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第482話
ユウヤは雪原を疾走していた。
それを追うように無数のレーザーが地面に突き刺さる。
ちらりと背後を振り返ると無数のドローンが追いかけて来ていた。
レーザー砲を備えた遠隔で操作するタイプ。
鬱陶しいと散弾砲を叩きこむが、ドローンは余裕を持った挙動で回避。
ユウヤは地面を蹴って進路を変更。 僅かに遅れてさっきまでの進路を遮るように別のドローンが出現する。 こちらはガトリングガンを積んでおり、束ねた銃身を回転させながら銃弾をばら撒く。
射線がユウヤを追いかける。 回避が難しいタイミングの為、大剣を盾にして凌ぐ。
――厄介なのと当たったな。
ドローンを従えているのは灰色の機体。 腰裏に二基のエネルギーウイング。
手にはエネルギーライフル、腰の左右には散弾砲。 脇には二挺のエネルギーガン。
背は見えないが大小十の穴が開いており、ドローンの収納スペースとなっている。
腕は僅かに膨らんでおり、エネルギーブレードの収納スペースだ。
Aランクプレイヤー『アドルファス』。 この『烏合衆』の暫定リーダーだ。
元々このユニオンは対抗戦を勝ち進む為だけに結成されたのでメンバーはランカーのみで構成されており、定員は出撃枠の十名のみ。 実を言うとユウヤも誘われた事があったのだが、断った。
『よぉ、奇遇だな! ――にしてもつれないじゃねーか。 俺の誘いを断って他所に行くなんてよ。 連むのは嫌いだとか言ってしっかりユニオンに入っちまうんだから俺ぁ悲しいぜ』
「それに関しては悪いと思っているが、ヨシナリには借りがあるからな」
よく通る若い男の声。 やや爽やかな印象を受ける。
嫌味があまりない男なのでユウヤはアドルファスの事をそこまで嫌っていなかったが、それだけだった。 特に好ましいとも思っていなかったので誘いに応じる事はなかったのだ。
『ベリアルもそっちに行っちまうし「星座盤」ってのはそこまで居心地が良いのか?』
アドルファスが喋っている間にもドローンがユウヤを包囲するべく位置を変える。
彼の機体はドローンを除けば突出した物のない汎用性に優れた機体だ。
だが、複数のドローンとの連携を駆使したマルチタスクこそはアドルファスの本領。
挟んで足を止めたタイミングでライフルを連射しつつ接近。
迎え撃つ前にドローンへの対処が必要なのでガトリングガンを大剣で受け、レーザーの方には散弾砲を撃ちこむ。 当然のように当たらないが、アドルファスは最初から当たるとは思っていなかった。
腰の散弾砲の射程に入ったと同時に二連射。 広範囲に拡散した散弾がユウヤに襲い掛かるが。
射線がガトリングガンを搭載したドローンと被るように移動しつつ、大剣で凌ぐ。
死角に移動しようとするレーザードローンを電磁鞭の一振りで追い払いつつ、アドルファスに向けて散弾砲を撃ちこむが、エネルギーウイングによる急加速で地面スレスレを飛ぶような機動で姿勢を低くして掻い潜る。 ライフルから手を放し左右の手からエネルギーブレードの柄が飛び出し、即座に展開。
右の刺突を身を捻って躱し、続く左の斬撃を前に出つつ背を向けてマウントされている大剣で受ける。 反撃に出る前に蹴りが飛んで来たので咄嗟に腕でガード。
胴体への直撃は避けたが、衝撃までは殺しけれない。 プルガトリオが吹き飛ぶ。
距離が開いた所でここぞとばかりにアドルファスとドローンが銃口を向けて一斉射撃。
吹き飛びながらやや強引に地面を蹴って回避しながら態勢を立て直して走る。
『やっぱ速いな。 かけっこで勝てる気がしねぇわ』
三つの銃口がユウヤを追いかけながら銃撃を繰り返しているが捉えきれない。
アドルファスは自分の事を器用貧乏と評するが、この動きを見れば謙遜である事がよく分かる。
ジェネシスフレームは使用者の戦闘記録から参照し、ゲーム側――正確にはゲームと提携している企業がデザインしてプレイヤーに提案するプロセスを経て完成する。
ある意味、これまで戦ってきたスタイルの完成形とも言えるが、ユウヤに言わせれば当人のこのゲームとどう向き合ってきたのかの答え合わせに近いと認識していた。
これはユウヤの持論ではあるが、ジェネシスフレームは大きく分けて二種類にカテゴライズできる。
特化型と汎用型。
前者はベリアルのプセウドテイのように特定の機能に特化した特殊機体。
後者は既存機の上位互換のような機体。
特化型は偏った構成であるが故に刺されば凄まじい爆発力を誇り、汎用型はどんな環境、相手でも常に一定のパフォーマンスを発揮する。 だが、それは裏を返すならプレイヤーの技量が露骨に出る事になるのだ。
この分類に照らし合わせるとアドルファスはどちらなのか?
