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一章
神殿へ行くには:壱
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「神殿…ですか?」
ステライド王国の騎士、灰夜は王太子からの呼び出しで謁見室に入った。
初めは、姫君の見張りを命じられるのかと思っていたが王太子は神殿に向かえと命じた。
神殿とは、アシュレという街に近い森の奥にあるとされている場所だ。しかし、本当に神殿があるとは思っていなかった灰夜は王太子からの指令に疑問を抱いた。
「神殿はある。だが、アシュレの街出身の者でなければ通さないと手紙が届いてな…」
「だから私が…と?」
「その通りだ」
神殿があるなんて聞いたことがない。しかし、孤児院出身で剣の腕を認められて特例で王国の騎士になったに過ぎない灰夜には拒否権がない。
「承知致しました」
「どうか…頼む」
王太子からの指令は、王国一に認められてなお無視できるものではなかった。
そのため、灰夜は謁見室から出るとすぐに自室に向かい外出の準備を始めた。
アシュレの街に着くと、灰夜は初めに孤児院に顔を出した。
自分を育ててくれた顔ぶれは、八年前と変わらなかった。
「おかえり、灰夜」
「ただいま帰りました」
灰夜の容姿はこの街から出た頃と変わっている。
金の髪は長く、後ろでひとつに結んである。目の色も本来ならば両方とも緑の色をしていたが先の戦で右目は使い物にならなくなってしまった。
ステライド王国の騎士、灰夜は王太子からの呼び出しで謁見室に入った。
初めは、姫君の見張りを命じられるのかと思っていたが王太子は神殿に向かえと命じた。
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「神殿はある。だが、アシュレの街出身の者でなければ通さないと手紙が届いてな…」
「だから私が…と?」
「その通りだ」
神殿があるなんて聞いたことがない。しかし、孤児院出身で剣の腕を認められて特例で王国の騎士になったに過ぎない灰夜には拒否権がない。
「承知致しました」
「どうか…頼む」
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そのため、灰夜は謁見室から出るとすぐに自室に向かい外出の準備を始めた。
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「おかえり、灰夜」
「ただいま帰りました」
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