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第430話
――潰す。 今度こそ確実に。
コンシャスは気合を入れて目の前の戦いに臨む。
前々回はラーガストに瞬殺された。 前回はベリアルが居たとはいえ、正面から敗北。
ほとんどCランクにも届かないメンバーしかいないユニオンに二連敗。 しかも二回とも枠を使い切っていない状態で負けたのだ。 屈辱だった。 何故自分達が枠を半分しか埋めていない舐め切った姿勢で参加している連中に負けなければならないのだ? 負けた夜はあまりの理不尽に頭がおかしくなりそうだった。
参加チームは多い。 今回は当たらないだろう。
そんな気持ちでいたのだが、予選で見かけてしまった事でコンシャスは理屈なく理解した。
こいつ等は自分達に付きまとい、不幸にする為に現れた疫病神の類なのだと。
つまりこいつらが居る限り、自分達の運気は低下し、負けるはずのない勝負にも負けてしまう。
その流れを断ち切る為には『星座盤』を倒す――いや、邪悪なあの連中を不運と共に祓うのだ。
だから、コンシャスは他のユニオンに協力を求め、徒党を組んで仕留めよう。 そう提案した。
幸いにも『タヴォラロトンダ』『ベクヴェーム』の二つは提案に乗ってくれた。
彼等も『星座盤』の異様な強さには警戒しており、予選で処理してしまいたいと考えていたようだ。
本戦出場枠は五。 手を組む事のデメリットは存在しない。
ただ、問題としては即席の連合なので互いの連携を噛み合わせる事は難しい事だ。
その為、互いのユニオンを分けて仕掛ける事となった。 正面はコンシャス率いる『カヴァリエーレ』。 左右からランカーを二人抱えている『タヴォラロトンダ』で部隊を分けて、残りの『ベクヴェーム』は後方からの支援射撃に徹する。 これが対『星座盤』の包囲網。
敵が優れている事は認識している。
ならば実力や小賢しさで引っ繰り返しようのない物量差で圧し潰してやればいい。
そろそろ敵の狙撃手の射程に入るはずだ。
「全機散開。 敵の狙撃手に注意しろ!」
一番危険なのは正面のコンシャス達だ。 センサー系の感度を最大にして警戒。
さぁ、撃つなら撃ってみろ。 あれから自分達は強くなり機体もアップグレードした。
前回と同じ結果になると思うなよ。 そんな気持ちで『星座盤』が潜伏している位置を睨む。
まずはグロウモスの狙撃で先制する。
相手も物量で劣っている事を理解しているのならまずは数を減らしにかかるはずだ。
地上に広がる森から熱源反応。 来た!
だが、コンシャスの予想と違い、飛んで来たのは無数のミサイルだった。
巨大な物が二発垂直に上昇し、無数の小型ミサイルが真っすぐに飛んでくる。
コンシャスは即座にエネルギーライフルで大型ミサイルを撃ち抜く。 仲間達が即座に突撃銃等の連射武器で小型のミサイルを迎撃。 こんな雑な攻撃でやられる訳がない。
次々に撃ち抜かれた爆発していくが一部は一際大きな光を放つ。
閃光弾。 通常の弾頭に混ぜて撃ち込んできたようだ。 鬱陶しい。
早い段階で迎撃できた事もあってセンサー系へのダメージは少ない。
恐らくは足止めが目的だろう。 つまりここで足を止めるのは愚策。
数もいるのだ。 臆せずに前に出る事こそが相手の思惑を外す一手と信じてコンシャスは加速。
その判断を信じた仲間達もそれに続く。 閃光弾は効果を失い視界が明瞭になるが、光が消えたと同時に森から空中に上がって来た一機のトルーパーの存在を捉えた。
刀剣を装備した珍しい構成の機体。 ふわわだ。
彼女の近接スキルの高さは有名なので遠距離から削れば対処は容易。
そう考えていたが、ふわわはかなり離れているにも関わらず腰の太刀を握り抜刀の体勢。
野太刀ではなく太刀? その様子に嫌な予感を覚えたコンシャスは無意識に回避行動。
本能的な物に近く、体が勝手に動いた。 その為、味方への警告が出来なかったのだ。
「躱――」
――躱せと言いかけたのは回避行動を終えた後だった。
その間にふわわは太刀を一閃。 刃が閃いたように見えたのだが、振り切った後に僅かに訝しむ。
何故なら刀身がなかったからだ。 柄だけ? そんな疑問は背後に居た味方が三機ほど上半身と下半身が泣き別れた事で氷解した。
柄だけの太刀、両断された味方機。 この二つの事実を踏まえれば推測は難しくない。
