Night Sky

九十九光

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ざんざん ぎゃりぎゃり ばるばるーらる だんだん ばばば わいわいだ  ぱーりーー17

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「やはり中等部の訓練生はこの程度ですか。さっさと始末して、夜空遊大のもとに行きますか」

 身動きが取れるようになったオリヴィエは後方の名画のレプリカ方面に下がり、攻撃の体勢を取る。

 自分たちのユニゾンでは対処不可能か。4人がそう思ったその時、廊下に続くドアが開かれ、救援の教官が入ってきた。

「おーおー……、大丈夫か、お前らー……」

 御年69の男性兵士、和屋和屋隙焼(ワヤワヤ スキヤキ)だった。

「よりによって和屋和屋先生かよ」

「ええ? なんだって? 今補聴器の充電切れとってのー……。もっと大きな声で言ってくれんかのー……」

 日本の兵士の人材不足は知っていたオリヴィエだったが、まさかこんなもうろくな老人が来るとは思ってもいなかった。

 その次の瞬間だった。

 隙焼は素早い動きでオリヴィエまで詰め寄り、液化している彼女の右胸に腕を一瞬だけ突っ込む。そしてすぐに後方に下がると、こう言った。

「はい、パイタッチー。ねえねえ、お嬢さん、どんな感じだった? 変形してるとはいえおっぱいさわられてどんな感じだった?」

 よし、殺そう。

 オリヴィエがそう決めた次の瞬間だった。

 彼女の背後にあった名画のレプリカたちが一斉に彼女の背中に張り張りつく。突然の重量増加に、オリヴィエはバランスを崩し床に倒れ込んだ。

「いくら物理攻撃無効でも、わしにパイタッチされたら終わりじゃよー……、お嬢さん」

《和屋和屋隙焼 ユニゾン名:HIKIZURI……さわれられた相手はこのユニゾン持ちが指定した無生物が背中にひっつく。一人につき最大で人間3人分までの重さの物体をひっつけられる。》

「お前たちー……。今のうちに教官棟行けー……。コイツの射程距離も無限ではないじゃろうしー……」

 隙焼の指示で美術室を出る訓練生4人。しかしオリヴィエの諦めは悪かった。

 彼女は自らの真下の床に水のドリルで穴を開けると、そこに液化させた体を流し込んで脱出したのだ。名画のレプリカは逃げたオリヴィエを追って美術室を正面の入口から出ていく。

「もっと多くの物をくっつける必要があるみたいじゃのー……」

 隙焼は美術室にある物を手当たり次第オリヴィエの追跡対象にした。
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