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さよなら海の見える街
忍んで無いミッシェル
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切り立った断崖、近くに溶岩の吹き出し口だろう所が、たぶん人には有害な煙をモクモクとあげている。卵の腐ったような匂いが鼻につく。
こんな山では本来、ルナの魔法がなければ僕らは、次々と倒れていただろう。それでも念にはねんを入れて口元にタオルを巻き、石がごろごろと転がる黒い土の上を、足場を確認しつつ歩いている。冬なのにそれだけで汗が噴き出す、この山道を。
――硫黄の匂いから、汗から、風にあおらて砂がまう。
活火山であるこの山には温泉が湧いている。近くにも湧いているらしいがこんなところで、無防備な姿をさらすのはごめんだった。しかし体は温泉を欲している。
不慣れな旅での疲れと、この辺りがまだ一番ましとぬいぬいが断言した事もあって、今日は疲れを癒すために早い時間であるが、ここで一泊する事になった。
久しぶりの自由時間、浮かれる僕。そしてフィーナが「近くに冬でも咲き誇る花畑があるそうですよ。後で行きませんか?」 と、僕に声を掛けた。
2つ返事で行く事に決定した。
昼食を終えた僕らの自由時間、鼻歌も自然出てくる。約束の場所には先にフィーナが、1人花畑でたたずんでいた。そんな風景を見ると僕の狭い部屋に舞い戻って来た彼女を思い出した。
花の中から現れた彼女は、今日も僕のそばに居てくれる。花の匂いより甘い思い出たち。
僕が彼女のもとまで行くと、フィーナはある方向を指差し「ハヤト見てください」そこには綺麗な花畑、天気はやや悪いが空をとても近くに感じる雰囲気で、実際近い。そんな風景があるだけのように僕には思えた。
――気を抜いた僕の頬もガラ空きのままだ。
彼女は、手に持った一輪の花で口元を隠し「後ろにミッシェルが居ます」と小声でいった。
その後、「わぁ――!!」と、後ろで、ミッシェルの全然忍べてない声で叫ぶ。
忍者に土下座しなければいけないレベルの隠れ具合。ミッシェルの目的はなんだ?
フィーナは僕の肩のゴミを取るように、僕の肩を払った。
「スフィンクスとオリエラも加わりましたねぇ。鬼ごっこでしょうか?」
「ちょっと、移動してみようか?」
彼女は二人きりのように僕に寄り添い、僕は彼女の手を握り2人並んで歩く。
ミッシェルたちの方から、キァーと黄色いと言うか、驚きの声がもれる。
オリエラとスフィンクスは、子どもだから興味本位かもしれないが、なぜ大の大人のミッシェルも?
しかし完璧に忍び始めた彼からは、むしろオリエラたちにない本気度を感じる……本当に何をしているのか?
フィーナは目的のある様に歩くので、僕はただついてく。
そして細い通路を抜けると、彼女はいきなり僕を引っ張り――えっ…….フィーナ……ドキドキ。
心が張り裂けるそうな喜びと、恥じらいを僕は隠し彼女をみる。彼女の顔は僕のすぐ近くにあった。あったにはあったが、僕を壁際に立たせて隠れただけだった……。ここに咲く花々に負けないくらいに甘い匂い。フィーナと視線は合うが、小さく頷いた。えっ……ドキドキ。
そこへミッシェルが忍び足なのか、早足なのかわからないレベルの速度でやってた。そんな彼にフィーナのツルが迫る。
「ふぁっ!?」
……ミッシェル捕まっちゃたね。そして僕らのデートも終わったよね? これは悲しい…………。
「何やっているの? ミッシェル?」
心は半泣きだが、それを表さずミッシェルに問いかける。彼は戸惑い観念した。僕の彼女が、マジ本当だったからだ。
「僕に好き人が出来た時のために、デートの参考にしょうと思って……。女の子の気持ち知りたいかったのです!」
彼は言って行けない事を言った様だ……。
フィーナの真面目さ、そして実行力はルイスにも劣らない。
それでは、女性の皆さんによる、ミッシェルのための勉強会! 今、始動でド――――ン!
「まずどんな人好きなんですか?」
「やはり可愛らしい方が……」から始まった会議はとても長くなった。
それを門外不出として、女性陣の皆さんからいろいろ話しを聞いているようだ。ミッシェルはウキウキだったが、最後には「これは! こんな時は!」とミッシェルの声が響いていた。彼は物覚えがいいのは僕も認めるところだからわかる。
そして何より……少し羨ましい。違う、違うんだー! 囲まれた状態が羨ましいのではなく……僕も女性との関係について考えた。やはり、モテるくらいな男になって、フィーナと幸せになりたい純真な気持ちを僕は自覚することが出来た。出来ました!
