Night Sky

九十九光

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明日の準備はまだできてないからー8

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 遊大はあまり箸が進まなかった。別に辛いものは苦手ではない。別の理由で箸が進まなかったのだ。

「どうした。辛いのは苦手か?」

 颯天が声をかける。遊大は「いえ、別に」と言って少し考える。

「やっぱり悩みがあるでしょ?」

 風雅が率直に尋ねる。図星をつかれた遊大は、「ええ」と答えた。

「あれか? 最近エッチな夢見るとかか? その年なら別に健全」

 冗談のつもりでそう言った太陽に雨が軽く肘で殴る。

「エッチな内容じゃないんですけど、夢の話です」

 遊大がついに溜め込んだ悩みを口にした。『時は来た。君のユニゾンは覚醒する』という旨の話を一同にした。そしてその後、第一部隊の誰かが死ぬ度に髪と翼が白くなる法則が出たことを伝えた。

「やっぱり隠し事してたか」

 長期調整初日に遊大が悩みを抱えていたことを察していた信也が、天井を見上げながら呟いた。

「正直、また実地訓練で皆さんが危険な仕事をするのが怖いんです。夢の内容からして、これからどんどん皆さんが死んでいく気がして……。僕は皆さんが大好きなんです。だから、これ以上部隊のみんなを失いたくなくて」

 そこまで言ったところで、小麦と信也が遊大に抱きついた。

「そんな心配しなくて大丈夫だよ~!」

「僕たちは絶対死なないから! 遊大君を残して死んだりしないから!」



 翌朝早朝5時。東京都庁。都知事の四日市直人(ヨッカイチ ナオト)は今日も早々と登庁する。

 知事室で朝食に買ったファーストフードの朝限定メニューとコーヒーを嗜んでいると、電話が鳴る。番号は宮城の県知事からだった

「もしもし、四日市で」

「こちら宮城! ユニゾン革命隊の攻撃が始まった! 確認できただけで県全たザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

 唐突に終った会話。何が起こったのか分からない直人は背後の窓を眺める。

 朝日とはまた違う、眩しすぎる閃光が彼の目を襲った。
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