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攻略!謎の塔
階層攻略 その5
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20階建ての塔の7階層のミノタウロス。彼は、言った。
「ここではなんなので、8階層の応接室へ行きましょうか」と、8階層は普通にミノタウロスに適した部屋があった。なんていうか、アルプスに住む女の子がおじいさんと暮らす感じと言えばいいだろうか?
「私の部屋へようこそ! 黄昏の皆さん以来の、ひさしぶりのお客さんで緊張しちゃうな……」
彼は我々を手厚くもてなす為、大きな机の前に置かれた、普通の背もたれのある椅子7脚のほかに、奥から丸椅子4つ持って来て、「椅子まだ必要です?」と、彼は言った。
「もう大丈夫です。色々ありがとうございます」
それにしてもうちのパーティーは遠征するので、人数が特別多い方だが、椅子の数を考えて彼の想定の中には3パーティー合同お茶会も考慮されているのだろうか?
そう考えているまに、今度は深いボール皿を持ち出してくる。
「スフィンクスは、水を出す予定ですが、紅茶がいいですか? 地面に置きます? 机?」
「ありがと」スフィンクスは頭をさげ、ルナが「お皿は持ち歩いています。水だけいただけますか?」
ルナが、そう言って彼の後に続き奥へ入って行くと、今度は大きめの白いポットを2つ手持ち帰って来た。
「これは黄昏のみんなが、持って来てくれたお茶っぱでいれています。美味しいのでどうぞ」
彼はお湯を高い所から、注ぎ入れる。ルイスが何もいわないので、正しいのか、他所だからいわないだけなのか微妙だ。
彼は紅茶を差し出す。彼の大きな机には、紅茶が、10カップ並ぶ。
「ところで、ミノタウロス、このから先の12階層の部屋の情報については何か知らないでしょうか?」
ルイスが塔についての探りを入れる。彼は耳を、パタパタとさせ僕を見る。
「私は知らないんだ。17階層まで行った『黄昏』の皆さんが、時々ここで小さな声で作戦会議しているが、私が以前『塔の権利者についてうっかり話してしまわない様、聞かない様にする』と、以前言ったのでそれからは私のわからない様に話してくれる。勇敢な冒険者は、いい人ばかりで本当にうれしくなるよ」
そう彼が言っても、彼の牛の顔からはその表情が読めない……。
「もし私達が、塔の管理者を倒してしまったら貴方はどうなってしまうのですか?」
僕は、そこが凄く気になり聞く。しかし顔色ではもちろんわからないのだが、呼吸も荒くなる事もなく、動作からも慌てる様子も見られなかった。
「そうですね……別の世界の私は迷宮に囚われ、迷宮の中で死んだと記憶しております。ここでは逆に、私はこの迷宮の中でしか今の自我を保てず、塔崩壊とともに私は死に、それと同じくして迷宮でしか生きられないこの体も果てるでしよう。でも、貴方達も黄昏の皆さんも、塔の管理者は殺す事は出来ないでしょう」
それを聞いて僕らは顔を見合わせた。その意味をミノタウロスへ聞いても彼は決して答えてくれないだろう。僕たちも行かねばならない。次の層へ。
「ありがとうミノタウロス……」
僕がそう言うと僕は席を立つ。するとミノタウロスは「アッ」と、小さく言った。お茶菓子でも出し忘れたのだろう?
そして台所の様子が見えない様に、考えられているぽい壁の後ろへと行ってしまった。
次に帰って来た時、彼は犬の絵が書かれたドックフードの袋を抱えてきた。
「すみません――、これ上の層のケルベロスたんに届けて貰えませんか? 黄昏の皆さんが来て、これ渡しに来たようだったのですが、時間がないと置いていってそのまま帰ってしまって……でも、管理者にお使いさせるのもどうかと思って――」
「あっ……はい……」
――上層にケルベロスが、可愛い枠でいるのか……。
そして僕はドックフードを持ったまま、9層への続く階段の途中で待機すると、ルイスが「いませんー!」と伝えて来る。
「なんか縁起悪いらしいですよ」
――ミノタウロスたんは、人なれ過ぎてどんどんヒントぶち込んでくるじゃん。
9階層に集まった僕達は、ルイスが上の階を確認している間、会議していた。
「たぶん親しくなると、どんどんここの秘密を言うな、あれは……」
「まぁ、嬉しい気も、困った気もしますが、悪い人?ではないし歓迎するところでしよう」
「ところでドックフード渡して来てって、ケルベロスは自分で開けて食べる感じなんですかね?」
「管理者が与えるんじゃないか?、うろついているようだし」
「じゃー管理者への連絡は、ミノタウロスがする感じですね、たぶん」
僕とぬいぬいが話していると、ルイスが歩きながら階段を下りてやって来る。
ルイスはこちらへやって来て、言いにく顔をしている。そして彼は一言。
「黒髪、緑の服、そして灰色のマント、たぶんバンシーでしょう。死者を泣いて知らせる様なので、泣き叫ばれなければ問題ないです……」
「なんで、そんなに言いにくそうなんですか?」
「じゃ……ミッシェル、貴方だけに理由を教えますから判断してください」
そうして二人は塔の端で話し込んでいた。その間「えっ?」「無理無理」「うっわぁ」とミッシェルの声が聞こえて来た。
「気にする事は、無かったのでいきましょう!」
僕達の元へと帰って来た彼はそう、晴々とした顔で言ったのだった。
こうして、僕達は、10階層の半泣きで、微妙に判断が付きにくいが、普通に可愛いバンシーの前を素通りして攻略成功したのだった!!