刃を分割して転移させたのだ。 空間転移に関してはベリアルという目立つ形で使用しているプレイヤーが居るので驚くには値しないが、三機同時に仕留めに来るとは想像できなかった。
『うーん。 やっぱり動く相手は三つまでが限界かぁ……』
ふわわはそう呟くとエネルギーウイングを噴かして急降下。
一瞬遅れて、反撃の砲火が彼女を襲うが火線がふわわの居た場所を通り過ぎた頃には彼女は既に森に突っ込んで姿が見えなくなった。 コンシャスは追うかで一瞬迷ったが、あの装備を見た後で障害物の多い森で戦闘を行う事は危険と判断。 地上から進んでいる『タヴォラロトンダ』に任せるべきだ。
コンシャスは仕留めるのが難しいふわわよりもミサイルを撃ち込んで来た支援機を仕留める事を優先する事にした。 ミサイルの発射位置から一機は確実にフィールドの淵に居る。
まずはそいつを全員で血祭りに上げ、一機ずつ確実に潰して全滅させるのだ。
仮にいなかったとしても後ろに下がれない以上は前に出るしかないので、地上部隊と挟撃できる。
こいつら相手には慎重すぎるぐらいでちょうどいい。 フィールドの端に到着。
武器を構えるが敵影は見当たらない。 撃ってすぐに逃げたようだ。
なら挟撃だ。 警戒しながら高度を落とす。
「油断するな。 ステルス装備の可能性もある。 動体、熱源、何でもいい。 探知項目を増やして敵の動きをキャッチしろ!」
仲間にもそう言いながらすっと森に入る。
お互いの背中を守りながら木々の隙間から地上に降りたつが、想像以上に視界が悪い。
光が差し込むので真っ暗ではないがかなり深い木々の所為で薄暗く、やや陰鬱な印象を受ける。
コンシャス達は互いに顔を見合わせ、頷いて森を進む。
『タヴォラロトンダ』とはセンサー系をリンクしているのでお互いの居場所は分かっている。
順調に森を進んでいる状態なので今の所は接敵していないようだ。 だが、一部が突出している。
恐らくはふわわが降りた地点に向かった者が居るのだろう。
迂闊だと思ったが、戦闘が始まったのなら真っすぐに向かえばいいので下手に止めずに流れに任せる事にした。
コンシャスは気合を入れて目の前の戦いに臨む。
前々回はラーガストに瞬殺された。 前回はベリアルが居たとはいえ、正面から敗北。
ほとんどCランクにも届かないメンバーしかいないユニオンに二連敗。 しかも二回とも枠を使い切っていない状態で負けたのだ。 屈辱だった。 何故自分達が枠を半分しか埋めていない舐め切った姿勢で参加している連中に負けなければならないのだ? 負けた夜はあまりの理不尽に頭がおかしくなりそうだった。
参加チームは多い。 今回は当たらないだろう。
そんな気持ちでいたのだが、予選で見かけてしまった事でコンシャスは理屈なく理解した。
こいつ等は自分達に付きまとい、不幸にする為に現れた疫病神の類なのだと。
つまりこいつらが居る限り、自分達の運気は低下し、負けるはずのない勝負にも負けてしまう。
その流れを断ち切る為には『星座盤』を倒す――いや、邪悪なあの連中を不運と共に祓うのだ。
だから、コンシャスは他のユニオンに協力を求め、徒党を組んで仕留めよう。 そう提案した。
幸いにも『タヴォラロトンダ』『ベクヴェーム』の二つは提案に乗ってくれた。
彼等も『星座盤』の異様な強さには警戒しており、予選で処理してしまいたいと考えていたようだ。
本戦出場枠は五。 手を組む事のデメリットは存在しない。
ただ、問題としては即席の連合なので互いの連携を噛み合わせる事は難しい事だ。
その為、互いのユニオンを分けて仕掛ける事となった。 正面はコンシャス率いる『カヴァリエーレ』。 左右からランカーを二人抱えている『タヴォラロトンダ』で部隊を分けて、残りの『ベクヴェーム』は後方からの支援射撃に徹する。 これが対『星座盤』の包囲網。
敵が優れている事は認識している。
ならば実力や小賢しさで引っ繰り返しようのない物量差で圧し潰してやればいい。
そろそろ敵の狙撃手の射程に入るはずだ。
「全機散開。 敵の狙撃手に注意しろ!」
一番危険なのは正面のコンシャス達だ。 センサー系の感度を最大にして警戒。
さぁ、撃つなら撃ってみろ。 あれから自分達は強くなり機体もアップグレードした。
前回と同じ結果になると思うなよ。 そんな気持ちで『星座盤』が潜伏している位置を睨む。
まずはグロウモスの狙撃で先制する。
相手も物量で劣っている事を理解しているのならまずは数を減らしにかかるはずだ。
地上に広がる森から熱源反応。 来た!
