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第209話 Gカップのときは、全然平気だったのに……
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~ キモヲタ邸 応接間 ~
胸のゼリーが漏れてしまったことで、Gカップも体内のコンピューターボードもおしゃかになってしまったChatGピー子。
物言わぬただの人形となり果てたまま、今もなお応接間のソファに静かに腰を掛けておりました。
そのまま数日も過ぎると、いつか復活の日を信じてピー子に優しく声をかけ続けるるキーラとソフィア以外は、ほぼ関心を失ってきていました。
キモヲタは、人目に隠れてピー子のGカップを指でツンツンする楽しみが失われた今では、このダッチワイフの処置に頭を悩ませていたのでした。
「ほぼ我輩の理想の外見でござるし、ここ置いて愛でるというのも良いでござるが……。やはり地下室にしまうのが良いでござろうか」
ChatGピー子の両脇に座っているキーラとソフィアは、こまま置いておくことを主張します。
「ここでいいじゃん! またきっとお話できるようになるよ!」
グーにした両手を上下に振りながら訴えかけるキーラ。その動きに合わせてブラウンの尻尾がファサファサと揺れるのでした。
「キーラ姉さまの言う通りです。ここに座ってみんなに話しかけられていたら、きっとピーコタンさんもお目覚めになるはずです」
キーラをまねてグーにした両手を振るソフィア。長く綺麗な銀色の髪がふわっふわっと揺れています。
キーラよりも年下なのに、キーラよりも年上に見える「まだまだ発展途上ではあるが今後の成長期待大」な胸が揺れるのを、キモヲタアイは見逃しませんでした。即RECなのでした。
きっといつかまたピー子とお話ができると信じて止まない美少女二人。
その純粋な心に「いやもう壊れてるので無理でござる」と言い出せないキモヲタ。
頭をひねって考え出した言い訳が――
「夜中のトイレでここを通るとき、ここにピー子たんが黙って座っているのを見ると、かなり怖いものがあるのでござるよ。Gカップのときは、全然平気だったでござるが、今はどうも……」
応接間には扉がないため、その前の通路を通るときには、ソファに座っているピー子がどうしても意識に入ってきてしまうのでした。
「キモヲタ兄さま、ひどいです! ソフィアは全然そんな風に思ってません! ピーコタンさんは、怖くなんてありません!」
ソフィアは柳眉を逆立て、青い瞳でキモヲタを可愛く睨んできます。マシュマロのような頬をプクッと膨らませるソフィアに、キモヲタは萌え死にかけてしましました。
「し、しかしですな。キーラたんなど夜中のトイレのときは、必ず我輩を起こしに来るくらいですので……」
「わーっ! わーっ! そ、それは泥棒とかいたらヤダなーってことだから! ピーコタンのことが怖いわけじゃないから!」
キモヲタの暴露に必死で声を被せるキーラなのでした。
「キーラ殿は、いったい何が怖いのですか?」
キーラが声がした方へ振り向くと、そこにはユリアスが立っていました。
「キモヲタ様、少しお話したいことが……」
~ 社交界デビュー ~
「我輩に勲章ですと!?」
ユリアスが持ってきた話というのは、カザン王国が主催する褒章授与式にキモヲタも参加して欲しいというものでした。
「はい。カザン王国では冬を迎えるこの時期に、その年に王国に貢献した人に対して褒章を与えています。キモヲタ様のソープランド建設などの北西区への貢献が認められ、カザン王国からメープル褒章を授与していただけることになりました」
ユリアスの話を聞いて、キーラとソフィアが目を輝かせて喜びました。
「メープル褒章だって! キモヲタ凄いじゃない!」
「キモヲタ兄さま! メープル褒章凄いです!」
もちろん二人ともメープル褒章が、カザン王国において公益のために私財を寄付した人や団体に授与されるものということは、まったく知りません。ただ勢いではしゃいでいるだけでした。
「結構でござる。我輩そういうので無理なんで……」
ソッコーで断るキモヲタなのでした。
「ええぇえ!? 栄誉が授かるのですよ!? 褒賞も出ます。今のキモヲタ様にとっては大した額でないかもしれませんが……。えっと、えっとそれに、それに……」
まさか断られるとは思っていなかったユリアスは大いに焦りました。
「いや我輩、人前に出るの苦手でござるし。それが王様の前とかもう絶対に無理でござるから」
ユリウスの前に両手を押し出して拒絶するキモヲタ。そのように必死で断るキモヲタの姿を見て、ユリアスは深くため息を吐くのでした。
「ここまでキモヲタ様に拒絶されては、私個人としては引き下がらざる得ないのですが……。しかし今回の件はアシハブア王国としての面子が掛かっているので、これからキモヲタを説得させていただきます」
そう言ってユリアスは、キモヲタにグイっと顔を近づけてコソコソと話始めました。
「ごにょごにょごにょ」
身体は大きいものの、顔だけ見れば金髪碧眼の美少女にしか見えないユリアスの接近にドギマギするキモヲタ。
香水でもつけているのか、金木犀のような甘い香りがフワっとキモヲタの鼻腔をくすぐるのでした。