答えは前者寄りの後者。 ドローン以外の基本的な武装は既存機の延長なのでそこまで怖い物ではない。 だが、それを補って余りあるほどにドローン操作が上手かった。
退路を潰しながらのアタック。
マルチタスクの関係で機体を動かしながら一度に操作できるのは二機までだ。
搭載ドローンは十機なので仮に潰しても次がまた現れる。
アケディアを使えばドローンの無力化は可能ではあるが、それをやると本体が突っ込んで来るので迂闊に使うと一気に持って行かれてしまう。
アドルファスとのランク戦での勝率は大体五割、勝ったパターンはドローンの包囲を崩した時、負けたパターンは包囲を崩しきれなかった時だ。
アルフレッドが居ればもう少し楽だったのだが、今はグロウモスに貸し出している。
ヨシナリがフィールドの中央に陣取る事で味方に情報支援を行っているが、戦いながらなので全員が恩恵を受けられるとは限らない。 特に狙撃手であるグロウモスはやられてしまうと非常に不味いので、護衛と観測手を兼ねてアルフレッドを付けていたのだ。
敵は全機ジェネシスフレームだが『烏合衆』はチームではなく個人の集まり。
その為、連携の概念がない。
マップを俯瞰すれば分かるのだが、全員が他の戦いに干渉しないように距離を取っている。
中央――湖の上空ではヨシナリとカカラが、少し離れた位置、やや北側でタヂカラオがバドと交戦中だ。 本来なら連携を取れるように固めての運用のはずだが、引き離されている。
湖の外周をマルメルが逃げ回っており、それを『ケイロン』が追いかけ回していた。
それを追うように無数のレーザーが地面に突き刺さる。
ちらりと背後を振り返ると無数のドローンが追いかけて来ていた。
レーザー砲を備えた遠隔で操作するタイプ。
鬱陶しいと散弾砲を叩きこむが、ドローンは余裕を持った挙動で回避。
ユウヤは地面を蹴って進路を変更。 僅かに遅れてさっきまでの進路を遮るように別のドローンが出現する。 こちらはガトリングガンを積んでおり、束ねた銃身を回転させながら銃弾をばら撒く。
射線がユウヤを追いかける。 回避が難しいタイミングの為、大剣を盾にして凌ぐ。
――厄介なのと当たったな。
ドローンを従えているのは灰色の機体。 腰裏に二基のエネルギーウイング。
手にはエネルギーライフル、腰の左右には散弾砲。 脇には二挺のエネルギーガン。
背は見えないが大小十の穴が開いており、ドローンの収納スペースとなっている。
腕は僅かに膨らんでおり、エネルギーブレードの収納スペースだ。
Aランクプレイヤー『アドルファス』。 この『烏合衆』の暫定リーダーだ。
元々このユニオンは対抗戦を勝ち進む為だけに結成されたのでメンバーはランカーのみで構成されており、定員は出撃枠の十名のみ。 実を言うとユウヤも誘われた事があったのだが、断った。
『よぉ、奇遇だな! ――にしてもつれないじゃねーか。 俺の誘いを断って他所に行くなんてよ。 連むのは嫌いだとか言ってしっかりユニオンに入っちまうんだから俺ぁ悲しいぜ』
「それに関しては悪いと思っているが、ヨシナリには借りがあるからな」
よく通る若い男の声。 やや爽やかな印象を受ける。
嫌味があまりない男なのでユウヤはアドルファスの事をそこまで嫌っていなかったが、それだけだった。 特に好ましいとも思っていなかったので誘いに応じる事はなかったのだ。
『ベリアルもそっちに行っちまうし「星座盤」ってのはそこまで居心地が良いのか?』
アドルファスが喋っている間にもドローンがユウヤを包囲するべく位置を変える。
彼の機体はドローンを除けば突出した物のない汎用性に優れた機体だ。
だが、複数のドローンとの連携を駆使したマルチタスクこそはアドルファスの本領。
挟んで足を止めたタイミングでライフルを連射しつつ接近。
迎え撃つ前にドローンへの対処が必要なのでガトリングガンを大剣で受け、レーザーの方には散弾砲を撃ちこむ。 当然のように当たらないが、アドルファスは最初から当たるとは思っていなかった。
