裸の猫耳幼女が捨てられていたので育成することにしました。

Mine

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2日目.入浴

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 懐かしい夢を見た。
田舎にある両親が住む実家、俺は夢の中でそこに居た。
 チリンチリンと鳴る風鈴の音。
 最初は縁側でぼーっとしてたのだが、どんどん吊り下げられている風鈴の音が耳障りなほどに大きくなっていく。

「な、なんだ!?」
 
陽介はガバッと布団から起き上がった。
 そして自分が自分の部屋にいることに気づく。
いつもと変わらない風景にほっとすると、可愛らしい声が陽介を呼んだ。

「おにーちゃん、おはよ!」

 そこには鈴を手に持ったすずがいた。

「私が鈴でおにーちゃんをおこしたの!」

 すずは手に持った鈴をカランと鳴らし、とびっきりの笑顔でにかっと笑った。



「おにーちゃんなにしてるの?」

 構ってもらえなくつまらなさそうにしてたすずは不思議そうに近づいてきた。

「ああ、今日はお前がいるしバイトを休もうと思って」

「ばいと?」

 すずは俺の持っている長方形型の小さい板を見てさらに不思議そうにする。

「これ、なあに?」

俺の持ってるスマホのことか。

「これはスマートフォン、スマホだ。これで今から連絡するんだよ」

「へぇー」

 すずは関心したかのように頷きスマホを見つめた。
陽介がボタンのようなものを押すとその瞬間、すずにとって初めて聞く不快な電子音が鳴り響いた。

「プルルルルルル…プルルルルルル…」

「にゃっ…!?」

 すずはいきなりの事に声を上げ、後に飛んで四本足で軽く着地した。腰の方を高くあげ、猫よが毛を逆立てるようなポーズをしたすずをなだめるかのように俺は近づいて頭を撫でる。

 電話が終わると、昨日と同じように牛乳と魚肉ソーセージをすずに与えた。

「またおなじやつ?」

「すまないな。まだ買い物に行けてないから、食べ物を買いに後で行こうな」

「うん!」

 そういえば…。
 まだすずを風呂に入れてないことに陽介は気づく。

「お前、食べ終わったら風呂入れよ」

「わかった!(モグモグ…)」

 金髪美幼女が魚肉ソーセージを食べているなんて異様な光景だが、モグモグしている所は非常に可愛らしい。
いや、別に俺はロリコンっていうわけじゃないぞ…。

「たべおわったよ!」

満面の笑みでこちらを見上げる。口元には牛乳が付いてしまってる。
自分の口元をトントンと触ると、その仕草に気づいたすずは口についた牛乳をペロッと舐めた。

「風呂入れてきたから入ってこい。」

「わかった!」

 すずは行ってしまった。
 さ、さすがに俺は幼女を見ても興奮とかしないし、べべ別にむふふな想像とかしないからな!!
 気を紛らわすためにスマホをいじると、チャットが来ていたことに気づいた。

〈お前、今日休み?馬鹿のくせに風でも引いたのか?〉

 智也からだった。
智也は俺にとって小学生からの1番親しい親友だ。
一緒に田舎から上京してきているため、今もよく遊んだりする。大学は違うがバイトは一緒だ。

〈今あまり体調がよくないんだ〉

嘘をついてしまったが大丈夫だろう。

〈智也が好きそうなの見つけたから今度家に来いよ〉

 そう、智也は他人には秘密にしているが正真正銘のロリコンだ。
家にはアレな女の子(幼女)のフィギュアやポスターなどが沢山あり、はっきり言ってキモイが、智也は口が堅いのですずを見せても大丈夫だろう。
ちなみに性格は最悪に悪いが顔は整っているため女子からはかなりモテる。

〈ロリがいるとか?wまぁ、楽しみにしとくよ〉

 感がいいな…。当たってるし。

 その時、風呂場から声がした。

「おにーちゃん、おようふくちょうだい!」

「えっ、あっ忘れてた」

 陽介が立ち上がると同時に風呂場からタオルを体に巻いた天使が現れた。

「あー、い、いま、持ってくから待って、て、ちょ、中で待って、て」

 動揺してしまい陽介がキョドっているにも関わらず、すずは近づいてくる。

「さっぱりしたよーっておわぁ!」

 その瞬間濡れた状態でタオルを巻いていたすずは足を滑らせた。
 幼女を包んだタオルは美しく空中を舞った。俺にはそれがスローモーションに見える。

「いったたた…」

「だ、大丈夫…か…」

 陽介の視界には裸の幼女が映っている。

「だぁぁぁぁぁぁあ///////」

「どーしたの??」

打ちつけてしまったお尻を擦りながら、すずはさらに近づいてくる。

「服、渡すから早く着替えてこい!」

「わかったよー…いたた…」

 なんというか、ラッキースケベというか…もうヤバイ!
きっと俺は赤面状態になってるだろう。
貧乳と言っていいのかもわからないくらい小さな、それこそ成長前の微乳…!!
…って何妄想してんだ!!やばいやばい、俺のナニが反応し……ちょっとまてまてまて…!!!
こんなんでいいのか俺!!

「く、くそ…おさまらねぇ…」

 急いでトイレへ駆け込んだ俺。
 幼女の裸で動揺していることに恥ずかしさを覚え、やっとおさまった頃にはその場にうずくまり今あったことを必死で忘れようとした。






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