魔王がやって来たので

もち雪

文字の大きさ
160 / 292
旅立った僕達

夢の続き

しおりを挟む
 夢、夢は一日起こった事を学習する為にみるんだっけ? それとも死者と通信をしているんだっけ?

 とにかく夢の中にも真実は、あるかもしれない。

 そんな夢に今日も僕は悩まされていた。

「フィーナ、おかしいんだ。今日は、僕が受験生の頃の夢を見たのだが……、今度は少しおねぇさんの君が、勉強を教えてくれるのだけど……ミニなタイトスカートのスーツを着て、黒のレースのストッキングを穿いているので、勉強に全然集中出来ない夢を見たんだ……」

 彼女の顔が、みるみる赤くなる。

「ハヤト、いちいち報告しなくてもいいんですよ?」

「僕もそう思ったんですが……、もしかしたら」

 僕は祈る様に手を組み。チラッとフィーナを見る。

「祈っても駄目です。だめですけど……そういう服の組み合わせについては、ストッキングの黒とまではいきませんが、魔王様がスーツを持っている様に、一度社会勉強として購入を考えてもいいと思います。会議の時の戦闘服として今の洋服のスタイルでは限界を感じていた頃ですので」

 フィーナの真面目スイッチが、いきなり入った。だが、目的は遂げられていので、ミッションクリアーである。僕もフィーナと同様少しワルな顔をした。

「しかしハヤトの夢については、おかしな点が見られます。一度、夢について調査した方がいいですね」

 そこへ書類を沢山持ち、やつれてやや色気が出て来たルイスを捕まえる。

「夢ですか……。あるにはありますが、現実に起こりうる夢なので参考にならないかもしれませんよ……」

「調査なので、小さな事でいいんです。話してもらえませんか?」

「まぁ、そんなに時間のかかる話ではないのでいいでしょう。夢の中でハヤトが言うんですよ。『僕は、ポセイドンとも知り合いなんですよ! だから海にも行きます!!』と、言って引き留めてもどんどん海の中へと入っていってしまうので……、仕方なく両脚に矢を放つしかありませんでした。ボソッ(うざかったので)」

 ――矢を何故、両脚に!? しかも言っちゃ駄目な事言わなかっただろうか?

「それは少しおかしな話ですね……」

 そして僕の彼女は、可愛い口元にこぶしを付け考えた答えに『少し』を付けてしまいます……。

「私もおかしな夢を見たわ」

「「シルエット!?」」「では、私はまだまだ仕事が残っているのでこれで」

「「ルイス、ありがとうございます」」

「私の見た夢はとってもおかしな夢だったわ……。私が廊下を歩いていると、キッチンから少し揉めている男女の声が聞こえたの……。廊下からまず見えたのが、フィーナで彼女はあごに両方のこぶしをあて、体を縮こまらせていたわ、だから私見てたの……。「でも、私……」と言って彼女は首を小刻みに振っていたわ。その前に男性が居たのだけれど、彼は「俺だけ見て欲しい」って男らしく言ってる声がハヤトなの、で、そのハヤトがフィーナの横の壁を手でドーンとやって進行方向をふさいでキスしょうとしてたから、これは夢だなってわかったのよ」

「なんで、夢なんですか!?」と、僕が言っている横で、フィーナが……。

「それは明らかにおかしいですね」

「フィーナ、出来ます。再現しましょう!」

「人前では出来ません」

「……ですよね」

 そして探偵フィーナは――。

「どの夢にもハヤトが関係してるので、一度ルナに見て貰いましょうか……」

 と、言う結論をだした。

               ☆

 そして話が大事になり、僕は街の壁の外で僕憑りつかれていた場合暴れまわらない様に椅子に縛られる事になってしまった。

 ルナの警護には、オリエラが立ち、僕の横にはミッシェルが剣を持って立った。

 ルナの神秘の光を、浴びていると段々気分が悪くなっていった。

 そして僕の足もとに巨大な影が見えた。それはサキュパスの開いた羽で、彼女は超お怒りだった。

「なんなのこの男全然なびかないし、私の夢を弾き飛ばすしなんなの!?」
 
 その後、彼女は、聞くにたえない性的な罵声を僕に浴びせて来た。なんだか気の遠くなる思いだった。

 ぬいぬいなんか、オリエラとルナ、フィーナ連れて、さっさと逃げてR15とR18の壁は完璧に彼によって守られていた。

 そしてルイスの矢が、彼女の頭上で弾かれた後は、いろんな意味で戦力不足、戦力喪失していた我々をあざ笑う様に怒り心頭のまま、上空に逃げられた。

 散々たるありさまを目の前に、見せられて今回は敗北したのである。

 でも、また来て欲しい気もする。

     つづく
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。

夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。 もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。 純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく! 最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!

婚約破棄&濡れ衣で追放された聖女ですが、辺境で育成スキルの真価を発揮!無骨で不器用な最強騎士様からの溺愛が止まりません!

黒崎隼人
ファンタジー
「君は偽りの聖女だ」――。 地味な「育成」の力しか持たない伯爵令嬢エルナは、婚約者である王太子にそう断じられ、すべてを奪われた。聖女の地位、婚約者、そして濡れ衣を着せられ追放された先は、魔物が巣食う極寒の辺境の地。 しかし、絶望の淵で彼女は自身の力の本当の価値を知る。凍てついた大地を緑豊かな楽園へと変える「育成」の力。それは、飢えた人々の心と体を癒す、真の聖女の奇跡だった。 これは、役立たずと蔑まれた少女が、無骨で不器用な「氷壁の騎士」ガイオンの揺るぎない愛に支えられ、辺境の地でかけがえのない居場所と幸せを見つける、心温まる逆転スローライフ・ファンタジー。 王都が彼女の真価に気づいた時、もう遅い。最高のざまぁと、とろけるほど甘い溺愛が、ここにある。

処理中です...