20 / 21
本編
17話 報告②
恥ずかしさが限界に達して逃げ出したカトリーナはすぐさまランドロフに捕まって、近くにあった応接室のひとつに連れ込まれていた。ちなみに、付近に居たはずの商会の者は気を利かせてか、夫婦の無自覚のいちゃつきに耐えられなくなってか、どちらかは分からないがいつの間にか居なくなっていた。
「ら、ランドロフ様! 話します、話しますから…恥ずかしいので離れてください!」
「いやだ、離れるとまた逃げるだろう…」
それなりに広い部屋で壁に追い込まれて文字通り、逃げ場がなくなったカトリーナは真っ赤な顔で目の前のランドロフに離れてもらおうと押し返すが、カトリーナの力ではランドロフを動かすことは出来ない。先程までは自分が追いかけていたのに何故こんなことに?と恥ずかしさと混乱でいっぱいの頭で疑問に思うが、そんなことを考えても仕方がない。
「あ、あの…本当に、ちゃんとお話したいんです。大事な話ですから…。」
「……分かった。」
相変わらず真っ赤で若干瞳を潤ませながらも真剣な目様子でそう言われてしまってはランドロフに退く以外の選択肢は無く不承不承ながらソファに移動する。勿論、その間も逃げないようカトリーナはがっちりとホールドされていた。
ソファに座ってからも頑なにカトリーナの隣に座ろうとするランドロフと擦った揉んだしながら何とか向かいに座ることに成功したカトリーナは何度か大きく深呼吸をした。考えるのは勿論、ランドロフがどんな反応をするか。喜んでくれるだろうとは思うけど、やはり少しは緊張するものだ。
「その、私…か、懐妊、しておりました。」
カトリーナが少し吃りながらも何とかそう告げるとランドロフは一瞬固まった後、座っていたソファが少し動くほど勢いよく立ち上がり、恐る恐るといった様子で向かいに座るカトリーナににじり寄る。ランドロフは驚愕と、嬉しさが混じったような表情で何故か急に乾いた口を開く。
「は…え、ほ、本当に?」
「はい…アルファスタに着いた頃にお医者さまに見ていただいたら間違いないと…」
「ありがとう、カトリーナ! ああ…そのうちにはと思っていたが、こんなに早く…嬉しい、嬉しいよ。本当にありがとう…」
ランドロフがカトリーナをぎゅ、と抱き締めて心底嬉しそうな顔で、涙を滲ませながら笑う。それを見たカトリーナも、ようやく緊張が解けてふたりは暫く一緒に微笑みあっていた。
「ら、ランドロフ様! 話します、話しますから…恥ずかしいので離れてください!」
「いやだ、離れるとまた逃げるだろう…」
それなりに広い部屋で壁に追い込まれて文字通り、逃げ場がなくなったカトリーナは真っ赤な顔で目の前のランドロフに離れてもらおうと押し返すが、カトリーナの力ではランドロフを動かすことは出来ない。先程までは自分が追いかけていたのに何故こんなことに?と恥ずかしさと混乱でいっぱいの頭で疑問に思うが、そんなことを考えても仕方がない。
「あ、あの…本当に、ちゃんとお話したいんです。大事な話ですから…。」
「……分かった。」
相変わらず真っ赤で若干瞳を潤ませながらも真剣な目様子でそう言われてしまってはランドロフに退く以外の選択肢は無く不承不承ながらソファに移動する。勿論、その間も逃げないようカトリーナはがっちりとホールドされていた。
ソファに座ってからも頑なにカトリーナの隣に座ろうとするランドロフと擦った揉んだしながら何とか向かいに座ることに成功したカトリーナは何度か大きく深呼吸をした。考えるのは勿論、ランドロフがどんな反応をするか。喜んでくれるだろうとは思うけど、やはり少しは緊張するものだ。
「その、私…か、懐妊、しておりました。」
カトリーナが少し吃りながらも何とかそう告げるとランドロフは一瞬固まった後、座っていたソファが少し動くほど勢いよく立ち上がり、恐る恐るといった様子で向かいに座るカトリーナににじり寄る。ランドロフは驚愕と、嬉しさが混じったような表情で何故か急に乾いた口を開く。
「は…え、ほ、本当に?」
「はい…アルファスタに着いた頃にお医者さまに見ていただいたら間違いないと…」
「ありがとう、カトリーナ! ああ…そのうちにはと思っていたが、こんなに早く…嬉しい、嬉しいよ。本当にありがとう…」
ランドロフがカトリーナをぎゅ、と抱き締めて心底嬉しそうな顔で、涙を滲ませながら笑う。それを見たカトリーナも、ようやく緊張が解けてふたりは暫く一緒に微笑みあっていた。
あなたにおすすめの小説
幼馴染と夫の衝撃告白に号泣「僕たちは愛し合っている」王子兄弟の関係に私の入る隙間がない!
