純愛Lovers

らいねこ

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1日目

再会と説明と 1

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その後、咲は生徒会室に向かった。


(どうしよう…)


少しだけ、悩んでいた。


生徒会室に行く前に天に手を捕まれた。


「咲、どうしても行くのか?」


『どうしても』と言われると困ってしまうが、咲はあの生徒会長の声に聞き覚えがあった。


それを確認したいため、と言うときっと天が怒るから言えなくて、言い訳っぽい事を言った。


「ちゃんと話を聞いてくるから心配しないで、天ちゃん」


そして、あともう1つ会いに行く理由があった。


この学校に入った目的、"自立"である。


自分の出来る事があるのなら、してみたいと思っているから生徒会室に足が進んでいた。





トントンッ


3階にある生徒会室のドアの前で少し躊躇したが、ノックをすることにした。


しかし…


(…?あれ?)


返事がない。


もう一度ドアを叩いてみる。


…が、人の気配も無さそうだった。


(どうしよう…)


何気無しにノブに手をかけてみると鍵はかかっておらず、開いた。


「失礼します」


言ってみたものの、返事は無い。


(…お邪魔してもいいのかなぁ)


覗いてみると、書類の山があちらこちらにそびえていた。 


きっと前の生徒会長が卒業して、2年になった愁が引き継いだが、何かと教える時間がなく処理が出来てない、そのままの書類の山状態なのだろう…。


(大変そう…色々な事考えて、決めていかなきゃいけないみたいだし…)


奥に進むと、生徒会長の机なのだろう。


ひときわ大きな机の上にコップが置いてあったが、飲み物は飲まれず冷めた状態で置きっぱなしになっていた。


(飲もうと思って飲み物を用意したけど、誰かに呼ばれたのかな。何か、僕でも役に立つことないかな…)


そう思ったが、ハッと気づく。


(あっ、でも部外者が書類を見たら駄目だよね…)


咲は頬に手を置き、悩んでいた。


「ごめんっ!約束の時間だったね」


いきなり後ろから声をかけられ、咲はびっくりして振り向いたが、肘が書類の山に当たってしまった。


(あっ…!!)


スローモーションでも見るかのように、咲が床に転ぶ。


その後を追うように書類の山が床に落ちていく。


咲は目を瞑った…。






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