だが、コンシャスの予想と違い、飛んで来たのは無数のミサイルだった。
巨大な物が二発垂直に上昇し、無数の小型ミサイルが真っすぐに飛んでくる。
コンシャスは即座にエネルギーライフルで大型ミサイルを撃ち抜く。 仲間達が即座に突撃銃等の連射武器で小型のミサイルを迎撃。 こんな雑な攻撃でやられる訳がない。
次々に撃ち抜かれた爆発していくが一部は一際大きな光を放つ。
閃光弾。 通常の弾頭に混ぜて撃ち込んできたようだ。 鬱陶しい。
早い段階で迎撃できた事もあってセンサー系へのダメージは少ない。
恐らくは足止めが目的だろう。 つまりここで足を止めるのは愚策。
数もいるのだ。 臆せずに前に出る事こそが相手の思惑を外す一手と信じてコンシャスは加速。
その判断を信じた仲間達もそれに続く。 閃光弾は効果を失い視界が明瞭になるが、光が消えたと同時に森から空中に上がって来た一機のトルーパーの存在を捉えた。
刀剣を装備した珍しい構成の機体。 ふわわだ。
彼女の近接スキルの高さは有名なので遠距離から削れば対処は容易。
そう考えていたが、ふわわはかなり離れているにも関わらず腰の太刀を握り抜刀の体勢。
野太刀ではなく太刀? その様子に嫌な予感を覚えたコンシャスは無意識に回避行動。
本能的な物に近く、体が勝手に動いた。 その為、味方への警告が出来なかったのだ。
「躱――」
――躱せと言いかけたのは回避行動を終えた後だった。
その間にふわわは太刀を一閃。 刃が閃いたように見えたのだが、振り切った後に僅かに訝しむ。
何故なら刀身がなかったからだ。 柄だけ? そんな疑問は背後に居た味方が三機ほど上半身と下半身が泣き別れた事で氷解した。
柄だけの太刀、両断された味方機。 この二つの事実を踏まえれば推測は難しくない。
刃を分割して転移させたのだ。 空間転移に関してはベリアルという目立つ形で使用しているプレイヤーが居るので驚くには値しないが、三機同時に仕留めに来るとは想像できなかった。
『うーん。 やっぱり動く相手は三つまでが限界かぁ……』
ふわわはそう呟くとエネルギーウイングを噴かして急降下。
一瞬遅れて、反撃の砲火が彼女を襲うが火線がふわわの居た場所を通り過ぎた頃には彼女は既に森に突っ込んで姿が見えなくなった。 コンシャスは追うかで一瞬迷ったが、あの装備を見た後で障害物の多い森で戦闘を行う事は危険と判断。 地上から進んでいる『タヴォラロトンダ』に任せるべきだ。
コンシャスは仕留めるのが難しいふわわよりもミサイルを撃ち込んで来た支援機を仕留める事を優先する事にした。 ミサイルの発射位置から一機は確実にフィールドの淵に居る。
まずはそいつを全員で血祭りに上げ、一機ずつ確実に潰して全滅させるのだ。
仮にいなかったとしても後ろに下がれない以上は前に出るしかないので、地上部隊と挟撃できる。
こいつら相手には慎重すぎるぐらいでちょうどいい。 フィールドの端に到着。
武器を構えるが敵影は見当たらない。 撃ってすぐに逃げたようだ。
なら挟撃だ。 警戒しながら高度を落とす。
「油断するな。 ステルス装備の可能性もある。 動体、熱源、何でもいい。 探知項目を増やして敵の動きをキャッチしろ!」
仲間にもそう言いながらすっと森に入る。
お互いの背中を守りながら木々の隙間から地上に降りたつが、想像以上に視界が悪い。
光が差し込むので真っ暗ではないがかなり深い木々の所為で薄暗く、やや陰鬱な印象を受ける。
コンシャス達は互いに顔を見合わせ、頷いて森を進む。
『タヴォラロトンダ』とはセンサー系をリンクしているのでお互いの居場所は分かっている。
順調に森を進んでいる状態なので今の所は接敵していないようだ。 だが、一部が突出している。
恐らくはふわわが降りた地点に向かった者が居るのだろう。
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