腰の散弾砲の射程に入ったと同時に二連射。 広範囲に拡散した散弾がユウヤに襲い掛かるが。
射線がガトリングガンを搭載したドローンと被るように移動しつつ、大剣で凌ぐ。
死角に移動しようとするレーザードローンを電磁鞭の一振りで追い払いつつ、アドルファスに向けて散弾砲を撃ちこむが、エネルギーウイングによる急加速で地面スレスレを飛ぶような機動で姿勢を低くして掻い潜る。 ライフルから手を放し左右の手からエネルギーブレードの柄が飛び出し、即座に展開。
右の刺突を身を捻って躱し、続く左の斬撃を前に出つつ背を向けてマウントされている大剣で受ける。 反撃に出る前に蹴りが飛んで来たので咄嗟に腕でガード。
胴体への直撃は避けたが、衝撃までは殺しけれない。 プルガトリオが吹き飛ぶ。
距離が開いた所でここぞとばかりにアドルファスとドローンが銃口を向けて一斉射撃。
吹き飛びながらやや強引に地面を蹴って回避しながら態勢を立て直して走る。
『やっぱ速いな。 かけっこで勝てる気がしねぇわ』
三つの銃口がユウヤを追いかけながら銃撃を繰り返しているが捉えきれない。
アドルファスは自分の事を器用貧乏と評するが、この動きを見れば謙遜である事がよく分かる。
ジェネシスフレームは使用者の戦闘記録から参照し、ゲーム側――正確にはゲームと提携している企業がデザインしてプレイヤーに提案するプロセスを経て完成する。
ある意味、これまで戦ってきたスタイルの完成形とも言えるが、ユウヤに言わせれば当人のこのゲームとどう向き合ってきたのかの答え合わせに近いと認識していた。
これはユウヤの持論ではあるが、ジェネシスフレームは大きく分けて二種類にカテゴライズできる。
特化型と汎用型。
前者はベリアルのプセウドテイのように特定の機能に特化した特殊機体。
後者は既存機の上位互換のような機体。
特化型は偏った構成であるが故に刺されば凄まじい爆発力を誇り、汎用型はどんな環境、相手でも常に一定のパフォーマンスを発揮する。 だが、それは裏を返すならプレイヤーの技量が露骨に出る事になるのだ。
この分類に照らし合わせるとアドルファスはどちらなのか?
答えは前者寄りの後者。 ドローン以外の基本的な武装は既存機の延長なのでそこまで怖い物ではない。 だが、それを補って余りあるほどにドローン操作が上手かった。
退路を潰しながらのアタック。
マルチタスクの関係で機体を動かしながら一度に操作できるのは二機までだ。
搭載ドローンは十機なので仮に潰しても次がまた現れる。
アケディアを使えばドローンの無力化は可能ではあるが、それをやると本体が突っ込んで来るので迂闊に使うと一気に持って行かれてしまう。
アドルファスとのランク戦での勝率は大体五割、勝ったパターンはドローンの包囲を崩した時、負けたパターンは包囲を崩しきれなかった時だ。
アルフレッドが居ればもう少し楽だったのだが、今はグロウモスに貸し出している。
ヨシナリがフィールドの中央に陣取る事で味方に情報支援を行っているが、戦いながらなので全員が恩恵を受けられるとは限らない。 特に狙撃手であるグロウモスはやられてしまうと非常に不味いので、護衛と観測手を兼ねてアルフレッドを付けていたのだ。
敵は全機ジェネシスフレームだが『烏合衆』はチームではなく個人の集まり。
その為、連携の概念がない。
マップを俯瞰すれば分かるのだが、全員が他の戦いに干渉しないように距離を取っている。
中央――湖の上空ではヨシナリとカカラが、少し離れた位置、やや北側でタヂカラオがバドと交戦中だ。 本来なら連携を取れるように固めての運用のはずだが、引き離されている。
湖の外周をマルメルが逃げ回っており、それを『ケイロン』が追いかけ回していた。
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