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しおりを挟む「初めまして、アルバートともうします」
ミルクティー色の柔らかい髪をふわふわさせてお辞儀をする小さい男の子が玄関の前に立っていた。
♢
遡ること数日前。いつもの様にユリア宅で3人はお茶会をしていた時の事だ。
「そういえば、私に弟とこんやく者が出来ましたの」
素知らぬ顔で優雅にティーカップで紅茶を飲むマリアンヌの爆弾発言にユリアとセリーナはガタンとティーカップをお皿の上に置いた。おまけにユリアは運悪く口に含んでいた紅茶を吹き出した。
「こんやく者のお話はかねがね聞いておりましたが、弟様がたんじょうされたのですね!この度はおめでとうございます!」
「もう、こんやくしゃが、いらっしゃるのですか?」
「ありがとうセーナ。お父さまのえん者の子どもをよう子として弟になったの」
弟、養子。このキーワードにユリアは急いで自室に行き攻略本をめくった。
ロイヤルミルクティーのふわふわな髪に紫目の色彩で柔らかく笑っている少年のページに行き着いた。
“アルバート=ロジャスティア”公爵家に養子として引き取られる。と書かれていた。
一通り説明文に目を通し、1枚ページを戻すと“悪役令嬢の婚約者”と書かれたページが目に入り先程の会話を思い出す。
『こんやく者が出来ましたの』
ふーん。この人がマリアンヌの婚約者にあたる人物か、彼女と釣り合うかどうか吟味してやる!とどういう立場なのか食い入る様に見るユリアは1つの結論に行きつく。
ーー婚約者の第二王子は浮気する最低な人物だ
何であんな綺麗で優しい子を蔑ろにするのだ!とまだ面識もない第二王子にぷりぷりしながら2人の元に向かうと、急に席を立ったユリアを心配する友人2人を見てよりマリアンヌの婚約者を警戒する様になった。
「大丈夫なの?ユリアちゃん。」
「ごめんなさい、少し気になることがあって」
「全くしんぱいするから、席を立つなら一言ことわってから行きなさいよね」
涙目になり心配しています!と全身で表現するセリーナにツンツンし常識を教えながらも表情は心配で仕方ないというマリアンヌに友情を感じたユリア。
「そうだ、セーナと話していたのだけど、今度弟をしょうかいがてら家にいらっしゃらない?」
「うん!行きたいです!」
ロジャスティア家お抱えのパティシエが作るお菓子を思い浮かべながら特技である高速首振りをしながら頷いたユリア。
そして時は冒頭に戻る。
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