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第620話
三つ首に関してはスペックは一通り頭に入っている。
斥力フィールドの局所展開による鉄壁の防御。 正面からなら大抵の攻撃は防ぐだろう。
ただ、局所展開は強固な分、防御範囲が狭く死角が生まれやすい。
防御はフィールド頼りなので本体の耐久性はそこまでではなかった。
実際、至近距離で喰らわせたクレイモアはしっかりと効いていたからだ。
次に攻撃手段。 三鈷杵と刃部分から展開する不可視のブレード。
空間技術を応用した代物で既存の防御手段の大半を容易く両断する反則のような代物だ。
最も厄介な点は視えない事ではあるが、シックスセンスで観測できるので最大の強みは活かしきれない。
次に空間に作用する攻撃。 捩じる事で相手を即死させる攻撃は厄介だ。
当たるとまず助からない点が特に不味い。 絶対に貰えない攻撃ではある。
だが、出が遅いので見てから対処は充分に可能。
近くの一機を射程に捉えたと同時にアシンメトリーを発射、エネルギー弾が真っすぐに飛ぶ。
敵機は動かずにフィールドで防御。 軌道を捻じ曲げられたエネルギー弾があらぬ方向へと飛んでいく。
――躱さないのか。
まぁ、良いかと飛行形態に変形して加速。 内蔵機銃を連射しながら旋回する。
敵機は移動先に空間歪曲を仕掛けてくるが機体を僅かに傾けて攻撃範囲ギリギリを避けて通り過ぎる事でスルー。 背後で空間が捻じれるが、無視して変形。
アトルムとクルックスを抜いて連射。 二挺拳銃によるバースト射撃で広範囲に弾をばら撒く。
その間にも速度は緩めない。 敵機は躱さずにフィールドを広域展開して防御。
恐らくは二人分のリソースを使っている。 これで残りは一人。
正面に来た所で左に機体を傾ける。
敵機は即座に反応し、防御を左に集中しつつ独鈷を用いたブレードを展開――した事を確認した直後に右に旋回。 タヂカラオが使っていたフェイントだ。
機体の向きと推進装置の向きをあべこべにして態勢で相手の反応を引き出した後に逆方向へと旋回して隙を作るテクニック。
ここ最近、モタシラという接近戦のエキスパートと訓練する機会に恵まれたので近距離での引き出しを増やす為に練習していたのだ。
背後を取る。 敵機は咄嗟にフィールドを展開。
銃口の前に展開されたフィールドに向けて撃てば下手をすれば自分に返ってきかねない。
だが、このキマイラフレームの推進装置は腰部だけでなく足にも付いているのだ。
足の推力偏向ノズルを噴かし、スラスターで方向を調整。
蹴りを放つ。 展開したフィールドの真下を通った蹴りは敵機の胴体を捉える。
完全に入ったと同時に起爆。
胴体の頭を巻き込む位置に喰らわせたので胸から上がベアリング弾の驟雨を浴びて穴だらけになる。
敵機はまだ大破しておらず、独鈷を向けようとしていたが胸部の頭部が破壊された事でフィールド展開が不可能になっている。 そこをアトルムとクルックスでバースト射撃。
頭部とコックピット部分を穴だらけにする。
敵機は尚も抵抗しようとしたが、損傷が閾値を超えたのか爆散した。
使っている中身の技量が以前より数段低かった事もあって楽勝だった。
この機体の強みは三人乗りで三人分の思考リソースが使える事にあるのだが、火器管制と防御にしか関わらない上、意思統一が甘い。
恐らくは頭の一つ一つが独自に行動している事もあって連携が全く取れていなかった。
最初に躱さなかった時点で技量の低さが、弾をばら撒いた時点で連携の甘さは見えていた。
そこまで分かれば仕留めるのは難しくない相手だ。
フェイントでリソースを使わせて防御を剥がした後に頭を破壊すればいい。
一つ潰すだけで防御密度が三分の一減るのだ。
二つ潰せた時点で勝ちは動かなかった。 まともに戦えば大した技量もない相手なので楽勝だ。
もう少し苦戦するかとも思ったが、蓋を開ければ完勝だった。
他はどうなったと視線を動かすと中々に安心感のある光景が広がっている。
ベリアルは分身で攪乱してエーテルブレードで一突き。
ユウヤは強化されたハンマーで防御ごと叩き潰し、ふわわはナインヘッド・ドラゴンで防御をすり抜けての斬撃でバラバラにしている。
