恋人の父親に「嫁にはやれん!」と云われたオレは・・・

もっちり道明寺♪

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本編

第2話 王城庭園カフェテリア(↗)

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城に来てから半年経った・・・
やっと貰った自由時間で、城の中を歩き廻っている。

オレは根っからの魔道具職人。
気になるところは、手を入れる。

お針子部屋が暗かったので、灯りの光量を上げて明かりに改良した。
洗濯部屋では汚れ落としに使える様に、蛇口の一つに湯沸かし機能を追加。
庭に出たなら薬草園に、モグラ除け機を設置した。

もちろん、許可は取っている。
話を聞いて、書類を書いて、教育係の彼に渡す。
オレがするのは修理と改良。
いじっていいのは、一般区画。
駄目と言われりゃ、手をださない。

フラフラ・チョロチョロ彷徨さまよって、首を突っ込み、手を入れて、辿り着いたのは王城庭園カフェテリアだった・・・


王城の入り口から入る事の出来る王城の庭園。
一般区画までなら誰でも入る事が出来るので、気軽に寄れる休憩所だ。
王城には多くの人が働いている。
各役所に用事のある人もいるし、家族が働いている人もいる。
待ち合わせに使ったり、見学帰りに寄る人もいる。
健康の為にと、毎日散歩に来る人もいる。
食事も出来るし、お茶も出来る。
そんな王城庭園カフェテリア。


料理長とは気が合った。
料理の素材と研究の為に結構無茶な旅をした事があるらしく、そんな処も意気投合した!

話の流れで、洗濯部屋の話になった。
食器も汚れが落ちない時には湯に浸けておくという話になり、高温水用蛇口を作った。


「焜炉の火加減が調節できると助かる!」
「保冷庫の温度をもっと下げられるか?
 いっその事、保冷庫で氷を作れるように出来るか?」
「オーブンなんだが、もっと高温に耐えられれば・・・」

湯水の如く溢れるアイディア!
思いつくまま書き出して、改良・改良・また改良!
此処ここは王城庭園カフェテリア
管理責任者は料理長!
許可を出すのは料理長!
調子に乗って、興に乗って、どんどん改善・改良し、安全第一心掛け・・・王都で一番使いやすく、最先端の厨房になった・・・


そして、後日・・・

景色が良く(王宮庭師が手入れをしているぜっ!)
通い易く(王城の入り口から入れるぞっ!)
値段が手頃で(営利目的じゃないからな!)
従業員のマナーも良い(料理人達は王城の職員だぞ!)
味が良く(火加減の微調整が出来るようになったからなっ!)
静かで(厨房の音がフロアに届かないようにした!)
防犯的にも安全(曲がりなりにも王城だ!)

王城庭園カフェテリアは、人気急上昇のお薦めスポットとして大評判となったとさ!




朝、起きたら軽く運動
共同のシャワールームで汗を流してから第二王女執務室へ
彼女と朝食を食べて、仕事を手伝う。
最近、少しずつ任される仕事が増えて来たのが嬉しい。
昼食を食べた後も引き続き書類仕事。
区切りが付いたら彼女と別れて、魔道省魔道具課臨時職員研究室へ・・・

うん、つまり仕事の邪魔にならないように、専用の研究室を作って貰ったって事だ。

あまり長い時間いる訳では無いが、なかなか使い勝手が良い部屋だ。
単純な魔道具を作ったり、相談に乗ったりするのが仕事だ。
それ以外は好きにして良いとの事。
新しい魔道具や改良点が思い付いたら、書類を作成して提出。
許可が出ればここで作って良いらしい。


たまに、臨時窓口を開設する。
毎度お馴染み、王城庭園カフェテリア!
此処ここはとにかく広いのなんの!
がっつり食べたい人はカウンターに近い所で。
パンはお変わり自由だからな!
おしゃべりやミーティング、寄り合い所代わりに使う人は人の少ない奥の席へ!
カフェの敷地内なら、外でも食べる事も可能だ!
料理長に許可を貰い、入り口から見える奥側に場所を借りて相談に乗る。
内容は、ちょっとした魔道具の使い方の相談などだ。
新商品の開発は王都の魔道具職人の仕事だし、公共の施設や備品の修理などは専門の窓口がある。
役所に行くほどでもなく、職人に相談すると金が掛かる。
魔石の消費が激しいが使い方が悪いのか?
どうも使い勝手が悪いのだが、どうにかならないか?
そんな相談を気軽にできるコーナーだ。
開設は不定期。
次回開催はカフェテリア掲示板にてお知らせ致します。








==========
2018年9月16日
アルファポリス投稿
もっちり道明寺♪作

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