魔王がやって来たので

もち雪

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新しい若き王とともに

教会の方針とルナ

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 厳かな教会、僕たち3人の前方の祭壇には教会のシンボルが置かれている。

 静けさが、チリチリと僕らのまわりにあり、教会の加護の別のシンボルと言っていいルナと、ここで話す事は、僕が選び進むだろ道をルナを通し誰かに再確認されているかのようだ。

「ルナ、僕たちの出発の事をもう知ってる?」

「はい、情報自体は教会から入っています。けれどルイスが自らここへ来て私たちに教えてくれました」

「聞いて! ぱぱ、ルイスはその時、結構マスターに失礼だったの――。僕はそんな言い方マスターに、失礼でしょう? って言ったよ! ちゃんと、僕は偉いかな?」

「自分の意見を言えて偉いね」なでなで

「でも、ナリミアス王子の言わせれば、ルイスは気にいった人にはそうであるようだし仕方ないわ。そしてそこに意味がある」

 ナリミアス王子、ホイルトツェリオの王位第一継承者でオリエラの兄、のちのちルナとの結婚も噂されている人物だ。

 「で、彼はなんて言ったんですか?」

「う――ん、意味だけ言うと、今、現状のわたくしは魔界行きは教会から反対されてますの」

 彼女は、足を組みそこに肘をのせ頬杖をついている。僕の方に足を向けるけてはいないが、そこまで砕けた態度は見た事がない。

「そうだったんですか? 教会だから勇者に率先して付き従うように言われているかと……」

 「教会の意見は、中道よりですわね。魔界への戦い進言していません、けれど世界を救うべく聖女は、戦いへとかり出している今の状態を支持しています。ですが、オリエラを見つけた預言者が魔界からの禍を感じ、わたくしはホイルトツェリオから出る事が出来た。そしてルイスは言うのです。人とのしての役割は考慮します。では、貴方の聖女、今生の神の力を代行するものとしての貴方はどうするべきと思うのですか? だいたいこんな感じでした」

 彼女は組んだ足をもとに戻し、丁寧に座り直す。

「えっ? もっといろいろ言ってたけどな」
 
 スフィンクスちょっと不機嫌そうに言い。僕のひざの上に頭を乗せ少しねっころがった。僕はその頭をなでなでしながらルナとの話を続ける。

「なんて、答えたのですか?」
 僕は前のめりに彼女へ聞く。

「私は…………、行きますわ。なんでそんな事聞きますの? と言うと、そうですね。すみませんでした。と言って安心した顔で笑ってらしたわ」

「目に浮かぶようです」

「そしてルイスには言わない秘密をの残し、私たちは別れました。」
 そう言うと、ルナはこちらを向くとふふふと、笑う。

「秘密?」

「はい、実はわたくしネックレスをしてまして、このネックレス、私が最大の危機を感じるとナリミアス王子が召喚されちゃいますの」

「えっ?」
 僕はたぶん凄くまの抜けた顔だっただろう。そんな顔を見て楽しそうにしてるルナは、話を続けるために前をみる。

「ホイルトツェリオの召喚技術の応用らしいですわ。もちろん門外不出の技術で、このペンダントは以前、アニス王がレミナ王妃に送ったものですけど魔法をかけ直しいただきました。なので、もしかしたらナリミアスも仲間になってしまうかも? 彼は人がいい人だから安心してくださいましね」

「王妃は知っているのですか!? そして召喚された後はそのまま居続けるのですか!?」

「レミナ様は知ってます。もとは彼女のものですもの、だからすぐに帰れないことも、そこまでの事を一国の王子がしている。なら教会は折れるしかありませんわ、勇者の伝説にホイルトツェリオとともに並び立てないのは困りますものね」

「それはそうだね」
 僕はそう答えた。けれど、僕の心の中は驚きでいっぱいだった。しっかりしているとは思ってはいたが、彼女は女傑と言っていい風格を持っている。

 案外、ホイルトツェリオの家系は、強い女性が好みかもしれない。

「あら、スフィンクスが寝ちゃいそうですね。予定がありますでしょう? 行った方がいいですわ。ほら、スフィンクス起きて……あのハヤト、私に力が強くなる魔法かけてくれませんか?」

 そう言ったルナに魔法をかけると、僕らのわかれの挨拶後に、スフィンクスはお姫様抱っこでルナ運ばれていった。
   つづく

 



 
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