カカラがガトリング砲で相手の動きを封じている間に忍び寄ったシニフィエが首を捻じ切っていた。
モタシラは相手の攻撃に合わせてカウンターでの刺突。
アドルファスはドローンで防御を飽和させてエネルギーライフルで一撃。
平八郎は嵐のような刺突で防御を上半身に集中させた後、薙ぎで足を切断。
そこで要領を掴んだのか変幻自在の回転からの薙ぎで仕留めている。
まるで相手になっていなかった。
前線から戻ってきたメンバーだけではなく、基地の上空に居たポンポン達もしっかりと戦えていた。
盾を使った突撃――シールドバッシュで相手に防がせてから相手の反撃に合わせて盾の裏に仕込んでいた拳銃を抜いて至近距離で連射。
大質量での攻撃で相手のジェネレーターに負荷を与えて息切れを狙う点は特に秀逸だった。
ツガルは相手の周囲を高速で旋回しつつ機銃を浴びせかけ、全方位から銃弾を喰らわせ続け相手の防御を飽和させて撃破。
タヂカラオは無理に単騎で撃破を狙わずに銃撃で敵機を誘導して隙を作り、グロウモスが撃ち抜いた。
シックスセンスでのセンサーリンクを行えば相手のフィールドの展開状況が見えるのでそこを狙えば攻撃は通用する。
付け加えるのなら技量もお粗末。 数を寄越した弊害か質はそうでもなかった。
正直、拍子抜けする程度の強さでしかなかった。 初見時であったなら相手の攻防の傾向を掴む所から始めるのだが、その過程を省略出来る以上はこんな物だろうとヨシナリは判断。
こいつの仕留め方に関しては確立出来つつあった。
先ほども触れたがあの機体は複数の頭部を複数人で操っている関係で、反応は速いが防御か所が被るなどの連携に大きな齟齬が存在する。
阿吽の呼吸を求めるのは酷なのかもしれないが、それを差し引いても質が低い。
適当な人員を適当に入れたような印象すら受けた。
手を抜いているのか経験を積ませる為の場なのかは不明だが、だからと言って手を抜く事はあり得ない。
アトルムでバースト射撃しながら敵の防御の密度が広がったタイミングでクルックスで一撃。
コックピット部分をあっさりと撃ち抜かれた敵機はそのまま爆散。
――思った以上に歯応えがないな。
斥力フィールドの局所展開による鉄壁の防御。 正面からなら大抵の攻撃は防ぐだろう。
ただ、局所展開は強固な分、防御範囲が狭く死角が生まれやすい。
防御はフィールド頼りなので本体の耐久性はそこまでではなかった。
実際、至近距離で喰らわせたクレイモアはしっかりと効いていたからだ。
次に攻撃手段。 三鈷杵と刃部分から展開する不可視のブレード。
空間技術を応用した代物で既存の防御手段の大半を容易く両断する反則のような代物だ。
最も厄介な点は視えない事ではあるが、シックスセンスで観測できるので最大の強みは活かしきれない。
次に空間に作用する攻撃。 捩じる事で相手を即死させる攻撃は厄介だ。
当たるとまず助からない点が特に不味い。 絶対に貰えない攻撃ではある。
だが、出が遅いので見てから対処は充分に可能。
近くの一機を射程に捉えたと同時にアシンメトリーを発射、エネルギー弾が真っすぐに飛ぶ。
敵機は動かずにフィールドで防御。 軌道を捻じ曲げられたエネルギー弾があらぬ方向へと飛んでいく。
――躱さないのか。
まぁ、良いかと飛行形態に変形して加速。 内蔵機銃を連射しながら旋回する。
敵機は移動先に空間歪曲を仕掛けてくるが機体を僅かに傾けて攻撃範囲ギリギリを避けて通り過ぎる事でスルー。 背後で空間が捻じれるが、無視して変形。
アトルムとクルックスを抜いて連射。 二挺拳銃によるバースト射撃で広範囲に弾をばら撒く。
その間にも速度は緩めない。 敵機は躱さずにフィールドを広域展開して防御。
恐らくは二人分のリソースを使っている。 これで残りは一人。
正面に来た所で左に機体を傾ける。
敵機は即座に反応し、防御を左に集中しつつ独鈷を用いたブレードを展開――した事を確認した直後に右に旋回。 タヂカラオが使っていたフェイントだ。
機体の向きと推進装置の向きをあべこべにして態勢で相手の反応を引き出した後に逆方向へと旋回して隙を作るテクニック。
ここ最近、モタシラという接近戦のエキスパートと訓練する機会に恵まれたので近距離での引き出しを増やす為に練習していたのだ。
