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第568話
「グロウモスさん、ベリアルはもう参加済みだ。 チームも決まったってさ」
それを聞いてマルメルは少し驚く。
告知と同時に動いたのでかなり先んじたと思っていたのだが、そうでもなかったようだ。
「ふわわさんたちは?」
「相変わらずだけどシニフィエとは連絡は取れたよ。 で、そろそろ修業が一段落するから戻るかもってさ。 ユウヤは多分欠席、ログインはしてるし、ランク戦には参加してるみたいだけど腕を磨くのに忙しいってさ」
「ユウヤはともかく、ふわわさん達、数日見てないけどそれでも一段落なのか……」
「ランクとの兼ね合いもあるから早めに戻って来ないと置いてかれるからな」
――あぁ、それがあったか。
『星座盤』全員がランク戦に力を入れている事もあって、このまま欠席が続くと他とのランク差が出てしまう。
「ホーコートは?」
「何か最近、リアルが忙しいとかでスケジュールとの兼ね合いになるってさ。 可能なら出るつもりだからその時はランダムで組むって」
「なるほど、なんか大変そうだな」
リアルがある以上、そちらを優先するのは当然だろう。
「――で、カナタ達とは上手くやれそうな感じか?」
「おいおい、探り入れてる?」
「そんなんじゃないって、精々調子はどうだ?って感じだよ」
マルメルは別にいいけどと言ってさっきの連携訓練を思い出した。
カナタの人選は自身を軸として他には援護をさせる形だ。
まんまる、エーデを後衛、マルメル、アリスを中衛とし、自身が先頭で斬り込む。
カナタの突破力を活かした戦い方で、マルメル達中衛は何かあった時のフォローという形になる事もあって随分と偏った構成だと思ってしまう。
当然ながらカナタが落ちた場合は高確率で破綻する事もあってバランスは余り良くない。
――とはいっても想定はしているので、カナタがやられた場合はマルメルが前に出て圧をかけつつ敵を足止め。 その間に他が散って狙える敵機を一つずつ落とすというものだった。
「まぁ、役割分担がきっちりしてるから、デカい問題は出なさそうって感じかなぁ」
「それならいいんだけど、俺としては真っ当にチーム戦をやらせるか怪しいと思ってる」
「……あぁ、なるほど。 チーム単位で行動するだけでチーム戦をやらない可能性もあるのか」
前回の記憶を掘り返すと最初はチーム戦をやらせておいて、終盤はチーム単位のスコアアタックだったからだ。
序盤で落ちたマルメルとしては詳細は聞いただけの話になるのだが、チームでスコアを競う的当てだったらしい。
「いや、あんだけ対戦やらせた後、的当てとかマジで訳が分からんかった」
ヨシナリは違和感があるといった様子で首を捻る。
「――まぁ、先入観は持たない方がいいかもってアドバイスだな」
「おぅ、覚えとくぜ!」
話が一段落ついたので解散となったが、マルメルは少しだけ不安だった。
良くない事だとは思っていたが、どうしても組む相手の比較対象がヨシナリになるからだ。
あいつと組むのはすごく楽しいだけに、どうもカナタ達と組む事にあまり乗り気がしなかった。
こんな調子では良くない事は分かっているが、何とか集中しないとなと自分に言い聞かせる。
一週間という時間は瞬く間に流れ、その間にチーム間での連携訓練を行って精度を上げて来た。
お陰でそれなり以上に形にはなったと思う。
コミュニケーションもそこそこ取れているのでチーム内の雰囲気も悪くない――はず。
まずはカナタ。 彼女に対しては何の問題もない。
ユウヤに執着するヤベー女という先入観もあって苦手ではあったが、それを取り除くとかなりまともな人物であることが分かる。
声かけは忘れず、連携の際の指摘も的確で、言い方も相手に配慮したものだった。
メンバーの事もよく見ており、気になる事があれば即座に解決しようとするのはヨシナリとは別種のリーダーシップがあると感じる。
次にまんまる。 あまり喋らないが、かなり腰が低い印象。
後衛だけでなく、中距離戦にも慣れている事もあって立ち回りの意見交換をした際にはかなり参考になった。
