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第480話
痺れを切らしたのかふわわが一歩踏み込んで太刀を一閃。
速い。 迷いもなく、一直線に首を狩りに来る一太刀だ。
尋常ではない踏み込みではあるが、太刀筋そのものは綺麗なものだった。
一歩分、僅かに下がって間合いを外す。 紙一重の所で切っ先が通り過ぎる。
返しの刺突。 ふわわは小太刀を抜いて受けようとしていたが、切っ先を小さく回す。
接触の直前に小太刀の刃を巻き込み、そのまま跳ね上げる。
小さな金属音と共にふわわの手から小太刀が抜けて宙を舞う。
踏み込み、反応、足運び、どれをとっても非常に優れていると言えるが、剣士としては思っていたほどではない。
――が、厄介な事には変わりなかった。
ふわわは小太刀をわざと巻き取らせたのだ。
その証拠にさっきまで小太刀を握っていた手は太刀に添えられており、姿勢は異様に低い。
腰部のスラスターを噴かして下がる。 切っ先が装甲の表面に僅かに触れた。
返しの一撃を見舞おうと上段に構えた所でふわわの腕――僅かに膨らんだ部分から銃口のような物が開く。 飛び道具。
モタシラは咄嗟に上半身を傾けて回避。 液体が放物線を描いて飛ぶ。
液体。 強酸の類か? 触れるのは不味い。
体捌きだけで躱すのは難しいので倒れ込み、機体を大きく傾けた姿勢をスラスターを噴かす事で維持。 その状態で足元の雪を思いっきり蹴り上げる。
掬い上げるようにした事で雪がヴェールのように広がった。
謎の液体は雪に触れるとパキパキと嫌な音を立てて凝固。 酸ではなく、接着剤の類のようだ。
トルーパーは人体と違い、スラスターを用いる事で無理な姿勢でも斬撃を繰り出す事も可能。
鋭く息を吐いて下からの刺突。
ふわわはエネルギーウイングの旋回で躱そうとしていたが、それを追いかけるように機体の上半身を捻って追いかける。 この機体はシンプルな構成に見えるが、最大の特徴としては関節などの可動域が広く、上半身に関しては360°回転する事も可能だ。
基本的にはリアルで培った剣術を用いるのだが、相手がそれに合わせてくれる訳もないので最終的にこういった形に落ち着いた。
元々、彼は旧日本の江戸時代から続く、剣術の流れを汲む道場の跡継ぎとして育てられたのだが、このご時世に道場一本で食っていくのは非常に難しい。
なら他の仕事をすればいいのではないかと思うが、青春の全てを剣に捧げた事もあってそれ以外に得意な事がなかったのだ。
門下生は居るにはいるが、片手で数えられるほど。
現道場主である父親は他所へ出稼ぎに行って糊口を凌ぐ毎日だ。
将来は自分があぁなるのかと考えると嫌だなと思ってしまった。
そんな時に見つけたのがVRゲームだ。 プロゲーマーなんて職業が存在する昨今で、当時は胡散臭くとさえ思っていたが、実際に触って見ると思った以上に性に合っていた。
特に剣術を競うゲームの大会ではかなりいい所まで行き、賞金まで貰った事もあってその確信を深めたのだ。
以降、自分のスキルを活かして稼げるゲームはないかと探した結果、このICpwに行きついた。
ロボットアクションゲームと言う事で不安はあったが、ゲーム内通貨の換金レートが異様に高かった事もあって物は試しにと飛び込んだのだ。
最初は銃相手に成す術もなく敗北を重ねたが機体構成を機動性に振り、回避スキルを学んでいる内に気が付けばAランクまで上り詰めていた。
自分の剣はこの機械の巨人の戦う世界にも通用する。
そんな事を考えると少しだけ苦労して剣を振り続けた日々が報われると思えるのだ。
両親は遊んでばかりと認識していたが、Pを換金した札束を叩きつけて黙らせた。
これまでも剣を使う敵とは何度も戦ってきたが、剣術を自分と同等以上に収めた相手はほとんどいない。 だからと言って物足りない、相手が弱いという事はなかった。
このゲームの頂を目指す者達はスタイルが違うだけで文字通りの修羅だ。
金の為、最強への渇望、理由こそ様々だが、彼等は常に自己を更新し続ける求道者。
気が付けば金が主目的だったはずのモタシラもこのゲームでどこまで行けるのかを試したくなっていた。
有り体に言えばこのゲームが楽しくて仕方がないのだ。
