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第522話
相手はブレードに対してこちらは大剣。 重量と形状の所為でどうしても振り遅れる。
これは意識を誘導する為の物で本命はこっちだ。 推進装置を噴かしてその場で回転。
鞭のような蹴りを繰り出す。 このまま脇腹に喰らわせて即死させてやる。
そんな必殺を込めた一撃だったのだが、敵も全く同じ事を考えていたようでブレードを使わずに蹴りを繰り出してきた。 こうなってしまった以上、押し切るしかない。
接触と同時にクレイモアを起爆したのだが、起爆したのは二つ。
要は相手の足にも同じ代物が付いていたようだ。
「嘘だろ!?」
思わず叫ぶ。 同時に炸裂したクレイモアはお互いの足を吹き飛ばす。
動揺に僅かに反応が遅れるが、相手の方が揺れ幅が小さかったようで即座に次の攻撃動作。
ブレードによる斬撃。 狙いは袈裟で両断だ。
――舐めるな! こっちにはエネルギーウイングがあるんだ。
技量で負けたような気がして不快だったが、旋回性能はこちらが上だ。
そのまま背後に回る前にもう一度噴かして急制動。
何故なら振り返った敵機が腕に仕込んでいたアームガンを撃ち込んでいたからだ。
明らかにどこから仕掛けるかを読んだ動きだった。
なんだこいつは? 思考が読まれている? そう思えるほどに気持ちが悪い先回りだった。
傾向としては移動先をピンポイントで狙って来るのを理解していたからこそ嫌な予感がして止めたのだが正解だったようだ。
敵機は突撃銃からロングバレルを排除。 距離を離す気はないようだ。
つまり近、中距離で潰すと誘っている。
――上等だ。
ヨシナリはその挑発に敢えて乗った。 いつの間にか二層の端まで来ており、他の戦闘は遠い。
無意識に横槍を嫌った結果なのだが、そんな事はどうでもよかった。
何故ならヨシナリの思考は目の前の敵を完膚なきまでに叩き潰す事に偏っていたからだ。
自分でもムキになっている事は自覚しているが、自分と似たスタイルであるこの敵機は自力で潰しておきたかった。 損傷はそこまで変わらない。
技量面では同等だと思うが、さっきの攻防でメンタルの強さは負けていると認めざるを得なかった。
「行くぞ!」
敵機の中身に興味はあったが、どうせ運営の用意したプレイヤーだろうと結論を決めつけて余計な思考を排除。 技量的にはB上位からA下位。
ベリアルやユウヤ程の強さは感じないので、決して勝てない相手ではない。
敵機は突撃銃を構えるのに合わせてヨシナリはアトルムのバースト射撃で応射。
回避からアタックの動きが自分とそっくりなのが若干不気味だったが、余計な事を考えていたらやられる。
互いに後ろを取り合うようにポジショニングするので傍から見ればぐるぐる回っているように見えるだろう。 弾が切れたと同時にクルックスにスイッチして射撃を継続。
敵機は突撃銃の弾が切れたと同時にアームガンを連射して隙を消す。
アシンメトリーに持ち替えたいが攻撃の回転が落ちるのでアトルムとクルックスでないと捉えられない。 気を抜けばやられる状態ではあるが、膠着とも取れる。
いや、俺があいつを反応で上回ればいいだけの話――
『ヨシナリ! ヤバい事になった』
――そんな思考に冷や水をかけるようにマルメルからの通信が入る。
「どうした?」
『どうも今回の敵は例の敵性トルーパーが主軸みたいだ。 あいつらが大挙して押し寄せてきやがった』
なるほど。
「――俺も一度地上に戻る。 押されてるって事はないんだな?」
『今の所はな』
ヨシナリは分かったと言って通信を切断。
本音を言えばこのまま押し切ってしまいたい所ではあったが、いつまでも構ってはいられない。
パンドラのリミッターを解放。 出力を300%まで引き上げる。
エーテルの鎧を身に纏い、ホロスコープが闇に包まれた。
こういった力任せな戦い方はあまり好きではないが、技量が拮抗している相手には有効だ。
強引な加速。 敵機の反応を引き出し、更に加速して想定を上回る。
敵機の突撃銃はホロスコープを捉えきれずに照準が流れているのが分かった。
腕に纏ったエーテルをブレードに変形させて斬りかかる。