状況次第ではポジションを中衛に変える事も視野に入っている事もあって、動きに関しての調整は一番密に行った相手だ。
エーデ。 正直、一番付き合い易い奴だった。
気弱な印象を受ける見た目と態度だが、戦闘時の援護はかなり強気だ。
味方を巻き込みかねないような砲撃も平気で行うが、しっかりと敵にだけ当てている点からも腕に自信がある事がよく分かる。
終わった後に確認に来る辺りもマルメル的には好印象だ。
要は「~したけどどう思う?」と他人に尋ねて相手の許容できるラインを探りながら人間関係を構築しようとしている事が窺える。
ユニオンのリーダーをやっているだけあって距離の詰め方、取り方が上手いと感じた。
最後にアリス。 彼女だけはよく分からなかった。
マルメルの印象では「仕事人」だ。
黙々とレーザーを撃ち込んで敵を焼き払い、戦場を俯瞰する能力に長けているのか敵が嫌がる位置に的確に仕掛ける観察眼も凄まじい。
ただ、コミュニケーションをあまり取りたがらないので、勝手にやるから勝手にやれと突き放されている印象を受ける。
――以上がマルメルから見たチームメイトの印象となる。
「皆さん。 一週間の訓練、お疲れ様です。 これからが本番ですが、練習を活かせば充分に勝てます。 優勝を目指して頑張って行きましょう!」
各々が頷き、入場が可能になった事で全員がウインドウを操作してイベントのフィールドへ移動。
「――こりゃ凄い」
変わった風景を見たマルメルは思わずそう呟いた。
無数の建物が乱立する大都市――だった場所。 つまりは廃墟だ。
辛うじて原型を留めている建物の形状からかなり古めかしい印象を受ける。
ぐるりと見回すと街並みが広がるが、果てがあった。 巨大な壁だ。
この大都市は巨大な壁に囲まれていた。
ヨシナリが居たら勝手に考察を開始するのだろうが、このメンバーの場合は真っ先に索敵だ。
一応、まだ開始まで時間があり、武装はロックされているので襲われる心配はない。
この待ち時間で何をするのかというと、ルールの確認だ。
ウインドウにこのイベントの詳細なルールが確認できる項目が追加されていた。
今回はどんな感じかねと開く。
一応、今回の体裁はプレイヤー間で宝探しに行くという形になっており、この惑星そのものが巨大な遺跡なのだそうだ。
それを聞いてマルメルは少し驚く。
告知と同時に動いたのでかなり先んじたと思っていたのだが、そうでもなかったようだ。
「ふわわさんたちは?」
「相変わらずだけどシニフィエとは連絡は取れたよ。 で、そろそろ修業が一段落するから戻るかもってさ。 ユウヤは多分欠席、ログインはしてるし、ランク戦には参加してるみたいだけど腕を磨くのに忙しいってさ」
「ユウヤはともかく、ふわわさん達、数日見てないけどそれでも一段落なのか……」
「ランクとの兼ね合いもあるから早めに戻って来ないと置いてかれるからな」
――あぁ、それがあったか。
『星座盤』全員がランク戦に力を入れている事もあって、このまま欠席が続くと他とのランク差が出てしまう。
「ホーコートは?」
「何か最近、リアルが忙しいとかでスケジュールとの兼ね合いになるってさ。 可能なら出るつもりだからその時はランダムで組むって」
「なるほど、なんか大変そうだな」
リアルがある以上、そちらを優先するのは当然だろう。
「――で、カナタ達とは上手くやれそうな感じか?」
「おいおい、探り入れてる?」
「そんなんじゃないって、精々調子はどうだ?って感じだよ」
マルメルは別にいいけどと言ってさっきの連携訓練を思い出した。
カナタの人選は自身を軸として他には援護をさせる形だ。
まんまる、エーデを後衛、マルメル、アリスを中衛とし、自身が先頭で斬り込む。
カナタの突破力を活かした戦い方で、マルメル達中衛は何かあった時のフォローという形になる事もあって随分と偏った構成だと思ってしまう。
当然ながらカナタが落ちた場合は高確率で破綻する事もあってバランスは余り良くない。
――とはいっても想定はしているので、カナタがやられた場合はマルメルが前に出て圧をかけつつ敵を足止め。 その間に他が散って狙える敵機を一つずつ落とすというものだった。
