魔王がやって来たので

旅立った僕達

彼女の相談

　彼女がゲストハウスの階段で、僕を呼び止め「相談したい事があるんです」って言った。

　みんなと居る時ではなく、この場所を彼女が選ぶ意味について考える。
「ここで話しにく話？」

「そうですね、二人きりの方が……」

　フィーナは、下を向き服の上着を言いにくいそうにもて遊ぶ。

「じゃ……」

　僕は階段を登り進む。そして階段の先の飾り窓から見える通りを指差し――。

「しばらくしたらあそこの看板のコーヒーショップに来て、君、一人でね。僕はルイスに報告だけしたらすぐ行くから」

「はい、わかりました。」

　そう言うと階段の下へと、彼女は手すりを持って駆け下りて行く。弾む銀色の髪や華奢な身体付、あやうい感じのスカートの裾とか見ていて飽きない。

　しかし僕の視線に気づいたのか彼女は、突然振り返り少し恥ずかし気な表情を受けべると、ゆっくり少しよそ行きな感じなふるまいで、廊下の角を曲がっ入った。

　はは、少し熱い顔を僕は、手で覆い……いろいろ駄目かもとそう思う。理性の事もそうだけど、好きの加減が彼女より僕の方が多くて、いろいろ負けている気がする。

　――まぁいい。それが僕の手に入れた幸せなら……。

　っと、急がなければならない。

　僕は少し、階段を駆け下りる。そしてリビングルームへの通路を進み、その扉を開ける。

　やはり今日もルイスとミッシェルは、いろいろ書き物をしている。

　ホーエンツォレルン城の王族やギルドとしても、僕に猫の鈴は付けない代わりに、指定の書式に報告書は欲しいらしく。インクで正式に書いて行くとまだまだ時間はかかるし、ギルドクエストの成果報告は毎日増える。

　地獄絵図！！　それプラス、今後の進路予定図の作成、半分も言語がわからない僕に任せるより、自分達でやるのが早いらしい。

　それでもルイスは、それを僕に毎回僕に読ませ。僕のこの世界の学習および、書類申請の仕方も教えている節があるけど。

　そんなルイスにデートの報告をするのは申し訳ないので、コーヒーを飲みに行く事だけ連絡をする。

「わかりました。ハヤトすみませんが、我々の分もコーヒーも買って来てもらえませんか？」

「わかった。普通かおススメでいいよね」

「眠くならなければ、何でもいいです」

　ピカピカのルイスには、普段と同じ感じだが、ミッシェルには目の下に明らかにクマが出来ている……。

「今日はもう休んだ方が……」

「大丈夫ですよ。もうすぐ、めどが付きそうなので、気にせずデートへ行って来てください」

　そう言って、僕を見つめるルイスは、半端なく顔が綺麗なだけに怖い……。

「えっあぁ……」戸惑う僕に、ミッシェルが――。

「デートなんですか？　人の気も知らないで！？」

「ミッシェル……そう言う事を、言うとモテないみたいに思われるので、こんな時は好きなものをおみあげにに頼むくらいがいいですよ。きっとおみあげにだいたいの物は買って来てくれますから」

「ルイスさん……その余裕……社交界の影でブイブイいわせてるって本当ですか？……」

「はっ？」

　ルイスは、静かにそう言った。ミッシェルはこの後、何か月もルイスの生贄になる事を僕は確信した。

「では、行ってきます！！」

「ハヤトさん……」

　僕は、そんなミッシェルの声を振り切ってリビングルームの扉を開けた。

　――ごめん……ミッシェル。僕に守れるのは一人だけフィーナだけなんだ……。

　そう、思いながら僕は階段を駆け上がると、自分の部屋へ入る。そして鍵を閉める。

　念のため、布団を人間一人分くらい膨らました。後は、鞄を持ち自分に強化魔法をかける。

　そして大窓を開けそこから下を覗くと誰も居ない事を確認すると大窓から飛び降りた。

　いざ！　彼女の待つコーヒーショップへ！！

　　　　　　　　　　　　つづく