だが、偶には純粋な剣技で試合いたい。 まだ見ぬ剣士と剣で競ってみたいと思っていたのだ。
そんな理由でふわわにはかなり期待していたのだが、どうにもモタシラの思う剣士とは違うようだ。
上手くは言えないが違和感があった。 確かに剣の冴えは素晴らしい。
姿勢一つとってもしっかりと修練を積んだ事は明らかで、何よりセンスがある。
才能は努力を凌駕するとは思わないが、どんな物にも向き不向きは存在するのだ。
それが自分は剣だっただけの話。 袈裟の一撃が飛んでくる。
相手の力の流れに沿っていなし、巻き込む。 今回は跳ね上げずに打ち落とす。
ふわわの剣が流された後に峰を叩かれて僅かに全体の姿勢が崩れる。
そこを刺突。 入ると思ったが、モタシラの一撃は空を切る。
「そう来たか」
エネルギーウイングを噴かして地面に突っ込んだのだ。
躱す為とは言え思い切った事をする。 だが、崩れた姿勢はどうしようもないだろう。
次の一撃はどう躱す? 刀を振り上げた所で蹴りが飛んでくる。
振り上げたタイミングに合わせて来たという事は狙いは柄頭か。
摺り足で下がる。 小さい的を狙って来る場合の動きは最小でいい。
後ろに半歩。 それで躱せる。 足が空を切り、ふわわが再度エネルギーウイングを噴かす。
足が伸びきった状態で何をする気だと警戒すると彼女は肩にマウントされた野太刀を鞘ごと外して振り回してきた。
抜かないのかと少し意外に思ったが、下から掬い上げるような一撃は引き付けてから躱せなくもないが少し嫌な予感がしたので大きく後ろに跳んで距離を取る。
『うーん、流石やわぁ。 ここまで剣で圧倒されたのは久しぶりかもしれへんなぁ』
ふわわは野太刀を投げ捨て、残ったもう一本も外して足元に落とす。
「野太刀は使わないのか?」
『どうせ当たらんし邪魔にしかならへんからねー』
ふわわは蹴り上げられた小太刀を拾うとだらりとした姿勢で構える。
切っ先は前ではなく、手にぶら下げるような持ち方だ。
さっきまでは示現を思わせる剛剣だったが、今は明らかに気配が違う。
二刀を使っている点からも手数を重視した?
今の所はしっかりと視えている事もあって手強いが勝てない相手ではないといった認識だが――
速い。 迷いもなく、一直線に首を狩りに来る一太刀だ。
尋常ではない踏み込みではあるが、太刀筋そのものは綺麗なものだった。
一歩分、僅かに下がって間合いを外す。 紙一重の所で切っ先が通り過ぎる。
返しの刺突。 ふわわは小太刀を抜いて受けようとしていたが、切っ先を小さく回す。
接触の直前に小太刀の刃を巻き込み、そのまま跳ね上げる。
小さな金属音と共にふわわの手から小太刀が抜けて宙を舞う。
踏み込み、反応、足運び、どれをとっても非常に優れていると言えるが、剣士としては思っていたほどではない。
――が、厄介な事には変わりなかった。
ふわわは小太刀をわざと巻き取らせたのだ。
その証拠にさっきまで小太刀を握っていた手は太刀に添えられており、姿勢は異様に低い。
腰部のスラスターを噴かして下がる。 切っ先が装甲の表面に僅かに触れた。
返しの一撃を見舞おうと上段に構えた所でふわわの腕――僅かに膨らんだ部分から銃口のような物が開く。 飛び道具。
モタシラは咄嗟に上半身を傾けて回避。 液体が放物線を描いて飛ぶ。
液体。 強酸の類か? 触れるのは不味い。
体捌きだけで躱すのは難しいので倒れ込み、機体を大きく傾けた姿勢をスラスターを噴かす事で維持。 その状態で足元の雪を思いっきり蹴り上げる。
掬い上げるようにした事で雪がヴェールのように広がった。
謎の液体は雪に触れるとパキパキと嫌な音を立てて凝固。 酸ではなく、接着剤の類のようだ。
トルーパーは人体と違い、スラスターを用いる事で無理な姿勢でも斬撃を繰り出す事も可能。
鋭く息を吐いて下からの刺突。
ふわわはエネルギーウイングの旋回で躱そうとしていたが、それを追いかけるように機体の上半身を捻って追いかける。 この機体はシンプルな構成に見えるが、最大の特徴としては関節などの可動域が広く、上半身に関しては360°回転する事も可能だ。
基本的にはリアルで培った剣術を用いるのだが、相手がそれに合わせてくれる訳もないので最終的にこういった形に落ち着いた。
