異世界転生ハーレムプラン ~ 最強のスキルが【幼女化】ってマジですか?~

帝国妖異対策局

文字の大きさ
185 / 243

第185話 ルミナスグレイン

しおりを挟む
 俺とステファンは、ルルゥとヴェルディさんに試験農場を案内してもらっていた。

「こちら、シンイチさまのお好きな愛媛みかんの木ですよ!」

 色々な成果を見せて貰っている中、いきなりライラが俺の腕を曳いて、小さな木の前に連れてきた。ネットスーパーで購入した商品から栽培したという、みかんの木は未だ俺の膝程の高さしかなかったが、それでも綺麗な緑の葉を持つ苗に育っていた。

「凄いねライラ! これが収穫できたらグレイベアみかんって名付けてここの名産品にしよう!」

 そう言って俺は、ライラを引き寄せてその頬にキスした。

 研究所でのライラは、白衣の下に長袖の白いボタンシャツと黒のタイトスカート姿。これは研究所が制服として支給されているものなので、ルルゥやヴェルディも同じ格好だ。

 加えてライラは、いつも薄い銀縁メガネを掛けている。度は入っていない。ただのファッションだ。

 既に俺はこの衣装を使って「理系女子に嫌な顔をされながらパンツをみせてもらう」プレイをライラにしてもらっている。

 このプレイのとき、ライラは「俺に嫌な顔を向ける」のを嫌がるのだが、それでもなんとか頑張って俺の性癖に付き合ってくれる。

 それが終わった後、ライラが「俺に嫌な顔を向けた」ことを帳消しにしようと、俺にものすっごい甘々な反撃をしてくるのが、まぁ、可愛いのなんのって。

 よし、今日もこれでいこう!

 うむ。そんなことを考えていたら、下半身に性なるエネルギーが注入され始め――

「あっ、あの!」

 クィッ! クィッ! と俺の腕をライラが引っ張る。

「シンイチさま、ルルゥさんとヴェルディさんの成果を見てあげてください」

「あぁ、そうだった。ごめんごめん」

 ライラのナイスフォローで、下半身が荒ぶるのは何とか回避することができたようだ。

 他の面々の顔がホッとしていたような気がするのは、きっと気のせいだろう。

「皇帝様! こちらが私たちの研究成果になります!」

 ホビット族のルルゥが、とことこと小走りで進んだ先には、背丈ほどの草が生い茂っている区画があった。

 ヴェルディさんが、その草について解説をしてくれた。

「この作物の名前はルミナスグレインと言います。これは、皇帝陛下のネットスーパーから頂いたトーモロコシと北方のルミナス草を掛け合わせたものです」

 言われてみると確かにトウモロコシに似ている。ただ、トウモロコシよりも葉が大きく、茎が太く、種子の部分が小さい。

「夏の間、この種子は数週間で育成されるため何度か収穫可能です。トーモロコシより小ぶりにはなりますが、味はトーモロコシとほとんど変わりません」

 ヴェルディの説明を、ルルゥが補足する。

「このルミナスグレインは、ルミナス草と同じく夜間に自然な光を放つ特徴があります。また魔力も少々回復することがわかっています」

「えっ!? 魔力が回復するの? そりゃ凄いね」

 俺はルミナスグレインが夜に光ることよりも、魔力が回復することに驚いた。

 というのもルミナス草が夜に光るのは、俺でも知っていることだからだ。夜の森を歩くと、うすぼんやりと光るルミナス草を見つけるのは難しいことではない。

 夜中にルミナス草が群生している場所に行くと、幻想的な雰囲気を感じることができなくもない。だが引っこ抜くとすぐに光は消えてしまうし、光源としての使い道はあまりない。

 だが魔力の回復は、ルミナス草にはなかった効果だ。トウモロコシとの組み合わせによって何か変化でも生じたのだろうか。

 俺自身は魔力を必要とすることはあまりない。まったくないというわけではないが、【幼女化】スキルは、魔力デポジットというややこしい仕組みで動いている。

 【幼女化】スキル自体は魔力を消費することはない。だがこのスキルは使用する度に、俺の魔力量の何割かをデポジットに割り当てるのだ。

 なのでもし、俺が他のスキルを使って魔力を消費している状態だと、【幼女化】スキルの発動回数が減ったり、発動できなかったりすることがあるかもしれない。

 そういうときには、魔力回復ポーション等の回復手段があると便利ではある。女神クエストなどの狩猟に出掛ける際は、一応、ポーションを持っていくようにはしている。ただ今のところ使ったことはない。

 だって、俺の魔力を消費するスキルって【女体化】と【巨乳化】だけだよ? で、これまでの戦闘において【女体化】と【巨乳化】を使ったことはほとんどない。

 というか、この世界に来てこの二つのスキルを使ったことなんて、ほんと指で数えるくらいしかない。

 ちなみに【索敵】や【探索】は精霊支援サービスのスキルなので魔力消費はない。

 というわけで、俺自身について言えば、魔力回復というのもそれほど興味深いものではない。だが俺以外の魔力を行使する者たちにとっては、魔力回復は大きな助けになるだろう。 

「うまくすれば、これで魔力回復ポーションが作れたりする?」

 俺の問いかけに、ヴェルディは小さく頷いた。

「ポーション向けに成分を抽出するのは、これからの研究次第です。ただルミナスグレインを使った携帯食であれば、魔力回復力が少なくても冒険者には重宝されると思います」

「そりゃいいね。もちろん最優先は俺たちの食糧確保だけど、余裕ができればそれを名産品にしようよ」

「ふふっ。ライラ様のおっしゃる通りでしたね」

 そう言ってニッコリと笑ったルルゥ、俺にクッキーのようなものを差し出してきた。

「こちらルミナスグレインを使って作った携帯食のサンプルになります。ぜひご試食を」

 ヴェルディに言われて、俺とステファンは携帯食を口にする。

「もぐもぐ……おっ、これは!?」

「シンイチ殿が提供してくださるカロリンメイトに似ていますね」

 ステファンの言う通り、ルミナスグレインの携帯食はカロリンメイトにかなり近い食感と味だった。

 これは……売れる!

 食糧確保そっちのけで、そんなことを確信した俺だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

処理中です...