つづく
「ここではなんなので、8階層の応接室へ行きましょうか」と、8階層は普通にミノタウロスに適した部屋があった。なんていうか、アルプスに住む女の子がおじいさんと暮らす感じと言えばいいだろうか?
「私の部屋へようこそ! 黄昏の皆さん以来の、ひさしぶりのお客さんで緊張しちゃうな……」
彼は我々を手厚くもてなす為、大きな机の前に置かれた、普通の背もたれのある椅子7脚のほかに、奥から丸椅子4つ持って来て、「椅子まだ必要です?」と、彼は言った。
「もう大丈夫です。色々ありがとうございます」
それにしてもうちのパーティーは遠征するので、人数が特別多い方だが、椅子の数を考えて彼の想定の中には3パーティー合同お茶会も考慮されているのだろうか?
そう考えているまに、今度は深いボール皿を持ち出してくる。
「スフィンクスは、水を出す予定ですが、紅茶がいいですか? 地面に置きます? 机?」
「ありがと」スフィンクスは頭をさげ、ルナが「お皿は持ち歩いています。水だけいただけますか?」
ルナが、そう言って彼の後に続き奥へ入って行くと、今度は大きめの白いポットを2つ手持ち帰って来た。
「これは黄昏のみんなが、持って来てくれたお茶っぱでいれています。美味しいのでどうぞ」
彼はお湯を高い所から、注ぎ入れる。ルイスが何もいわないので、正しいのか、他所だからいわないだけなのか微妙だ。
彼は紅茶を差し出す。彼の大きな机には、紅茶が、10カップ並ぶ。
「ところで、ミノタウロス、このから先の12階層の部屋の情報については何か知らないでしょうか?」
ルイスが塔についての探りを入れる。彼は耳を、パタパタとさせ僕を見る。
「私は知らないんだ。17階層まで行った『黄昏』の皆さんが、時々ここで小さな声で作戦会議しているが、私が以前『塔の権利者についてうっかり話してしまわない様、聞かない様にする』と、以前言ったのでそれからは私のわからない様に話してくれる。勇敢な冒険者は、いい人ばかりで本当にうれしくなるよ」
そう彼が言っても、彼の牛の顔からはその表情が読めない……。
「もし私達が、塔の管理者を倒してしまったら貴方はどうなってしまうのですか?」
僕は、そこが凄く気になり聞く。しかし顔色ではもちろんわからないのだが、呼吸も荒くなる事もなく、動作からも慌てる様子も見られなかった。
「そうですね……別の世界の私は迷宮に囚われ、迷宮の中で死んだと記憶しております。ここでは逆に、私はこの迷宮の中でしか今の自我を保てず、塔崩壊とともに私は死に、それと同じくして迷宮でしか生きられないこの体も果てるでしよう。でも、貴方達も黄昏の皆さんも、塔の管理者は殺す事は出来ないでしょう」
それを聞いて僕らは顔を見合わせた。その意味をミノタウロスへ聞いても彼は決して答えてくれないだろう。僕たちも行かねばならない。次の層へ。
「ありがとうミノタウロス……」
僕がそう言うと僕は席を立つ。するとミノタウロスは「アッ」と、小さく言った。お茶菓子でも出し忘れたのだろう?
そして台所の様子が見えない様に、考えられているぽい壁の後ろへと行ってしまった。
次に帰って来た時、彼は犬の絵が書かれたドックフードの袋を抱えてきた。
「すみません――、これ上の層のケルベロスたんに届けて貰えませんか? 黄昏の皆さんが来て、これ渡しに来たようだったのですが、時間がないと置いていってそのまま帰ってしまって……でも、管理者にお使いさせるのもどうかと思って――」
「あっ……はい……」
――上層にケルベロスが、可愛い枠でいるのか……。
そして僕はドックフードを持ったまま、9層への続く階段の途中で待機すると、ルイスが「いませんー!」と伝えて来る。
「なんか縁起悪いらしいですよ」
――ミノタウロスたんは、人なれ過ぎてどんどんヒントぶち込んでくるじゃん。
9階層に集まった僕達は、ルイスが上の階を確認している間、会議していた。
「たぶん親しくなると、どんどんここの秘密を言うな、あれは……」
「まぁ、嬉しい気も、困った気もしますが、悪い人?ではないし歓迎するところでしよう」
「ところでドックフード渡して来てって、ケルベロスは自分で開けて食べる感じなんですかね?」
「管理者が与えるんじゃないか?、うろついているようだし」
「じゃー管理者への連絡は、ミノタウロスがする感じですね、たぶん」
僕とぬいぬいが話していると、ルイスが歩きながら階段を下りてやって来る。
ルイスはこちらへやって来て、言いにく顔をしている。そして彼は一言。
「黒髪、緑の服、そして灰色のマント、たぶんバンシーでしょう。死者を泣いて知らせる様なので、泣き叫ばれなければ問題ないです……」
「なんで、そんなに言いにくそうなんですか?」
「じゃ……ミッシェル、貴方だけに理由を教えますから判断してください」
そうして二人は塔の端で話し込んでいた。その間「えっ?」「無理無理」「うっわぁ」とミッシェルの声が聞こえて来た。
「気にする事は、無かったのでいきましょう!」
僕達の元へと帰って来た彼はそう、晴々とした顔で言ったのだった。
こうして、僕達は、10階層の半泣きで、微妙に判断が付きにくいが、普通に可愛いバンシーの前を素通りして攻略成功したのだった!!
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