56 / 292
ホイルトツェリオ魔法学校
魔法学校の深淵
しおりを挟む
図書室を後にすると、2階と同じくハウスホームが2つ並んでいる前を通り過ぎる。
「こちらの3階では主に、4,5年生が授業を受けています」
「4年、5年に上がっても一般教科はの授業はそのまま勉強をしていきますが……魔法の専門の深い知識を得るため、魔法関連の学科は選択制になります。4年の9月に、行われる成績の評価と面談によって、に専攻出来る教科の数が決められます。あらたな取り組みとして師弟制度を、取り入れ魔法建築学など、本校で補いきれない学科も生徒の希望があればわが校とギルドのアプローチで、通常では難しかった技術への参入も昨今出来る様になってきました」
「おれはギルドの手続きで、暇を持て余してしましてすわっていたら……悪い顔したレンに捕まって、オリエラの面倒を見る事になってた」
ぬいぬいは、腰に手をやり右重心を置いて、少しサッと首を横に振った。それを見ていたフランツ教頭は、後ろ手に腕組みしながら彼に、語り掛ける。
「彼女の様な義務を伴った生徒には、師弟制度は、適応されますが……。彼女もさすが王族に連なる者としての素質を私達教師も感じています。ぬいぬい君に、教わる様になりそれが格段と目に見える様になってきた。その成果だけ見ても、君がこの学校で、3年間の教師になるカリキュラムを終業すれば、君はやはり立派な教師になると思いますよ」
「勘弁してくれ、それにオリエラは俺じゃなくても、素晴らしい資質を開花させていたはずだ。あいつにはそれが出来る素直さとタフさがある。後、この事は、三人ともオリエラには言うなよ。あいつには、まだ子供ぽくって調子に乗るところがあるからな」
「それは確かに……」
フランツ教頭にも思い当たる所があるんだろう。思いにふけった顔の額には、皺が刻まれた。ぬいぬいは、フランツ教頭の表情と彼女の日頃行いの関連性を、想像した様で笑顔になっている。
3階の廊下を通ると、教室に先生の居ない教室もあり、一心不乱に机をに向かい何かを書き込んでいるクラスもあれば、全員輪になって話し込んでいるクラスもある。
中には、いろいろな檻が並べられているクラスやみんな寝ているクラスまであった。寝てるクラスは、錬金術の教室の様でぬいぬいがそれを見ると「あ……」と小さく声をあげる。
「ぬいぬい、あれは何を? 」
素通りしてしまったフランツ教頭に、聞こえない様にぬいぬいに聞くと……。
「あれは、やばい物作ってみんなその毒気に当たって寝てるだけだ。扉の横に白の布が張ってあったら医務室など、治療済みって意味になってる。飲む薬の場合は、一人飲まない奴が医務室に駆け込むか。悪いガスが発生して全員ぶっ倒れるような時は、あそこに見える魔法道具のうるさいインコが知らせる仕組みか、胸のバッチの体内測定器が、音を出す仕組みになっているから大丈夫だ」
「それは、全然安全とは言わないよ」
僕の公共のマナーを守ったツッコミはあまりパンチがなかった。錬金術士の生徒に、僕達の会話が聞こえても鋼の様な心にはきっと響かないだろう。だが、あえて言いたい、危険であると、逝ってしまうよと、だが、彼らの胸には響かないだろう……。異世界だから……。たぶん。
「そうですね、でも、皆さん魔法使いですから」
ルイスもフォローにもならない、フォローをするが……異世界では、魔法使いはちょっとアレって考えが、一般的なのだろうか? それなら王女を入れて良い学校じゃないだろうと、一人心の内だけで、ツッコミを入れた。
学校の左翼側には、音楽室とその奥に、ゲームでよく見る。各テーブルにソファとジュークボックス、ビリアード台に、購買まである。後、自動販売機とゲームがあれば御なじみセットだったのに。
「あ……ここは、社会復帰用のスペースです」
「社会復帰……」
教頭と僕の間に気まずい空気が流れる。教頭も言いにくいのか「はい……」としか言わない。
「昔、魔法使いの中には魔法に研究を没頭しすぎて、リッチになる奴もそこそこ居たからそうならない為に、学校に娯楽施設を入れている。ダンスパーティーも開かれるし、遠足と言う名の苦行訓練もあるし手広くはやっている。後、託児所作るって案もあったとか、なかったとか……」
「はぁ……、魔法使い……深すぎて想像ができません」
つづく
「こちらの3階では主に、4,5年生が授業を受けています」