背後を取る。 敵機は咄嗟にフィールドを展開。
銃口の前に展開されたフィールドに向けて撃てば下手をすれば自分に返ってきかねない。
だが、このキマイラフレームの推進装置は腰部だけでなく足にも付いているのだ。
足の推力偏向ノズルを噴かし、スラスターで方向を調整。
蹴りを放つ。 展開したフィールドの真下を通った蹴りは敵機の胴体を捉える。
完全に入ったと同時に起爆。
胴体の頭を巻き込む位置に喰らわせたので胸から上がベアリング弾の驟雨を浴びて穴だらけになる。
敵機はまだ大破しておらず、独鈷を向けようとしていたが胸部の頭部が破壊された事でフィールド展開が不可能になっている。 そこをアトルムとクルックスでバースト射撃。
頭部とコックピット部分を穴だらけにする。
敵機は尚も抵抗しようとしたが、損傷が閾値を超えたのか爆散した。
使っている中身の技量が以前より数段低かった事もあって楽勝だった。
この機体の強みは三人乗りで三人分の思考リソースが使える事にあるのだが、火器管制と防御にしか関わらない上、意思統一が甘い。
恐らくは頭の一つ一つが独自に行動している事もあって連携が全く取れていなかった。
最初に躱さなかった時点で技量の低さが、弾をばら撒いた時点で連携の甘さは見えていた。
そこまで分かれば仕留めるのは難しくない相手だ。
フェイントでリソースを使わせて防御を剥がした後に頭を破壊すればいい。
一つ潰すだけで防御密度が三分の一減るのだ。
二つ潰せた時点で勝ちは動かなかった。 まともに戦えば大した技量もない相手なので楽勝だ。
もう少し苦戦するかとも思ったが、蓋を開ければ完勝だった。
他はどうなったと視線を動かすと中々に安心感のある光景が広がっている。
ベリアルは分身で攪乱してエーテルブレードで一突き。
ユウヤは強化されたハンマーで防御ごと叩き潰し、ふわわはナインヘッド・ドラゴンで防御をすり抜けての斬撃でバラバラにしている。
カカラがガトリング砲で相手の動きを封じている間に忍び寄ったシニフィエが首を捻じ切っていた。
モタシラは相手の攻撃に合わせてカウンターでの刺突。
アドルファスはドローンで防御を飽和させてエネルギーライフルで一撃。
平八郎は嵐のような刺突で防御を上半身に集中させた後、薙ぎで足を切断。
そこで要領を掴んだのか変幻自在の回転からの薙ぎで仕留めている。
まるで相手になっていなかった。
前線から戻ってきたメンバーだけではなく、基地の上空に居たポンポン達もしっかりと戦えていた。
盾を使った突撃――シールドバッシュで相手に防がせてから相手の反撃に合わせて盾の裏に仕込んでいた拳銃を抜いて至近距離で連射。
大質量での攻撃で相手のジェネレーターに負荷を与えて息切れを狙う点は特に秀逸だった。
ツガルは相手の周囲を高速で旋回しつつ機銃を浴びせかけ、全方位から銃弾を喰らわせ続け相手の防御を飽和させて撃破。
タヂカラオは無理に単騎で撃破を狙わずに銃撃で敵機を誘導して隙を作り、グロウモスが撃ち抜いた。
シックスセンスでのセンサーリンクを行えば相手のフィールドの展開状況が見えるのでそこを狙えば攻撃は通用する。
付け加えるのなら技量もお粗末。 数を寄越した弊害か質はそうでもなかった。
正直、拍子抜けする程度の強さでしかなかった。 初見時であったなら相手の攻防の傾向を掴む所から始めるのだが、その過程を省略出来る以上はこんな物だろうとヨシナリは判断。
こいつの仕留め方に関しては確立出来つつあった。
先ほども触れたがあの機体は複数の頭部を複数人で操っている関係で、反応は速いが防御か所が被るなどの連携に大きな齟齬が存在する。
阿吽の呼吸を求めるのは酷なのかもしれないが、それを差し引いても質が低い。
適当な人員を適当に入れたような印象すら受けた。
手を抜いているのか経験を積ませる為の場なのかは不明だが、だからと言って手を抜く事はあり得ない。
アトルムでバースト射撃しながら敵の防御の密度が広がったタイミングでクルックスで一撃。
コックピット部分をあっさりと撃ち抜かれた敵機はそのまま爆散。
――思った以上に歯応えがないな。
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