流石に躱せなかったのかブレードを抜いて受けるが、想定通りだ。
欠損した足をエーテルで補填して膝を叩きこむ。
流石になくなった足で蹴りを入れられるとは思わなかったようで、敵機の挙動に僅かな揺らぎが起こる。
――特訓の成果を見せてやるぜ。
エーテルの鎧が侵食するようにアトルムとクルックスを覆い、銃身が延長される。
向けられた銃口に反応して敵機が回避に入るが、肩と装備の一部に被弾。
理由は簡単でエーテルの弾が拡散して散弾のように放射状に広がったからだ。
このイベントに臨むに当たって新しい武器が欲しい。
そう考えたヨシナリは徹底してパンドラを使いこなす事に時間を費やした。
ベリアルから貰ったこの心臓の可能性は無限と言っていい。
アトルムとクルックスをフルオート射撃。 凄まじい勢いでエーテルの弾丸が吐き出される。
同時にアトルムとクルックスから内部機構にダメージがあると警告メッセージがポップアップ。
エーテルでバレルを形成するに当たって内部構造を弄れば弾を変形させる程度は訳ない。
ついでに機体から直接エーテルを流し込んで限界を超えた稼働を強いる事も可能。
それにより通常では不可能な動作を可能としたのだ。 代償として冷却が追い付かないので武器に凄まじい負担がかかり寿命が激減するが、些細な問題だった。
練習で何度も破壊してどの程度無理をさせれば使い物にならなくなるのかは検証済みだ。
敵機は不利を悟って後退しようとするが、速度が伸びない。
さっきの散弾がブースターに被弾していたので思った以上の速度が出ないのだ。
エーテルの散弾をフルオート射撃。
咄嗟に防御姿勢を取ったのは見事だが、その程度でどうにかなる攻撃密度ではない。
敵機がハチの巣になったと同時にアトルムとクルックスが耐え切れずに破壊された。
撃てなくなったと同時に敵機が爆発。 決着となった。
敵を仕留めた所でヨシナリはふぅと小さく息を吐く。 手強い相手だった。
それ以上に驚くほどに自分と挙動が似ていたのは何だったのだろうか?
エーテルの鎧を解除してリミッターを戻す。
機体のダメージチェック。 機体各所にダメージはあるが戦闘には支障がない。
地上に行きたい所ではあるが、一先ずは――
「上で修理だな」
これは意識を誘導する為の物で本命はこっちだ。 推進装置を噴かしてその場で回転。
鞭のような蹴りを繰り出す。 このまま脇腹に喰らわせて即死させてやる。
そんな必殺を込めた一撃だったのだが、敵も全く同じ事を考えていたようでブレードを使わずに蹴りを繰り出してきた。 こうなってしまった以上、押し切るしかない。
接触と同時にクレイモアを起爆したのだが、起爆したのは二つ。
要は相手の足にも同じ代物が付いていたようだ。
「嘘だろ!?」
思わず叫ぶ。 同時に炸裂したクレイモアはお互いの足を吹き飛ばす。
動揺に僅かに反応が遅れるが、相手の方が揺れ幅が小さかったようで即座に次の攻撃動作。
ブレードによる斬撃。 狙いは袈裟で両断だ。
――舐めるな! こっちにはエネルギーウイングがあるんだ。
技量で負けたような気がして不快だったが、旋回性能はこちらが上だ。
そのまま背後に回る前にもう一度噴かして急制動。
何故なら振り返った敵機が腕に仕込んでいたアームガンを撃ち込んでいたからだ。
明らかにどこから仕掛けるかを読んだ動きだった。
なんだこいつは? 思考が読まれている? そう思えるほどに気持ちが悪い先回りだった。
傾向としては移動先をピンポイントで狙って来るのを理解していたからこそ嫌な予感がして止めたのだが正解だったようだ。
敵機は突撃銃からロングバレルを排除。 距離を離す気はないようだ。
つまり近、中距離で潰すと誘っている。
――上等だ。
ヨシナリはその挑発に敢えて乗った。 いつの間にか二層の端まで来ており、他の戦闘は遠い。
無意識に横槍を嫌った結果なのだが、そんな事はどうでもよかった。
何故ならヨシナリの思考は目の前の敵を完膚なきまでに叩き潰す事に偏っていたからだ。
自分でもムキになっている事は自覚しているが、自分と似たスタイルであるこの敵機は自力で潰しておきたかった。 損傷はそこまで変わらない。
