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eスポーツ部誕生
27 チュートリアル12
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マスター・イーはジャングルの中へ突入した。ジャングルと言ってもブッシュをかき分けて進むというより、岩と木でできた迷宮を探索するという方が近い。岩場の陰に鳥の親子らしい姿が見えた。羽がほとんどないニュージーランドの国鳥キーウィのような姿で、くちばしはカラスのように太く大きい。一見危険な生き物には見えない。
「わっ、可愛い。キョロちゃんみたい」
真紀は有名なチョコレート菓子のマスコットキャラクターの名前をあげた。
「いやいや、これモンスターだから。今からこれを退治するんだよ」
「えー可哀そう。この鳥、親子連れだよ。攻撃しちゃ駄目だよ」
「そうは言っても、これを倒さないと始まらないから。真紀さん、ごめん」
「速人君、ひどい」
速人は真紀が冗談で言っているだけと思いたいが、ひょっとして本気で言っているのかもしれないと少し不安になった。まだ速人の中で、真紀が『不思議ちゃん』である疑念を払拭できていない。
「今からやる事を良く見ててね」
速人はそう言うと『Q』キーを押し、スキル『アルファストライク』を使った。
これは、一度に四体の敵に対し超高速で移動しながら連続して攻撃するものだ。マスター・イーは凄い速さで移動しつつ、次々と鳥のモンスターを攻撃していった。
「えっ! 何が起きているの? まったく動きが見えない」
「凄いでしょ。これは超高速移動を繰り返しながら敵を攻撃するマスター・イーだけのスキルだよ。さらに、これを使っている間はダメージも受けないんだ」
「凄い。じゃあ、こればっかり使ってればいいんじゃないの?」
「そうなんだけど、1度使うと暫くはクールダウンが必要。その間は使えないから、通常攻撃か他のスキルを使うしかないんだ」
現時点でマスター・イーが使えるスキルは『Q』のみ。したがってクールダウン中のうちは通常攻撃しかできない。
鳥は意外にも強く、小さい方の鳥を二匹倒したところで、マスター・イーのライフは四分の一に減ってしまった。このまま戦えば倒されるのが目に見えている。
速人は戦闘継続を諦めて、マスター・イーを鳥から逃がした。そして、カーソルを画面下の数字が書いてあるアイコンに合わせ『詰め替えポーション』と表示されたアイコンをクリックした。
「これで体力回復できるよ」
徐々にではあるがライフが回復していく。ある程度回復したところで、再び鳥に戦いを挑んだ。今度は小さな鳥をすべて倒せたが、大きな鳥までは無理だと思い離脱。もう一度『詰め替えポーション』を利用し、再度アタック。ついに大きな鳥も倒す事ができた。
「よし倒したぞ」
「えー可哀そう……」
真紀が冗談か本気か分からない口調で言ったが、速人は受け流した。
「それじゃ、一旦帰りますか」
速人はマスター・イーを草むらまで操作し、『B』キーを押した。するとマスター・イーを取り囲むように地面が輝き始め、リコールと表示されているゲージが徐々に減っていく。
「一体、これは何なの?」
「これはリコールと言って、スタート時点の泉に戻る事ができる能力だよ。表示されているゲージが消えると、瞬間移動して『泉』に戻るよ」
マスター・イーはテレポートし、スタート時の場所に戻ってきた。すると四分の一まで減っていたライフがすばやく戻っていく。5秒ほどで、満タンになった。使い切っていた『詰め替えポーション』も補充されている。
「準備完了、再度出撃!」
マスター・イーは、再びジャングルに向けて駆け出した。
「わっ、可愛い。キョロちゃんみたい」
真紀は有名なチョコレート菓子のマスコットキャラクターの名前をあげた。
「いやいや、これモンスターだから。今からこれを退治するんだよ」
「えー可哀そう。この鳥、親子連れだよ。攻撃しちゃ駄目だよ」
「そうは言っても、これを倒さないと始まらないから。真紀さん、ごめん」
「速人君、ひどい」
速人は真紀が冗談で言っているだけと思いたいが、ひょっとして本気で言っているのかもしれないと少し不安になった。まだ速人の中で、真紀が『不思議ちゃん』である疑念を払拭できていない。
「今からやる事を良く見ててね」
速人はそう言うと『Q』キーを押し、スキル『アルファストライク』を使った。
これは、一度に四体の敵に対し超高速で移動しながら連続して攻撃するものだ。マスター・イーは凄い速さで移動しつつ、次々と鳥のモンスターを攻撃していった。
「えっ! 何が起きているの? まったく動きが見えない」
「凄いでしょ。これは超高速移動を繰り返しながら敵を攻撃するマスター・イーだけのスキルだよ。さらに、これを使っている間はダメージも受けないんだ」
「凄い。じゃあ、こればっかり使ってればいいんじゃないの?」
「そうなんだけど、1度使うと暫くはクールダウンが必要。その間は使えないから、通常攻撃か他のスキルを使うしかないんだ」
現時点でマスター・イーが使えるスキルは『Q』のみ。したがってクールダウン中のうちは通常攻撃しかできない。
鳥は意外にも強く、小さい方の鳥を二匹倒したところで、マスター・イーのライフは四分の一に減ってしまった。このまま戦えば倒されるのが目に見えている。
速人は戦闘継続を諦めて、マスター・イーを鳥から逃がした。そして、カーソルを画面下の数字が書いてあるアイコンに合わせ『詰め替えポーション』と表示されたアイコンをクリックした。
「これで体力回復できるよ」
徐々にではあるがライフが回復していく。ある程度回復したところで、再び鳥に戦いを挑んだ。今度は小さな鳥をすべて倒せたが、大きな鳥までは無理だと思い離脱。もう一度『詰め替えポーション』を利用し、再度アタック。ついに大きな鳥も倒す事ができた。
「よし倒したぞ」
「えー可哀そう……」
真紀が冗談か本気か分からない口調で言ったが、速人は受け流した。
「それじゃ、一旦帰りますか」
速人はマスター・イーを草むらまで操作し、『B』キーを押した。するとマスター・イーを取り囲むように地面が輝き始め、リコールと表示されているゲージが徐々に減っていく。
「一体、これは何なの?」
「これはリコールと言って、スタート時点の泉に戻る事ができる能力だよ。表示されているゲージが消えると、瞬間移動して『泉』に戻るよ」
マスター・イーはテレポートし、スタート時の場所に戻ってきた。すると四分の一まで減っていたライフがすばやく戻っていく。5秒ほどで、満タンになった。使い切っていた『詰め替えポーション』も補充されている。
「準備完了、再度出撃!」
マスター・イーは、再びジャングルに向けて駆け出した。
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