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第198話 キモヲタ邸と鋼鉄の処女
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楽園ソープランドはまだ建設半ばでありましたが、キモヲタ邸の方は先に完成と相成りました。
ラミア女子たちから完成の報告を受けて、キモヲタ邸前に到着したキモヲタ一行。
そこにはシスター・エヴァと復興局の子どもたちが、大勢でキモヲタの到着を待っていたのでした。
「キモヲタ様! もう既にご存じのことと思いますが、こちらがキモヲタ邸になります!」
満面ドヤ顔のシスターが両腕をバッとキモヲタ邸に振ると、子どもたちが一斉に歓声を上げました。
パチパチパチ!
「「わーっ!」」
「キモヲタだんしゃく、おめでとう!」
「いつも私たちのために、頑張ってくれてありがとー」
「オークのお兄ちゃん、ありがとー!」
「チョコレートは!? イケテル棒はまだ? お腹空いた!」
「はよ、お菓子よこせ、オーク野郎!」
「ねぇねぇ! お菓子は? お菓子くれるんでしょ!?」
「ぼくもここに住みたいぃぃ!」
子どもたちからの思いもよらぬ歓待にキーラやソフィアも大喜びでした。エレナやエルミアナ、ユリアス、そしてシモンも、可愛い歓迎に思わず相好を崩します。
「ちょ、我輩をオークと言ってるのは誰でござるか!?」
キモヲタだけが、子どもたちの純心な歓迎に素直に喜べずにいるのでした。
そんなキモヲタを優しくなだめるキーラ。
「まぁまぁキモヲタ。みんなそれだけキモヲタに心を許してるってことだから! ここはパーッと先にお菓子を配っちゃおうよ!」
「ぐぬぬ。昨日キーラたんが、大量のお菓子をおねだりしてきたから、何事かと思ったでござるが、こういうことでござったか……」
キモヲタがサンタクロースよろしく担いでいた白い袋を降ろし、中身を広げた瞬間、キモヲタめがけて子どもたちが殺到し――
「「「「わぁぁぁあああ!」」」」
戦争がはじまりました。
「チョコだ! チョコを寄越せ! ギブミーチョコレーッ!」
「イケテル棒! イケテル棒!」
「オッパイの実は、わたしのものよ!」
「ちょ、コボルトのマーチは俺のだって!」
「衛生兵! 衛生兵!」
なかにはキモヲタの身体をよじ登って上からお菓子に突撃する子ども、何故かキモオタにタックルする子ども、キモヲタの顔をひっぱって遊ぶ子ども、とにかくもみくちゃにされるキモヲタなのでした。
子どもたち全員にお菓子が行き渡る頃になると、キモヲタはもうズタボロになっていました。
「皆さん! キモヲタ様にちゃんとお礼を言うのですよ!」
というシスター・エヴァの言葉に、子どもたちは明るい声で応えます。
「キモヲタさま、ありがとー!」
「お菓子ありがとう、だんしゃくさま!」
「オークの兄ちゃん、ありがとな!」
「今日はこの辺で勘弁しといてやるよ!」
「さぁ、お菓子もらったし帰ろうぜ!」
言いたい放題の子どもたちでした。
「もうお前らとっとと帰れでござる!」
ブチ切れるキモヲタに、笑顔で手を振りながら子供たちは帰っていったのでした。
「みんなに祝ってもらえてよかったね!」
そう言って肩を叩くキーラに、もはや反論する気力も削がれていたキモヲタ。気を取り直して、完成したキモヲタ邸に目を向けます。
工事中の現場を何度も見て来たキモヲタでしたが、ラミア女子たちによって仕上げられたキモヲタ邸宅の完成度には、目を見張るものがありました。
建物全体のデザインは、カザン王国の古典的なスタイルを基調としつつも、実用性を取り入れたものとなっています。
石造りの門には大きなアーケードかけられ、訪れる者を迎え入れてくれます。ミケーネの説明によると、このアーチ部分には魔鉱石がはめ込まれており、これが夜になると「キモヲタ」という文字になって光るということでした。
門から玄関までは十メートルほどあって、庭には色とりどりの花が植えられています。
キーラとソフィアが花壇に駆け寄っていきました。
「わーっ、綺麗な庭だね!」
「キレイです!」
キモヲタたちが正面玄関に到着すると、両開きのドアには、繊細な彫刻が施された鉄製の装飾が施されているのが見えました。
ドアを開けると、広々としたホールが広がり、天井には豪華なシャンデリアが吊り下げられています。
「一体、どこの貴族様の豪邸でござるか!?」
あまりの内装の豪華さにキモヲタの腰が引けていました。
呆然として固まるキモヲタの肩を、エレナがポンッと叩きます。
「もちろん、キモヲタのよ!」
固まっているのはキモヲタだけではありません。ユリアスやエルミアナもその豪華さに言葉を失っていました。
その後、ラミア女子たちに建物の中を案内されたキモヲタたち、居間や応接室、食堂、各部屋を見る度に
「ほわーっ!」
「はわわわ!」
「えぇぇぇえ!」
と何かしら奇妙な声を上げるハメになるのでした。
一通りの案内が終わった後、エレノーラ(紫髪青眼黒体。Fカップ)が、キモヲタに声をかけました。
「最後に地下階なのですが、倉庫の他にキモヲタ様のための治癒室をご用意させていただきました。シスター・エヴァやキーラさん、エルミアナさんの要望をすべて取り込んだ自信作となっています」
エレノーラの言葉に、ラミア女子たち全員がドヤ顔となり
フンスッ!
