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ひゅ~どろろ ひゅ~どろろー8
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「おいおい、泣くことないだろ!」
「悪かったって! 早々に看破して!」
太陽と王子が零二に駆け寄る。その時だった。
零二まで残り50センチという距離で、2人の足が床から離れなくなった。
「お、おい。なんで急に足が動かなくなったんだ?」
「嘘だろ! この部屋には零二以外いないはずなのに! 金縛りか!」
突然の出来事に慌てふためく2人。零二が何が起こったか分からないでいると、王子と太陽の背後にある美術準備室の曇りガラスに大柄な男の陰が見えた。彼はサムズアップをしている。
胡蝶喰(コチョウ ジキ)がしかけた二重の罠だった。
《胡蝶喰 ユニゾン名:magnet……自身の半径3メートル以内の指定した物体に磁力を与える。S極、N極の指定も自由。》
「やっぱり俺はダメ人間だ……! また他人の手を煩わせてしまった……! みんなに会わせる顔がない……!」
「いや待て! こっちはビビってんのに何余計に落ち込んでんだ!」
七不思議その四、調理室に向かう颯天と人陰。怖がる人陰をうっとうしいと颯天は煙たがっていた。
「そ、そんなにずんずん進まないで……。せっかくペアになったんだからもっと近くで」
「うっせえな! 明日も予定あんだ! こんなクソイベとっとと終わらせんぞ!」
いい意味と悪い意味でいつも通りの2人。早歩きで進む颯天に合わせて、人陰の足も早くなる。
そして調理室の前に着くと、颯天はノーモーションで取っ手に手をかけ扉を引いた。
「バアァァァァァ!」
それと同時に2人の目の前に、白装束に天冠(額につける白い三角の布)姿の、絵に描いたような幽霊が現れた。突然の出来事に思わず颯天の背中に隠れる人陰。しかし颯天は冷静だった。
「てめえ、第二部隊の幽霊女だな?」
「ふぇ……! ち、違うぞ! 私はここに住む地縛霊! 勝手にガスコンロをつけているのは私なのだ!」
「くだらねえ嘘ついてんじゃねえぞ。こちとらイライラしてんだ。あんまりふざけてるとぶっ飛ばすぞ。ああ!?」
「悪かったって! 早々に看破して!」
太陽と王子が零二に駆け寄る。その時だった。
零二まで残り50センチという距離で、2人の足が床から離れなくなった。
「お、おい。なんで急に足が動かなくなったんだ?」
「嘘だろ! この部屋には零二以外いないはずなのに! 金縛りか!」
突然の出来事に慌てふためく2人。零二が何が起こったか分からないでいると、王子と太陽の背後にある美術準備室の曇りガラスに大柄な男の陰が見えた。彼はサムズアップをしている。
胡蝶喰(コチョウ ジキ)がしかけた二重の罠だった。
《胡蝶喰 ユニゾン名:magnet……自身の半径3メートル以内の指定した物体に磁力を与える。S極、N極の指定も自由。》
「やっぱり俺はダメ人間だ……! また他人の手を煩わせてしまった……! みんなに会わせる顔がない……!」
「いや待て! こっちはビビってんのに何余計に落ち込んでんだ!」
七不思議その四、調理室に向かう颯天と人陰。怖がる人陰をうっとうしいと颯天は煙たがっていた。
「そ、そんなにずんずん進まないで……。せっかくペアになったんだからもっと近くで」
「うっせえな! 明日も予定あんだ! こんなクソイベとっとと終わらせんぞ!」
いい意味と悪い意味でいつも通りの2人。早歩きで進む颯天に合わせて、人陰の足も早くなる。
そして調理室の前に着くと、颯天はノーモーションで取っ手に手をかけ扉を引いた。
「バアァァァァァ!」
それと同時に2人の目の前に、白装束に天冠(額につける白い三角の布)姿の、絵に描いたような幽霊が現れた。突然の出来事に思わず颯天の背中に隠れる人陰。しかし颯天は冷静だった。
「てめえ、第二部隊の幽霊女だな?」
「ふぇ……! ち、違うぞ! 私はここに住む地縛霊! 勝手にガスコンロをつけているのは私なのだ!」
「くだらねえ嘘ついてんじゃねえぞ。こちとらイライラしてんだ。あんまりふざけてるとぶっ飛ばすぞ。ああ!?」
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