技量面では同等だと思うが、さっきの攻防でメンタルの強さは負けていると認めざるを得なかった。
「行くぞ!」
敵機の中身に興味はあったが、どうせ運営の用意したプレイヤーだろうと結論を決めつけて余計な思考を排除。 技量的にはB上位からA下位。
ベリアルやユウヤ程の強さは感じないので、決して勝てない相手ではない。
敵機は突撃銃を構えるのに合わせてヨシナリはアトルムのバースト射撃で応射。
回避からアタックの動きが自分とそっくりなのが若干不気味だったが、余計な事を考えていたらやられる。
互いに後ろを取り合うようにポジショニングするので傍から見ればぐるぐる回っているように見えるだろう。 弾が切れたと同時にクルックスにスイッチして射撃を継続。
敵機は突撃銃の弾が切れたと同時にアームガンを連射して隙を消す。
アシンメトリーに持ち替えたいが攻撃の回転が落ちるのでアトルムとクルックスでないと捉えられない。 気を抜けばやられる状態ではあるが、膠着とも取れる。
いや、俺があいつを反応で上回ればいいだけの話――
『ヨシナリ! ヤバい事になった』
――そんな思考に冷や水をかけるようにマルメルからの通信が入る。
「どうした?」
『どうも今回の敵は例の敵性トルーパーが主軸みたいだ。 あいつらが大挙して押し寄せてきやがった』
なるほど。
「――俺も一度地上に戻る。 押されてるって事はないんだな?」
『今の所はな』
ヨシナリは分かったと言って通信を切断。
本音を言えばこのまま押し切ってしまいたい所ではあったが、いつまでも構ってはいられない。
パンドラのリミッターを解放。 出力を300%まで引き上げる。
エーテルの鎧を身に纏い、ホロスコープが闇に包まれた。
こういった力任せな戦い方はあまり好きではないが、技量が拮抗している相手には有効だ。
強引な加速。 敵機の反応を引き出し、更に加速して想定を上回る。
敵機の突撃銃はホロスコープを捉えきれずに照準が流れているのが分かった。
腕に纏ったエーテルをブレードに変形させて斬りかかる。
流石に躱せなかったのかブレードを抜いて受けるが、想定通りだ。
欠損した足をエーテルで補填して膝を叩きこむ。
流石になくなった足で蹴りを入れられるとは思わなかったようで、敵機の挙動に僅かな揺らぎが起こる。
――特訓の成果を見せてやるぜ。
エーテルの鎧が侵食するようにアトルムとクルックスを覆い、銃身が延長される。
向けられた銃口に反応して敵機が回避に入るが、肩と装備の一部に被弾。
理由は簡単でエーテルの弾が拡散して散弾のように放射状に広がったからだ。
このイベントに臨むに当たって新しい武器が欲しい。
そう考えたヨシナリは徹底してパンドラを使いこなす事に時間を費やした。
ベリアルから貰ったこの心臓の可能性は無限と言っていい。
アトルムとクルックスをフルオート射撃。 凄まじい勢いでエーテルの弾丸が吐き出される。
同時にアトルムとクルックスから内部機構にダメージがあると警告メッセージがポップアップ。
エーテルでバレルを形成するに当たって内部構造を弄れば弾を変形させる程度は訳ない。
ついでに機体から直接エーテルを流し込んで限界を超えた稼働を強いる事も可能。
それにより通常では不可能な動作を可能としたのだ。 代償として冷却が追い付かないので武器に凄まじい負担がかかり寿命が激減するが、些細な問題だった。
練習で何度も破壊してどの程度無理をさせれば使い物にならなくなるのかは検証済みだ。
敵機は不利を悟って後退しようとするが、速度が伸びない。
さっきの散弾がブースターに被弾していたので思った以上の速度が出ないのだ。
エーテルの散弾をフルオート射撃。
咄嗟に防御姿勢を取ったのは見事だが、その程度でどうにかなる攻撃密度ではない。
敵機がハチの巣になったと同時にアトルムとクルックスが耐え切れずに破壊された。
撃てなくなったと同時に敵機が爆発。 決着となった。
敵を仕留めた所でヨシナリはふぅと小さく息を吐く。 手強い相手だった。
それ以上に驚くほどに自分と挙動が似ていたのは何だったのだろうか?
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