と鼻息を出しました。
「ほう……。我輩の【足ツボ治癒】専用の部屋まで用意されているでござるか。これは楽しみでござるな」
ラミア女子たちの建築・内装技術の高さをこれでもかというくらい見せられていたキモヲタ。当然、期待度も跳ね上がります。
小躍りするような足取りで、地下に向ったキモヲタ。
「どうぞ、こちらがキモヲタ様専用の【足ツボ治癒】室になります」
開かれた扉の先を見たキモヲタが凍りつきました。
「あ、あれはなんでござるか!?」
ふかふかの厚い絨毯や柔らかなそうなソファ。壁に埋め込まれた魔鉱灯の柔らかな光。一見すると貴族の豪華な部屋なその空間の奥には、信じられないものが置かれていたのです。
それはキモヲタの前世の記憶では、こう呼ばれているものでした。
「あ、あれは鋼鉄の処女!?」
前世で実物を見たことはなく、見たいとも思わなかった恐怖がそこにあったのでした。
ラミア女子たちから完成の報告を受けて、キモヲタ邸前に到着したキモヲタ一行。
そこにはシスター・エヴァと復興局の子どもたちが、大勢でキモヲタの到着を待っていたのでした。
「キモヲタ様! もう既にご存じのことと思いますが、こちらがキモヲタ邸になります!」
満面ドヤ顔のシスターが両腕をバッとキモヲタ邸に振ると、子どもたちが一斉に歓声を上げました。
パチパチパチ!
「「わーっ!」」
「キモヲタだんしゃく、おめでとう!」
「いつも私たちのために、頑張ってくれてありがとー」
「オークのお兄ちゃん、ありがとー!」
「チョコレートは!? イケテル棒はまだ? お腹空いた!」
「はよ、お菓子よこせ、オーク野郎!」
「ねぇねぇ! お菓子は? お菓子くれるんでしょ!?」
「ぼくもここに住みたいぃぃ!」
子どもたちからの思いもよらぬ歓待にキーラやソフィアも大喜びでした。エレナやエルミアナ、ユリアス、そしてシモンも、可愛い歓迎に思わず相好を崩します。
「ちょ、我輩をオークと言ってるのは誰でござるか!?」
キモヲタだけが、子どもたちの純心な歓迎に素直に喜べずにいるのでした。
そんなキモヲタを優しくなだめるキーラ。
「まぁまぁキモヲタ。みんなそれだけキモヲタに心を許してるってことだから! ここはパーッと先にお菓子を配っちゃおうよ!」
「ぐぬぬ。昨日キーラたんが、大量のお菓子をおねだりしてきたから、何事かと思ったでござるが、こういうことでござったか……」
キモヲタがサンタクロースよろしく担いでいた白い袋を降ろし、中身を広げた瞬間、キモヲタめがけて子どもたちが殺到し――
「「「「わぁぁぁあああ!」」」」
戦争がはじまりました。
「チョコだ! チョコを寄越せ! ギブミーチョコレーッ!」
「イケテル棒! イケテル棒!」
「オッパイの実は、わたしのものよ!」
「ちょ、コボルトのマーチは俺のだって!」
「衛生兵! 衛生兵!」
なかにはキモヲタの身体をよじ登って上からお菓子に突撃する子ども、何故かキモオタにタックルする子ども、キモヲタの顔をひっぱって遊ぶ子ども、とにかくもみくちゃにされるキモヲタなのでした。
子どもたち全員にお菓子が行き渡る頃になると、キモヲタはもうズタボロになっていました。
「皆さん! キモヲタ様にちゃんとお礼を言うのですよ!」
というシスター・エヴァの言葉に、子どもたちは明るい声で応えます。
「キモヲタさま、ありがとー!」
「お菓子ありがとう、だんしゃくさま!」
「オークの兄ちゃん、ありがとな!」
「今日はこの辺で勘弁しといてやるよ!」
