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遠い夏の思い出ー12
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その時だった。
どこからか飛んできた穂花が、遊大を引っ張る太陽の手を蹴り上げ、無理矢理2人を引き剥がした。
「……! 再火隊長!?」
「現場には出ない主義なんじゃ……!」
「得星の通信で来た。生憎私以外出られる兵士がいなかったからな」
そう言って着地した穂花の両手には、100円ライターが1つずつ握られていた。
「……! 早く総督に繋いで! 再火穂花が出てきた!」
特級兵士の登場に、目的の完遂は不可能と判断した仲助。しかし穂花は彼に逃走の隙を与えない。
穂花は左手のライターを着火し、炎が自身の後ろを向くようにする。するとライターの炎は大きく燃え盛り、ジェットエンジンの要領で彼女と仲助の間合いを一気に詰めさせる。仲助が気づいた時には彼女の右の拳は仲助の顔面をとらえていた。
大きく吹き飛ばされ、スマホもどこかに放ってしまった仲助。すぐにナイフを取り出して迎撃体制に入る。しかしそのナイフも、穂花の右手に握られていたライターから出た異常に熱く高く燃え上がる炎に焼き切られてしまった。
思わず尻もちをつく仲助。そこに穂花が明らかに異常な火力のライターの炎を向ける。炎は仲助の左側の髪を少し焼き、すぐそばのアスファルトを穴を開けるようにドロドロにした。
《再火穂花 ユニゾン名:アゲイン……点火されている炎の大きさ、形、温度を調整できる。このユニゾンを使うために、彼女は常に100円ライターを50個ほど携帯している。》
*
「申し訳ありませんでした!」
第一部隊の他の面々が見ている横で、ラッキーストライクを吸う穂花に頭を下げる太陽。事情を遊大に聞かされた一同は、やっぱりそういう感情はあったのかと感じていた。
「確かに貴様は仕事に私情を持ち込んだ。その先に犯罪者の確保という大義名分があろうと、その結果不利な地形で無理をし、同期を危険にさらした。それがある以上、貴様の行動は納得のいくものではない」
穂花は冷静に太陽に言葉をかける。太陽も自分の落ち度は理解しているため、何も言い返せなかった。
どこからか飛んできた穂花が、遊大を引っ張る太陽の手を蹴り上げ、無理矢理2人を引き剥がした。
「……! 再火隊長!?」
「現場には出ない主義なんじゃ……!」
「得星の通信で来た。生憎私以外出られる兵士がいなかったからな」
そう言って着地した穂花の両手には、100円ライターが1つずつ握られていた。
「……! 早く総督に繋いで! 再火穂花が出てきた!」
特級兵士の登場に、目的の完遂は不可能と判断した仲助。しかし穂花は彼に逃走の隙を与えない。
穂花は左手のライターを着火し、炎が自身の後ろを向くようにする。するとライターの炎は大きく燃え盛り、ジェットエンジンの要領で彼女と仲助の間合いを一気に詰めさせる。仲助が気づいた時には彼女の右の拳は仲助の顔面をとらえていた。
大きく吹き飛ばされ、スマホもどこかに放ってしまった仲助。すぐにナイフを取り出して迎撃体制に入る。しかしそのナイフも、穂花の右手に握られていたライターから出た異常に熱く高く燃え上がる炎に焼き切られてしまった。
思わず尻もちをつく仲助。そこに穂花が明らかに異常な火力のライターの炎を向ける。炎は仲助の左側の髪を少し焼き、すぐそばのアスファルトを穴を開けるようにドロドロにした。
《再火穂花 ユニゾン名:アゲイン……点火されている炎の大きさ、形、温度を調整できる。このユニゾンを使うために、彼女は常に100円ライターを50個ほど携帯している。》
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「申し訳ありませんでした!」
第一部隊の他の面々が見ている横で、ラッキーストライクを吸う穂花に頭を下げる太陽。事情を遊大に聞かされた一同は、やっぱりそういう感情はあったのかと感じていた。
「確かに貴様は仕事に私情を持ち込んだ。その先に犯罪者の確保という大義名分があろうと、その結果不利な地形で無理をし、同期を危険にさらした。それがある以上、貴様の行動は納得のいくものではない」
穂花は冷静に太陽に言葉をかける。太陽も自分の落ち度は理解しているため、何も言い返せなかった。
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