Night Sky

九十九光

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かなしみのなみにおぼれるー20

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 そしてマラジジが消えた瞬間、服を脱いだサロモンの銃弾が、遊大の脳天を撃ち抜いた。

 しかし遊大は倒れることなく、銃弾が飛んできた方向に視線を向ける。

「嘘だろ! 銃弾頭に受けても死なないとか」

 サロモンのセリフが不自然に途切れる。

 そして遊大の背後から、テュルパンの舌が伸びて彼を捕らえる。当然、ユニゾン発動に必要な腕も封じてある。

「ジラール! 斬り刻め!」

 遊大の正面から全身を歯車にしたジラールが襲いかかる。

 その瞬間、遊大の両腕が伸び、ジラールの歯車とテュルパンの舌に触れた。2人とも消滅した。

「何あれ何あれ!? 腕が伸びたんだけど! 明らかに別物のユニゾンに変わってるんだけど!」

 動揺するリナルドがオジェとローランの顔を見る。オジェのいたはずの場所には、彼の服だけが残っていた。

 次の瞬間、遊大の背後で彼の背中に触れる全裸のオジェが出現した。事前にサロモンのユニゾンをコピーしていたのだ。

「毒を以て毒を制す! お前を倒すにはお前のユニゾンで」

 次の瞬間、オジェの視界が大きく変わる。

 満面の笑みをした第一部隊の12人が彼を取り囲み、口々にこう言いながら迫ってくるのだ。「お前じゃない」「お前にこのユニゾンは使えない」と。彼彼女らの大きさはオジェを優に越えている。

「ああああああああああああ! やめろ! こっちに来るな! 頭が痛い! 耳が痛い!」

 オジェはコピーした遊大のユニゾンを使えず、その場でのたうち回った。

 そこに遊大が触れ、彼を消した。

 これ以上の地上での戦いは不可能。そう悟ったローランは一人上空に飛び去った。

「え!? リーダー!? 何一人で逃げてるの!? 置いてかないで!」

 一人地上に残されたリナルドに遊大が触れた。

 でたらめな方向に飛ぶローランは、この状況の打開策を考えていた。作戦自体はすぐに思いつくが、それを否定する考えもすぐに思いつく。

 そうこうしているうちに、ローランの背後に遊大が迫る。2人は関東の上空を飛び回った。
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