異世界転生ハーレムプラン ~ 最強のスキルが【幼女化】ってマジですか?~

帝国妖異対策局

文字の大きさ
101 / 243

第101話 古代寺院の怪異

しおりを挟む
 ネフューにフワデラ夫妻のことを紹介していると、お昼寝タイムが終わったルカとグレイちゃんが屋敷の玄関にやってきた。

 ルカはフワデラ夫妻を認めると軽く手を振りながら声を掛ける。

「おぉ、お主らもようやく来たのか」
「うーっ! うっ! うっ!」
 
 フワデラさんとシュモネーがルカに深く頭を下げる。

「主よ、遅くなって申し訳ありません」

「別に構わんぞ。折角の新婚旅行なのじゃから、大いに楽しむといい。じゃが、まずは、ここにいるやっかいな連中にお主の威圧を使って……」

 そう言ってルカは何かを探すかのように周囲に目を配る。

「シンイチ、あの阿呆どもはどこに行った?」

「さっき帰ったよ」

「なんじゃと!? せっかくフワデラが来たのじゃから、こいつの姿を見てお漏らしする連中の姿を見たかったのに! どうして返してしまったのじゃ!」

 ルカが悔しそうに何度も地団駄を踏む。俺はまぁまぁとルカをなだめながら、

「あの連中、お漏らしはしなかったけど、フワデラさんの姿を見て、そそくさと帰って行ったよ」

 ルカとグレイちゃんが不満そうに唸り声を上げる。

「まさかシンイチ、これで奴らの所業を許すというつもりではなかろうの? これではわらわの腹の虫がまったく収まらぬのじゃが」
「う゛ー! う゛う゛ー!」

 俺はルカとグレイちゃんを近くに引き寄せる。俺は、徴税官たちがネフューネ村から十分離れたところで幼女化し、素っ裸にひん剥いてやろうと思っている旨を二人に伝えた。

 俺たちは、ネフュー達に迷惑が掛からないように、村からどれくらいの距離を開けるかとか、正体がバレないようにはどうするかとか、こそこそ打ち合わせを始める。

「それなら良い方法がありますよ」
「ひょわっ!?」

 俺たちのヒソヒソ会話に突然シュモネーが割り込んできた。不思議なことに、屋敷についたばかりであるのにも関わらず、彼女は事情を把握しており、さらに俺たちの鬱憤を晴らすための最高のメニューを提示してくれた。

「それじゃ! それで決まりじゃな! それしかないぞ!」
「うーっ! うううっー!」

 俺もシュモネーの案に大賛成だったが、ただそれを実行するためにはいくつかの条件を満たす場所が必要となる。

「場所ならありますよ?」

 えっ? 

 いま俺、考えてることを口に出しちゃってた?

 ま、まぁいいか。

 それとシュモネーの案を実行するに当たってはが必要になるのだが、さすがにそんなもの持って来てないし……。

ならありますよ?」

 そう言って、シュモネーはリュックを開いて中にが詰まっているのを見せる。

「……」※俺、無言

 シュモネーは静かな微笑を俺に投げかけている。

 銀髪とオレンジ色の瞳。その美しい顔の造形は、まるで水場に置かれている女神のものに似ている……気がした。

 うん。

 この人について深く考えるのはよそう。

 俺は片手を大きく上げて、

「はーい! それじゃタヌァカ三村会議を開きまーす! コボルト村とグレイベア村の人集合!」

 ネフューとフィーネ以外のみんなを集めてスクラムを組む。

 そして、俺たちがこれから取り組むシュモネー案について話し合った。



~ 古代寺院 ~

 ネフューネ村から馬で東に向って約1日の場所に、古い時代に建てられた寺院の廃墟がある。

 寺院がある場所は街道からはそれほど離れているわけではない。だが周囲が深い森となっており、魔物も多く出没するので、誰も近づこうとはしない。

 そのため廃寺院自体の存在は地元の人間にさえ知られていなかった。

 ただ、街道を行く人々が「森の奥から人間の悲鳴が聞こえて来た」なんて話は、いくらでもあるようだ。

 そんなことをシュモネーさんが話すのを聞きながら、俺は彼女の後にくっついて、廃寺院へ足を踏み入れていた。

 講堂らしき広間の最奥部には石像が置かれているが、その上半身は崩れ落ちている。床に転がっている頭部を見る限り男性像のようだったので、この寺院はラーナリア正教ではなかったのだろう。

 少なくとも数百年は経っていそうな寺院の外見からすると、講堂の中は意外と綺麗に片付いていた。まぁ、壊れた像以外には物が何もないだけとも言える。

「ここってそんなに怖い場所だったの? まぁ不気味な感じはするけど、魔物なんて一匹もいないし、それほど危険はない感じがするけど」

「ダーリンと一緒に全てお掃除しておきましたから」

 なんだろう。

 シュモネーの言うお掃除という言葉から、ここに巣食っていたゴブリンたちが一掃されたかのようなイメージが浮かんできたのは、何故だろう。

 そう言えば、壁に血糊をぶちまけたような赤黒いシミがある気のせいだろうか。

 うん。

 気のせいだ。深く考えるのはやめよう。

「と、ととにかく、ここなら夜も寒くないし、静かだし、条件は完全にクリアしてるよ」

「そうですか。それはよかったです。それでは私は教材を並べておきますから、シンイチ様は皆さんをお連れしていただけますか?」

「了解!」

 俺は寺院の外で待っていたフワデラさんたちの処へと戻った。

「それじゃお待たせー! みんな準備はいい? 楽しいお泊り会を始めるよー!」

「「「わー----い!」」」

 キャッキャッと楽しそうに騒ぐ十二人の幼女たちを先導し、俺は寺院の中へと戻って行った。

 もちろんこの幼女たちは、俺が徴税官たちに【幼女化ビーム】を喰らわせたなれの果てな姿である。

 これから寺院で行われることを見せるのは教育上たいへんよろしくないということで、ルカとグレイちゃん、そしてライラにはネフューネ村でお留守番してもらっている。

 これから始まる過酷な教育プログラム「人外萌え育成教育72時間コース」に、俺は身が引き締まる思いだった。

  
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!

こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」  主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。  しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。 「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」  さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。  そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)  かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...