☆彡
「なんだか、少し女性の扱い方には自信が持てました」
ミッシェルのその言葉とともに、すこし誇らしげな態度、いつものより背筋は伸びて、ぎこちなくルイススマイル僕に送ってる。
その様子を見て、なんだか安堵とともに、なんでも取り入れ過ぎて、キャラがぶれてたりしないかい? と、ちょっぴりの不安を胸に僕は歩きだした。
すると歩いた先の壁にもたれて、シルエットがいるのである。僕は思わずキャ――! って言いそうだった。
「そこで喜んでいるようでは全然だめ! まずどこで実践すべきか考えないとね? ハヤト」
っと、彼女は言ったのだが……それ言うためにそこにいたの? 後、僕をいつでも女性と(フィーナ)といちゃラブしようとしている代表格と、みなしているみたいに僕に同意を求めるのも駄目です。
それにしてもやはりシルエットはやっぱり謎の女性である。
つづく
こんな山では本来、ルナの魔法がなければ僕らは、次々と倒れていただろう。それでも念にはねんを入れて口元にタオルを巻き、石がごろごろと転がる黒い土の上を、足場を確認しつつ歩いている。冬なのにそれだけで汗が噴き出す、この山道を。
――硫黄の匂いから、汗から、風にあおらて砂がまう。
活火山であるこの山には温泉が湧いている。近くにも湧いているらしいがこんなところで、無防備な姿をさらすのはごめんだった。しかし体は温泉を欲している。
不慣れな旅での疲れと、この辺りがまだ一番ましとぬいぬいが断言した事もあって、今日は疲れを癒すために早い時間であるが、ここで一泊する事になった。
久しぶりの自由時間、浮かれる僕。そしてフィーナが「近くに冬でも咲き誇る花畑があるそうですよ。後で行きませんか?」 と、僕に声を掛けた。
2つ返事で行く事に決定した。
昼食を終えた僕らの自由時間、鼻歌も自然出てくる。約束の場所には先にフィーナが、1人花畑でたたずんでいた。そんな風景を見ると僕の狭い部屋に舞い戻って来た彼女を思い出した。
花の中から現れた彼女は、今日も僕のそばに居てくれる。花の匂いより甘い思い出たち。
僕が彼女のもとまで行くと、フィーナはある方向を指差し「ハヤト見てください」そこには綺麗な花畑、天気はやや悪いが空をとても近くに感じる雰囲気で、実際近い。そんな風景があるだけのように僕には思えた。
――気を抜いた僕の頬もガラ空きのままだ。
彼女は、手に持った一輪の花で口元を隠し「後ろにミッシェルが居ます」と小声でいった。
その後、「わぁ――!!」と、後ろで、ミッシェルの全然忍べてない声で叫ぶ。
忍者に土下座しなければいけないレベルの隠れ具合。ミッシェルの目的はなんだ?
フィーナは僕の肩のゴミを取るように、僕の肩を払った。
「スフィンクスとオリエラも加わりましたねぇ。鬼ごっこでしょうか?」
「ちょっと、移動してみようか?」
彼女は二人きりのように僕に寄り添い、僕は彼女の手を握り2人並んで歩く。
ミッシェルたちの方から、キァーと黄色いと言うか、驚きの声がもれる。
オリエラとスフィンクスは、子どもだから興味本位かもしれないが、なぜ大の大人のミッシェルも?
しかし完璧に忍び始めた彼からは、むしろオリエラたちにない本気度を感じる……本当に何をしているのか?
フィーナは目的のある様に歩くので、僕はただついてく。
そして細い通路を抜けると、彼女はいきなり僕を引っ張り――えっ…….フィーナ……ドキドキ。
心が張り裂けるそうな喜びと、恥じらいを僕は隠し彼女をみる。彼女の顔は僕のすぐ近くにあった。あったにはあったが、僕を壁際に立たせて隠れただけだった……。ここに咲く花々に負けないくらいに甘い匂い。フィーナと視線は合うが、小さく頷いた。えっ……ドキドキ。
そこへミッシェルが忍び足なのか、早足なのかわからないレベルの速度でやってた。そんな彼にフィーナのツルが迫る。
「ふぁっ!?」
……ミッシェル捕まっちゃたね。そして僕らのデートも終わったよね? これは悲しい…………。
「何やっているの? ミッシェル?」
心は半泣きだが、それを表さずミッシェルに問いかける。彼は戸惑い観念した。僕の彼女が、マジ本当だったからだ。
「僕に好き人が出来た時のために、デートの参考にしょうと思って……。女の子の気持ち知りたいかったのです!」
彼は言って行けない事を言った様だ……。
フィーナの真面目さ、そして実行力はルイスにも劣らない。
それでは、女性の皆さんによる、ミッシェルのための勉強会! 今、始動でド――――ン!
「まずどんな人好きなんですか?」
「やはり可愛らしい方が……」から始まった会議はとても長くなった。
それを門外不出として、女性陣の皆さんからいろいろ話しを聞いているようだ。ミッシェルはウキウキだったが、最後には「これは! こんな時は!」とミッシェルの声が響いていた。彼は物覚えがいいのは僕も認めるところだからわかる。
そして何より……少し羨ましい。違う、違うんだー! 囲まれた状態が羨ましいのではなく……僕も女性との関係について考えた。やはり、モテるくらいな男になって、フィーナと幸せになりたい純真な気持ちを僕は自覚することが出来た。出来ました!
☆彡
「なんだか、少し女性の扱い方には自信が持てました」
ミッシェルのその言葉とともに、すこし誇らしげな態度、いつものより背筋は伸びて、ぎこちなくルイススマイル僕に送ってる。
その様子を見て、なんだか安堵とともに、なんでも取り入れ過ぎて、キャラがぶれてたりしないかい? と、ちょっぴりの不安を胸に僕は歩きだした。
すると歩いた先の壁にもたれて、シルエットがいるのである。僕は思わずキャ――! って言いそうだった。
「そこで喜んでいるようでは全然だめ! まずどこで実践すべきか考えないとね? ハヤト」
っと、彼女は言ったのだが……それ言うためにそこにいたの? 後、僕をいつでも女性と(フィーナ)といちゃラブしようとしている代表格と、みなしているみたいに僕に同意を求めるのも駄目です。
それにしてもやはりシルエットはやっぱり謎の女性である。
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