536 / 865
第536話
「お前だよ!」
――茶色だ。 こいつを落とせば壁が居なくなる。
機銃でエーテルの弾丸を連射しながら人型形態に変形。
アシンメトリーのエネルギー弾を発射する。
「挟むゾ!」
狙われた茶色は回避行動に入ろうとするが、いつの間にか背後に来ていたポンポンの銃撃をフィールドで防いだお陰で反応が遅れた。
搭乗者が複数でも機体の制御は一人で行っている以上、メインのパイロットの意識を散らせれば攪乱は充分に効果を発揮する。 茶色はフィールドの密度を前と後ろに集中。
前後から飛んで来たヨシナリ、ポンポンの攻撃を同時に処理する。
紅が咄嗟にカバーに入ろうとするがまんまるとタヂカラオがそれを許さない。
さっきまで紫を仕留めに動いていた全員が標的を茶色に切り替える。
元々、紫は仕留める難易度が高かったので比較的、落とし易い敵機を狙う事は決めていた。
この敵機の厄介な点はセット運用されている事にある。 役割に徹している間はパフォーマンスを発揮はするが、引き剥がしてさえしまえば動きがいいだけの個にしか過ぎない。
加えて、戦況を見て柔軟に対応するなんて真似もできないのはここまでの攻防で見えていた。
その為、この敵を仕留める最適解は非常に単純だ。 分断して各個撃破。
紫を狙うと見せかければ他はそのフォローに入る。 釣り出した所で本命に仕掛けるというシンプルな作戦だ。 上位のプレイヤー相手だと裏を読んで来るのでもう少し捻る必要はあるが、こいつ等相手ならこれで充分だった。
ヨシナリのシックスセンスは敵機のフィールドが前後に集中している事をしっかりと観測する。
――ここだ。
黒がツガルを振り切って守りに行こうとするが、完全に読み通りだった。
何故ならツガルは黒を追い抜いてそのまま斥力フィールドを前面に集中し、槍のように茶色の脇腹に突っ込んだからだ。
密度の薄い場所を狙われたので機体の先端が大きくめり込む。
「へっ、いただきだぜ!」
ゼロ距離で機銃を連射。
威力に乏しいとはいえ、重装甲でもない機体が防御機構の守りなしで耐えられる訳がなかった。
茶色は上半身と下半身が泣き別れて、上、下の順に爆散。 無人機が動きを止めて力なく落下。
――一つ。
ツガルを仕留めようとドローンが集まるが彼の機動を捉えられない。
「は、遅ぇんだよ!」
そんな事を口にする余裕がある程度にはツガルは大丈夫そうだった。
一機落として安心するのはまだ早い。 このまま畳みかける。
次は白だ。 こいつをやると敵のフォーメーションが完全に崩壊するのでほぼ勝ちが確定する。
そんな事は敵も理解しており、他の機体の牽制に使っていたドローンを戻し、全てのリソースをこちらに投入しようと試みるがもう既に防御に穴が開いている状態なのでハードルがかなり落ちている。
ぐしゃりと嫌な音が響いた。
敵機の一部がそちらを確認すると緑が背後からポンポンにブレードで貫かれてる姿が視界に入る。
茶色の回復に前に出たのが命取りでニャーコと同期して前後から仕掛けたのだろう。
「確かにスペックは大したものだったけどナ。 使い方がお粗末すぎるゾ。 25点」
ブレードを捻り、コックピット部分を完全に破壊。
緑は僅かに痙攣して動かなくなった。
紅が機能停止した緑ごとポンポンを焼き尽くさんと砲を構えるが、まんまるが冷静に砲撃。
反射的に撃ち返そうとしたが完全に術中だった。
「ポンポン君へのエイムを止めてまんまる君へのターゲット変更。 二手も無駄にするのは悪手だよ」
大きく開いたエネルギーリングが紅の下から通り過ぎ、機体の動きが止まる。
タヂカラオが貫手――正確には腕のリングから出ているエネルギーのランスを突き出して一突き。
フィールドで防ぐが、ヨシナリがアシンメトリーで真上から銃撃。 咄嗟に防御を上に割り振った事でフィールドの密度が落ちる。
拮抗していた状態はあっさりと崩れ、紅は串刺しにされた。
