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しおりを挟む教会に行ってから3日後ユリアの自室に青い小鳥がやって来た。
「わぁ、小鳥だ!ってヌータ食べちゃダメだよ!」
「わんっ!」
すっかりユリアの部屋が黒い犬、ヌータの部屋となり小鳥を見た途端食べようとした。慌てて止めようとしたユリアだが、驚いた小鳥は急いで羽ばたきユリアの肩に止まった。
肩にいる鳥はその場で羽をパタパタさせた。
「ちょっと、危ないんだけど!この駄犬が」
「へ?今の口悪い言葉づかいの子は誰?」
声の方向性として肩の方から聞こえたようだがその肩には小鳥がいるだけ。あとこの部屋にいるのはユリア本人と小鳥、それからヌータだ。
「私よ私。全く周りをキョロキョロと滑稽な事。」
「小鳥が話してるの?!本当に口悪い!」
フフン、と息を吐き机に移動した小鳥はその美しい青の右の羽を上げ足をクロスさせ頭を垂れた。淑女が礼をするときにとるポーズである。
「私ネーベルスの使いのモノよ。ユリア=ラグジュア並びにその駄犬をご招待しに参りました」
ネーベルスとは先のエルフの神官長であるネーベルス=ランドールである。その使いというのだからこの小鳥は魔法で作られた、もしくは念力やらで誰かが話をしているのかも知れない、そうユリアは思った。しかしユリア本人が呼ばれるのは納得だが、ヌータも一緒なのが疑問だ。
「ヌータがさっき食べようとしたから一緒に連れてくの?」
「いいえ、ソレは元々一緒に連れて行く予定だったの。」
教会に行った日は確かヌータは家の中に居たはず。メイド達も1日窓を見ていた、と言っていたから確かだろう。しかも犬の話題など一言もあげていないのに何故飼っているのを知っているのか。
「うーん、毛かな?犬臭かったのかな?」
「ゔぅー、あぁん!」
臭いと言われヌータが吠えてユリアの服の裾を噛む。ごめんごめん、と言って顔をクシャクシャ撫でるとふー、と鼻息を漏らし目を瞑って撫でられるのを享受するヌータ。
「‥もう時間押してるからネーベルスの所に連れてくわ。じっとしてなさいよ!」
何やら聞き取れない言葉を呟いたと思ったら辺りが真っ白になりいつもの見慣れた空間ではなくなった。机も、ベットも、あの本も見えず心細くなり目を強くつぶり、手の先に居るであろうヌータを手繰り寄せた。
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