「まぁ、役割分担がきっちりしてるから、デカい問題は出なさそうって感じかなぁ」
「それならいいんだけど、俺としては真っ当にチーム戦をやらせるか怪しいと思ってる」
「……あぁ、なるほど。 チーム単位で行動するだけでチーム戦をやらない可能性もあるのか」
前回の記憶を掘り返すと最初はチーム戦をやらせておいて、終盤はチーム単位のスコアアタックだったからだ。
序盤で落ちたマルメルとしては詳細は聞いただけの話になるのだが、チームでスコアを競う的当てだったらしい。
「いや、あんだけ対戦やらせた後、的当てとかマジで訳が分からんかった」
ヨシナリは違和感があるといった様子で首を捻る。
「――まぁ、先入観は持たない方がいいかもってアドバイスだな」
「おぅ、覚えとくぜ!」
話が一段落ついたので解散となったが、マルメルは少しだけ不安だった。
良くない事だとは思っていたが、どうしても組む相手の比較対象がヨシナリになるからだ。
あいつと組むのはすごく楽しいだけに、どうもカナタ達と組む事にあまり乗り気がしなかった。
こんな調子では良くない事は分かっているが、何とか集中しないとなと自分に言い聞かせる。
一週間という時間は瞬く間に流れ、その間にチーム間での連携訓練を行って精度を上げて来た。
お陰でそれなり以上に形にはなったと思う。
コミュニケーションもそこそこ取れているのでチーム内の雰囲気も悪くない――はず。
まずはカナタ。 彼女に対しては何の問題もない。
ユウヤに執着するヤベー女という先入観もあって苦手ではあったが、それを取り除くとかなりまともな人物であることが分かる。
声かけは忘れず、連携の際の指摘も的確で、言い方も相手に配慮したものだった。
メンバーの事もよく見ており、気になる事があれば即座に解決しようとするのはヨシナリとは別種のリーダーシップがあると感じる。
次にまんまる。 あまり喋らないが、かなり腰が低い印象。
後衛だけでなく、中距離戦にも慣れている事もあって立ち回りの意見交換をした際にはかなり参考になった。
状況次第ではポジションを中衛に変える事も視野に入っている事もあって、動きに関しての調整は一番密に行った相手だ。
エーデ。 正直、一番付き合い易い奴だった。
気弱な印象を受ける見た目と態度だが、戦闘時の援護はかなり強気だ。
味方を巻き込みかねないような砲撃も平気で行うが、しっかりと敵にだけ当てている点からも腕に自信がある事がよく分かる。
終わった後に確認に来る辺りもマルメル的には好印象だ。
要は「~したけどどう思う?」と他人に尋ねて相手の許容できるラインを探りながら人間関係を構築しようとしている事が窺える。
ユニオンのリーダーをやっているだけあって距離の詰め方、取り方が上手いと感じた。
最後にアリス。 彼女だけはよく分からなかった。
マルメルの印象では「仕事人」だ。
黙々とレーザーを撃ち込んで敵を焼き払い、戦場を俯瞰する能力に長けているのか敵が嫌がる位置に的確に仕掛ける観察眼も凄まじい。
ただ、コミュニケーションをあまり取りたがらないので、勝手にやるから勝手にやれと突き放されている印象を受ける。
――以上がマルメルから見たチームメイトの印象となる。
「皆さん。 一週間の訓練、お疲れ様です。 これからが本番ですが、練習を活かせば充分に勝てます。 優勝を目指して頑張って行きましょう!」
各々が頷き、入場が可能になった事で全員がウインドウを操作してイベントのフィールドへ移動。
「――こりゃ凄い」
変わった風景を見たマルメルは思わずそう呟いた。
無数の建物が乱立する大都市――だった場所。 つまりは廃墟だ。
辛うじて原型を留めている建物の形状からかなり古めかしい印象を受ける。
ぐるりと見回すと街並みが広がるが、果てがあった。 巨大な壁だ。
この大都市は巨大な壁に囲まれていた。
ヨシナリが居たら勝手に考察を開始するのだろうが、このメンバーの場合は真っ先に索敵だ。
一応、まだ開始まで時間があり、武装はロックされているので襲われる心配はない。
この待ち時間で何をするのかというと、ルールの確認だ。
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