こうなると敵はどうにもならない。 タヂカラオがエネルギーリングを白に対してばら撒き、逃げに徹さざるを得なくなった所をツガルに追撃され、回避先をまんまるの砲撃で制限された後にポンポンとヨシナリの一斉射撃でハチの巣になった。
紫は負けを悟って戦線からの離脱を図ったが、ニャーコに追いかけ回された後にまんまるの砲の直撃を喰らって消し飛んだ。
タンク役の黒は何をしているんだという話だが、ヨシナリが振り返るともう終わっていた。
背後からエーテルの腕が突き出ている。 ベリアルの腕だ。
どうやら金を始末して手が空いたのでこちらに来たらしい。
「ふ、所詮は走狗。 貴様等では星には届かず、沈むが運命。 ――闇に呑まれよ!」
内側からエーテルの棘のような物が無数に突き出し、機能が完全に停止。
ベリアルが腕を抜くと力なく落下し――ややあって爆発した。
敵機の全滅を確認したヨシナリは小さく息を吐く。 面倒な相手だったが、それだけだった。
モーションはチート頼り、性能に任せた戦い方、連携と呼ぶにはお粗末なコンビネーション。
控えめに言って舐めているのかといいたくなるような連中だった。
あれだけの性能があるならもっとやりようがあったというのに勿体ない。
そんな事を考えながら意識を切り替える。 次はウツボの処理なのだが――
「お、おぉ……」
思わず声が漏れる。 ウツボはあちこちが被弾し、内部構造が露出している部分すらあった。
簡単に言えば満身創痍だ。 それをやったのは――
「はっはぁ! どうしたぁ! あの時は不覚を取ったが今の俺相手では力不足だぞ!」
カカラは笑いながらミサイルをばら撒き、機銃でウツボの傷口を広げる。
他の味方と共同で戦ってはいたのだが、彼の活躍は大きすぎた。
人型に変形してウツボの背に着地し、ドリルで装甲を抉り取る。
凄まじい量の破片が周囲に散らばり、露出した個所を狙って味方の攻撃が集中。
少し離れた所ではフカヤが操る戦艦が側面に回り込んで艦砲射撃を繰り返しており、甲板ではマルメルとヴルトムが笑いながらひたすらに弾をばら撒いている。
グロウモスは自分達を狙うドローンを狙撃で減らしていた。
「こりゃ楽しいぜ!」
「まったくだな。 前に撃ってるだけいいとか楽すぎぃ!」
出し惜しみをする必要もないと判断したのかマルメルはハンドレールキャノンも景気よく撃ちまくる。
しっかりと損傷部分を狙っているので弾体がウツボの巨体を貫通しているのが見えた。
――茶色だ。 こいつを落とせば壁が居なくなる。
機銃でエーテルの弾丸を連射しながら人型形態に変形。
アシンメトリーのエネルギー弾を発射する。
「挟むゾ!」
狙われた茶色は回避行動に入ろうとするが、いつの間にか背後に来ていたポンポンの銃撃をフィールドで防いだお陰で反応が遅れた。
搭乗者が複数でも機体の制御は一人で行っている以上、メインのパイロットの意識を散らせれば攪乱は充分に効果を発揮する。 茶色はフィールドの密度を前と後ろに集中。
前後から飛んで来たヨシナリ、ポンポンの攻撃を同時に処理する。
紅が咄嗟にカバーに入ろうとするがまんまるとタヂカラオがそれを許さない。
さっきまで紫を仕留めに動いていた全員が標的を茶色に切り替える。
元々、紫は仕留める難易度が高かったので比較的、落とし易い敵機を狙う事は決めていた。
この敵機の厄介な点はセット運用されている事にある。 役割に徹している間はパフォーマンスを発揮はするが、引き剥がしてさえしまえば動きがいいだけの個にしか過ぎない。
加えて、戦況を見て柔軟に対応するなんて真似もできないのはここまでの攻防で見えていた。
その為、この敵を仕留める最適解は非常に単純だ。 分断して各個撃破。
紫を狙うと見せかければ他はそのフォローに入る。 釣り出した所で本命に仕掛けるというシンプルな作戦だ。 上位のプレイヤー相手だと裏を読んで来るのでもう少し捻る必要はあるが、こいつ等相手ならこれで充分だった。
ヨシナリのシックスセンスは敵機のフィールドが前後に集中している事をしっかりと観測する。