「さぁ、お菓子もらったし帰ろうぜ!」
言いたい放題の子どもたちでした。
「もうお前らとっとと帰れでござる!」
ブチ切れるキモヲタに、笑顔で手を振りながら子供たちは帰っていったのでした。
「みんなに祝ってもらえてよかったね!」
そう言って肩を叩くキーラに、もはや反論する気力も削がれていたキモヲタ。気を取り直して、完成したキモヲタ邸に目を向けます。
工事中の現場を何度も見て来たキモヲタでしたが、ラミア女子たちによって仕上げられたキモヲタ邸宅の完成度には、目を見張るものがありました。
建物全体のデザインは、カザン王国の古典的なスタイルを基調としつつも、実用性を取り入れたものとなっています。
石造りの門には大きなアーケードかけられ、訪れる者を迎え入れてくれます。ミケーネの説明によると、このアーチ部分には魔鉱石がはめ込まれており、これが夜になると「キモヲタ」という文字になって光るということでした。
門から玄関までは十メートルほどあって、庭には色とりどりの花が植えられています。
キーラとソフィアが花壇に駆け寄っていきました。
「わーっ、綺麗な庭だね!」
「キレイです!」
キモヲタたちが正面玄関に到着すると、両開きのドアには、繊細な彫刻が施された鉄製の装飾が施されているのが見えました。
ドアを開けると、広々としたホールが広がり、天井には豪華なシャンデリアが吊り下げられています。
「一体、どこの貴族様の豪邸でござるか!?」
あまりの内装の豪華さにキモヲタの腰が引けていました。
呆然として固まるキモヲタの肩を、エレナがポンッと叩きます。
「もちろん、キモヲタのよ!」
固まっているのはキモヲタだけではありません。ユリアスやエルミアナもその豪華さに言葉を失っていました。
その後、ラミア女子たちに建物の中を案内されたキモヲタたち、居間や応接室、食堂、各部屋を見る度に
「ほわーっ!」
「はわわわ!」
「えぇぇぇえ!」
と何かしら奇妙な声を上げるハメになるのでした。
一通りの案内が終わった後、エレノーラ(紫髪青眼黒体。Fカップ)が、キモヲタに声をかけました。
「最後に地下階なのですが、倉庫の他にキモヲタ様のための治癒室をご用意させていただきました。シスター・エヴァやキーラさん、エルミアナさんの要望をすべて取り込んだ自信作となっています」
エレノーラの言葉に、ラミア女子たち全員がドヤ顔となり
フンスッ!
と鼻息を出しました。
「ほう……。我輩の【足ツボ治癒】専用の部屋まで用意されているでござるか。これは楽しみでござるな」
ラミア女子たちの建築・内装技術の高さをこれでもかというくらい見せられていたキモヲタ。当然、期待度も跳ね上がります。
小躍りするような足取りで、地下に向ったキモヲタ。
「どうぞ、こちらがキモヲタ様専用の【足ツボ治癒】室になります」
開かれた扉の先を見たキモヲタが凍りつきました。
「あ、あれはなんでござるか!?」
ふかふかの厚い絨毯や柔らかなそうなソファ。壁に埋め込まれた魔鉱灯の柔らかな光。一見すると貴族の豪華な部屋なその空間の奥には、信じられないものが置かれていたのです。
それはキモヲタの前世の記憶では、こう呼ばれているものでした。
「あ、あれは鋼鉄の処女!?」
前世で実物を見たことはなく、見たいとも思わなかった恐怖がそこにあったのでした。
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