佐藤 美奈
恋愛
「僕たちは愛し合っているんだ!」
突然、夫に言われた。アメリアは第一子を出産したばかりなのに……。
アメリア公爵令嬢はレオナルド王太子と結婚して、アメリアは王太子妃になった。
アメリアの幼馴染のウィリアム。アメリアの夫はレオナルド。二人は兄弟王子。
二人は、仲が良い兄弟だと思っていたけど予想以上だった。二人の親密さに、私は入る隙間がなさそうだと思っていたら本当になかったなんて……。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
最近彼氏の様子がおかしい!私を溺愛し大切にしてくれる幼馴染の彼氏が急に冷たくなった衝撃の理由。
佐藤 美奈
恋愛
ソフィア・フランチェスカ男爵令嬢はロナウド・オスバッカス子爵令息に結婚を申し込まれた。
幼馴染で恋人の二人は学園を卒業したら夫婦になる永遠の愛を誓う。超名門校のフォージャー学園に入学し恋愛と楽しい学園生活を送っていたが、学年が上がると愛する彼女の様子がおかしい事に気がつきました。
一緒に下校している時ロナウドにはソフィアが不安そうな顔をしているように見えて、心配そうな視線を向けて話しかけた。
ソフィアは彼を心配させないように無理に笑顔を作って、何でもないと答えますが本当は学園の経営者である理事長の娘アイリーン・クロフォード公爵令嬢に精神的に追い詰められていた。
貴妃エレーナ
無味無臭(不定期更新)
恋愛
「君は、私のことを恨んでいるか?」
後宮で暮らして数十年の月日が流れたある日のこと。国王ローレンスから突然そう聞かれた貴妃エレーナは戸惑ったように答えた。
「急に、どうされたのですか?」
「…分かるだろう、はぐらかさないでくれ。」
「恨んでなどいませんよ。あれは遠い昔のことですから。」
そう言われて、私は今まで蓋をしていた記憶を辿った。
どうやら彼は、若かりし頃に私とあの人の仲を引き裂いてしまったことを今も悔やんでいるらしい。
けれど、もう安心してほしい。
私は既に、今世ではあの人と縁がなかったんだと諦めている。
だから…
「陛下…!大変です、内乱が…」
え…?
ーーーーーーーーーーーーー
ここは、どこ?
さっきまで内乱が…
「エレーナ?」
陛下…?
でも若いわ。
バッと自分の顔を触る。
するとそこにはハリもあってモチモチとした、まるで若い頃の私の肌があった。
懐かしい空間と若い肌…まさか私、昔の時代に戻ったの?!
「本当に僕の子供なのか検査して調べたい」子供と顔が似てないと責められ離婚と多額の慰謝料を請求された。
佐藤 美奈
恋愛
ソフィア伯爵令嬢は、公爵位を継いだ恋人で幼馴染のジャックと結婚して公爵夫人になった。何一つ不自由のない環境で誰もが羨むような生活をして、二人の子供に恵まれて幸福の絶頂期でもあった。
「長男は僕に似てるけど、次男の顔は全く似てないから病院で検査したい」
ある日、ジャックからそう言われてソフィアは、時間が止まったような気持ちで精神的な打撃を受けた。すぐに返す言葉が出てこなかった。この出来事がきっかけで仲睦まじい夫婦にひびが入り崩れ出していく。
死ぬまでに叶えたい十の願い
木風
恋愛
「あなたを妻として、愛することはない。おそらく、生涯抱くこともないだろう」
三年間の白い結婚——捨て置かれた王太子妃エリアーナに、側妃が『死の呪い』をかけ余命一年を宣告する。
離縁を願うも拒否され、代わりに「死ぬまでに十の願いを叶えて」と契約する——
二人きりの外出、星空、海…ささやかな願いが王太子の心をほどいていく。
私だけが愛して1度も笑ったことの無い夫が、死んだはずの息子を連れてもどってきた
まつめ
恋愛
夫はただの一度も私に笑いかけたことは無く、穏やかに夫婦の時間をもったこともない。魔法騎士団の、騎士団長を務める彼は、23年間の結婚生活のほとんどを戦地で過ごしている。22歳の息子の戦死の知らせが届く。けれど夫は元気な息子を連れて私の元に戻って来てくれた。
「女友達と旅行に行っただけで別れると言われた」僕が何したの?理由がわからない弟が泣きながら相談してきた。
佐藤 美奈
恋愛
「アリス姉さん助けてくれ!女友達と旅行に行っただけなのに婚約しているフローラに別れると言われたんだ!」
弟のハリーが泣きながら訪問して来た。姉のアリス王妃は突然来たハリーに驚きながら、夫の若き国王マイケルと話を聞いた。
結婚して平和な生活を送っていた新婚夫婦にハリーは涙を流して理由を話した。ハリーは侯爵家の長男で伯爵家のフローラ令嬢と婚約をしている。
それなのに婚約破棄して別れるとはどういう事なのか?詳しく話を聞いてみると、ハリーの返答に姉夫婦は呆れてしまった。
非常に頭の悪い弟が常識的な姉夫婦に相談して婚約者の彼女と話し合うが……