――ここだ。
黒がツガルを振り切って守りに行こうとするが、完全に読み通りだった。
何故ならツガルは黒を追い抜いてそのまま斥力フィールドを前面に集中し、槍のように茶色の脇腹に突っ込んだからだ。
密度の薄い場所を狙われたので機体の先端が大きくめり込む。
「へっ、いただきだぜ!」
ゼロ距離で機銃を連射。
威力に乏しいとはいえ、重装甲でもない機体が防御機構の守りなしで耐えられる訳がなかった。
茶色は上半身と下半身が泣き別れて、上、下の順に爆散。 無人機が動きを止めて力なく落下。
――一つ。
ツガルを仕留めようとドローンが集まるが彼の機動を捉えられない。
「は、遅ぇんだよ!」
そんな事を口にする余裕がある程度にはツガルは大丈夫そうだった。
一機落として安心するのはまだ早い。 このまま畳みかける。
次は白だ。 こいつをやると敵のフォーメーションが完全に崩壊するのでほぼ勝ちが確定する。
そんな事は敵も理解しており、他の機体の牽制に使っていたドローンを戻し、全てのリソースをこちらに投入しようと試みるがもう既に防御に穴が開いている状態なのでハードルがかなり落ちている。
ぐしゃりと嫌な音が響いた。
敵機の一部がそちらを確認すると緑が背後からポンポンにブレードで貫かれてる姿が視界に入る。
茶色の回復に前に出たのが命取りでニャーコと同期して前後から仕掛けたのだろう。
「確かにスペックは大したものだったけどナ。 使い方がお粗末すぎるゾ。 25点」
ブレードを捻り、コックピット部分を完全に破壊。
緑は僅かに痙攣して動かなくなった。
紅が機能停止した緑ごとポンポンを焼き尽くさんと砲を構えるが、まんまるが冷静に砲撃。
反射的に撃ち返そうとしたが完全に術中だった。
「ポンポン君へのエイムを止めてまんまる君へのターゲット変更。 二手も無駄にするのは悪手だよ」
大きく開いたエネルギーリングが紅の下から通り過ぎ、機体の動きが止まる。
タヂカラオが貫手――正確には腕のリングから出ているエネルギーのランスを突き出して一突き。
フィールドで防ぐが、ヨシナリがアシンメトリーで真上から銃撃。 咄嗟に防御を上に割り振った事でフィールドの密度が落ちる。
拮抗していた状態はあっさりと崩れ、紅は串刺しにされた。
こうなると敵はどうにもならない。 タヂカラオがエネルギーリングを白に対してばら撒き、逃げに徹さざるを得なくなった所をツガルに追撃され、回避先をまんまるの砲撃で制限された後にポンポンとヨシナリの一斉射撃でハチの巣になった。
紫は負けを悟って戦線からの離脱を図ったが、ニャーコに追いかけ回された後にまんまるの砲の直撃を喰らって消し飛んだ。
タンク役の黒は何をしているんだという話だが、ヨシナリが振り返るともう終わっていた。
背後からエーテルの腕が突き出ている。 ベリアルの腕だ。
どうやら金を始末して手が空いたのでこちらに来たらしい。
「ふ、所詮は走狗。 貴様等では星には届かず、沈むが運命。 ――闇に呑まれよ!」
内側からエーテルの棘のような物が無数に突き出し、機能が完全に停止。
ベリアルが腕を抜くと力なく落下し――ややあって爆発した。
敵機の全滅を確認したヨシナリは小さく息を吐く。 面倒な相手だったが、それだけだった。
モーションはチート頼り、性能に任せた戦い方、連携と呼ぶにはお粗末なコンビネーション。
控えめに言って舐めているのかといいたくなるような連中だった。
あれだけの性能があるならもっとやりようがあったというのに勿体ない。
そんな事を考えながら意識を切り替える。 次はウツボの処理なのだが――
「お、おぉ……」
思わず声が漏れる。 ウツボはあちこちが被弾し、内部構造が露出している部分すらあった。
簡単に言えば満身創痍だ。 それをやったのは――
「はっはぁ! どうしたぁ! あの時は不覚を取ったが今の俺相手では力不足だぞ!」
