キモヲタ男爵奮戦記 ~ 天使にもらったチートなスキルで成り上がる……はずだったでござるよトホホ ~

帝国妖異対策局

文字の大きさ
76 / 239

第76話 キモヲタ直伝! ハーピーの捕らえ方でござる!

しおりを挟む
~ エロ同人誌的に考えて ~

 その晩の夜食は、女主人が振る舞う料理を戴くことになったキモヲタ一行。

「さぁ、たんと食べていっておくれ! うち宿の名物料理『ハーピー卵料理』だよ」

 テーブルに並べられたのは、ハーピーオムレツ、ハーピーの卵スープ、ハーピーの卵サラダ、ハーピースクランブルエッグ、デザートにはハーピープリン。

 次々と並べられる卵料理に、目を丸くするキモヲタたち。

「こ、これが全部……あのハーピーの卵でござるか……」※キモヲタ
「うぇえぇ」※キーラ
「こ、これは……」※エルミアナ
「ハーピーの卵とは……」※セリア
「このスクランブルエッグ、普通の卵に見えますが……」※ユリアス

「いや、うちの裏で飼ってる鶏の卵だよ」

「おいぃぃ! 紛らわしいでござるな!」

「紛らわしいもなにも、恐ろしいハーピーの卵なんてそうそう手に入るわけないでしょ! 常識的に考えて」

「それが常識なのかは知らんでござるが、ハーピーに襲われたことがあるので、分かると言えば分かるのでござるが……」

 そこまで言ってふと、キモヲタの脳内に搭載されているエロ同人CPUが別の答えを算出しました。

「いや待つでござる! 特別な魔法やスキルがなくともハーピーなど簡単に捕まえられるでござる。ハーピーに媚薬を飲ませて発情状態にし、その前にビンビンの男を立たせて性的な意味で食べられたところで、お疲れハーピー拘束するでござる! 必要なのは媚薬だけでござる!」

 キモヲタの発言に全員がフリーズ。エルミアナは「媚薬」という言葉が聞こえた時点で、キーラの犬耳をしっかりと塞いでいました。

「そうして作ったハーピー牧場の宿舎からは毎晩のように、発情したハーピーたちが、ビンビン男たちに後ろから責め立てられて上げる嬌声が……」

 ゴツン!

 セリアが拳骨でキモヲタの頭を殴りつけました。

「痛いでござる! ……とにかく、そうやってハーピー卵をポンポンと産ませることができるかもしれんでござろう。エロ同人誌的に考えて」

 たとえ殴られようとも、キモヲタのエロ妄想トークを止めることはできなかったのでした。

 ゴツン!

 再びのセリアの拳骨。

「痛いでござる! 暴力反対! 我輩、委員長ネタなら無尽蔵のエロネタを持ってござるぞ、それをセリアたんをヒロインにして語って聞かせてござろ……」
「もう黙れ、マジ殺す、今殺す」
「イェッス、マム! 我輩、もう黙るでござる!」

「えっ!? 何だったの!? 簡単にハーピーを捕まえる方法って何? ねぇ、キモヲタ教えて! ねぇ! ねぇってば!」

 しつこくせがむキーラに、思わず口を開こうとしたキモヲタでしたが、セリアが瞳の中の青い焔を激しく燃やし、さらに握ったこぶしを見せてつけてきたので沈黙を守ることにしました。

「……」

 キーラを除く仲間たちからの冷たい視線に、汗をダラダラ流し始めるキモヲタ。

 しかし女主人だけは、キモヲタを見直したとでも言いたげな目で見つめているのでした。

「なるほどね! 確かにそれならハーピーも簡単に捕まえられるよ! アンタ、キモヲタだったかい? 意外と出来る男じゃないか!」

 いつものキモヲタなら女主人に褒められて、調子に乗るところでしたが、セリアの拳骨がまだ目の前に握られているのを見て、ただ頷くことしかできなかったのでした。



~ 深夜の特別サービス ~

 個室を割り当てられたキモヲタは、ネットショップ「ナイトタイムラバー」のサイトを閲覧していました。

「ふ~む。やはりこの100万円もする『究極のブラックホール』が気になるでござる。でも手を出すならやはり、このリアルラブドールの方でござるな。金髪のこのドールなどは、何となくエルミアナたんに似ているでござるよ。って、エルミアナたんはこの娘みたいにFカップもないでござるがな。デュフフフ」

 キモヲタが頭を捻っているのは、エルミアナや他の仲間たちにそっくりなリアルラブドールの購入についてでした。

「このラブドールはユリアス殿に似せられそうですな。エロ聖騎士コスチュームと組み合わせれば、くっころプレイもイケそうでござる」

 ナイトタイムラバーのリアルラブドール購入画面では、各種パーツのカスタマイズがリアルタイムに表示されるため、キモヲタは自分だけの理想のリアルラブドールを作り上げることに夢中になっていました。

「しかし、全員分のラブドールを揃えるとなると今のポイントだけでは足りないでござるな。ポイントを増やすには、またあの気持ち悪いスライムを倒す必要があるということでござろうか。とはいえ、ああいうのがそこら辺にポンポンといる分けではござらんだろうし……」

「何をブツブツ言ってるの? キ・モ・ヲ・タ❤」

 突然、背後から聞こえてきた女性の声に、キモヲタの心臓が跳ね上がりました。

「はわっ! いったい誰でござるか!? 夜這いならいつでもドンとこいでござる!」

 そう言いながら、キモヲタは慌ててネットショップの画面を閉じました。

「ふふふ。慌てちゃってカワイイ! それと、これは夜這いじゃないわ。これは深夜の特別サービスよ❤」

 振り返るとそこには、ネグリジェ姿の女主人が立っていました。

「サリサって呼んで❤」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...