「4年、5年に上がっても一般教科はの授業はそのまま勉強をしていきますが……魔法の専門の深い知識を得るため、魔法関連の学科は選択制になります。4年の9月に、行われる成績の評価と面談によって、に専攻出来る教科の数が決められます。あらたな取り組みとして師弟制度を、取り入れ魔法建築学など、本校で補いきれない学科も生徒の希望があればわが校とギルドのアプローチで、通常では難しかった技術への参入も昨今出来る様になってきました」
「おれはギルドの手続きで、暇を持て余してしましてすわっていたら……悪い顔したレンに捕まって、オリエラの面倒を見る事になってた」
ぬいぬいは、腰に手をやり右重心を置いて、少しサッと首を横に振った。それを見ていたフランツ教頭は、後ろ手に腕組みしながら彼に、語り掛ける。
「彼女の様な義務を伴った生徒には、師弟制度は、適応されますが……。彼女もさすが王族に連なる者としての素質を私達教師も感じています。ぬいぬい君に、教わる様になりそれが格段と目に見える様になってきた。その成果だけ見ても、君がこの学校で、3年間の教師になるカリキュラムを終業すれば、君はやはり立派な教師になると思いますよ」
「勘弁してくれ、それにオリエラは俺じゃなくても、素晴らしい資質を開花させていたはずだ。あいつにはそれが出来る素直さとタフさがある。後、この事は、三人ともオリエラには言うなよ。あいつには、まだ子供ぽくって調子に乗るところがあるからな」
「それは確かに……」
フランツ教頭にも思い当たる所があるんだろう。思いにふけった顔の額には、皺が刻まれた。ぬいぬいは、フランツ教頭の表情と彼女の日頃行いの関連性を、想像した様で笑顔になっている。
3階の廊下を通ると、教室に先生の居ない教室もあり、一心不乱に机をに向かい何かを書き込んでいるクラスもあれば、全員輪になって話し込んでいるクラスもある。
中には、いろいろな檻が並べられているクラスやみんな寝ているクラスまであった。寝てるクラスは、錬金術の教室の様でぬいぬいがそれを見ると「あ……」と小さく声をあげる。
「ぬいぬい、あれは何を? 」
素通りしてしまったフランツ教頭に、聞こえない様にぬいぬいに聞くと……。
「あれは、やばい物作ってみんなその毒気に当たって寝てるだけだ。扉の横に白の布が張ってあったら医務室など、治療済みって意味になってる。飲む薬の場合は、一人飲まない奴が医務室に駆け込むか。悪いガスが発生して全員ぶっ倒れるような時は、あそこに見える魔法道具のうるさいインコが知らせる仕組みか、胸のバッチの体内測定器が、音を出す仕組みになっているから大丈夫だ」
「それは、全然安全とは言わないよ」
僕の公共のマナーを守ったツッコミはあまりパンチがなかった。錬金術士の生徒に、僕達の会話が聞こえても鋼の様な心にはきっと響かないだろう。だが、あえて言いたい、危険であると、逝ってしまうよと、だが、彼らの胸には響かないだろう……。異世界だから……。たぶん。
「そうですね、でも、皆さん魔法使いですから」
ルイスもフォローにもならない、フォローをするが……異世界では、魔法使いはちょっとアレって考えが、一般的なのだろうか? それなら王女を入れて良い学校じゃないだろうと、一人心の内だけで、ツッコミを入れた。
学校の左翼側には、音楽室とその奥に、ゲームでよく見る。各テーブルにソファとジュークボックス、ビリアード台に、購買まである。後、自動販売機とゲームがあれば御なじみセットだったのに。
「あ……ここは、社会復帰用のスペースです」
「社会復帰……」
教頭と僕の間に気まずい空気が流れる。教頭も言いにくいのか「はい……」としか言わない。
「昔、魔法使いの中には魔法に研究を没頭しすぎて、リッチになる奴もそこそこ居たからそうならない為に、学校に娯楽施設を入れている。ダンスパーティーも開かれるし、遠足と言う名の苦行訓練もあるし手広くはやっている。後、託児所作るって案もあったとか、なかったとか……」
「はぁ……、魔法使い……深すぎて想像ができません」
つづく
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。
夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。
もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。
純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく!
最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる