Night Sky

九十九光

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Why I'm switching faster than the channels on TVー1

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「なーにが有言実行や。うちが本気出せば、あんさんなんか1分で殺せるで」

 糸美の発言を軽くあしらうナモ。いくら物理攻撃を通すとはいえ、電気になれるアドバンテージは攻守ともに完璧だという自負の表れだった。さらに電波化すれば不可視にダメージ無効、電子機器へのハッキングと、都心のど真ん中という地の利を得てやりたい放題することもできる。負ける要素など皆無に等しいと考えていた。

 早速電波化して糸美の視界から消えるナモ。いつどこから何をしかけてくる。糸美の緊張が増した。

 次の瞬間、糸美がぶら下がるビルの、彼女の体が位置する階層が爆破した。電波化したナモはその階層の全電子機器にハッキング。ショートを起こして爆破を誘発したのだ。

 その衝撃は凄まじく、糸美の右腕は吹き飛び、彼女自身は対向車線に弾き出された。

「次はどこから……!」

 糸美が体を支えるために、左手からビルに向かって糸を出した。次の瞬間。

 今度は電気化したナモがクモの糸を通り、糸美の左腕を黒焦げにする。

「言ったやろ。1分で殺せるって」

 ナモはさも自信満々に、落下する糸美に話しかける。きっと糸美は自分の無力さに絶望しているところだろう。そう思いながら。

 しかし糸美の心はまだ折れていなかった。痛みをこらえながらも、まだ勝つ気でいる顔をしていた。

「私たちが……! なんのために決意から1週間開けたとでも……!」

 次の瞬間、糸美の背中から衣服を突き破ってクモの糸が出てくる。それらは地面と彼女を繋げ、落下を防止した。

「……! 手の指から糸を出すユニゾンとちゃうんか!」

「キラー・スパイダー! へし折った祈り(ブロークン・プライヤー)!」



「戦闘訓練をする?」

 1週間前。郊外どころか所有者すらいるか分からない未整備の山奥に来た一同。颯天の提案に一同は少し困惑した。

「私たちは遊大君と話し合いがしたいの。別に戦いたいわけじゃ」

「あのクソガキが簡単に折れないところを、旧世界で全員散々見てきただろ。この世界で神様も同然のユニゾンを得たなら、なおさらその性格に拍車がかかってると考えるべきだ。最悪強行手段に出て俺たちを排除しにくるかもしれねえ」

 颯天の説明に一同は納得した。
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