カカラは笑いながらミサイルをばら撒き、機銃でウツボの傷口を広げる。
他の味方と共同で戦ってはいたのだが、彼の活躍は大きすぎた。
人型に変形してウツボの背に着地し、ドリルで装甲を抉り取る。
凄まじい量の破片が周囲に散らばり、露出した個所を狙って味方の攻撃が集中。
少し離れた所ではフカヤが操る戦艦が側面に回り込んで艦砲射撃を繰り返しており、甲板ではマルメルとヴルトムが笑いながらひたすらに弾をばら撒いている。
グロウモスは自分達を狙うドローンを狙撃で減らしていた。
「こりゃ楽しいぜ!」
「まったくだな。 前に撃ってるだけいいとか楽すぎぃ!」
出し惜しみをする必要もないと判断したのかマルメルはハンドレールキャノンも景気よく撃ちまくる。
しっかりと損傷部分を狙っているので弾体がウツボの巨体を貫通しているのが見えた。
あなたにおすすめの小説
ホスト異世界へ行く
REON
ファンタジー
「勇者になってこの世界をお救いください」
え?勇者?
「なりたくない( ˙-˙ )スンッ」
☆★☆★☆
同伴する為に客と待ち合わせしていたら異世界へ!
国王のおっさんから「勇者になって魔王の討伐を」と、異世界系の王道展開だったけど……俺、勇者じゃないんですけど!?なに“うっかり”で召喚してくれちゃってんの!?
しかも元の世界へは帰れないと来た。
よし、分かった。
じゃあ俺はおっさんのヒモになる!
銀髪銀目の異世界ホスト。
勇者じゃないのに勇者よりも特殊な容姿と特殊恩恵を持つこの男。
この男が召喚されたのは本当に“うっかり”だったのか。
人誑しで情緒不安定。
モフモフ大好きで自由人で女子供にはちょっぴり弱い。
そんな特殊イケメンホストが巻きおこす、笑いあり(?)涙あり(?)の異世界ライフ!
※注意※
パンセクシャル(全性愛)ハーレムです。
可愛い女の子をはべらせる普通のハーレムストーリーと思って読むと痛い目をみますのでご注意ください。笑
局地戦闘機 飛電の栄光と終焉
みにみ
歴史・時代
十四試局戦 後の三菱雷電J2Mとして知られるこの戦闘機は爆撃機用の火星エンジンを搭載したため胴体直径の増加、前方視界不良などが続いたいわば少し残念な機体である この十四試局戦計画に地方の無名メーカーが参加、雷電を超える高性能機が誕生し、零戦の後継として太平洋戦線を駆ける これは設計者、搭乗員の熱く短い6年間を描いた物語だ
鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった
仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。
ダンジョンのある生活《スマホ片手にレベルアップ》
盾乃あに
ファンタジー
進藤タクマは25歳、彼女にフラれて同棲中の家を追い出され、新しい部屋を借りたがそこにはキッチンに見知らぬ扉が付いていた。床下収納だと思って開けたらそこは始まりのダンジョンだった。
ダンジョンを攻略する自衛隊、タクマは部屋を譲り新しい部屋に引っ越すが、そこにもダンジョンが……
始まりのダンジョンを攻略することになったタクマ。
さぁ、ダンジョン攻略のはじまりだ。
スーパーのビニール袋で竜を保護した
チー牛Y
ファンタジー
竜は、災害指定生物。
見つけ次第、討伐――のはずだった。
だが俺の前に現れたのは、
震える子竜と、役立たず扱いされたスキル――
「スーパーのビニール袋」。
剣でも炎でもない。
シャカシャカ鳴る、ただの袋。
なのにその袋は、なぜか竜を落ち着かせる。
討伐か、保護か。
世界の常識と、ひとりの男の常識が衝突する。
これは――
ビニール袋から始まる、異世界保護ファンタジー。
52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった
よっしぃ
ファンタジー
【祝!3/22~25 ホットランキング第1位獲得!】
皆様の熱い応援、本当にありがとうございます!
