魔王がやって来たので

王の命

湿地帯の生存競争

湿地帯の中を一人小走りに歩く彼の体格は良かった。
　ともかくスドウは湿地帯を歩き、目的地へ辿り着いた。

　そこでは時間でも、巻き戻ったかの様に、シスターの彼女は小島の上で、蔦に絡まり倒れていた。
　ここで騙された事に気づいき、スドウは今来た道を戻ろとするが、ギルド本部陣営のからタチの悪そうな男がこちらへ歩いてくる。どうやらスドウは、ギルド本部陣営の出入り口からその男につけられていた様だ。

　女王蟻が居た大地の方を振り向くが、同じ様にどこかの草むらにいのだろう。顔の腫れ上がった狩人を拘束し前に歩かせる３人の男達見えた。スドウは、慌てて湿地帯に浮かぶ木の道を動かして、シスターの居る小島へ向かった。

　シスターは、泣きながらもスドウにすがり付き、
「検定の為のギルド職員は来てくれるでしょうか！？、あなたのお仲間は！？」そう、悲痛に訴える。

「パーティを抜けて一人で来てしまったでごわす……。ハヤトさんは、貴方の事を本部内の人物に伝える言ってでて行ったが……それはいつの事になるのか……」

「そんなぁっ……ごめんなさい……ごめんなさい…………あなたまで巻き込んでしまいました……」
　シスターは、足元から崩れ落ち、そこから泣く事しが出来なくなってしまった様だ……。
　
「よいしょっと」
　
　ニャニャ笑いを、浮かべた男達がやって来て、シスターの横に狩人の男を転がす。

「動くなよ？　後ろに寝っ転がっている奴が、丸こげになってなっていいのか？　まあ、お望みならお前もそうなるがな？」

「どうして、こんな事をするでごわすか？　こんな事をしてもギルドクエストの時、死ぬのがオチでごわす！」

「うるせ――！　早く魔石だせよ、わかってるだろ？！」
　イラついたシーフが、小型ナイフを突きだしてスドウを水際へと迫ってく。

「トイなんで、お前はそんなにイラついてんだ！？　そんなんだったら死ぬ目に合うって、いつも言ってるだろう！……こんな風に」

　そう言うとリーダーの男は、シーフを突き飛ばした。

「何しゃがんだ！？　お前！！」水中に座り下半身を水につけた男は、目を血走ら怒鳴りつけるが……すぐに、シーフの体を蔦が覆い水の中に彼の体を引っ張り込む。最後に水紋と彼の重みによって舞い上がる泥の軌跡が、一本の線だけが水面に残った。

「ハァハハこれで、取り分が増えた」リーダーは、何が楽しいのか涙を流しながら笑っている。

「さすがリーダー」
「やっと目障りが居なくなった」
　シーフの仲間だった者達が誰も彼の死を笑っている。

「どうして、そんな事が出来るんですか！？　貴方達は仲間でしょう！」シスターは、泣きながら手をかたく握り、食いつかんばかりに抗議をする。

「辞めろアイシャ、彼らを刺激するな」
　狩人は、地にふしたまま、シスターを止めるが、リーダーの目には、シスターの姿が映っている。

「お優しいシスターだ、お前は餌の自分は、殺されないないと思っているのか？　だが……、それは間違いだ。でも、そうだなぁ……楽しいショーを楽しもうじゃないか？　狩人か運び屋、どちらを落とすか選べ、そしてお前が落とすんだ、一度でも拒んだらどちらも落とす」

　ごろつきパーティのニャニャ笑いが、3人の体を突き刺す。

「誰が、落ちるに賭ける？」
「俺は運び屋」
「奇遇だなぁ。俺もだ。勝負にならねぇんじゃね？」
　
　そこでリーダーが言う。
　「俺は両方落ちる賭ける、結局は、自分が可愛いシスター様は、自分の潔白さを選んでこいつらは死ぬ。だろう？」

　時間は、とても長く感じるが、それでも時は進んでいる。シスター、選ばなくてはならない……。




「もうしんどいなぁ！！、スドウさん二人を運んでここまで来てくださいよ！　も――！」
　
　ハヤトが遠くから叫んでいる。その声を、聞き二人を慌てて担ぎ上げると、ごろつきは突き飛ばし――ハヤトの元に走る。突き飛ばされ倒れた男はふたたび、水紋と泥の線となり消えたが、残された彼らごろつぎパーティーメンバーの四方には、ハヤトの使った土の壁が立ち塞がる。

　兵士とすれ違い、スドウがハヤトの元までやって来ると、ハヤトは、あぐらかいて座っていた。

「大丈夫でしたか？　スドウさん。僕は本当に疲れましたよ」

　スドウは、シスター下ろすと、ハヤトに向かって――。
　
「おいどんが、勝手にしたばかりでこんな事になって誠に申し訳ない」

「本当にそうですよ！　まったく、でも……まあ、無事でよかったです。オリエラや、ミッシェルも、もうすぐ来ると思うので、元気な顔を見せてあげてください。シスターや狩人さんを、ギルド本部陣営へ運んであげつつでいいんで」

　どうやら湿地帯で危険にさらされた三人は、助かった様だ。彼らはゆっくりとギルド本部陣営へと歩いて行くのであった。


　　　　　　　　　　　つづく