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第433話
フィアーバの機体『レジリエンス』は防御に重きを置いた機体だ。
両肩の盾は強化された事で空間を歪曲させる障壁を展開する事を可能とした。
エネルギー、物理両面であらゆる攻撃を逸らし、防ぐ。
正面から突破する事は非常に困難と言えるだろう。
だが、展開できるのは盾とその周囲の狭い範囲のみ。 広げる事も出来なくもないが、燃費が悪いので恒常展開は難しい。 背のエネルギーウイングを噴かして加速。
連れている四機は背に隠すように進む。 まずはグロウモスを炙り出す。
ふわわが向こうに行っていたのでグロウモスがこちらに仕掛けてくる可能性は高い。
位置的にそろそろ来るだろう。 そろそろか? さぁ、来い。
森の奥で何かが光る。 来た。 シールドを展開。 防御姿勢。
肩のジョイントが起動して二枚の盾が壁のように機体の前面に展開される。
直撃。 高出力のレーザー攻撃だが、この盾の前には何の意味もない。
光は空間を歪める守りの前にその切っ先を捻じ曲げられて空へ。
フィアーバは構わず加速。 傍から見ればレーザー攻撃に正面から抗うフィアーバの姿は巨大な何かに立ち向かうように見えたかもしれない。 危なげなく防いでいるようにも見えるが、フィアーバは僅かに焦りを覚えていた。 この防御は前面にしか効果を発揮しない。
そして防いでいる間はリソースをほとんど使っている状態だ。
つまり、側面や背後はがら空きで、非常に脆弱となっている。
ヨシナリは優れた指揮官であるとフィアーバは認めており、そんな彼がこの状況を利用しない訳がない。 上空は『ベクヴェーム』の射程内で制空権は抑えている以上、来るとしたらこの森の中――地上からだろう。 レーザー攻撃が途切れる。
グロウモスの攻撃がフィアーバの防御に屈した瞬間だ。 僅かに遅れて左右から敵機の反応。
人型形態のキマイラ+とソルジャー+。 ヨシナリともう片方はプレイヤーネームは『ホーコート』と表示されている。 知らない名前だったが、+フレームを使っているという事は油断はできない。
当然のように死角を突いてきたが、それを仲間で補っているフィアーバは問題ないと小さく振り返ると仲間達が二機に分かれて敵機に仕掛けに行く。 単騎ではなく一対二で対処だ。
装備構成を見るにヨシナリもホーコートもエネルギーウイング装備なので地形的な有利は取れないが数の差がある。 そしてそこにフィアーバが加われば――不意に巨大なエネルギー反応。
「――くっ」
解除仕掛けていた盾をそのままにフィールドを再展開。 何かが直撃する。
重い。 質量弾の衝撃は完全に殺しきれずに足が浮きかけたが、何とか踏ん張る。
恐らくはレールキャノンだ。 マルメルの仕業だろう。
――思った以上に多い。
グロウモス、ヨシナリ、ホーコート、マルメルとこちらに四人も割いている。
フィアーバは『星座盤』の人数を正確に把握していなかったが、そろそろ打ち止めだと思っていた。
ベリアル、ユウヤの姿がない事から参加しているかは不明だが、ここには現れないだろう。
あの二人の性格上、真っ先に出てくるだろうからだ。
元々、ベリアルは臨時参加。 ユウヤはイベントに参加を表明した事で話題にはなったが、あの一匹狼がユニオンに入るというのは考え難かったのでカナタを煽る為の方便か、勧誘を避ける為の所属と見ていい。 そしてラーガストは考えるまでもなかった。
あの化け物がいるのなら今頃、自分達は全滅しているからだ。
つまり、ランカーはいない。 唯一気になったのは初手でミサイル攻撃を仕掛けてきたプレイヤーだ。 装備構成的にフィアーバの持っている情報の誰とも当てはまらない。
使い方が妙に慣れてる感じがしたが、特殊な弾頭を使っている訳でもないのでホーコートと同じで新規参入したプレイヤーだろう。 無視は危険だが、脅威度はそこまでではないと判断。
まずはこの状況を打開する。 状況は不利だが、少し時間を稼げば『カヴァリエーレ』や反対側から進んでいる味方が敵の背後を突いてくれるはずだ。 そうなれば最低でもグロウモスは仕留められる。
『ベクヴェーム』も居るので戦力的には充分に勝てる。
レーダー表示を確認。 反対側から来ている味方はそろそろフィールドの端に到着しそうだ。
グロウモスとミサイル装備の支援機の位置は大雑把だが把握しているので、そろそろ接敵する事になる。 コンシャスも居るので何も言わなくても分かっているはずだ。
フィールドが質量弾を上空へと跳ね上げる。 マルメルの位置も把握した。
これで――フィアーバがどちらを先に始末しようかに意識を傾けようとした瞬間、もう一発飛んで来た。
「まだ撃てるのか!?」
思った以上に回転が速い。 だが、フィアーバの鉄壁はそう簡単に貫けない。
さっきと同様に受け止めて逸らす。 もう無理だろうと思っていると今度はレーザー攻撃だ。
しつこい。 盾で受けて逸らす。 グロウモスの物と思われるレーザー攻撃は照射時間が長いのでその間、完全に動きが止まってしまう。 木々を焼き払いながら飛んで来たレーザーは障害物を消し去り、視線の先には巨大な銃を構えたグロウモスの機体がレーザーの光に照らされている。
――これだけの大出力にもかかわらず十数秒で再発射できるのは何故だ?
マルメルのハンドレールキャノンを防いだ時間を合計しても二十秒も経っていない。
こんなに早く撃てる理由が分からなかったのだが、その答えは目の前にあった。
レーザーが勢いを失い、収束して消える。 同時にグロウモスの構えた銃のあちこちから排熱の蒸気が噴き出す。 同時に銃身が脱落し、銃身のあちこちに刺さっていたバッテリーのような物が弾け飛ぶ。 同時に別の機体が素早く銃身とバッテリーをセット。
給弾係が別に居たのかと納得する。 装備構成からミサイルを撃ってきた機体だ。
冷却が必要なパーツを即座に交換して発射の回転を上げたのか。
だからと言って替えの銃身をいくつも持ち込んでいるのかは疑問が残る。
つまり、こちらの排除に五機もつぎ込んでいる事になっていた。
――クソ、コンシャス達は何をやっている!?
フィアーバが内心で悪態を吐くとそれが通じたのか空からレーザーやエネルギー弾がグロウモスに向けて飛んでいくが、給弾係をしている機体が射線に割って入り、エネルギーフィールドを展開して彼女を守っていた。
両肩の盾は強化された事で空間を歪曲させる障壁を展開する事を可能とした。
エネルギー、物理両面であらゆる攻撃を逸らし、防ぐ。
正面から突破する事は非常に困難と言えるだろう。
だが、展開できるのは盾とその周囲の狭い範囲のみ。 広げる事も出来なくもないが、燃費が悪いので恒常展開は難しい。 背のエネルギーウイングを噴かして加速。
連れている四機は背に隠すように進む。 まずはグロウモスを炙り出す。
ふわわが向こうに行っていたのでグロウモスがこちらに仕掛けてくる可能性は高い。
位置的にそろそろ来るだろう。 そろそろか? さぁ、来い。
森の奥で何かが光る。 来た。 シールドを展開。 防御姿勢。
肩のジョイントが起動して二枚の盾が壁のように機体の前面に展開される。
直撃。 高出力のレーザー攻撃だが、この盾の前には何の意味もない。
光は空間を歪める守りの前にその切っ先を捻じ曲げられて空へ。
フィアーバは構わず加速。 傍から見ればレーザー攻撃に正面から抗うフィアーバの姿は巨大な何かに立ち向かうように見えたかもしれない。 危なげなく防いでいるようにも見えるが、フィアーバは僅かに焦りを覚えていた。 この防御は前面にしか効果を発揮しない。
そして防いでいる間はリソースをほとんど使っている状態だ。
つまり、側面や背後はがら空きで、非常に脆弱となっている。
ヨシナリは優れた指揮官であるとフィアーバは認めており、そんな彼がこの状況を利用しない訳がない。 上空は『ベクヴェーム』の射程内で制空権は抑えている以上、来るとしたらこの森の中――地上からだろう。 レーザー攻撃が途切れる。
グロウモスの攻撃がフィアーバの防御に屈した瞬間だ。 僅かに遅れて左右から敵機の反応。
人型形態のキマイラ+とソルジャー+。 ヨシナリともう片方はプレイヤーネームは『ホーコート』と表示されている。 知らない名前だったが、+フレームを使っているという事は油断はできない。
当然のように死角を突いてきたが、それを仲間で補っているフィアーバは問題ないと小さく振り返ると仲間達が二機に分かれて敵機に仕掛けに行く。 単騎ではなく一対二で対処だ。
装備構成を見るにヨシナリもホーコートもエネルギーウイング装備なので地形的な有利は取れないが数の差がある。 そしてそこにフィアーバが加われば――不意に巨大なエネルギー反応。
「――くっ」
解除仕掛けていた盾をそのままにフィールドを再展開。 何かが直撃する。
重い。 質量弾の衝撃は完全に殺しきれずに足が浮きかけたが、何とか踏ん張る。
恐らくはレールキャノンだ。 マルメルの仕業だろう。
――思った以上に多い。
グロウモス、ヨシナリ、ホーコート、マルメルとこちらに四人も割いている。
フィアーバは『星座盤』の人数を正確に把握していなかったが、そろそろ打ち止めだと思っていた。
ベリアル、ユウヤの姿がない事から参加しているかは不明だが、ここには現れないだろう。
あの二人の性格上、真っ先に出てくるだろうからだ。
元々、ベリアルは臨時参加。 ユウヤはイベントに参加を表明した事で話題にはなったが、あの一匹狼がユニオンに入るというのは考え難かったのでカナタを煽る為の方便か、勧誘を避ける為の所属と見ていい。 そしてラーガストは考えるまでもなかった。
あの化け物がいるのなら今頃、自分達は全滅しているからだ。
つまり、ランカーはいない。 唯一気になったのは初手でミサイル攻撃を仕掛けてきたプレイヤーだ。 装備構成的にフィアーバの持っている情報の誰とも当てはまらない。
使い方が妙に慣れてる感じがしたが、特殊な弾頭を使っている訳でもないのでホーコートと同じで新規参入したプレイヤーだろう。 無視は危険だが、脅威度はそこまでではないと判断。
まずはこの状況を打開する。 状況は不利だが、少し時間を稼げば『カヴァリエーレ』や反対側から進んでいる味方が敵の背後を突いてくれるはずだ。 そうなれば最低でもグロウモスは仕留められる。
『ベクヴェーム』も居るので戦力的には充分に勝てる。
レーダー表示を確認。 反対側から来ている味方はそろそろフィールドの端に到着しそうだ。
グロウモスとミサイル装備の支援機の位置は大雑把だが把握しているので、そろそろ接敵する事になる。 コンシャスも居るので何も言わなくても分かっているはずだ。
フィールドが質量弾を上空へと跳ね上げる。 マルメルの位置も把握した。
これで――フィアーバがどちらを先に始末しようかに意識を傾けようとした瞬間、もう一発飛んで来た。
「まだ撃てるのか!?」
思った以上に回転が速い。 だが、フィアーバの鉄壁はそう簡単に貫けない。
さっきと同様に受け止めて逸らす。 もう無理だろうと思っていると今度はレーザー攻撃だ。
しつこい。 盾で受けて逸らす。 グロウモスの物と思われるレーザー攻撃は照射時間が長いのでその間、完全に動きが止まってしまう。 木々を焼き払いながら飛んで来たレーザーは障害物を消し去り、視線の先には巨大な銃を構えたグロウモスの機体がレーザーの光に照らされている。
――これだけの大出力にもかかわらず十数秒で再発射できるのは何故だ?
マルメルのハンドレールキャノンを防いだ時間を合計しても二十秒も経っていない。
こんなに早く撃てる理由が分からなかったのだが、その答えは目の前にあった。
レーザーが勢いを失い、収束して消える。 同時にグロウモスの構えた銃のあちこちから排熱の蒸気が噴き出す。 同時に銃身が脱落し、銃身のあちこちに刺さっていたバッテリーのような物が弾け飛ぶ。 同時に別の機体が素早く銃身とバッテリーをセット。
給弾係が別に居たのかと納得する。 装備構成からミサイルを撃ってきた機体だ。
冷却が必要なパーツを即座に交換して発射の回転を上げたのか。
だからと言って替えの銃身をいくつも持ち込んでいるのかは疑問が残る。
つまり、こちらの排除に五機もつぎ込んでいる事になっていた。
――クソ、コンシャス達は何をやっている!?
フィアーバが内心で悪態を吐くとそれが通じたのか空からレーザーやエネルギー弾がグロウモスに向けて飛んでいくが、給弾係をしている機体が射線に割って入り、エネルギーフィールドを展開して彼女を守っていた。
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