手に使えばもっと効果的に動けるはずなのにこの差は何だ?
――味方ではあるが別勢力?
そう考えれば自然だが意味が分からない。
まさかとは思うがこいつ等は別サーバーのプレイヤーで、勢力が違うから連携を取らない?
ますますあり得ない。 プレイヤーだとしたらレベルが低すぎる。
「――訳が分からない」
結局、この結論に落ち着いてしまう。
気にはなるが考えても仕方がない事は棚上げして今はこの状況を打開してさっさとイベントを進める事を考えるべきだ。 現状、先制攻撃を許すといった想定外はあったが、それ以外の展開は想定内に収まっているといえる。
ハイランカー達が突入し、施設の制圧に入った。
外の味方も徐々に消耗しているが、二回目という事もあって思った以上に緩やかだ。
『星座盤』のメンバーも全員健在。 マルメルは下でヴルトムと一緒に元気よく銃弾をばら撒き、ふわわは白黒ツートンを追いかけまわしている。 グロウモスは少し離れた位置から小口径の狙撃銃で敵機のエネルギーウイングを執拗に狙って撃墜していた。
エネミーは次々と湧いてくるが、敵性トルーパーの増援は止まっているのでかなり優勢と言える。
このまま何もなければ首尾よく行くはずだが――何故だろうか?
――嫌な予感がした。
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