元々、彼は旧日本の江戸時代から続く、剣術の流れを汲む道場の跡継ぎとして育てられたのだが、このご時世に道場一本で食っていくのは非常に難しい。
なら他の仕事をすればいいのではないかと思うが、青春の全てを剣に捧げた事もあってそれ以外に得意な事がなかったのだ。
門下生は居るにはいるが、片手で数えられるほど。
現道場主である父親は他所へ出稼ぎに行って糊口を凌ぐ毎日だ。
将来は自分があぁなるのかと考えると嫌だなと思ってしまった。
そんな時に見つけたのがVRゲームだ。 プロゲーマーなんて職業が存在する昨今で、当時は胡散臭くとさえ思っていたが、実際に触って見ると思った以上に性に合っていた。
特に剣術を競うゲームの大会ではかなりいい所まで行き、賞金まで貰った事もあってその確信を深めたのだ。
以降、自分のスキルを活かして稼げるゲームはないかと探した結果、このICpwに行きついた。
ロボットアクションゲームと言う事で不安はあったが、ゲーム内通貨の換金レートが異様に高かった事もあって物は試しにと飛び込んだのだ。
最初は銃相手に成す術もなく敗北を重ねたが機体構成を機動性に振り、回避スキルを学んでいる内に気が付けばAランクまで上り詰めていた。
自分の剣はこの機械の巨人の戦う世界にも通用する。
そんな事を考えると少しだけ苦労して剣を振り続けた日々が報われると思えるのだ。
両親は遊んでばかりと認識していたが、Pを換金した札束を叩きつけて黙らせた。
これまでも剣を使う敵とは何度も戦ってきたが、剣術を自分と同等以上に収めた相手はほとんどいない。 だからと言って物足りない、相手が弱いという事はなかった。
このゲームの頂を目指す者達はスタイルが違うだけで文字通りの修羅だ。
金の為、最強への渇望、理由こそ様々だが、彼等は常に自己を更新し続ける求道者。
気が付けば金が主目的だったはずのモタシラもこのゲームでどこまで行けるのかを試したくなっていた。
有り体に言えばこのゲームが楽しくて仕方がないのだ。
だが、偶には純粋な剣技で試合いたい。 まだ見ぬ剣士と剣で競ってみたいと思っていたのだ。
そんな理由でふわわにはかなり期待していたのだが、どうにもモタシラの思う剣士とは違うようだ。
上手くは言えないが違和感があった。 確かに剣の冴えは素晴らしい。
姿勢一つとってもしっかりと修練を積んだ事は明らかで、何よりセンスがある。
才能は努力を凌駕するとは思わないが、どんな物にも向き不向きは存在するのだ。
それが自分は剣だっただけの話。 袈裟の一撃が飛んでくる。
相手の力の流れに沿っていなし、巻き込む。 今回は跳ね上げずに打ち落とす。
ふわわの剣が流された後に峰を叩かれて僅かに全体の姿勢が崩れる。
そこを刺突。 入ると思ったが、モタシラの一撃は空を切る。
「そう来たか」
エネルギーウイングを噴かして地面に突っ込んだのだ。
躱す為とは言え思い切った事をする。 だが、崩れた姿勢はどうしようもないだろう。
次の一撃はどう躱す? 刀を振り上げた所で蹴りが飛んでくる。
振り上げたタイミングに合わせて来たという事は狙いは柄頭か。
摺り足で下がる。 小さい的を狙って来る場合の動きは最小でいい。
後ろに半歩。 それで躱せる。 足が空を切り、ふわわが再度エネルギーウイングを噴かす。
足が伸びきった状態で何をする気だと警戒すると彼女は肩にマウントされた野太刀を鞘ごと外して振り回してきた。
抜かないのかと少し意外に思ったが、下から掬い上げるような一撃は引き付けてから躱せなくもないが少し嫌な予感がしたので大きく後ろに跳んで距離を取る。
『うーん、流石やわぁ。 ここまで剣で圧倒されたのは久しぶりかもしれへんなぁ』
ふわわは野太刀を投げ捨て、残ったもう一本も外して足元に落とす。
「野太刀は使わないのか?」
『どうせ当たらんし邪魔にしかならへんからねー』
ふわわは蹴り上げられた小太刀を拾うとだらりとした姿勢で構える。
切っ先は前ではなく、手にぶら下げるような持ち方だ。
さっきまでは示現を思わせる剛剣だったが、今は明らかに気配が違う。
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