ファンタジー部門6位獲得しました!感謝です!
【書籍化作家の本気作。まず1話、読んでください】
電車でマナー違反を注意したら、逆ギレされて殴られた。
気がついたら異世界召喚。
だが能力鑑定は「なし」。魔力適性も「なし」。
52歳のおっさんに、異世界は容赦ない。
結論――王都の地下下水道に「廃棄」。
玄湊康太郎。職業、設備管理。趣味、健康管理。
血管年齢は実年齢マイナス20歳。
そんな自慢も、汚物まみれの下水道じゃ何の役にも立たない。
だが、転んだ拍子に起きた「偶然の浄化」が、すべてを変えた。
下水には、地上の連中が気づかない「資源」が眠っている。
捨てられた魔道具。
長年魔素を吸い続けた高純度魔石。
そして、同じく捨てられた元聖女、セシリア。
チート能力なし。異能なし。魔法も使えない。
あるのは、52年分の知識と経験、そして設備屋としてのプロ意識だけ。
汚物を「資源」に変え、捨てられた者たちと共に成り上がる。
スラムから始まる、おっさんの本気の逆転劇。
この作品には、現代の「病気」と「健康」に対する、作者の本気のメッセージが込められています。
魔力は毒である。代謝こそが命である。
軽い気持ちで読み飛ばせる作品ではありません。
でも、だからこそ――まず1話、読んでください。
【最新情報&著者プロフィール】
代表作『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』(オリコンライトノベル部門18位記録)の著者が贈る最新作!
◆ 2月に待望の【第2巻】刊行!
◆ 現在、怒涛の展開となる【第3巻】を鋭意執筆中!
◆ 【コミカライズ企画進行中】!
すでにキャラデザが完成し、3巻発売と同時に連載スタート予定です。絶対的な勢いで駆け上がる本作に、ぜひご期待ください!
森のカフェしっぽっぽ
森のカフェしっぽっぽ
ファンタジー
五十代後半の初老――サトルが営むのは、就労支援B型事業所を兼ねた猫カフェ「森のカフェしっぽっぽ」。
一階には利用者が作った木工小物や布雑貨が並び、
猫たち(イチ・きな・トラ・チビ・そして極度の臆病猫ジル)が自由気ままに接客(?)をしている。
しかしこの店には、誰も知らない“もう一つの顔”があった。
地下の倉庫兼店舗は異世界と繋がっている。
ただし、異世界人は地球には来られない。
行き来できるのはサトルだけ。
向こう側には|蜥蜴人族≪リザードマン≫の商人、
頑固な|鉱人族≪ドワーフ≫の職人、
静かな|森人族≪エルフ≫たちがいて、
サトルは彼らから“ちょっとだけ現実を楽にする品”を仕入れている。
仕事に疲れた会社員。
将来に迷う若者。
自信をなくした人。
サトルは客の空気を読み、異世界の商品をさりげなく勧める。
そして、棚の影で震えるジル。
怖がりで、音にびくつき、すぐ隠れる。
それでも店からは逃げない。
その姿が、なぜか人の心を少しだけ軽くする。
これは――
福祉と商売と猫と異世界が、ゆるく混ざり合う物語。
震えながらでも前に立つ者が、
今日も小さく世界をつなぐ。