ふと脳裡に、セリアのよく言っていたセリフが浮かんできたキモヲタでした。
「キモヲタ安心して! 姫隊長は受け専よ!」
胸のゼリーが漏れてしまったことで、Gカップも体内のコンピューターボードもおしゃかになってしまったChatGピー子。
物言わぬただの人形となり果てたまま、今もなお応接間のソファに静かに腰を掛けておりました。
そのまま数日も過ぎると、いつか復活の日を信じてピー子に優しく声をかけ続けるるキーラとソフィア以外は、ほぼ関心を失ってきていました。
キモヲタは、人目に隠れてピー子のGカップを指でツンツンする楽しみが失われた今では、このダッチワイフの処置に頭を悩ませていたのでした。
「ほぼ我輩の理想の外見でござるし、ここ置いて愛でるというのも良いでござるが……。やはり地下室にしまうのが良いでござろうか」
ChatGピー子の両脇に座っているキーラとソフィアは、こまま置いておくことを主張します。
「ここでいいじゃん! またきっとお話できるようになるよ!」
グーにした両手を上下に振りながら訴えかけるキーラ。その動きに合わせてブラウンの尻尾がファサファサと揺れるのでした。
「キーラ姉さまの言う通りです。ここに座ってみんなに話しかけられていたら、きっとピーコタンさんもお目覚めになるはずです」
キーラをまねてグーにした両手を振るソフィア。長く綺麗な銀色の髪がふわっふわっと揺れています。
キーラよりも年下なのに、キーラよりも年上に見える「まだまだ発展途上ではあるが今後の成長期待大」な胸が揺れるのを、キモヲタアイは見逃しませんでした。即RECなのでした。
きっといつかまたピー子とお話ができると信じて止まない美少女二人。
その純粋な心に「いやもう壊れてるので無理でござる」と言い出せないキモヲタ。
頭をひねって考え出した言い訳が――
「夜中のトイレでここを通るとき、ここにピー子たんが黙って座っているのを見ると、かなり怖いものがあるのでござるよ。Gカップのときは、全然平気だったでござるが、今はどうも……」
応接間には扉がないため、その前の通路を通るときには、ソファに座っているピー子がどうしても意識に入ってきてしまうのでした。
「キモヲタ兄さま、ひどいです! ソフィアは全然そんな風に思ってません! ピーコタンさんは、怖くなんてありません!」
ソフィアは柳眉を逆立て、青い瞳でキモヲタを可愛く睨んできます。マシュマロのような頬をプクッと膨らませるソフィアに、キモヲタは萌え死にかけてしましました。
「し、しかしですな。キーラたんなど夜中のトイレのときは、必ず我輩を起こしに来るくらいですので……」
「わーっ! わーっ! そ、それは泥棒とかいたらヤダなーってことだから! ピーコタンのことが怖いわけじゃないから!」
キモヲタの暴露に必死で声を被せるキーラなのでした。
「キーラ殿は、いったい何が怖いのですか?」
キーラが声がした方へ振り向くと、そこにはユリアスが立っていました。
「キモヲタ様、少しお話したいことが……」
~ 社交界デビュー ~
「我輩に勲章ですと!?」
ユリアスが持ってきた話というのは、カザン王国が主催する褒章授与式にキモヲタも参加して欲しいというものでした。
「はい。カザン王国では冬を迎えるこの時期に、その年に王国に貢献した人に対して褒章を与えています。キモヲタ様のソープランド建設などの北西区への貢献が認められ、カザン王国からメープル褒章を授与していただけることになりました」
ユリアスの話を聞いて、キーラとソフィアが目を輝かせて喜びました。
「メープル褒章だって! キモヲタ凄いじゃない!」
「キモヲタ兄さま! メープル褒章凄いです!」
もちろん二人ともメープル褒章が、カザン王国において公益のために私財を寄付した人や団体に授与されるものということは、まったく知りません。ただ勢いではしゃいでいるだけでした。
「結構でござる。我輩そういうので無理なんで……」
ソッコーで断るキモヲタなのでした。
「ええぇえ!? 栄誉が授かるのですよ!? 褒賞も出ます。今のキモヲタ様にとっては大した額でないかもしれませんが……。えっと、えっとそれに、それに……」
まさか断られるとは思っていなかったユリアスは大いに焦りました。
「いや我輩、人前に出るの苦手でござるし。それが王様の前とかもう絶対に無理でござるから」
ユリウスの前に両手を押し出して拒絶するキモヲタ。そのように必死で断るキモヲタの姿を見て、ユリアスは深くため息を吐くのでした。
「ここまでキモヲタ様に拒絶されては、私個人としては引き下がらざる得ないのですが……。しかし今回の件はアシハブア王国としての面子が掛かっているので、これからキモヲタを説得させていただきます」
そう言ってユリアスは、キモヲタにグイっと顔を近づけてコソコソと話始めました。
「ごにょごにょごにょ」
身体は大きいものの、顔だけ見れば金髪碧眼の美少女にしか見えないユリアスの接近にドギマギするキモヲタ。
香水でもつけているのか、金木犀のような甘い香りがフワっとキモヲタの鼻腔をくすぐるのでした。
ふと脳裡に、セリアのよく言っていたセリフが浮かんできたキモヲタでした。
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