異世界転生ハーレムプラン ~ 最強のスキルが【幼女化】ってマジですか?~

帝国妖異対策局

文字の大きさ
237 / 243

第237話 北の飲兵衛ズ

しおりを挟む
 港湾都市ローエンを出発して三日目。

 だんだんと景色の中に雪の白さが目に付くようになってきていた。

 今は昼間に入った深い森を延々と進んでいる。

 森の中は薄暗くて寒い。あんまり寒いのでライラはずっと俺にしがみついている。

「シンイチくん、幼女に抱き着かれながら御者するなんて、器用だねぇ」

 シエラさんがニヤニヤしながら言う。

「えぇ、まぁ……暖かいですよ」

 シエラさんに目を向けると、どうしても男の本能で一瞬、胸に目が行ってしまう。

 ギュッ!

 ライラがしがみつく腕に力を入れる。

 さらに、シエラさんから顔をプイッと背けた。

「あらあら、ライラさんに嫌われちゃったかな? 大丈夫よ、シンイチくんを取ったりしないから」

 膝の上に座っていたライラは、両足で俺の腰を挟んで大しゅきホールド状態になった。

 ちょぉおおおおお、愛おしんですけどぉおおお!

 と、俺は内心で絶叫しつつ、ライラの頭にキスをする。

 もし、俺とライラと二人っきりだったら、

 レーロ、レロレロレロレロ!
 
 とライラの顔中を舐めまわしているところだった。

 思わずそうしそうになったのを、鋼の精神力でなんとか抑え込むことができた俺は偉い。

 だが、ライラはそうした俺の努力を知らず、耳元でボソッと囁いてくる。

「シンイチさまは、ライラだけのシンイチさまです……」

 レーロ、レロレロレロレロ! チュッ! チュッ! 

 俺の自制心はあっけなく崩壊した。

 レーロ、レロレロレロレロ! チュッ! チュッ!  

「ひゃっ!」
 
 俺の顔面レロレロ攻撃に、顔を真っ赤にしたライラが逃れようとする。

 といっても、大しゅきホールドはがっちり固定されたままで、顔をのけぞらせているだけだ。

 その程度で、俺のレロレロを回避できるわけがない。

 レーロ、レロレロレロレロ! チュッ! チュッ! 

「シ、シンイチさま、や、やめてください……」

 本当に止めて欲しいなら、俺から離れて隣に座れば済むことだ。

 つまり、この止めてくださいというのは、もっと俺にレロレロして欲しいということだ。

 だ!

 レーロ、レロレロレロレロ! チュッ! チュッ! 

 そんな俺とライラのやりとりを見ていたシエラさんは、大爆笑しながら声を上げる。

「変態よ! ここに幼女を舐めまわす変態がいるわ! 誰か警備兵に通報して!」

 他の冒険者たちも、もう何度も繰り返されているこうした茶番にはもう慣れたようで、カラカラと笑いながら馬を進めて行った。

「あっ、そうだ! この森では騒いじゃいけないんだったわ」

 ひとしきり笑い終えたシエラさんが、そんなことを言った。

 屈強な筋肉戦士のドルエンさんが、後ろからシエラに声を掛ける。

「この森だけじゃない。どの森でも騒ぐのは控えるもんだ。山賊や狼を呼び寄せるからな」

「確かにその通りなんだけどさ。アタシが言いたいのは、この黒い沼の森で騒ぐなってのは、北方人なら誰でも知ってる言い伝えで、その云われもちゃんとあるのよ」

「へぇ、それは一体どういうもんだ?」

 戦士の問いかけに、シエラはニヤリとした笑顔を浮かべて答える。

「それについては今夜、ゆっくりと聞かせてあげる。それでシンイチくん、アタシたちは今日もアレを飲めるのかな?」

 シエラがチラチラと俺を見ながら尋ねる。アレという言葉を耳にした、他の冒険者たちも俺の方に顔を向けた。全員の目が期待に輝いている。

 アレというのは、ネットスーパーで購入したお酒のことだ。

 北の飲兵衛ズという名前からして、お酒が大好きだろうと思い、最初の野営で提供したのが運の尽き。

 イザラス村に到着するまでの日数を予想して準備していた12本のウィスキーは、初日にして消えてしまった。それだけではない。俺がこっそり楽しむつもりのワインと日本酒も、彼らによって一瞬で蒸発させられてしまったのである。

 まぁ、楽しい酔い方をする人たちだったので、連日の宴会はとても楽しかったのだが。

 シエラさんが酔うと脱ぎ癖があることを知った俺も、ついついどんどんとお酒を勧めてしまったのだが。

 ちなみに、シエラさんの上半身がスッポンポンになった瞬間、ライラの手が俺の両目を塞いでしまったので、未だ夜気にさらされた双丘を見ることはできていない。

 全員の期待が俺にグサグサと突き刺さってくる。

「もちろん、今晩も用意しますよ」

「「「「おぉおお!」」」」

 冒険者たちの歓声に、馬が驚いて前足を高く上げる。

 もちろん俺も、今夜こそはシエラさんの脱ぎ癖を見届けるべく、心中深くで決意を固めていた……

 ……ら、ライラがハイライトオフのジト目で、俺の顔を覗き込んでいた。

「ご、ごめん……」

 思わず謝ってしまった。

「どうして謝るんですか? シンイチさま?」

 ライラが妙に突っ込んでくる。

 どうしよう……これまで控えめで内気だった嫁が、幼女になった途端、俺にウザ絡みしてくるようになったんだが。

 ジィィィィ。

 ライラが柳眉をひそめて、俺を睨み付けている。

 ジィィィィ。

 こ、これは……。

 ジィィィィ。

 かわえええええぇええええええ!

 レーロ、レロレロレロレロ! チュッ! チュッ! 

 この攻撃は、ライラが本気で参って、俺から離れるまで繰り返された。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

処理中です...